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2022年6月

2022年6月30日 (木)

また更新

一日ひとつの更新にしたいのに、あ、今日のヤフーニュースを見ていたら、NATOがロシアを事実上の敵国認定だって。
おかげで本日2度目の更新だ。
冷静に、冷静にの続きだよ。

何度でも繰り返しちゃうけど、プーチンのロシアがウクライナ以外にNATOの国に侵攻したことがいちどでもあったかね。
最近のロシアが参戦した戦争はと考えてみたけど、アフガンやシリアの内戦に関わったこと、国内のチェチェンを武力で抑え込んだくらいで、いずれも侵攻とは意味が異なる。
アフガンはプーチン以前の話だし、その戦争を引き継いだのは、なんとあの米国なのだ。
シリア内戦介入も反対側にはアメリカがいた。
チェチェンはたまたま世界中にイスラム戦士たちが荒れ狂った時期の、ロシア国内のイスラム教徒の反乱で、これは国内問題とみなせば、ほかにプーチンが関わった他国への侵略が一件でもあっただろうか。

ウクライナについては、このブログを続けて読んでいる人なら、いくらかはやむを得ないと信じてもらえるはずだ。
なによりウクライナはまだNATO加盟国ではなかった。
NATOがダメならEUがあるさと、ウクライナはEU加盟を狙っているらしいけど、国内の汚職問題を片付けてから来いなんていわれている。
ウクライナが東南アジア型の腐敗した国という証明だね。

NATOというのは同盟に参加している国がよそから侵略された場合、同盟国が一致して対応するという集まりだそうだけど、これからもロシアがヨーロッパに侵攻することは考えられないから、暖簾に腕押しってことになるんと違うか。
ロシアにしてみれば、しばらく引きこもりに徹しているだけで、エネルギー高騰にネを上げたヨーロッパのほうが先に降参しそうだし、NATOの後ろ盾であるアメリカの瓦解ももうすぐだ。
おたおたしているのはこちら側だけにしか見えません。ハイ。

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冷静に、冷静に

ああ、またロシア擁護だよ。
昼間録画しておいた「キャッチ、世界のトップニュース」という番組を、夜中に観てるんだけど、世界のとはいうものの、最初が英国BBC、そのつぎがスペイン、ドイツ、ウクライナからのニュースで、こんなメンツではロシア吊し上げになるのが当然だ。
公平を旨とするわたしのブログが、ロシア擁護の記事になるのも当然なのだ。

スウェーデンとフィンランドのNATO加盟に、ロシアと仲のよいトルコがついに支持するということで納得したらしい。
これでますますロシアが追いつめられる?
アホなことをいってんじゃない。
世間では悪だ非道だと責められているロシアが、ウクライナ以外の国に軍事侵攻をした例がひとつでもあっただろうか。
ロシアは恐ろしい侵略国家だなんていう人がいるけど、プーチンが日本の脅威であったことが一度でもあるか。
ロシア艦隊の津軽海峡通過?
日本人もたくさん見物に行ったって話だけど。
つまり騒いでいるのは全部、日本とこちら側だけで、ロシアも中国もなにもしないのに一方的にケンカを売られて、目をパチクリしているんじゃないか。
冷静に考えてほしいね、冷静に。

スウェーデンとフィンランドも勝手におびえているだけで、ロシアからすれば、もともと侵攻なんかするつもりがないんだから、お好きにしなせえというところだろう。
冷静に、冷静に。

番組の最後はロシアのニュースが出てきたけど、ウクライナのショッピングセンターへの爆撃について、当然ながらロシアは西側の捏造だという。
NHKはこれにこだわって、捏造ではないという反論映像にやけに詳しい説明を加えていた。
ロシアもアホなことをする。
捏造するより、じつは誤爆でしたと正直にいえばいい。
誤爆はアメリカだって、イラクやアフガンでたくさんしているんだから。

ニュースのあいまにNHKのアナが注釈みたいなことを言っていた。
NATOのメンバーが増えれば、利害関係が複雑になって、ますます動きがとれなくなるだけだと、これはラブロフさんにも皮肉られていたね。
G7は和気あいあいのうちに終了したというけど、けっきょく結束が示されたとか、認識が一致したとかいうだけで、じっさいの効果的な取り決めはなにひとつなかったそうだ。
これでは腹に一物のあるドイツやフランスも、和気あいあいになるのが当然だ。
国際政治というのは表面から見える部分だけで判断できるほどアマイもんじゃないんだよ、キミ。

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2022年6月29日 (水)

いいたい点

ウクライナ戦争については、世間には深く考えもしないで、表面的なことばかりで是非をつけたがる人が多い。
他国を侵略するのは悪い、戦後秩序を暴力で変更するのは悪いと、まあ、このへんはわかりやすい。
わかりやすいから扇動するほうも楽だ。
それに比べると、わたしは裏の裏まで読んで、相手には相手の事情もあるでしょうと考察するタイプ。
こういう人間心理の奥底に迫るような話を、単純な人たちに理解してもらうというのは大変だ。

今回はひとつだけ強調しておこう。
わたしはウクライナ戦争が始まったころからずっと、どうして米国はそれが始まるのを止めなかったのだろうと疑問に感じてきた。
むずかしくはない。
ウクライナがNATOにすり寄るのを、いまは時期尚早だと制止するだけでよかったのだ。
それだけで双方の兵士が死ぬのも防げたし、ウクライナのショッピングセンターが爆撃されるのも、アメリカのガソリンが高騰するのも、世界の経済がはちゃめちゃになるのも(これはかならずしもウクライナ戦争のせいではないかも知れないけど)、いま世界に押し寄せている混乱のほとんどは防げたのだ。

そんなことをいうとかならず文句をいう人がいる。
悪いのはロシアだ。
どうして侵略した側に配慮しなければならないのだ。
こういう言い方を聞くたびにうんざりする。
わたしがいうのは単純な問題で、ようするに損得勘定ということだ。
どちらかが言い分をひっこめるだけで、話がおだやかに収まるのと、徹底的にこじれて犠牲者が積み上がるのとではどっちがマシかということである。
ウクライナがひっこむということは降伏するということで、降伏すればウクライナ国民は悲惨な状況に置かれるという人がいる。
わたしがいいたいのはまさにこの点なんだけどね。

降伏したあと、ウクライナ国民がかってのナチス時代のユダヤ人のような境遇に置かれるなら、わたしも安易な妥協は勧めはしない。
しかしそんなことは絶対に起こらない。
それまでウクライナとロシアのあいだには、差別はおろか、障壁というものがまったくなかった。
往来が自由なら、ウクライナ人とロシア人が結婚するのも自由だし、じっさいにわたしの知り合いのロシア娘は、夏になるとウクライナにいるおばあちゃんに会いに行くのが楽しみといっていた。
だから虐殺だとかレイプを持ち出す人たちの意見はまったく信用できない。
ましてプーチンはかってのロシア帝国の復活を目論んでいる、などという意見はまったく、考慮にすら値しない。

ウクライナはどうしてNATO加盟にこだわったのだろう。
ウクライナについて知れば知るほど、この国がオリガルヒに蝕まれた東南アジア型の国であることがわかる。
それはロシアをとりまく国にろくな指導者がいないことでもあきらかだ。
プーチンに干渉されたくないというのがウクライナのオリガルヒたちの願望で、それがNATO加盟に走った原因だろう。

アメリカはなんで介入したのだろう。
これもこのブログで何度も主張してきたけど、バイデンさんにとっては、ふたつに分裂した国家をひとつにまとめるのに都合がよかったからだ。
いや、最近のバイデンさんの言動を見ると、もうボケがはじまっていて、米国の軍事産業の思いのままになっているんじゃないかという印象もある。

戦争がここまでこじれるまえに、どうして日本はお互いをなだめる立場に専念しなかったのだろう。
それだけでロシアと永遠に対立関係にならずにすみ、世界はこれまで通りで、美しいロシア娘、ウクライナ娘たちがわさわさ押し寄せてきたのにと、最後は旅行好きのわたしの願望まで入ってオシマイ。

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2022年6月28日 (火)

お粥

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最近お粥にハマっている。
この12日に食あたりをして、そのとき自分でお粥を作って食べたんだけど、わたしみたいなじいさんには、これはなかなか重宝な食べもの事だ。
最初はネット上のレシピを参考にしたけど、極意が要るような料理じゃないから、たちまちベテランになってしまった。

わが家にはひとり者用の土鍋があったから、これに米半合を入れ、550ミリリットルのペットボトルの水をどばどばとそそぐ。
これを最初は中火、沸騰したらあとは弱火でチョロチョロと、15分から30分ばかり炊く。
ころあいを見計らって(というのは米をあらかじめ水にひたしておいたり、してなかったりと、その日の都合でころころ変わるから)、つまり適当に目で見て判断してコンロから下ろす。
まだ熱いお粥に塩分のあるもの、梅干しやキムチや、自家製漬けものを乗せて、はふはふいいながら食べる。
これは胃に負担が少ないし、若いモンが想像する以上に美味しいぞ。
昼間は冷奴ばかりだし、わたしの胃は順調に退化するんでないか。

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2022年6月27日 (月)

NHK

アメリカでは、ウクライナ戦争でバイデンさんを支持する人の割合が、戦争が長引くとどんどん低下しているそうである。
バイデンさんはほかにも、銃の規制だとが、妊娠中絶法のジャッジだとか、自らが招いた地球温暖化対策の矛盾と、それと関連のあるエネルギー危機でガソリンの高騰など、抑え込まなければならない問題が山積しているので、ウクライナにばかりかかわっちゃいられない。
日本人までウクライナへの関心が薄れちゃ大変だというわけで、いまやアメリカ以上に国民をだまくらかすのに熱心なのがわがNHKだ。

昨夜のテレビに「ウクライナvsロシア “情報戦争”最前線」という番組があった。
ひよっとすると公平で客観的なものかと期待していたんだけど、参加していたゲストの顔ぶれは、ロシア政府にいじめられているロシアの反体制メディアのきれいなオンナの人、米国のシンクタンクの研究者、ロンドン王立なんとかのかんとか氏、日本人のNTTに所属する知的な顔のオンナの人、そして司会はもちろんNHKのアナウンサーだ。
ロシア側からはひとりも参加していない。
これでいったいどんな公平な番組が作れるというのかね。

