河添恵子サン
相手は著名人らしいから、こっちも遠慮なく名前を出す。
河添恵子サンという人が YouTubeで、「英国は世界になにを輸出したか」というタイトルの映像を発信していた。
わたしはこの人をぜんぜん知らなかったけど、ノンフィクション作家という肩書きがついていたから、そっちのほうでは有名な人かもしれない。
英国は世界になにを輸出したのか。
まじめな質問なのか、それともなにか寓意のある質問なのか、興味がわいたので観てみた。
気になったのが、恵子サンは中国の“清”のことを“秦”と間違えていること。
たんなる誤変換かと思ったけど、少なくとも3回は同じ間違いを繰り返し、満州人の国だったと書いているからダメ押しつきだ。
素人ならともかく、いちおう作家の肩書きをつけた人が、しかも世界に発信されるYouTubeでこんなミスをするとはと、しばし絶句。
それでもわたしは相手の立場を、まして女性のことならいっそう考えるやさしい男であるから、これはたぶん彼女の発言を文章に起こし、キャプションをつける人間がべつにいて、そいつが間違えたのだろうと考えた。
いまごろ彼は、アタシに恥をかかせたと恵子サンに怒鳴られているのではないか。
そのうち映像が削除されてしまうかもしれないから、いちおうリンクを張っておくね。
https://www.youtube.com/watch?v=0-9ebcuBjNU&t=153s
もうこれだけで最後まで見る気がなくなったけど、彼女はそこつな人のか、それともだれかに操られているのか、内容も偏向と認識不足がありあり。
英国が世界に輸出したのは“英語”だという。
これはたしかに、外国旅行が好きなわたしみたいな人間にはうらやましい話だ。
英語が話せればもっと外国人とも意思の疎通がはかれて、わたしもサムセット・モームみたいな作家になれたかもしれない(冗談よ、冗談。最近はこんなことでも本気にするバカが多いから)。
彼女の見解では、英国は英連邦といって、53もの国家を束ねる頂点の国だから特別なんだそうだ。
その結束を頼りにEUから脱退したのかもしれないけど、現在では英王室がすべてを取り仕切れると考えるほうが時代遅れなのに。
メンバーが多ければ多いほどいいというのは、国家がそれぞれ異なる意志を持ち始めた現代には、かえって逆効果になる場合がある。
いい例がNATOで、メンバーを増やしすぎたおかげで、ウクライナの加盟をめぐっても、ロシアに同情的なトルコがいるために意志が統一できない。
英連邦の国でも、インドは公然とアメリカに反抗する始末だ。
核保有国であるから英国は軍事大国だともいう。
この国の大国ぶりは暴力団のようなアメリカが後ろ盾にいるからで、英国だけではとても軍事大国とはいえないし、日本は核保有国ではないけど、いまや英国以上の軍事大国という見方もできるのだ。
中国の習近平さんが訪英したときと、トランプさんが訪英したときでは、いまでも語り草になるほど対応が180度ちがったけど、わたしなんかは落ち目の英王室が、つまらないプライドにこだわるなと思ってしまったほうだ。
そういう国が目下、米国と組んで復活の最中だという。
しかしわたしにいわせると、米国は国家が分裂、崩壊するしかない状況で、英国と足並みをそろえて凋落中である。
原因は増大する格差を放置し、貧乏人は病気にもなれないという社会をそのままにしておくせいだ。
アメリカ大統領というのはひとにぎりの富裕層の代表にしかすぎないから、そういうことを改革できるわけがなく、ヤケになって他国にケンカを売ることで、なんとか国体を維持しているのである。
河添恵子サンの映像をよく観てみると、「未来ネット」という、いわゆるネトウヨ系の、中国(やロシア)を貶めて喜んでいるサイトが発信しているものだった。
恵子サンはそのメンバーのひとりで、頭が空っぽだという女性のもって生まれた特質を、世界にどうどうと発信しているわけである。
あ、これはわたしだけの信念なので、だれも同調する必要はアリマセンよ。
いったいどうしてこうケンカを売るばかりで、相手と仲良くしようというYouTubeやブログが少ないのだろう。
そんなに難しいことだろうか。
ただ歴史や文化を尊重し、相手には相手の事情があると考えるだけでいいのに。
「山川異域 風月同天」という漢詩をやりとりして、お互いが信頼関係で結ばれていたころをもう忘れたのだろうか。
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