しがない生活
ポール・ニューマンの映画に「動く標的」という傑作ハードボイルドがあって、その冒頭に、起きたばかりのニューマン扮するしがない私立探偵が、コーヒーを飲もうとしたらそれが切れていたことに気がつくシーンがある。
うーんと考えた彼は、あ、そうそうと、前夜に使ったコーヒーのペーパーフィルターをゴミ箱から拾い上げ、それでもういちどコーヒーをいれるのだ。
なんでそんなことを書いたかというと、そう、今朝のわたしも同じようなことをしたからなのだ。
わたしはコーヒーが好きではない。
それでも慣習というか、お決まりのルーチンというか、あるいは癖、なりゆき、アホらしい流行というかに乗って、起き抜けにインスタントのコーヒーを飲む。
見たら昨夜飲んだコーヒーが、マグカップのなかに半分以上残っていた。
もったいない。
わたしはいま流行りのSDGsの信奉者で、持続可能な繁栄をめざすべきという信念の持ち主でもあるのだ。
マグカップを電子レンジでチンすればまだ飲める。
というわけで朝からまずいコーヒーを飲んでいるのだ。
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