案の定、徹底的にロシアを吊し上げ、おかしいくらいロシアの非道ばかりを強調する単細胞的な番組となっていた。
観ていてちょっと気になったのは、いったいこの番組はいつごろ作られたのだろうということ。
なんだか戦争が始まって間もないころ作られた番組のような気がしたので、再放送だったのだろうか(と思ったらその通りだったけど、初回放送は2022年6月4日だというから、それほどむかしというわけでもない)。
その後の状況の変化をながめると、NHKってまともに取材している報道機関とは思えないね。

たったいまはBSのプレミアム・コンサートを観ているんだけど、今夜はバルト3国のひとつラトビアのオーケストラが出ていた。
もちろんほかの時節ならラトビアのコンサートがあってもおかしくない。
しかしいまの時期というと、やっぱりウクライナがらみでと思わざるを得ない。
こうやってなりふりかまわずウクライナ一辺倒の番組をでっち上げ、国民の支持をつなぎとめようと腐心することこそ、追いつめられているウクライナの困窮ぶりと、NHKのあせりの証明なのではないかと思ってしまうではないか。
もうすぐ参院選だ。
ホント、性格を改めないとNHK党に乗り換えちゃうぞ。

細かいことにいちいち触れている時間がないんだけど、どこが一辺倒だという人がいたら、コメント欄で質問してもらってかまわない。
どんな質問にでもきちんと答えよう。

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2022年6月26日 (日)

暑い日

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暑い日だそうだ。
6月の暑さとしては最高記録だそうだ。
高齢者のわたしは熱中症をさけるために冷房をかけて寝た。
朝になってベランダに出てみると、なんとなく風がさわやかだ。
これならもしかすると、というわけで冷房を切ってしまって、そのかわり部屋の南北の窓を全開だ。
うん、だいじょうぶ、これなら冷房なしでも眠れそう。
わたしの部屋は2階でわりあい風通しはいいし、目のまえはアカシアがいい日陰をつくる花壇なのだ。
これでどこまで頑張れるか、とうぶんエアコンなしだ。
電気代より蚊取り線香代を心配しなくちゃならんね、今年は。

添付したのは近所(といっても自転車で30分ぐらい)の写真。
時期的にすこしまえの写真だけど、涼しそうなところでしょ。

じつはこの更新はもっと早い時間にするつもりだったけど、夕方からココログのほうにトラブルが発生したらしく、サーバーとつながらなくなってしまった。
夜の10時ごろになってようやくOK(*_*;

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2022年6月25日 (土)

あくどい

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iPad miniを買った。
これまで使った品がときどき不安定な反応を示すようになったので。
店で何年使いましたかと訊かれたので、8年と答えると、それはすごいですねという。
いまのこういう機器は5〜6年ぐらいが普通なんだそうだ。
そんなことをいわれると不安になってしまう。
もう寿命のみじかい年金暮らしのわたしは、これを最後にしたいのに。

わたしは新しいモデルが出るとすぐに飛びつく人間じゃない。
ゲームもやらず、調べものやブログ記事の制作など、きわめて実用的に使っていて、寝るときベッドの中でも使うし、海外旅行にも持っていった。
Miniのサイズはバックに放り込んで旅行に持っていくのに最適の大きさで、肌身離さずという言葉がぴったり、もはや女房同然なのである。
女房ならとっくに飽きていたかもしれないから、8年は確かによくもったほうだろう。

ペンシルもつけますかという。
持ってますと返事すると、古い型式はこれには使えませんという。
(・∀・)
まったくあくどい会社になったよな、アップルって・・・・
ペンシルは1万円以上するんだぜ。

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2022年6月24日 (金)

沖縄/密林のはざま

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ようやく雨が止んだので、儀助たちは南風見村からふたたび仲間村にもどった。
まえにキナ丸を与えた老夫婦に会うと、あまり薬に縁のない人々だから予想以上に効き目があったようで、病気が回復しましたと嬉しそう。
ただ中央から来た役人からじきじきに薬をもらったことについて、地元の役人をはばかる口調だったという。

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仲間村はなにもないところだけど、現代では仲間川の河口からクルーズ船が出ていて、両岸に生い茂るマングローブを眺めながら、上流にある天然記念物のサキシマスオウノキを見物に行くことができる。
西表島では浦内川のクルーズも知られていて、こちらは船の終点からその先のふたつの滝まで、山道をけっこう歩くことになるので、足の弱い年寄りや幼児を連れた家族などは仲間川クルーズのほうが楽である。
ここではわたしか体験した仲間川クルーズの写真をすこし。

儀助たちは仲間村では役場の建物に泊まることになった。
ここは村のなかのよさそうな家を貸間として利用していただけで、竹で作られた床にゴザを敷き、戸板は立てかけてあるだけ、それをロープで縛ってあったというから、あまり上等な家ではなさそうだ。
となりの部屋におばあさんが2人いて、3匹のイヌといっしょに暮していた。
晩飯のとき儀助は彼らの食事のようすを観察してみた。
主食はサツマイモで、イモの本体を人間が食べ、イヌにはむいた皮を与える。
最後にあまったものは人間とイヌが仲良く分け合っていたというから、明治時代のイヌの食生活がうかがえる。
ネコも当時はご飯にみそ汁をぶっかけた猫マンマで文句をいわなかったから、このころの犬猫は身のほどをわきまえていたようだ。

儀助たちが食事をすると、イヌは土足でゴザの上に上がってきて尻尾をふった。
八重山では人間も土足で部屋を歩きまわるのがフツーだったから、儀助は文句もいわずにイヌの目のまえで玉子かけご飯を食べた。
たぶん黙々と。
憮然として。
このイヌはペットではなく、イノシシを追い払うためのもので、どんな貧しい家でも3匹~6匹は飼っていたそうである。
孔子の言葉に“苛酷な政治は虎よりひどい”というものがあるけど、八重山ではイノシシの害が苛酷な政治よりさらにひどかったのだ。

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この家で儀助は琉球式の雪隠(トイレ)について、よほど感動したのか、詳しく書いている。
その構造は、丈が4尺、巾が3尺、萱で囲いが作ってあり、敷板は2、3寸の丸太だったという。
あまり詳しい説明はしたくないけど、ウンコを落とす穴は3寸(10センチほど)4方ぐらいの穴で、オシッコはそのまま丸太のあいだに流すとか。
慣れれば簡単でいいとはいうものの、周囲の萱が生い茂って大蛇の巣窟みたいだなと儀助は思う。
たまたまこのとき彼は下痢ぎみで、夜中にトイレに行かざるを得なかった。
雨が降ったり止んだりしていたので、まっ暗ななかを傘をさして出かけていき、トイレでうーんと力んでいると、何物かが彼の尻をぺろりとなめた。
うわあ、出たあ。
てっきり毒蛇でもあるか、志しはまだ道半ばであるのに、オレはついにこんなところで果てるのか(儀助はときどきオーバーな言い方をする)。
ところがこれはトイレの下で飼われていたブタの仕業だった。
沖縄では農家がみんなブタを飼っていることはすでに書いた。
ブタは人間が落としたものをよろこんで食べ、人間はそのブタを食べる。
べつにめずらしくない。
わたしはロシアの農村で、やはり下がブタ小屋になっているトイレを見たことがある。
便秘になったらブタに気のドクだなと、儀助はいらん心配をしていた。

このあと儀助はガイドを仕立てて、仲間川から御座岳を経由し、西表島を縦断することになるけど、それは次項にゆずって、ここでは縦断したあとの彼の足跡をたどることにしよう。

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島を縦断して、儀助はようやく出発地点の租納に帰りついた。
租納でまた村のつまらない経済白書を点検したあと、翌日、彼は内離(うちばなり)島にある三井炭鉱の視察をする。
儀助が旅をしたころ、ここには成屋村という村があり、大正年間に廃村になったというから、衛星写真に痕跡が残ってないか探してみた。
写真の◯印の中に畑の跡のようなものが写っていて、東の方角に租納村が見えたという位置的にも合致するから、これがそうらしい。
すぐ上の3番目の写真は、白浜港から眺めた現在の内離島だ。

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現在、内離島には連絡船がないから、一般の観光客がここへ渡ることはできない。
しかし最近ではシーカヤックやカヌーによるアクティビティがたくさんあるので、観光客が内離島や外離島などの離島はもちろん、西表島を一周してしまうことも可能なようだ。
え、わたし?
カヤックなら前々からいちどやってみたいと思っているんだけど、じいさんがやるものじゃないから一度もやったことがないワ。

西表島は石炭の島である。
儀助が島を縦断中にも、あちこちに露出した石炭の鉱脈を見たという記述がある。
石炭というのは数千万年から数億年まえの植物が地中に埋もれて出来たということを、これは小、中学のころ教わったから、ということは西表島はそんなむかしからそこにあったということになるのか。
これは思索に値するけど、わたしの手に負えない科学の専門分野のようなので割愛。

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成屋村には三井炭鉱の第1鉱区があった。
まだ汽車も船も石炭で走っていたころだから、燃料を産出する西表島は貴重な島だった。
儀助はここの事務所で、三井の代理人である三谷なにがしから、創業以来の沿革や経営状況についていろいろ説明を聞く。
じつは彼が訪問したころ、すでに炭鉱経営は山に乗り上げていた。

この島の石炭層はいちばん厚いところで4尺2寸(130センチほど)、それ以外でも3尺2寸を下らなかったという。
そんなことを聞いても素人にはわからないけど、島全体では埋蔵量は300万トン以上あり、さらに掘り進めれば下のほうにはもっと優良な鉱脈が埋蔵されている可能性があって、ほとんど無尽蔵だったという。
産出した石炭は中国の福建省、アモイ、香港などでも販売されていた。
三井財閥が乗り出したくらいだから、まあ、優良な炭田だったのではないか。

