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2022年6月17日 (金)

ヒトラーとチャップリン

録画しておいた「映像の世紀・バタフライエフェクト」を観た。
今回はヒトラーとチャップリンの私的な闘いを描いたドキュメンタリーだ。
ちょっとまえに観たこのシリーズでは、あまりに露骨なプロパガンダにがっくりきたばかりだけど、どうせまたウクライナ戦争でロシアを貶めようというプロパガンダだろうと思い、そしてそれは正しかった。
いったいNHKというは馬鹿なのだろうか、それともこんな簡単なプロパガンダに引っかかる国民ばかりだと思っているのだろうか。

チャップリンは「独裁者」で思い切りヒトラーをからかったことがあり、ナチスドイツの殺害予定者リストに載せられていた。
お互いにチョビびげがトレードマークで、二人とも映像の世紀の初期に、映像を駆使して浮上したという因縁つきの2人なんだけど、生き方や考えはまるっきり違っていたのだ。
番組でおもしろかったのは、ヒトラーが演説のために発声訓練をしているシーン。
宣伝相のゲッベルスが見守るまえで、人々をだまくらかすには適切な呼吸法が必要ですと、オペラ歌手の講師にいろいろ教授されていた。
ほかにも国威発揚オリンピックの極めつけといわれた、リーフェンシュタール の「民族の祭典」の映像もあった。
プロパガンダというものはこういうふうに作られるのだから、注意しなさいというつもりらしいけど、いままさにNHK自らが行なっているプロパガンダについてはまったく知らん顔。

ヒトラーがオーストリアに侵攻し、併合したという事実から、あとは徹底的に侵攻は悪い、併合は悪いという内容に終始する。
プーチンをヒトラーになぞらえ、チャップリンをアメリカ(バイデンさん)になぞらえていることは明らかだ。
侵攻・併合が悪いなら、米国がベトナム、イラク、アフガンに軍隊を送って、傀儡政権を打ち立てようとしたのはなんだっていうんだ。
自ロ他不(自分がするとロマンス、他人がすると不倫)の見本じゃないか。

国際関係においては、なんでもかんでも一辺倒に侵攻は悪いといいきるのは乱暴である。
独裁者が自分の利益のために他国を侵略したなら、もちろん悪いことだけど、愛国者が自国の国民のためにしたことなら、こちら側から見た場合とあちら側から見た場合では、正義の観念が正反対ということもあるのだ。
わたしたちは深く考慮することもなしに、表面だけを見て、これは悪だと決めつけることをつつしまなければならない。

わたしは民放のアホな番組よりずっとマシだというので、NHKしか観ない人間だったけど、ここんところのNHKははっきり異常だと思う。
そこまでしてロシアを貶めたいのだろうか。
あまりやることが幼稚なので、しみじみ心配になる。
昨夜は昨夜で、「決意の回廊」というドキュメンタリーを放映していたけど、これはウクライナからニューヨークに逃れた難民がテーマだった。
アメリカの場合、もともと移民・難民で作られた国だから問題はないだろうけど、日本の場合はホイホイ引き受けた難民に最後まで責任を持てるのか。
戦争が終わり、首尾よく軍事大国になれたら、ハイそれまでよと、難民は冷たくあしらわれ、(独身の美人以外は)帰国せざるを得ないのではないか。
日本人の本性があらわれたなんて非難されなきゃいいが。

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