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2021年10月10日 (日)

中国

米国の高官が中国外交トップと会談だって。
わたしがいったとおり、いま中国を叩いて喜んでいる日本人が、米国からはしごをはずされるのももうすぐだな。
だいたい今回の米中対立は、バイデンさん側の事情で、アメリカが吹っかけたものだということがわからんかねえ。
それに便乗してここぞとばかりに中国を叩くのがブームになってるけど、浅はかな日本人は依然として多い。

中国としてはただ黙々と大国への道を突き進んでいるだけで、文句をいわれるほどルール違反をしたわけでもない。
拡張政策という人もいるけど、中国はアメリカが中東でやってきたような軍事力で他国を睥睨するわけではなく、経済支援や技術協力のようなかたちでやっている。
これが問題なら、過去に日本がやってきたこともイケナイということになる。
西側がかならず持ち出すのがチベットや新疆などの少数民族への対応だけど、それはほとんど根拠のないものだし、なにもいま始まったわけでもない。
公平に見る気さえあれば、少数民族の側も繁栄の分け前を得ていることがわかるはず。

近いうち中国が台湾に侵攻するのではないかという見方もある。
そりゃないでしょうというのがわたしの見立て。
いま武力侵攻をすれば、間違いなく米国や日本との戦争になる。
ぜったいに勝てればいいけど、ヘタに負けでもしたら ———— 負けなくても決着のつけにくい長期戦になりでもしたら、それこそいい恥さらしだ(アフガンの米国を見よ)。
そんな危険を習近平サンが犯すはずがない。

中国の戦略は長い目で、とにかく国を豊かにすること、発展させることだ。
日本人は台湾人は全員が中国ギライだと思いがちだけど、台湾にはいまでも国民党という中国寄りの政党と、その支持者が一定の数だけいるのだから、中国が現在の米国なみに豊かな国になれば、公明正大な選挙をしたって、台湾は熟した柿のように自然に中国側に落ちる可能性がある。
なんでいま武力侵攻なんかしなくちゃいけないのだ。

いくら豊かになったって、あそこは個人の自由を抑圧する独裁国家だ、悪名高い共産主義国だ。
そんな国といっしょになろうという台湾人はいないという人がいるかもしれない。
しかし現在の中国はもはや共産主義国とはいえない。
いま恒大グループという企業がつぶれるかどうかと騒がれているけど、これは中国が資本主義のルールを守っているということの証明ではないか。
もちろん中国政府はその崩壊をなんとか食い止めようとするだろうけど、これはリーマンショックの二の舞を避けるためで、かっての共産主義時代の非常識を押し通そうというわけではない。

たとえば香港。
一国二制度を守らないのがケシカランという人もいる。
しかし永久にその制度を守ると誓約したわけでもないし、そもそもひとつの国のなかでふたつの制度というのが不自然なことなのだ。
中国は約束通り、99年間という英国との租借期限が来てから香港を取り戻した。
しかもそのあと20年ほど一国二制度も遵守した。
これのどこがルール違反なのか。
中国が現在のような域内の大国と認められるようになってから、その制度を廃止するのに、他国に干渉する権利があるだろうか。
抑圧ばかり目立つけど、香港住民のうちの年寄りたちはみんな、中国が(毛沢東の時代にくらべれば)いいたいことをいえる国になったなと認めている。
アメリカなみの自由をよこせというのは、最近の若い世代ばっかりだ。

いまだに中国をけなして喜んでいる人たちは、どうして中国ばかりを責めるのか。
これでは中国や北朝鮮はさておいて、日本ばかりを責める韓国とどこが違うのか。
たぶん自分たちがバカにしていた国が、いつの間にか自分たちより強大な国になるのが恐ろしいのだろう。
だからといって相手がルールにそったやり方で成長するのを、ルールを無視したやり方で阻止しようというのはフェアじゃない。
中国もいろいろな問題を抱えているのだ。
日本は正々堂々としたやり方で、極東アジアのかなめになるべきである。
繰り返すけど、今回の騒動はアメリカのほうが持ち出したことで、それもそろそろ沈静化しようとしている。
中国叩きをして喜んでいる人たちは、はしごをはずされないように気をつけたほうがよい。

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