経営状態を尋ねると、ある年の経費が3100円あまりで、販売実績は2402円だったそうだ。
これでは赤字である。
このあとに経費の内訳があって、鉱夫として現地の沖縄県民以外に、仮監獄を作って懲役人を150人ぐらい使っていたらしい。
囚人まで労働にかり出すのはひどいかも知れないけど、そんなことはたいていの国がやっていた。
ジャニス・ジョプリンの歌で知られる「ボール・アンド・チェン」という曲は、米国の囚人労働を歌っているし、「レ・ミゼラブル」でジャン・バルジャンは、囚人として使役されているとき海に飛び込んで脱走しているのだ。
しかしここも例のとおりマラリアで死ぬ人間があとを絶たず、3年間で100名以上の鉱夫が失われた。
儀助が視察したころ、炭鉱は経営不振で閉山の決定が出されたばかりだったのだ。

炭鉱の歴史というのは日本経済の変転をよく物語っている。
戦後になってエネルギー政策の変更があり、石炭が石油にとって変わられると、炭鉱の閉山が相次いだ。
九州の筑豊、三池炭鉱、北海道の夕張炭鉱などなど、それまで基幹産業だった炭鉱の閉鎖は社会的にも大きな問題になった。
五木寛之の「青春の門」や、映画「にあんちゃん」などに、当時の炭鉱町のようすが描かれている。

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連絡船がない内離島に比べると、西表島の炭鉱のうち一般観光客がもっとも簡単に見学できるのが、浦内川のクルーズ船の発着場から1キロほど入ったところにあるウタラ炭鉱跡だ。
炭鉱というとどうしても非人道的で過酷なイメージがついてまわるけど、この炭鉱は、少なくとも開業当初は文明的なものだったようだ。
経営者の野田小一郎社長は、劣悪な条件の改善を進めていた。
十数万円の費用をかけて総2階建て400名収容の独身寮や、十数戸の夫婦用宿舎、売店などの各種設備が備わり、労働者の娯楽のため300名を収容できる集会場では、芝居の上演や映画の上映が行われた。
注目すべきは、衛生状態を改善するため住居にガラス窓が多用され、上下水道や防蚊装置、大浴場、診療室が整備されていたことである。
おかげでマラリアの罹患率は、西表島の炭鉱の中でも抜きん出て低かったそうだ。
どうやらウタラ炭坑は例外的に文明的・模範的な炭鉱だったらしい。
長崎の軍艦島も厚生施設の完備した炭鉱で、韓国の坑夫たちはいい給料にひかれてやってきた者がほとんどであることがわかっている。

しかし太平洋戦争の勃発で、ウタラ炭鉱も採掘が立ち行かなくなり、昭和18年(1943)に閉山になった。
いま建物はほとんど残っていないけど、レンガの柱にまきついたガジュマルの根が、アンコールワットの廃墟のようで一見の価値はある。
わたしがここへ行ったときは、廃墟にビール瓶が散乱しているのを見たけど、あれは閉山でヤケッパチになった坑夫たちが、最後の宴会でもしたのかしら。

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西表島の炭鉱については、台湾人の坑夫に焦点をあてた「緑の牢獄」というドキュメンタリー映画がある(そうである=わたしは観ていないのだ)。
台湾の監督が作った2021年の映画だから、公開されてからまだ1年ほどの映画だ。
この島で台湾の坑夫がひじょうに過酷な労働に従事させられたというんだけど、なんだか韓国人が騒いでいる軍艦島みたいである。
ネットで“西表島”、“炭坑”で検索してみると、たしかに過酷な条件で働かされたようなことが書いてある。
しかしわたしみたいな怠け者にいわせれば、戦前は農民にせよ、駕籠かき人夫にせよ、吉原の娼婦にせよ、過酷でない仕事なんかほとんどなかった。
日本人としては慰安婦問題のように、話が勝手にひとり歩きされては困るので、強者が弱者を食いものにする歴史のひとつであり、人類共通の宿痾と考えてほしいといっておく。
現在の日本では、タコ部屋は労働基準法で禁止されている。

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西表島の炭鉱について調べていたら、「監獄部屋」という本がそれに触れているというので、例によって図書館で借りてきて読んでみた。
推理小説全集に入っていたくらいだから、歴史や思想的なものもあるわけじゃないし、ただ読者をひっかけるためのアイディアを優先させた短編小説で、無理に読むことを勧めはしない。

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2022年6月23日 (木)

親切な警告

今朝のヤフーニュースを見ていたら、ウクライナの戦場で取材していたジャーナリストがロシア兵に殺されたという記事が目についた。

ウクライナ人写真家マクシム・レビン氏(当時40)は3月13日、キーウ北西のブチャに近いモシュン村の森で行方不明になり、ロシア軍撤退後の4月1日、同行のウクライナ軍兵士とともに遺体で発見された。

今回は「国境なき記者団(※医師団でないところに注意)」をひっぱり出して、またロシアの残酷さを印象づけようという気らしいけど、こう毎日毎日プロパガンダばかりじゃ、オオカミ少年で、だれも信用しなくなってしまうよ。

今回の戦争がプロパガンダ戦争であることを、わたしはこのブログで何度も強調している。
宣伝工作ではウクライナ(米国)がロシアを圧倒していて、日本のNHKまで動員してロシアをおとしめ、いくら弁解しても聞く耳を持たないとなったら、ロシアのほうではどう思うだろう。
ほんらい記事が公平で客観的なものであれば、記者にも同情すべき点はある。
しかしウクライナ兵と行動を共にしていたウクライナの記者というのでは、ロシア側からすれば自分たちをおとしめるプロパガンダに、積極的に加担している者と思われても仕方がない。
記事を書いた記者にそんなつもりはないとしても、それが報道される時点では相手をおとしめる記事に使われる。
あげくの果てに、なにも知らない野次馬がワイワイ騒いで、戦争が長引き、犠牲者も増えるのでは、罪は軽くないということになる。

ベトナム戦争あたりまで、報道は現地の状況を公平に伝えるということで、戦場のジャーナリストには、両陣営からそれなり保護の配慮がされていた。
ただ、それだと自国の欠点や無法ぶりまで報道することになり、そんな記者たちの姿勢がわずらわしいというので、米国は徐々に戦場からジャーナリストを締め出す方向に舵を切る。
イラク戦争で敗走するイラク兵士の、無益といっていい虐殺(死のハイウェイ)が報じられたのは、それがぜんぶ片付いたあとだった。

ISISが登場すると、もはやジャーナリストの保護などまったく顧みられなくなった。
むしろ敵方のジャーナリストは絶好の標的とされたくらいで、取材させるという名目で誘い出され、拉致されたあげくに殺された記者も多かった。
だから国境なき記者団に警告するんだけど、戦場に当事国の記者を投じるようなことはせず、できるだけ利害関係の少ない国の記者を派遣すべきだ。
中東のテレビ局アルジャジーラの記者なら、今回だってたぶん殺されることはなかっただろう。

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2022年6月22日 (水)

謀略

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今日は謀略の話だ。
いや、ウクライナとは関係がない。
この画像は昨日の、このブログのアクセスカウンターの推移をあらわしたグラフ。
7時と14時のところでぴーんと跳ね上がっている。
7時はブログを更新したときの時間だから、跳ね上がってもおかしくないのかもしれないけど、14時は特別になにかしたおぼえはない。
なんでこうなるのか。

うーん、つまり、これは、わたしのブログが人気を得ては具合が悪いというだれかの謀略だな。
そいつがカウンターを見張っていて、つねに数値を調整しているわけだ。
たまたま14時ごろ、彼が油断しているとき、カウンターが跳ね上がり、あわてて押さえ込んだ証拠がこのグラフだ。
ウクライナ政府や日本政府や、NHKが乗り出してきたわけじゃないだろうけど、そうとでも思わなけりゃ信じられんよ。
世界でゆいいつロシアに理解を示すわたしのブログが、1日たったの74だなんて。

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2022年6月21日 (火)

またNHK

まったく微笑みを感じないわけにいかないよ、昨夜のNHKニュース。
ウクライナ戦争がかってない規模のプロパガンダ戦争であることは、このブログでも何度も指摘してきたけど、昨夜のニュース9は、プロパガンダがどうやって作られるかという解説をして、だから引っかからないようにだって。
まるでオレオレ詐欺の犯人が、詐欺に注意の映画を作っているみたいだ。

ロシア軍がウクライナの兵士を戦争犯罪者として裁こうとしている、これは国際法における戦争捕虜を、戦争犯罪人として裁こうとする試みだから違法だって。
これってどこかで聞いたことがない?
すこしまえにウクライナ側が、逮捕したロシアの若い兵士を戦争犯罪人として裁こうとして、わたしにおかしいじゃないかといわれていたことを覚えてないかねえ。
わたしのブログのあまりの先見性に驚いてしまうワ。

さらに「ドンバス」という映画をひきあいに出してきた。
この映画自体がプーチンに逆らってロシアを追われた監督の作品だから、どっちかといわれればウクライナ側のプロパガンダと考えるほうが自然なんだけどね。
番組に引っ張り出された監督は、カンヌ映画祭で作品賞を受賞した世界的な映画監督だそうだけど、そのへんもわたしに皮肉られていたよな。

この映画のなかに顔を白塗りにしたおばあさんが出てきて、ロシア側のプロパガンダに乗せられ、つかまったウクライナ兵を棒でぶっ叩くシーンがある。
おばあさんはじつは「クライシスアクター」という役者だそうだけど、ここまで念入りにやるなら、ウクライナ(アメリカ)だって同じことをしているとは思わないのか。
ロシア国内の暴露映画ならともかく、反体制活動でロシアを追われた監督が、よその国で作った映画をすなおに信用していいものだろうか。
話がややこしくてそこいらの凡人には理解できないかもしれないけど、ある国のプロパガンダを告発する映画が、じつはもう一方のプロパガンダだったということもあり得るのだ。

おとといの晩、わたしは「衛星が変えた戦争」というドキュメンタリー番組を観た。
宇宙空間を飛びまわる人工衛星が、ウクライナ戦争でも軍隊の移動や規模を把握することに、おおいに活用されているという番組だった。
バカバカしいのは、アメリカは衛星を使ってロシア軍の動きを正確に捉えていたというんだけど、衛星を打ち上げているのはアメリカだけじゃないぞ。
本気モードに入ったあとは、ロシアだって同じことをしているとは思わないんだろうか。
しかも番組が強調していたのは民間企業の人工衛星で、最先端技術を使ったそういう会社はグローバル化されている場合が多いから、国家にしばられず、金を払えばどこの国にでも情報を売る可能性もある。
だいたいそんなに正確な情報を把握していたなら、どうしていまのように、ウクライナが敗色濃厚にならなくちゃいけないのだ。

