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2022年7月

2022年7月31日 (日)

NG誌

昨日は図書館に行って、最新のナショナル・ジオグラフィックを読んできた。
今月号ではインドの温暖化対策が大きく取り上げられていた。
とかくインドや中国のCO2削減の努力について揶揄する人が多いけど、彼らが努力をしていることぐらいは認めなけりゃいけないだろう。
日本のように小さな国で、科学技術や教育水準の高い国ばかりではないし、つい最近世界最大の人口大国になったばかりのインドは、日本とはちがった困難があるのだから。

NG誌を読むたびに、公平客観的という言葉を感じさせられることはないね。
この雑誌はウクライナ戦争についても、ほとんど意見をはさまない。
以前いちどだけそれについての記事を見かけたけど、あれは日本版の翻訳もとである日本経済新聞社の勝手な記事だったんじゃないか。
世間にあふれている地球温暖化についての、でたらめなプロパガンダに踊らされないためにも、日ごろからこういう本を読んでおくべきだ。

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2022年7月30日 (土)

血まみれのオペラ

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以前録画しておいたオペラの「エレクトラ」を観てみた。
録画した直後に観てみたら、ギリシアの古典劇が現代的に改変されたオペラで、あまり魅力的な女優が出てないようだったから、そのままほっぽらかしにしてあったものである。
今回は役者の名前のスペリングが知りたくて、いっきに最後のカーテンコールの場まで飛ばしてしまったけど、いや、すごいもんだね。
もともとの素材からしておどろおどろしいものになる予感はしていたけど、古典そのままの衣装で演ってくれればまだしも、始めからしまいまで太めのヒロインが血にまみれたワイシャツ姿で、カーテンコールに血まみれの役者が勢ぞろいなんて、こんなオペラも珍しいんじゃないかしら。
これでは新聞の三面記事にある殺人事件みたいで、ますます観る気がなくなるワ。
というわけで、全体を通して観てないからエラそうなことはいわないことにしよう。
ああ、パトリシア・プティボンさんの、あの卑猥な「ホフマン物語」がなつかしい。

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2022年7月29日 (金)

ひとつの見立て

国際政治というのは、だまっていれば相手の言い分を認めたことになってしまう。
だから日本は、その目があるかどうかは別にして、80年近くも北方四島を返せ返せといい続けているし、中国は台湾はウチの領土だと言い続け、ときどきは飛行機を飛ばしたり、軍艦をちょろちょろさせたりしている。
とにかくなにかしら示威行為をしておくことが、こっちの主張を忘れさせないために必要なのだ。
韓国が慰安婦や強制労働をいい続けるのは、これはよそから刺激されて途中から言い出したことだから無視していいけど、極東アジアの住人がしつこいのは共通の遺伝子があるからではないかと、欧米人は思っているのではないか。

わたしは中国は台湾に武力侵攻などしないだろうという立場だった。
とかく中国ギライの反共主義者たちは、台湾は中国ギライで統一されていると思っているけど、台湾にはもともと国民党という中国寄りの政党がある。
いまはウクライナ戦争のおかげで、共産主義はコワイという考えが主流になっているけど、平和なら時代なら、その時々の状況しだいでどっちにつくか決めようという浮動層まで含めれば、国民党の勢力はけっしてあなどれなかった。
落ち目のアメリカより中国にくっついたほうが得じゃんと思えば、かんたんに民意がひっくり返るのが台湾という国なのだ。
だから中国がひたすら平和で安定的な繁栄さえこころざしていれば、熟した柿のように台湾はひとりでに中国側に落ちるだろう。
無理に戦争なんかする必要はないので、冷静な中国はそういう戦略をとるだろうと思っていた。

ところがウクライナ戦争を見ていて、ひょっとすると中国はこの方針を変えるかも知れないと思うようになった。
理由はウクライナにおけるアメリカのていたらくだ。
しっかりと国際状況を見極めもせず、自分の腕っぷしだけを頼りにロシアへの制裁に踏み切って、案の定中国やインドや途上国はどこも制裁に参加せず、逆に制裁に参加したヨーロッパが、プーチンのエネルギー制裁にあってネを上げてしまう始末だ。
ウクライナからはもっと武器をくれ、もっとと泣きつかれ、それが際限なくエスカレートして、ついには戦闘機まで供与しようかと考える始末。
そのうち核兵器まで供与しようかといいださなければいいけど。

