影の傭兵部隊
あいかわらずウクライナの話題。
なんでそんなにロシアの味方ばかりするんだという人がいるかも知れないけど、ウクライナの応援をしたい人には世間にごまんと情報があふれている。
わたしはプーチンが好きだから、少数派であることは承知の上でロシアの声援を買って出た。
そればかりじゃない。
ひとつの国が国民の思想まで自由自在に操れるという事態を見過ごすことはできないのだ。
目下の日本は、ロシアは悪という意見で統一されていて、異論をいえばノータリンのユーチューバーたちに頭から弾圧され、公共放送であるNHKまで国民の鼻先を、強引に同じ方向に向けようとする。
このままではかってあったことが繰り返される。
ああ、わたしが止めなけりゃだれがやる(自己陶酔)。
昨夜のNHKは「ワグネル・影のロシア傭兵部隊」という番組を流した(再放送らしいけど、わたしが観たのは初めて)。
観なくてもおおよその内容はわかるけどね。
案の定、徹底的にこの部隊の極悪ぶりが描かれていたけど、べつに驚くようなことじゃない。
傭兵という正規の軍隊でない軍隊なら、たとえば有名なフランスの外人部隊でも、やっていることは似たようなものだろう。
正規軍で間に合うなら傭兵部隊が必要になるわけがないし、身分保障も法律の保護もない傭兵なら仕事は荒っぽくなるのも当然だ。
だからわたしはワグネルについての報道は間違ってないと思う。
ワグネルの創立者はナチスの信奉者、つまりネオナチストだそうだ。
これを聞けばだれでもウクライナのアゾフ連隊のことを思い浮かべる。
しかしNHKによれば、ワグネルは悪辣非道な軍隊だけど、アゾフは正規軍と変わらないと同情的だった。
アゾフもワグネルも同じ目的のために作られた、いや、もともとウクライナはロシアを見習ってアゾフを作ったのだろう。
あまっちょろいキレイごとばかりを信じているのは日本人ぐらいのものだ。
この番組はプロパガンダとしては幼稚なものとしかいいようがない。
あとはみんなの判断におまかせして、もうちっとおだやかな話題に変えよう。
戦争の初めにプーチンは、ウクライナはロシアにとって特別な国だといった。
おそらく、本当にロシアの芸術や文学を愛している人なら、その気持ちはわかるのではないか。
わたしにいわせるとロシアとウクライナは兄弟のような国であり、たまたま政策をめぐって兄弟ゲンカを始めたところに、ふだんからこの兄弟を仲違いさせようと思っていたアメリカや英国が加勢に入っただけのように見える。
日本はろくな事情も知らない野次馬だ。
ケンカの仲裁に入るどころか、ここぞとばかりにアメリカに追従して、プーチンの足を引っ張り、戦争を長引かせることに加担する。
ムソルグスキーの「展覧会の絵」という組曲のなかに「キエフの大門」という曲がある。
ウクライナ戦争のおかげで日本はさっさと、ウクライナの首都である“キエフ”を“キーフ”に改名した。
ロシア語だからケシカランということらしいけど、ほんと、ゴマスリだけは上手くなったもんだ。
長いあいだ親しんだ名前があっという間に消滅する。
まあ、これはわたしのまったく個人的な感傷だけど、キエフがキーフになるだけで、ひとつの文化が消滅したようでつくづく悲しい。
そういえば“ロシア”という国名も、起源はロシア、ウクライナ、ベラルーシにまたがるキエフ大公国の古都ルーシから来ているという。
いまでもロシア人はキエフを、ロシアのすべての都市の母としているそうだから、プーチンのいった、ウクライナはロシアにとって特別な国だというのはデタラメではないだろう。
信頼していたウクライナがNATOに取り込まれていくのを、プーチンはどういう目で見ていたのだろうか。
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