選挙の報道に力を入れなければならない時期も迫ってきたし、戦況がおもわくどおりに行きそうもないことがわかってきたので、なんとかこの場をとりつくろって、ウクライナ戦争から手を引くための地ならしを始めたんですね、え、NHKさん。
そうやってウラを読みながら観ていると、ニュース9もなかなか見どころがあっておもしろい。
この文章に疑問文が多いのは、あなたにもきちんと考えてほしいからだ。

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2022年6月20日 (月)

意味のない更新

海外旅行に行こうかと、いろいろ調べものをしている。
しかしコロナのおかげで、まだわたしの希望する国は入国ができないようだ。
ハワイなんか行っても仕方ないし。

そのうちふと気がついたけど、わたしのパスポートって2021年で切れていたのね。
あじゃー。
5年かぎりのパスポートを無理して取っても、もうそんなにしょっちゅう海外旅行ができるとも思えないし、もういちどくらいはと考えて隠しておいた虎の子で、ひとつ盛大に国内旅行でもすっか。
世間は物価の値上げで苦しんでいるらしいけど、けっしてわたしの責任じゃないからね。

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2022年6月19日 (日)

コスモスの双葉

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うちの花壇には黄色いコスモスがやたらにはびこる。
黄色はあまり好きじゃないし、こいつはほかの花を駆逐して、勢力をどんどん拡大する強欲な花であるそうだ。
シバザクラやマツバボタンが駆逐されては大変だ。
近所のおばさんはみんな引っこ抜いてしまいなさいという。
しかしいろんな色のコスモスが咲きほこっている景色は好きである。
わたしの理想は、同じ敷地に黄色だけではなく、さまざまな色のコスモスがつぎからつぎへと咲いてくれることである。
同じ種類なんだから、連中だけでうまく調整してくれればいいのに。

できるだけ手間がかからなくて、雑草のようにたくましく咲いてくれる花はないかなと、ズボラなわたしはいつも考えている。
ピンクや白のコスモスを咲かせるってのはむずかしいだろうか。
花屋で種を買ってきた。
地面を平らにならし、そのあとに小さな穴をあけて、パラパラと種を撒いてみた。
そのまま放っておいたら、4、5日後にちゃんと双葉が芽吹いた。
これでわが家の花壇もいろんな色のコスモスが咲き乱れて、子供たちが歓声を上げる楽しい通学路になるのではないか。
甘いかな。

それとはべつに、今日はわが家の花壇に、にょろにょろと1メートルくらいのヘビがはっていくのを見た。
あまり棲息環境がいいとはいえないけど、わたし個人的にはこういうのは大歓迎なんだけどね。

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2022年6月18日 (土)

目論見ちがい

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昨日はまた自転車で空堀川から柳瀬川にそって下ってみた。
金山緑地公園の人工池で、生まれて間もないカルガモのヒナを見た。
えらく人なつっこいヒナたちで、わたしが2、3メートルの距離に近づいても逃げない。
まるで写真を撮ってくれといわんばかり。
おかげで血なまぐさいウクライナ戦争のことを、ひとときでも忘れることが・・・・
できない!

わたしの頭のなかはまだまだウクライナのことで一杯だ。
でも、どうやら勝負がついたんじゃないか。
昨夜のNHKニュースによると、ドイツ、フランスの首脳がゼレンスキーさんと会談して、なにやら発表したようだけど、どこか1国でも反対すれば実現不能なEUへの加盟を支持するという、実質的な内容の伴わないカラ手形のようなものだった。

同じころロシアでは、恒例になっている経済会議が開催されたそうだ。
集まったのは中国やインド、アフリカなどのロシアと親しい国ばかりで、日本や欧米は参加しなかった。
世界の主要先進国が参加しなかったんだぞ、どうだ、困っているだろうというのがNHKの報道の主旨らしいけど、ロシアが困るわけないじゃないか。
アメリカや日本、ヨーロッパ先進国がいくら経済制裁をしたって、これらの国の人口をぜんぶ合わせても、中国、インドの人口にはかなわないのだ。
こういう膨大な消費者をかかえた国は、西側企業からすればよだれが出るほどおいしい相手だ。
経済制裁のおかげで、そんなおいしい相手はみんなロシアに持っていかれる。
たとえばウクライナの大臣に脅かされて、ロシア進出を取りやめたユニクロのように、この商機をみすみす逃すのかと歯ぎしりをしている企業も多いことだろう。

中国、インドが参加しない経済制裁などあり得ない。
この両国は最悪の場合、自国だけで生産と消費のサイクルをまわすこともできるのだ。
中国はYouTubeを禁止しているけど、そのかわりYOUKUという、まったくYouTubeをパクった映像交換サイトがある。
人口が14億もいる国では、それでちっとも困らないのである。
世間にはでたらめなプロパガンダを信じて、いろいろいう人がいたけど、これからはバイデンさんが短気をおこして核兵器を使うのではないかと、そっちのほうを心配しなければいけないようだ。

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2022年6月17日 (金)

ヒトラーとチャップリン

録画しておいた「映像の世紀・バタフライエフェクト」を観た。
今回はヒトラーとチャップリンの私的な闘いを描いたドキュメンタリーだ。
ちょっとまえに観たこのシリーズでは、あまりに露骨なプロパガンダにがっくりきたばかりだけど、どうせまたウクライナ戦争でロシアを貶めようというプロパガンダだろうと思い、そしてそれは正しかった。
いったいNHKというは馬鹿なのだろうか、それともこんな簡単なプロパガンダに引っかかる国民ばかりだと思っているのだろうか。

チャップリンは「独裁者」で思い切りヒトラーをからかったことがあり、ナチスドイツの殺害予定者リストに載せられていた。
お互いにチョビびげがトレードマークで、二人とも映像の世紀の初期に、映像を駆使して浮上したという因縁つきの2人なんだけど、生き方や考えはまるっきり違っていたのだ。
番組でおもしろかったのは、ヒトラーが演説のために発声訓練をしているシーン。
宣伝相のゲッベルスが見守るまえで、人々をだまくらかすには適切な呼吸法が必要ですと、オペラ歌手の講師にいろいろ教授されていた。
ほかにも国威発揚オリンピックの極めつけといわれた、リーフェンシュタール の「民族の祭典」の映像もあった。
プロパガンダというものはこういうふうに作られるのだから、注意しなさいというつもりらしいけど、いままさにNHK自らが行なっているプロパガンダについてはまったく知らん顔。

ヒトラーがオーストリアに侵攻し、併合したという事実から、あとは徹底的に侵攻は悪い、併合は悪いという内容に終始する。
プーチンをヒトラーになぞらえ、チャップリンをアメリカ(バイデンさん)になぞらえていることは明らかだ。
侵攻・併合が悪いなら、米国がベトナム、イラク、アフガンに軍隊を送って、傀儡政権を打ち立てようとしたのはなんだっていうんだ。
自ロ他不(自分がするとロマンス、他人がすると不倫)の見本じゃないか。

国際関係においては、なんでもかんでも一辺倒に侵攻は悪いといいきるのは乱暴である。
独裁者が自分の利益のために他国を侵略したなら、もちろん悪いことだけど、愛国者が自国の国民のためにしたことなら、こちら側から見た場合とあちら側から見た場合では、正義の観念が正反対ということもあるのだ。
わたしたちは深く考慮することもなしに、表面だけを見て、これは悪だと決めつけることをつつしまなければならない。

わたしは民放のアホな番組よりずっとマシだというので、NHKしか観ない人間だったけど、ここんところのNHKははっきり異常だと思う。
そこまでしてロシアを貶めたいのだろうか。
あまりやることが幼稚なので、しみじみ心配になる。
昨夜は昨夜で、「決意の回廊」というドキュメンタリーを放映していたけど、これはウクライナからニューヨークに逃れた難民がテーマだった。
アメリカの場合、もともと移民・難民で作られた国だから問題はないだろうけど、日本の場合はホイホイ引き受けた難民に最後まで責任を持てるのか。
戦争が終わり、首尾よく軍事大国になれたら、ハイそれまでよと、難民は冷たくあしらわれ、(独身の美人以外は)帰国せざるを得ないのではないか。
日本人の本性があらわれたなんて非難されなきゃいいが。

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2022年6月16日 (木)

またNHK

修理に出したテレビがもどってきた。
修理代がテレビを新品で購入したときと同じくらいかかるといわれ、ふざけやがってと毒づき(腹のなかで)、もう完全に見られなくなるまで使うことにしたのである。
まちがえてあと1年も使えれば、そのあいだに寿命のほうが先に来るかもしれない。

帰ってきたテレビを観てみたら、NHKはもうさっそくプロパガンダだ。
昨夜はウクライナのオリンピックの新体操選手、美貌の若い娘をかつぎだしてロシアの非道を訴えていた。
美貌の若い娘というのがミソで、これが毛もくじゃらの砲丸投げ選手だったりしたら、同情の率が50パーセントは下がることを見越しているのだろう。

この娘は、かってお互いに競い合ったロシアの選手には失望したという。
ロシアの選手がプーチンの味方をする発言をしたからだそうだ。
彼女も相手には相手の言い分があるということを忘れているようだ。
それでもこのウクライナの娘とロシアの娘の言い分はプロパガンダではない。
プロパガンダというのは、こんなニュースを仰々しく取り上げて、一方の言い分だけを流すNHKの姿勢である。

ああ、どこかに公平な情報を流すテレビ局はないものか。
と思っていたら・・・・あったね。
中東のテレビ局アルジャジーラだ。
NHKは巧妙にアルジャジーラのニュースを細分化して、ロシアの非道ぶりを強調できそうな部分だけを報道していたけど、わたしの観たところではとくに一方に加担したニュースではなかった。

ま、わたしの感想では、ウクライナ戦争もそろそろ先が見えてきたような気がするね。
そのうち和議が結ばれて、ゼレンスキーさんは米国に亡命、ウクライナの外国人部隊に志願したというせっかちな日本人も、捕まれば何年かシベリアに抑留されるかして、その後二度とロシアに来るなと追放されることになるだろう。
英国の出身兵士ならただですまないけど、プーチンは日本人の捕虜まで処刑なんかするまい。
彼は無事に帰国して、いかにロシアがやさしいかという生き証人になるんじゃないか。