バイデンさんはロシア産エネルギーの代替えをしてくれないかと、このあいだまで殺人者だとみなしていたサウジアラビアのムハンマド王子にまでお願いに行っていた。
パレスチナ問題や温暖化阻止の公約も、みんなあさっての方向に行っちゃって、もうやることなすことムチャクチャだ。
ムハンマド君はそんなバイデンさんを見て、あのアメリカがオレんところに頭を下げてきたと、腹のなかでせせら笑っているに違いない。
アメリカの国格は下がる一方だ。

こんなアメリカのていたらくを中国はじっと観察している。
アメリカなんて腕力だけが頼りで脳みそのない暴力団みたいなものだ。
もうすこし様子をみて、アメリカの斜陽が限度を越えたら、いっきょに台湾に軍事侵攻してもどうってことはないだろうと考えてもおかしくない。
いや、待て。
日本がいるな。
自衛隊を相手にしたらこっちも被害が無視できないから、やっぱり平和で安定的な国家作りという長期戦略で行くほうが無難か。
と、中国が武力侵攻を思い止まってくれればいいんだけどね。
アメリカのおかげで、わたしも判断に迷ってしまうよ。

岸田クンがアメリカに追従したのは失敗だった。
ロシアと中国はおなじ共産党上がりといっても、腹のなかでは近親憎悪みたいなところがあって、けっして一枚岩ではない。
プーチンは日本びいきなところがあるから、かりに日本と中国が戦争でも始めれば、ロシアを味方につけて中国をけん制することもできたはず。
日本が落ち目のアメリカ・グループに加わったおかげで、ロシア、中国の協力関係をわざわざ強固なものにし、双方を敵にまわしたというのは大失策だ。

しかし相手のことを思いやるというワタシ(酔いどれ李白)の言い分に従うなら、いまの日本にアメリカに加担しないという選択肢があっただろうかという人がいるかもしれない。
あったのだ。
あとづけでこんなことをいっても仕方ないけど、もしもウクライナ戦争が始まるまえに、岸田クンがバイデンさんのところへ行って、まあまあ、ここはわたしにまかせて下さいといったとする。
その足でウクライナのゼレンスキーさんのところへ出向き、経済援助はいくらでもしてあげますから、いまNATO加盟だけは思いとどまったほうがいいですと忠告する。
ゼレンスキーさんがぶちぶちいったら、あんた、わたしらの協力なしにロシアに勝てると思ってんのと一喝する。
さらにその足でロシアに寄り、米国が虎視眈々と出番を狙ってますから、あまりウクライナに固執するのはよくありませんよとプーチンを説得する。
プーチンだって好んで戦争をしたいわけじゃないから、NATO加盟さえなければということで納得する。
バイデンさんは国内の軍事産業からうるさくいわれるかも知れないけど、せっかく仲をとりもってくれた日本を怒らせるわけにもいかないから、こちらもなんとか納得する。
これでウクライナ戦争を阻止できれば、さすがは安倍もと首相の後継者だということで、どきどきしながら様子を見ていたドイツやフランスからも感謝され、かりに岸田クンが狙撃されて死ぬようなことがあれば、世界中から弔電が殺到するだろう。
え、どうだ。甘いかな。わたしの見立ては。

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2022年7月28日 (木)

ワレカラ

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わたしは生ワカメが好きで、よくスーパーでパック入りのものを買ってきて、酢と醤油をぶっかけて生野菜同様にむしゃむしゃと食う。
食べるまえに洗ったほうがいいのかも知れないけど、ワカメというのは洗うのがむずかしい。
真水につけておくと、すぐふやけて食べられなくなってしまうのだ。
まあ、生野菜みたいなもんだろうから、いちいち洗うのもメンドくさいというので、たいていは買ってきたそのまま酢醤油をかけてということになる。

YouTubeを閲覧していたら、生ワカメには寄生虫がたくさんついているという映像があった。
ホントかよと驚いて、あわててその映像を見た。
なるほど、さっと水洗いをすると、その洗ったあとの水のなかになにやら小動物らしいものが点々と。
しかし、この映像を上げた人はわざわざその寄生虫をクローズアップしていたから、わたしにはすぐに正体がわかった。
なんだ、ワレカラじゃないか。
これはプランクトンのような小さい甲殻類である。
つまりエビの仲間だ。
ワカメについていたということは、これもワカメが好物なのかも知れないけど、人間には無害である。
それなのにこの映像にはたくさんのコメントがついていて、なかには「寄生虫を出汁に使い、アレルギーがあることを警告するとは、さすがは◯◯ちゃん」だとか、「生ワカメ1パックと圧倒的な知識だけで、100万回再生できる人」などと称賛の嵐だ。
圧倒的な知識かい、オイオイ。

