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2022年6月 4日 (土)

おかしくないか

これはココログのブログなんだけど、Aさんという名物ブログを書く人がいる。
名物というのはこの人の記事が、ロシアや中国をけなしてよろこぶネトウヨ傾向のあるもので、しかもどこから見つけてくるのか、やたらにグラフやデータを多用して、しかもしかも、それをほとんど毎日更新しているからだ。
日本は表現の自由が保障されている国だから、だれがなんといおうと勝手だけど、ときにはひとこと注意したくなる記事もある。

とくにわたしが気にするのが、地球温暖化の阻止のために努力する人々を揶揄するもので、このブログに影響される若者がいるとすれば、その弊害は大きい。
見かねて以前にコメントでいちゃもんをつけたことがあるんだけど、それに対する答えはないし、ぜんぜん反省はしてないようだ。
2、3日まえの記事にこんなものがあった。

そもそも脱炭素を言いたいなら、世界の炭酸ガスの大部分をまき散らしている炭酸ガス排出大国の中国を名指ししないと無意味です。
だって、中国が世界の半分出しているんですから、ここを締めないとCO2は減らないのです。
わかりきった話ですが、なぜか中国だけはいままで「開発途上国」と自称して削減を拒んできました。
ある時は世界の覇権国、ある時は発展途上国ですからね(笑)。

Photo_20220604015801

こう書いて、ご丁寧にCO2排出量のグラフまで載せていた。
これを見ると、たしかに中国の排出量は日本の10倍(背景の白いグラフ)、日本、米国、EUのG7全部をあわせたくらいある(黒い円形のグラフ)。

さあ、ここからみんなにも考えてもらおう。
ふつうに、単純に考えてもおかしいと思うことはないだろうか。
中国は世界最大の人口をかかえる国だ。
単純に考えたって、中国人が日本人と同じていどの繁栄を求めれば、CO2排出量は日本より多くなるはず。

では中国の人口は日本の何倍なのか。
調べてみたら(中国=14億人、日本=1億2千万)ほとんど日本の10倍だった。
日本、米国、EUの先進国全部をあわせた人口は知らないけど、中国のほうが多いかもしれない。
日本や米国が繁栄するのはかまわないけど、中国なんぞが日本や米国と同程度に繁栄しようなんて生意気だ、とでもいうんだろうか。
中国が日米と同じていどに繁栄しようとするなら、グラフの数値はべつにおかしくない。
日本は排出量抑制の技術も進んでいるけど、中国はまだ道半ばの国だと思えば、むしろぴたりと帳尻が合っているかも。
さらなる問題は、このグラフによると、人口が中国の3分の1しかない米国が、中国の半分ほどのCO2を排出していることだ。
Aさんはこれについてひとことも触れないのである。

こういう自己中心的なデータを持ち出して、わはは、もう笑っちゃうでしょうだって。
笑われるのはどっちだろう。
Aさんが最初からアンチ中国でなければ、こんな記事が書けるはずがない。
わたしは何度でも繰り返す。
世界を公平で客観的にながめ、相手には相手の事情があると考えること。
それがつまらない煽りブログに引っかからないコツだ。

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