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2022年6月15日 (水)

不寛容の時代

憎しみと不安と不寛容の時代か。
これからの時代を生きる若者たちが被害を被るだけだから、わたしみたいなじいさんが悩んでも仕方がないんだけどね。
インターネットが普及すれば、教育や医療にしても、もっと全地球的に公平な時代が来ると思われていた。
ところが現状をながめると、他人や他国を貶めて、しかも内容が刺激的であればあるほどよくて、まずいことにそれで利益があげられることに誰もが気がつき始めた。
これではけっして煽り行為はなくならないだろう。
大事なのは煽りに乗らないような知識と、公平客観的な態度、相手への思いやりを持つことだけど、わたしもそれを若いモンに説くのに疲れた。

巨大な世論に逆らうことを世間では蟷螂の鎌なんてことをいう。
プーチンのワラ人形に釘を打って喜んでいるレベルの人たちに説明しておくけど、これはカマキリが人間に対してカマをふり上げることだ。
そんなもので人間に勝てるわけがないので、これは力のおよばない者が、せめてもの抵抗の意思を示すという意味である。
わたしもそんな心境だ。
ひとりかふたりでもいい。
プーチンにはプーチンの事情があると考え、プロパガンダに踊らされない人が増えてくれれば。

アンタは豊臣秀頼の故事を知ってるか。
関ヶ原で敗れた秀頼は大阪城にこもったけど、彼を滅ぼそうという徳川家康は、なにかと難癖をつけ、大阪城の堀を少しづつ埋めていった。
家康の最終目的は、秀頼を抹殺して徳川家の未来を永劫に安泰させることだから、こういう場合秀頼に反攻以外の手段があっただろうか。
堪忍袋の緒を切らした秀頼は、ついに大阪城で反旗をひるがえし、待ってましたとばかりの家康に滅ぼされてしまう。

プーチンはロシアの大統領である。
血を分けた同盟ともいうべきウクライナがNATOに取り込まれようとしているとき、彼にはそれを坐して傍観する手段はなかった。
堀を少しづつ埋め立てられていった秀頼の場合とよく似ているではないか。
世間にはロシアがかってのロシア帝国復活を夢見ている、などというデマが溢れている。
しかしプーチンがウクライナ以前に、周辺の、かってロシア圏だった国々に軍隊を進めた事例がひとつでもあるだろうか。
チェコやルーマニア、ポーランド、バルト三国、フィンランド、モルドバ、ジョージア、アゼルバイジャンなどに軍隊を進めたことが一度でもあっただろうか。
ウクライナだけが侵攻されたけど、これはひっくり返せば、ウクライナがいかにロシアと血でつながった特別な国であるかの証明じゃないか。
ウクライナの首都キエフは、ロシアのすべての都市の母とされる街だそうだし、ナチスの侵攻ではロシアとウクライナは協同して立ち向かい、同じように膨大な犠牲者を出した。
「ひまわり」という映画では、ウクライナのひまわり畑の下に大勢の兵士の屍が埋まっているというセリフがあるけど、埋まっているのはウクライナの兵士だけではなかったのだ。

わたしはよく思うんだけど、いまNATOに加盟するのは時期尚早だといってヨーロッパがウクライナの加盟を押しとどめていたら、どんな状況が生まれただろう。
ウクライナは屈辱的にロシアの抑圧下に置かれることになっただろうか。
いいや、そうは思わない。
それまでウクライナ人がロシア人と結婚したり、双方の国を訪問するにもなにも問題はなかったのだから、わたしはこのふたつの国の関係は、アメリカとカナダのような状態が続くだけだったろうと思う。
なにより、これほどまでの犠牲者を出すこともなかったはずだ。

相手の立場を理解するというのは自分のためでもある。
一方的な宣伝に乗せられて、憎しみと不寛容の時代に突入すれば、けっきょくは自分たちも惨禍を被ることになるのだ。
未来を生きる若者たちは、まえの大戦から7、80年ぐらいのあいだの平和な期間を、郷愁をもって思い出すことになるんじゃないか。
わたしの人生はその期間にぴったりはまっている。
幸運だったのか、それともわたしの人生がもうすぐ終わるから、新しい(憎しみの)時代が始まるのかと、いつも悩んでしまう。

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2022年6月14日 (火)

食あたり

ここんところ大病もしないし、体調不調なんてものに縁のなかったわたしだけど、昨夜(12日)はめずらしく食あたりをした。
遅い晩めしを食べ、F1のアゼルバイジャン・レースを観て、寝ついてほどなく猛烈な吐き気と腹痛。
たまらず洗面所でゲロゲロとやったけど、いったい何が悪かったのか。
わかっている。
昼間スーパーで買って、そのまま冷蔵庫に入れっぱなしだったホタテの刺身だろう。
あるいは同時に食べたレトルトカレーの食い合わせが悪かったのか。

若いときならいざ知らず、この歳で食あたりというのもツラいよ。
晩めしをみんなもどしてしまったので、お腹が空っぽになって、しかもめしを食おうという気にもなれないから、朝食は買ってあったコッペパン1コで済ませた。
おかげで今日はいちにち腹に力が入らない。
それでも暑いなか、花壇の草むしりをした。
日射病の恐れが出てきたので、よろよろと部屋にもどり、ベッドにばったり。
そのまま夜までベッドで悶々とし、さすがになにか食わなくちゃというんで、いまレトルトのお粥を食べているところ。
あー、死にたい、このまんま。

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2022年6月13日 (月)

レベル

日本のどこぞかにプーチンのワラ人形に釘を打ったやつがいるそうだ。
安心した、というか納得した。
ウクライナ戦争でロシアを敵対視する人のレベルはそんなものだ。
そして扇動して喜んでいる人間は、このていどの人たちを煽って喜んでいるわけだ。

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2022年6月12日 (日)

また馬淵サン

前項の馬渕睦夫サンについてもうすこし詳しく知ろうと、YouTube映像をじっくり観ることにした。
この人の映像は沢山あって、どれにしようか迷ったけど、「レーニンとスターリンはどこが違うか」という見出しにひかれて、それを観てみることにした。
 
ホントかウソか、レーニンの革命を後押ししたのは、ロシアにいたユダヤ人勢力ということだった。
たるほど、たしかにそんなことは学校では教わらなかったし、「戦艦ポチョムキン」にも「ドクトル・ジバゴ」にも出て来ないし、この歳までぜんぜん聞いたことがなかったから、新知識といえばいえなくもない。
ウクライナ大使だったという馬渕サンには、それを裏付ける強力な証拠があるのかも知れない。
 
スターリンはユダヤ人勢力にあと押しされたレーニンの体制をひっくり返した、そしてプーチンはそのスターリンの政治を引き継いだ大統領だそうだ。
現在のウクライナ戦争は、アメリカに逃れて世界をひとつの標準で統一し、商売をやりやすくしようというユダヤ人財閥と、そうはさせないプーチンの戦争であるともいう。
だからプーチンを責めるばかりではいけない、そういう裏の事情も理解しなければと、まあ、この点だけはわたしと同意見だ。
でも具体的な内容はどんどんわたしと乖離していくな。
 
スターリンによってロシアを追われたユダヤ人たちは米国に逃れた。
第二次世界大戦で米国がドイツを攻めたのは、ヨーロッパで殺されていく同胞を救うために、ユダヤ資本が米国を動かしたのだと思えば、いちおう辻褄は合う。
それではその米国が、なぜユダヤ人を殺していない、むしろ杉原千畝の例にあるように、ユダヤ人を助けた日本との戦争にまで踏み込んだのか。
憎っくきドイツと同盟を結んだから、ついでにこいつらもやっつけようと思ったのなら、これも辻褄が合わなくもない。
 
わたしは日露戦争で日本がロシアに勝てたのは、ユダヤ資本が日本に金をつぎこんだからという説を、なにかで読んだことがある。
当時の日本はそうでなくても戦費の調達には苦労していたから、ここはユダヤ資本説を信用してみよう。
でも日露戦争では日本の味方だったものが、第二次世界大戦では一転して日本攻撃にまわったのはなぜだろう。
いったいどこで日本の味方から敵に変わったのか、やっぱり日独同盟が分岐点だったのか。
 
ユダヤ資本が世界や歴史を動かすためにはそれなりの軍資金がいるはずだ。
だから彼らは世界を思うように動かして、利益を得る仕手師の集団とみなすこともできる。
しかしそのときどきの都合で、目標をあっちこっちに乗り換えていたら、利益が上げられるだろうか。
日露戦争ではユダヤ人に好意的なレーニンに政権をとらせるため、日本を支援してロシアに革命を起こさせる。
第二次世界大戦では儲けを度外視して、ヨーロッパのユダヤ人を救うために米国に参戦させる(ずいぶんおやさしいことで)。
太平洋戦争はついでだから?
自分たちで相場を動かしているんだから、なんでもできるという人がいるかもしれない。
しかし目的を持って行動すれば、相手に手のうちを読まれてしまう。
意表をつき、常識はずれのほうに賭けなければ大儲けはできないので、競争相手に先を読まれるというのは仕手師としてはヘタな賭け方だ。
 
歴史には不確定要素が多すぎる。
ユダヤ資本が自分たちで国際政治を動かして、日本が米国に宣戦布告をせざるを得ない状態に持っていったとしよう。
しかし寸前で日本政府の意向が変わって、満州だけでガマンすることにし、真珠湾攻撃を思いとどまったとか、山本五十六が乗っていた飛行機が落っこちたとか、また関東大震災が起こって日本は戦争どころじゃなくなったとか、そんなことがあったらどうなるのか。
そこまでユダヤ資本が予想できるだろうか。
いや、すでに日本政府のなかにも息のかかった人間が送り込まれていて、日本はレールの上をまっすぐ行くしかなかったというなら、いくら辻褄合わせだとしても調子がよすぎるワ。
 
だからわたしはユダヤ資本とか、ロス・チャイルド家の陰謀だという説はまったく信用しない。
相手がもとウクライナ大使で、ものごしのおだやかな人だとしても、やっぱり信用するのは危険ということである。
これは馬渕サンの出した本を売るための宣伝と思ったほうが理解しやすい。

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2022年6月11日 (土)

