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2022年6月23日 (木)

親切な警告

今朝のヤフーニュースを見ていたら、ウクライナの戦場で取材していたジャーナリストがロシア兵に殺されたという記事が目についた。

ウクライナ人写真家マクシム・レビン氏(当時40)は3月13日、キーウ北西のブチャに近いモシュン村の森で行方不明になり、ロシア軍撤退後の4月1日、同行のウクライナ軍兵士とともに遺体で発見された。

今回は「国境なき記者団(※医師団でないところに注意)」をひっぱり出して、またロシアの残酷さを印象づけようという気らしいけど、こう毎日毎日プロパガンダばかりじゃ、オオカミ少年で、だれも信用しなくなってしまうよ。

今回の戦争がプロパガンダ戦争であることを、わたしはこのブログで何度も強調している。
宣伝工作ではウクライナ(米国)がロシアを圧倒していて、日本のNHKまで動員してロシアをおとしめ、いくら弁解しても聞く耳を持たないとなったら、ロシアのほうではどう思うだろう。
ほんらい記事が公平で客観的なものであれば、記者にも同情すべき点はある。
しかしウクライナ兵と行動を共にしていたウクライナの記者というのでは、ロシア側からすれば自分たちをおとしめるプロパガンダに、積極的に加担している者と思われても仕方がない。
記事を書いた記者にそんなつもりはないとしても、それが報道される時点では相手をおとしめる記事に使われる。
あげくの果てに、なにも知らない野次馬がワイワイ騒いで、戦争が長引き、犠牲者も増えるのでは、罪は軽くないということになる。

ベトナム戦争あたりまで、報道は現地の状況を公平に伝えるということで、戦場のジャーナリストには、両陣営からそれなり保護の配慮がされていた。
ただ、それだと自国の欠点や無法ぶりまで報道することになり、そんな記者たちの姿勢がわずらわしいというので、米国は徐々に戦場からジャーナリストを締め出す方向に舵を切る。
イラク戦争で敗走するイラク兵士の、無益といっていい虐殺(死のハイウェイ)が報じられたのは、それがぜんぶ片付いたあとだった。

ISISが登場すると、もはやジャーナリストの保護などまったく顧みられなくなった。
むしろ敵方のジャーナリストは絶好の標的とされたくらいで、取材させるという名目で誘い出され、拉致されたあげくに殺された記者も多かった。
だから国境なき記者団に警告するんだけど、戦場に当事国の記者を投じるようなことはせず、できるだけ利害関係の少ない国の記者を派遣すべきだ。
中東のテレビ局アルジャジーラの記者なら、今回だってたぶん殺されることはなかっただろう。

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