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2022年3月30日 (水)

プロパガンダ

ネットニュースを眺めていたら、中国は情報を遮断して、国民に真実を知らせないという記事があった。
その割には、わたしの中国人の知り合いは世界のこともよく知っていて、わたしのブログも読んでいたし、「中国人モンちゃん」の映像も観られるといってたけど、彼女だけなにか特殊な情報入手の方法があるのかも知れないから、情報遮断という点は認めることにしよう。

今朝のネットニュースを見ておどろくのは、あいかわらずデマやプロパガンダが多いこと。
デイリー新潮がソースの記事に「子供、妊婦、新生児を虐殺するロシア軍、まるで『地獄の黙示録』」というものがあった。
新潮っていったらあの新潮社でしょ。
どっちかというとわたしの好きな出版社だけど、これってまるっきりのデタラメでしょ。
デタラメでなければ、ウクライナか米国が発信したニュースのまる写しでしょ。
だいたい「地獄の黙示録」に描かれた残虐行為そのものが、アメリカの引き起こしたベトナム戦争が舞台なんだぜ。
しっかりしてくれよ、新潮さん。

わたしはロシア国内の実情がわかるニュースはないかと注意しているんだけど、これはなかなかむずかしい。
たとえば公平で客観的であるはずのNHKニュースにしても、あ、これはウクライナ側の撮影した映像だ、あ、これは米国のテレビ局が流したニュースだということで、ロシアからのニュースがほとんど入ってこない。
先日ロシアのテレビ局で女性が反戦プラカードをかかげたというニュースがあり、プーチンの側近が造反したなんて報道もたまにあって、お、これはと期待したけど、100人のなかにひとりかふたりでもそういう人間がいれば、アメリカの報道局が大喜びでそればかり強調することは目に見えている。
本当に注目しなければいけないのは、反戦プラカードの女性や、造反した側近のその後であって、彼らが問答無用でシベリア送りか、粛清されたのならともかく、いまんところ仕事をクビになったくらいで済んでいるようだ。
さらに注目すべきは、そんな映像がどうしてこちら側にすんなり伝わったのかということで、これはロシアのテレビ局内にも反戦活動家がいることの証明になるだろう。
さらにさらに注目するなら、アメリカにもアサンジ君のような異端児はよく登場するものだから、ロシアもアメリカ並みの開かれた国になったことの証明にならないか。
ここまで深く注目すると、いささかこじつけがましいから止めておくけど、わたしが知りたいのは、ロシア人全体で、プーチンを嫌う人、反戦を叫ぶ人の割合がどれほどいるのかということである。
あいにく信頼するに足るそんな報道が見つからないのだ。

現在は情報操作の時代ということで、戦争もまったく新しいかたちになってきた。
米国はちょくせつ参戦せずに、プロパガンダだけでロシアを追い込むことができる時代なのだ。
ひとつみなさんに聞きたいけど、ロシアにしても中国にしても、プーチン以降、鄧小平以降に、侵略戦争をひとつでも起こしたことがあるだろうか。
あったら教えてほしいや(同じことをアメリカもしてないかよく考えたうえで)。
にもかかわらず、ロシアは新しい帝国の建設を目論んでいるというニュースも目にすることがある。
ロシア一国だけでそんなことが可能かどうか議論されたこともないのに。

情報戦というのはこういうものだ。
なにをいっても、いくらグローバル大国になろうと努力しても、まわりは共産主義の独裁国家であるとしか見てくれない馬鹿ばかりとしたら、ロシアや中国がこちら側の情報を遮断したくなるのももっともだ。
こういう時代に大事なのは、私たちのひとりひとりがもっと賢くなり(ついでに疑い深くなり)、溢れるプロパガンダに踊らされないようになることしかない。
国の分裂を防ぐ方法が、他人を悪者扱いすることしかないとすれば、米国の落日は始まっていて、もはや止めることはできないと岸田クンに教えてやらなくちゃ。

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