馬淵睦夫サン

京都府南丹市の文化観光大使に馬渕睦夫サンという人が任命されて、なんだか知らないけどすったもんだしているそうだ。
この人ってアレでしょ、前項に書いた河添恵子サンとコンビで、よくYouTubeでしゃべっているシト。
一見するとおだやかな教育者という感じで、とても右翼の、あるいは左翼の論客とは思えない人なんだけど、調べてみたらもとウクライナ大使という人だった。
こういう人と作家の河添恵子サンが並ぶと、もうわたしみたいな素人がまるで口をはさめないといった雰囲気である。

馬渕サンについては、どんな発言をしているのか興味があって、彼のYouTube映像をひとわたり眺めてみたことがある。
どうもよくわからん。
NHKはケシカランというような、最近のわたしと同意見もあれば、中国は独裁の侵略国だというふうなまったく同意できない意見もあり、本人のスタンスがさっぱり。
ブログ上で架空討論でもしてみようかと思ったけど、あ、やめた。
もと大使と著名作家といふコンビに、自衛官あがりのどこの馬の骨かもしれないわたしが挑んでも、世間はまったく耳を貸さないに決まっている。
よい子の皆さんにいっておくけど、若いうちに勉強しておかないとわたしみたいになるんですよ。

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2022年6月10日 (金)

陰謀論

修理に出してしまってテレビがないけど、ネット空間も無知な人たちを煽ってよろこぶニュースがいっぱいだ。
まえに書いた河添恵子サンという人のYouTube映像をまた観てみた。
今回観たのは「中国が世界から嫌われる1番の理由」というもので、もちろんわたしには大いに興味のあるところだ。

彼女は中国の清と秦を間違えていると書いたけど、こんどの映像では国共内戦を国境内戦と書いているし、彼女ははっきり宋美麗(蒋介石の奥さん)と発言しているのに、字幕のほうは宋慶齢(宋美麗の姉)になっていたから、やはり字幕をつける人はべつにいるようだ。
というより、これは音声翻訳で、人間の発言をコンピューターに翻訳させてそのまま載せているのか。
しかしそれにしてはけっこうややこしくて、翻訳するのがむずかしそうな発言までちゃんと訳しているし、うん、わからん。
どっちにしても自分の発言がYouTubeで拡散するのに、本人が最終チェックをしないのは著名作家らしくない。
そんなことを放っておくようでは彼女の発言も、彼女のバックにいる未来ネットなるものもあまり信用できない。

最初のほうでは中国を作ったのはIMFだとかいう、よくわからない理屈が出てきて、そこはまあ、わたしがあまり熱心に理解しようとしないのが原因かもしれない。
そういうことにしておこう。
最後のほうではユダヤ資本の陰謀論が出てきた。
この手は右翼の一部やカルト宗教などが、でっち上げの辻褄合わせによく使うもので、これが出てくるとわたしは永久機関論と同じ扱いをしてしまうのである。
つまりでたらめだということだ。

歴史は予測不能なもので、それを特定の人間が自分の意思で動かせるとは、わたしは思わないのである。
たとえば孫文は中国の清王朝から命を狙われており、命からがら逃げ延びたことが何度かある。
彼が死んでしまえば彼に出資した者は大損をするわけだ。
孫文は最後に新中国の産みの親と称されるまでになるけれど、それはあくまで結果論で、ユダヤ資本が陰謀で彼を担ぎ上げたとは思えない。
そんなことができるとも思わない。
話のネタとしてはおもしろいけど、の陰謀論なんてものが出てきたら、まずウソだと思ったほうがいい。
政治は金で動いても歴史はそうはいかないのである。

考えてみたけど、もしわたしがいま20代の若者だったらどうだろう。
おそらくわたしもつまらない扇動に乗せられて、プーチンはけしからん、弱小国のウクライナに侵略して、と怒り狂っていただろう。
わたしがもう少し突っ込んだところまで考えられるのは、やはり年の功というやつだな。
だてに歳をとったわけじゃないから、わたしにはいま20歳の若者に比べれば、書物や映画など、そして実生活から知識を得る時間はそれだけたくさんあったことになる。
長い人生のうちには、まじめそうな会社員がサギを働いたり、一見するとコワそうな人が意外とやさしかったりという実例をたくさん見てきた。
こちら側から見れば、しかし相手側から見ればペケということも。
人間の知識というものはそういう経験から得る部分も大きいといわざるを得ない。

だから経験不足の若者たちがおかしな情報に扇動されるのは仕方がない。
問題はそういう若者たちを扇動する側だ。
偏ったイデオロギーの支持者なのか、たんなる無知なのか、あるいは商売でやってる扇動屋なのか。
どれにしても彼らの罪は重い。

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2022年6月 9日 (木)

共産主義

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つい先日 YouTubeに中国映画「三蔵法師・玄奘の旅路」という映画がアップされていて、タダで観れるというので鑑賞してみた。
三蔵法師といっても孫悟空も猪八戒も出てこないきわめてリアルな人間の物語で、映画はまだお終いまで観てないから出来についてはどうこういわないけど、背景に新疆の砂漠景色がたっぷり出てくるのを見て、これは「アラビアのロレンス」のように、主役は背景じゃないかと思った。

いったいいつごろ製作された映画なのかとネットで調べているとき、この映画の批評みたいなものにいくつかぶち当たった。
そんな批評のひとつに、中国は宗教を禁止する共産主義の国なのに、こんな仏教の映画を作ってエライという意見があった。
困ったもんだ。
現在の中国は共産主義どころか、ほうっておけばアメリカなみの、格差がどこまでも増大する資本主義国だとわたしは考えているんだけどね。
ネット通販大手のアリババのCEOは中国人だ。
こういう資本主義の権化のような人物もいるし、わたしの中国人の知り合いは株で大損くらったらしく、最近は音信不通だよ。
タガが外れればいっせいに金儲け競争につっ走るのが中国人で、中国政府は必死になって行き過ぎないようたずなを抑えているところだ。
こういう国がなんで共産主義なのかい。

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2022年6月 8日 (水)

沖縄/南風見

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儀助たちは仲間村から、南風見(はえみ)村に移動した。
現在の西表島は、おおざっぱにいうと、島の東半分だけに道路があって、それは北と南でぷっつんと途切れている。
南のぷっつんにあったのが南風見村(現在は竹富町の一部になっていて “村”はつかない)である。
仲間村から南風見村に行くためには仲間川を渡らなければならないけど、ここはサバニで渡ったというから、西表島で2番目の大河であるこの川にはまだ橋がなかったようだ。

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現在の南風見には「ラ・ティーダ西表」というホテルがある。
高級の部類なので泊まったことはないけれど、建物のまえまでならわたしも行ったことがある。
本館は映画にでも出てきそうな南欧ふうの建物で、これ以外にコテージふうの別館がある。
しかしホテルの宣伝をしても1円ももらえるわけではないから、ま近に見た現実は宣伝写真のようではないとだけいっておく。

儀助のやってきた南風見村の戸数は9軒、人口は29人で、ほかに新城、黒島などから開墾のために送り込まれた農民が数十人合宿していた。
こんなふうによそから送り込まれた人のことを、八重山では「寄せ人」といったそうだけど、彼らはたちまち正面からマラリアに攻められ、背後からは過酷な年貢米(人頭税)に追い立てられていた。
儀助が視察したとき、寄せ人たちは風雨のため舟が出せず、食料が尽き、飢え死の直前だったという。
広い日本にこんな不遇な人々がいることを、ああ、政治家は知っているのかと、儀助はまた歌舞伎役者みたいにおおげさになげく。
寄せ人の運命がその後どうなったか知らないけど、大臣の秘書待遇の儀助がそれなりの手当てをしたのではないか。

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儀助の旅よりずっとあとになるけど、このあたりにはもうひとつ悲惨な歴史があった。
太平洋戦争の末期、波照間島の島民1590人が日本軍によって西表島に移住を命じられたのだ。
西表島はマラリアが猖獗をきわめる土地だということを知っていた島民は、抵抗したものの、抜刀して脅迫する軍人に逆らうことはできず、最終的には移住させられた島民の3分の1ちかくが、この病気で亡くなったという。
南風見村近くの海岸に「忘勿石(ワスレナイシ)」と命名された岩がある。
これは移住命令を解除してもらおうと、石垣島の師団長に直訴をした、波照間国民学校の識名信升校長が、悲劇を忘れないようにと文字を彫りつけた岩のことだ。
この写真は忘勿石と、そのすぐ近くに作られた記念碑で、天気のいい日にこの岩のある海岸から、彼らの故郷の島は正面に見える。

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儀助のころは南風見村でぷっつんだった道路は、現在では農道がもうすこし先まで伸びていて、サトウキビ畑や牧草地のある農地を抜けると、行き止まりが南風見田キャンプ場だ。
キャンプ場のまえの海岸はこんな感じで、沖に珊瑚礁のリーフが防波堤のように連なり、東家とシャワーがひとつだけという天然のままの海水浴場である。
シーズンオフは人っ子ひとりいない、カニとたわむるだけの、孤独な詩人にふさわしい海岸になってしまう。

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わたしは8年まえにこの海岸をぶらついたことがあって、そのとき海岸の岩場に大地が煮えくり返ったような地形があるのを見た。
波打ちぎわにあるのだから、ジュラ紀、白亜紀ほどむかしの地形なら波の浸食ですぐに消えてしまうだろう。
噴火のあと溶岩がそのまま冷えて固まったように見えたから、地質学的に比較的最近、西表島で火山の噴火があっただろうかと考えてしまった。
大津波ならあった。
沖縄は地震と無縁のような気がしてしまうけど、八重山も過去に何度か震災に見舞われていて、とくに昭和8年(1933)の地震と大津波では、1万2千人もの死者を出している。
やはり地震列島では、どこへ行っても福島の教訓を忘れるべきではないようだ。

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儀助は雨に降りこめられて、南風見村の総代の家に釘づけになってしまった。
この村に本土語を話す者はいなかったので、ヒマつぶしに民家にめずらしい品物や古書類でもあれば調べてみようと考えたけれど、価値のありそうなものはみんな以前の役人が持ち帰ったという。
それでも古い文書がわずかに残っていたので、それをチェックしてみた。
樹木の調査帳だとか、農産物の生産表、物品輸出入の代価覚書などで、そんなものをここで紹介しても退屈なだけなんだけど、なにかおもしろいことが書いてないかと、わたしもざっと目を通してみた。

樹木の調査帳に出てくる樹木の名前は、以前この紀行記の「国頭」の項で書いたものと重複するものが多い。
後注を読んてみたら、「国頭」のときの後注も参考にしろと書いてあったから、前にもどってそっちも参考にした。
めんどくさい本である。

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黒木は黒檀の1種で、1尺以上の太さのものが島内に500本、赤木はサトウキビを絞るときの圧搾車の台に使う木材で、4尺以上のものが島内に200本と、現代のわたしたちにはどうでもいいようなことばかりだ。
飢饉のときなどに食べる救荒植物として、方言のカタカナ名前の植物が出ていたけど、わかったのはソデツ(ソテツ)とアタン(アダン)くらい。
アダンは沖縄ではそのへんに適当に生えている植物の実で、かたちはパイナップルに似ているものの、これを食べるのはヤシガニくらいだ。
サルムシルはオオタニワタリのことだそうで、このシダ植物の新芽は、西表ではラーメンの薬味に使われるけど、ネギに親しんだわたしには、あまり薬味らしくなかった。

すこし古いけど明治18年の輸出物品の代価表というものがあって、輸出品は海人草が170斤で米2俵2斗あまりに、山藍400斤がやはり2俵2斗に値したとある。
輸入品のほうでは、砂糖が7斤で米1斗4升に値したという。
まだこのころ西表島では砂糖は外から輸入していたらしく、こんなにサトウキビの栽培に向いた土地なのにと、儀助は残念がる。
家庭用品もみんな輸入品で、夜食用のお膳や、すり鉢10個、安物の壺10個なんてのもあった。
家畜の牛も輸入されていて、雄牛のほうが高いところをみると、これは食用ではなく農耕用だろう。
とくに書いてないけど、亜熱帯で使役するのだから水牛だったかも知れない。

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当時は本土でもまだ税金を、米や穀物などの作物で物納するのがフツーの時代だったから、だれが作物をどのくらい納めたか、いちいち現物を役所に持ち込まなくてもすむように、板の札や縄をひねった符丁のようなものを作っておいて換算の目安にした。
ここに載せたのが「板札の図」と「藁(ワラ)算の図」というその符丁で、笹森儀助の本ではめずらしく図が載っていたから、参考のために載せておく。
板札のほうはたんなる◯や△の記号に過ぎなかったから、わたしがフォトショップを使って同じものをこしらえ、藁算のほうは本からコピーした。

この符丁を使って、たとえば米1石は大縄1本、1俵は結び目をつけた小縄、1斗は結び目がないもの、1升はこれこれという具合に、納税した穀物量を記録したのである。
じっさいの使用では役人の裁量がかかわって、かなりいいかげんだったらしい。
わたしが少年のころ、初めて免許証を受け取りに行ったら、警察署の待合室に年寄りがたむろしていて、むかしは免許証なんて木の鑑札だったよなんて話をしていたっけ。

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当時の本土と沖縄の貨幣価値の違いについても記述があり、沖縄の500文は本土の1銭、5貫文は本土の10銭という具合である。
ここに八重山の方言で「トナー」という言葉が出てきた。
これは“十縄”という意味で、まえにこの紀行記で紹介した、鳩目銭という安っぽい銅銭1貫目を、縄に通したものが10本という意味である。
1貫は3,97キロだから、トナーというと40キロ近い重さの銅銭ということになり、こんなものをかついで市場へ買い出しに行くのは大変だ。
もっとも家や土地を買う場合以外に、そんな大金が動くことはなかっただろう。

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儀助の本のもうひとつの図は、ウシが迷子になったときすぐ持ち主がわかるように、ウシにつけた目印だそうだ。
しかしウシの足型でもなさそうだし、耳を切ったと書いてあっても切り口の図とも思えない。
アメリカなら焼き印だし、最近の日本はマイクロチップを埋め込む時代なので、こんなものに頭を使っても仕方がないから、図だけを紹介して、いったいなんの図なのかということははしょることにした。

どうでもいい書類はこのほかに、雨乞いの通知状なんてものもあり、これはその最中の衣服の決まりや、殺生、家の建築・修繕を禁ずるというお達しで、違反した者は禁固刑や罰金が科せられたという。
しかし役人に酒や豚肉の饗応をして、それを逃れる者もいたらしく、わが日本帝国にそんないいかげんな法があっていいのかと、まじめでカタブツの儀助は手きびしい。

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米国の18代大統領だったグラント将軍は、南北戦争の北軍の英雄で、その勢いで大統領までのぼりつめた人だけど、米国の大統領としては、汚職やスキャンダルまみれで、ロクでもないほうの代表だったといわれている。
それでも好奇心に富んだ人で、退任したあと世界を見てまわった。
彼は中国でイスラム教徒(回族)が豚肉を食うのを見て仰天した、ということが邱永漢さんの本に書いてあった。
そんな彼が来日したおり(1879)に、日本には極端な金持ちがいないかわり極端な貧乏人もいない、なかなか公平な国だと誉めたそうである。
日本は当時から格差の少ない国で、アメリカは当時から格差のある国だったわけで、沖縄を視察してきた儀助は、国民のあいだの不公平を放っておけば、やがては日本でも貧乏人が増え、虚無党や社会主義者も増えるだろうとクールだ。

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このときの雨はだいぶ激しいものだったようで、翌日も儀助は総代の家に釘づけだった。
腹がへったねとぼやくと、総代の家の主人が、んじゃイノシシでも獲ってくるべと、槍を持ち、イヌを連れて出かけていった。
なんだか山の中へ山菜でも摘みに行くような案配だったから、儀助がいぶかしんでいると、主人はたちまち獲物を捕まえてもどってきた。
いかに西表島にイノシシが繁殖していたかわかるというものだと、これは儀助の感想である。
わたしは去年の11月に、船浮の民宿でイノシシ肉のスライスをご馳走になったので、そのときの写真をもういちど。

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2022年6月 7日 (火)

テレビ

プロパガンダを見つけようとNHKをにらみすぎたせいではあるまいに、テレビがイカれた。
まえから調子わるいテレビだったけど、今日はとうとう修理に出したのだ。
3万7千円ぐらいで買った液晶テレビだから、修理代は(高くても)1万円ぐらいで済むんじゃないかと勝手に思っていた。
画面に黒い影のようなものが出て、チラチラ点滅するんですよと説明すると、相手の顔がくもって、うーん、かなり高くつくかも知れませんねという。

く、く、く。
やっぱり新しいテレビを買うか。
もう二度とP社のテレビは買わん。
今回壊れたテレビは2年ほどまえに買ったものなんだけど、じつはそのまえにまったく同じ型のテレビを買って、それも2年ぐらいでガタが来た。
最近の電子機器は当たり外れがあるから、たまたま運が悪かったんだろうと考え、(安いから)同じものを買ったんだけど、なんだ、なんだ、なんだ。
こちとら先が短くて新品を買うのにためらいのある年寄りだぞ。

まあ、最近市役所から貧乏人支援金なるものをもらったから、あれで少しでも経済をまわすか。
でも洗濯機もそのうち壊れそうだしな。
新しいiPadも欲しいし。

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2022年6月 6日 (月)

今日のNHK

どこかまた安っぽいプロパガンダはないかと目を光らせているNHKのニュース、今日はアメリカで「中絶の権利」を守るかどうかという問題が、これも国を2分する騒ぎになっているというニュースがあった。
とりあえず妊娠する予定もなく、他人を妊娠させることもかぎりなくゼロに近いわたしが、どっちかに加担して、したり顔でなにかいっても仕方がないんだけどね。

生まれてない命にも守られる権利があるというカトリック系の主張と、望まない子供を産むのはイヤという女性たちの闘いらしい。
望まない子供というのは、ようするに強姦されてできた子供とか、若気の過ちでということなんだろうけど、そんなにアメリカでは強姦が多いのかと、この点だけは感心してしまった。
強姦されるのがイヤなら、あまり露出過多の服装をしないで、イスラム教徒のようにブルカでも着たらと勧めても、ゼッタイにいやというのがアメリカ女性だ。
じいさんのわたしが口を出す問題でもないよな。

カトリックもいいかげんで、まだ生まれてない子供の命を守ろうと説教するくせに、すでに生まれている命を軽んじることは驚くほどである。
米国では街のまん中で銃の乱射が起こり、せっかく生まれた子供たちがころころ死んでいるじゃないか。
バイデンさんもプーチンを追い込んだといい気になってる場合じゃないと思うんだけど。
この欺瞞に満ちた世界、わたしはついに無神論者のままあの世に行くことになりそうだ。

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2022年6月 5日 (日)

イップク

今日は日曜日であまりニュースがない日なのか、プロパガンダを指摘するにも熱が入らないね。
わたしもフォトショップで加工しなくちゃいけない画像があって忙しい。
そういうわけで世界でゆいいつのロシアに理解をしめすブログもイップクだ。
血圧も下がりそう。

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2022年6月 4日 (土)

NHKと中国

つぎつぎと安っぽいプロパガンダが出てくるので、青少年に影響を与えないよう、死に損ない老人のわたしはその指摘に大忙しだ。
昨夜のNHKニュースを観ていたら、今度ははっきり中国を敵対視し始めたニュースがあった。

1989
年の天安門事件について、NHKが中国へどう思うかと質問している。
回答に立った趙立堅報道官は、質問に30秒ほど沈黙したあと
政治的風波について、中国政府はすでに結論を出している、としか答えなかった。
この場面では30秒の沈黙を、NHKはいかにも意味ありげに強調していたけど、わたしにはなぜ沈黙したか、その理由がよくわかった。
天安門については日本政府も(極右傾向の政治家を除けば)やむを得なかったでほとんど意見が統一されていた事件である。
統一なんかされていないと不平をいう人もいるだろうけど、その後の中国が米国にも対抗できるほど繁栄し、国民がますます豊かになったことは事実だ。
結果で判断すれば、中国政府の措置はまちがっていなかったといえる。

それを33年も経ったころになって、NHKがぶり返してきた。
こいつら、ここんところのアメリカの難癖に便乗してきやがったな。
ああ、わが国が日本に対して何か悪いことをしただろうか、まともな方法で豊かになるだけなのにどうしてこんなに警戒心を持たれるのか、パンダも貸してあげたし、NHKにはこれまでも中国奥地の取材にさんざん協力してきたじゃんと、趙報道官の沈黙はそうした万感?が胸に迫ってのものだろう。

わたしは旭日旗問題の韓国を思い出す。
韓国も戦後何十年も問題視していなかった旭日旗について、ある日とつぜん文句を言い出した。
血は争えないというところか。
やるといったら徹底的にやるというのがNHKの方針らしく、天安門事件のあと泣かず飛ばずだった中国人活動家にも脚光をあびさせる。
ま、いろいろと日本政府の事情が絡んでいるんだろうけど、将来を生きる若いモンたちは、時代が対立と不寛容の時代に入ったことを覚悟したほうがよい。
わたし?
もうすぐ老衰で死んでしまうからどうでもいいや。

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おかしくないか

これはココログのブログなんだけど、Aさんという名物ブログを書く人がいる。
名物というのはこの人の記事が、ロシアや中国をけなしてよろこぶネトウヨ傾向のあるもので、しかもどこから見つけてくるのか、やたらにグラフやデータを多用して、しかもしかも、それをほとんど毎日更新しているからだ。
日本は表現の自由が保障されている国だから、だれがなんといおうと勝手だけど、ときにはひとこと注意したくなる記事もある。

とくにわたしが気にするのが、地球温暖化の阻止のために努力する人々を揶揄するもので、このブログに影響される若者がいるとすれば、その弊害は大きい。
見かねて以前にコメントでいちゃもんをつけたことがあるんだけど、それに対する答えはないし、ぜんぜん反省はしてないようだ。
2、3日まえの記事にこんなものがあった。

そもそも脱炭素を言いたいなら、世界の炭酸ガスの大部分をまき散らしている炭酸ガス排出大国の中国を名指ししないと無意味です。
だって、中国が世界の半分出しているんですから、ここを締めないとCO2は減らないのです。
わかりきった話ですが、なぜか中国だけはいままで「開発途上国」と自称して削減を拒んできました。
ある時は世界の覇権国、ある時は発展途上国ですからね(笑)。

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こう書いて、ご丁寧にCO2排出量のグラフまで載せていた。
これを見ると、たしかに中国の排出量は日本の10倍(背景の白いグラフ)、日本、米国、EUのG7全部をあわせたくらいある(黒い円形のグラフ)。

さあ、ここからみんなにも考えてもらおう。
ふつうに、単純に考えてもおかしいと思うことはないだろうか。
中国は世界最大の人口をかかえる国だ。
単純に考えたって、中国人が日本人と同じていどの繁栄を求めれば、CO2排出量は日本より多くなるはず。

では中国の人口は日本の何倍なのか。
調べてみたら(中国=14億人、日本=1億2千万)ほとんど日本の10倍だった。
日本、米国、EUの先進国全部をあわせた人口は知らないけど、中国のほうが多いかもしれない。
日本や米国が繁栄するのはかまわないけど、中国なんぞが日本や米国と同程度に繁栄しようなんて生意気だ、とでもいうんだろうか。
中国が日米と同じていどに繁栄しようとするなら、グラフの数値はべつにおかしくない。
日本は排出量抑制の技術も進んでいるけど、中国はまだ道半ばの国だと思えば、むしろぴたりと帳尻が合っているかも。
さらなる問題は、このグラフによると、人口が中国の3分の1しかない米国が、中国の半分ほどのCO2を排出していることだ。
Aさんはこれについてひとことも触れないのである。

こういう自己中心的なデータを持ち出して、わはは、もう笑っちゃうでしょうだって。
笑われるのはどっちだろう。
Aさんが最初からアンチ中国でなければ、こんな記事が書けるはずがない。
わたしは何度でも繰り返す。
世界を公平で客観的にながめ、相手には相手の事情があると考えること。
それがつまらない煽りブログに引っかからないコツだ。

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2022年6月 3日 (金)

アザラシネコ

1103

昨日は府中まで出かけて、ネコに会ってきた。
正確にいうとネコ大好きおばさんに会いに行ったってことだけど、本命はネコのほうなのだ。
おばさんの飼い猫は、なんていったっけかな、たしかスコティッシュフォールドとかいう種類だそうで、血統書つきの由緒正しいネコらしい。
見せてもらった写真によると、さすがに子供のころはとても可愛かったけど、現在は肥満ぎみでアザラシネコという按配だ。
大人になったその顔はわたしと一緒で、矛盾と狂気に満ちたこの世界への、不安と怒りをあらわしているように見える。
人間よ、もうよせ、こんなことは。

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2022年6月 2日 (木)

よき隣人

これは2011年3月15日、東日本大震災の直後に、このブログに書いた記事。

日本の大震災に世界中から支援の手が。
米国はともかくとして、ロシアや中国まで。
こんな場合は当然だという声もあるかもしれないけど、たとえばロシアのプーチン大統領の 「いろいろ問題はあっても、日本はよき隣人だ」 という発言など、じつに毅然としていて胸にせまる。
個人的主観だけど、だいたいプーチンという人は、来日して柔道を披露したこともあるし、心情的に日本のファンなんじゃなかろうか。
彼はなんとか日本と仲良くしたいのだが、こちらのあまりの頑なな態度と、なにをいっても同じ返事のくり返しに、手がつけられないというところじゃなかろうか。
この震災がそうした両国のこじれた関係を改善してくれるなら、わざわい転じて福にしたことになる。
そう、わたしは北方領土のことを言ってるんだけどね。

日本はよき隣人だといっていた大統領を目の敵にするって、わたしにはわからんね。
日本を支援すべきだとロシア国民を説得してくれた大統領に現在の仕打ち、もうすこしべつの方法はとれなかったものか、米国に追従するまえに。
他人から受けた恩義をけろりと忘れてしまえるのか、日本人は。

プーチンに罪はない、ゼレンスキーさんにも罪はない。
あるのは、余計な口を出して戦争を長引かせたバイデンさんだ。
昨夜は中国がソロモン諸島と安全保障条約を結ぶってことにぶちぶちいってたけど、中国は挑発に乗りそうもないし、そんなヒマがあったらさっさと自分の国の銃規制法案でも通したほうがいいんじゃないかね。
毎晩、毎晩こころにもない原稿を読まされるNHKの女性アナが、アタシまで馬鹿だと思われてしまうじゃないのと、ぶちぶちいってるんじゃないかと、つい余計な心配をしてしまう。

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2022年6月 1日 (水)

影の傭兵部隊

あいかわらずウクライナの話題。
なんでそんなにロシアの味方ばかりするんだという人がいるかも知れないけど、ウクライナの応援をしたい人には世間にごまんと情報があふれている。
わたしはプーチンが好きだから、少数派であることは承知の上でロシアの声援を買って出た。
そればかりじゃない。
ひとつの国が国民の思想まで自由自在に操れるという事態を見過ごすことはできないのだ。
目下の日本は、ロシアは悪という意見で統一されていて、異論をいえばノータリンのユーチューバーたちに頭から弾圧され、公共放送であるNHKまで国民の鼻先を、強引に同じ方向に向けようとする。
このままではかってあったことが繰り返される。
ああ、わたしが止めなけりゃだれがやる(自己陶酔)。

昨夜のNHKは「ワグネル・影のロシア傭兵部隊」という番組を流した(再放送らしいけど、わたしが観たのは初めて)。
観なくてもおおよその内容はわかるけどね。
案の定、徹底的にこの部隊の極悪ぶりが描かれていたけど、べつに驚くようなことじゃない。
傭兵という正規の軍隊でない軍隊なら、たとえば有名なフランスの外人部隊でも、やっていることは似たようなものだろう。
正規軍で間に合うなら傭兵部隊が必要になるわけがないし、身分保障も法律の保護もない傭兵なら仕事は荒っぽくなるのも当然だ。
だからわたしはワグネルについての報道は間違ってないと思う。

ワグネルの創立者はナチスの信奉者、つまりネオナチストだそうだ。
これを聞けばだれでもウクライナのアゾフ連隊のことを思い浮かべる。
しかしNHKによれば、ワグネルは悪辣非道な軍隊だけど、アゾフは正規軍と変わらないと同情的だった。
アゾフもワグネルも同じ目的のために作られた、いや、もともとウクライナはロシアを見習ってアゾフを作ったのだろう。
あまっちょろいキレイごとばかりを信じているのは日本人ぐらいのものだ。
この番組はプロパガンダとしては幼稚なものとしかいいようがない。

あとはみんなの判断におまかせして、もうちっとおだやかな話題に変えよう。
戦争の初めにプーチンは、ウクライナはロシアにとって特別な国だといった。
おそらく、本当にロシアの芸術や文学を愛している人なら、その気持ちはわかるのではないか。
わたしにいわせるとロシアとウクライナは兄弟のような国であり、たまたま政策をめぐって兄弟ゲンカを始めたところに、ふだんからこの兄弟を仲違いさせようと思っていたアメリカや英国が加勢に入っただけのように見える。
日本はろくな事情も知らない野次馬だ。
ケンカの仲裁に入るどころか、ここぞとばかりにアメリカに追従して、プーチンの足を引っ張り、戦争を長引かせることに加担する。

ムソルグスキーの「展覧会の絵」という組曲のなかに「キエフの大門」という曲がある。
ウクライナ戦争のおかげで日本はさっさと、ウクライナの首都である“キエフ”を“キーフ”に改名した。
ロシア語だからケシカランということらしいけど、ほんと、ゴマスリだけは上手くなったもんだ。
長いあいだ親しんだ名前があっという間に消滅する。
まあ、これはわたしのまったく個人的な感傷だけど、キエフがキーフになるだけで、ひとつの文化が消滅したようでつくづく悲しい。
そういえば“ロシア”という国名も、起源はロシア、ウクライナ、ベラルーシにまたがるキエフ大公国の古都ルーシから来ているという。
いまでもロシア人はキエフを、ロシアのすべての都市の母としているそうだから、プーチンのいった、ウクライナはロシアにとって特別な国だというのはデタラメではないだろう。
信頼していたウクライナがNATOに取り込まれていくのを、プーチンはどういう目で見ていたのだろうか。

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