海のなかには膨大な数のプランクトンがいて、それは食物連鎖の下位ではあるものの、わたしたちの食生活になくてはならない貢献をしている。
このユーチューバー氏のほかの映像も見てみたけど、けっこういろいろな生きものに興味のある若者のようで、それを映像で見せてくれるのはいいんだけど、こんなことでもヘタすると漁師さんたちには風評被害になりかねない。
おもしろ半分で知識を披露するまえに、せめて相手の正体や名前を確認するぐらいのことはしてほしいね。
だいたい寄生虫だと大騒ぎするほうがわるい。
生ワカメを買ったらエビがおまけについてきたといえ。

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2022年7月27日 (水)

もうひとつの真実

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もうひとつの真実。
これは昨日のわたしのブログのアクセスの推移。
1日のうち、ある時間だけアクセスが山なりに跳ね上がり、なんで跳ね上がったのかぜんぜん思い当たるフシがなく、それ以外はだらだらとフラットに推移する。
こういう自然現象ってあるの?
やっぱりわたしのブログのアクセス数は、何者かに操作されていると考えるほうが自然だ。
なんといっても世界でゆいいつのロシアに理解を示すブログだぞ。
たぶん世界中からアクセスが殺到して、ココログの手におえなくなっているに違いない。
と考えるだけならタダで、夢もチボウも湧いてくるってやつだ。
これが本日の真実。

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2022年7月26日 (火)

真実

プーチンが安倍もと首相の国葬に参列しないそうだ。
プーチンの性格なら、いや、プーチンでなくても、たとえばあなたなら絶対に行きたい親友の葬儀であっても、その家族から来ないでくれといわれたら、行くか?
いったい日本政府はなにを考えているのだろう。
弔問というのは、来るか来ないかはあくまで相手の好意によるもので、こっちから◯◯は来ないでくれと要請するものではない。
ひょっとすると亡くなった安倍クンこそ、もっともプーチンに会いたかった人かも知れないのに。
まあ、プーチンもよそよそしい連中と同席するくらいなら、部屋で蝋燭でもともして、ひとりで旧友の死を追悼することを望むだろうけど。

わたしは亡くなった知り合いの火葬に行ったときのことを思い出す。
サクラがあと1週間で咲くという季節で、場所は多摩霊園のわきの多摩斎場だった。
遺体がまだ到着してないので、参列者は待合室でお茶でも飲んでいてくれといわれたけど、大半はふだんから親しく口をきく仲でもないし、そんなところで世間話をする気にもなれないから、わたしはひとりで多摩墓地のなかをぶらぶらしていた。
ようやくツボミをつけ始めたサクラの古木を見上げて、あと1週間か2週間おそければ、故人も今年のサクラを見られたのにと残念に思った。

そろそろいいだろうと、斎場にもどってみると、ちょうど遺体が到着したばかりで、棺がコンクリートの床の上にぽつんと置かれていた。
まだだれも待合室から出てこなかったから、わたしはたったひとりで彼と最後の別れを告げることになった。
短い時間だったけど、あのときほど幸運を感じたことはない。

いったい人間はなんで大勢で葬式をしたがるのだろう。
国葬だろうがなんだろうが、葬式というのは仰々しければ仰々しいほどバカバカしくなる傾向がある。
そういう点で、わたしは田舎の葬式というのが大キライである。

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2022年7月25日 (月)

ベラルーシという国

だいぶまえに録画しておいた「潜入ベラルーシ」というドキュメンタリー番組を観た。
ベラルーシはソ連時代にロシアを構成していた国のひとつで、現在でもロシアを擁護する数少ない国のひとつ。
ウクライナ戦争では西側の国々から憎まれている国である。
いったいどんな国なのかと、フランス人ジャーナリストが、一般観光客をよそおってベラルーシを見てまわるというふれ込みの番組だったけど、NHKがこの時期に放映ということは、観るまえからロシアをけなすプロパガンダなんだろうなあと思ってしまう。
しかしそうであろうがなかろうが、ベラルーシという国についてひじょうに興味があったので、可能なかぎり先入観なしに観てみることにした。

わたしが知っていたベラルーシは、とにかくどうしようもない国ということだった。
ルカシェンコ大統領はヨーロッパ最後の独裁者といわれているくらいで、だからたぶん北朝鮮のような国なんだろうと思っていた。
わたしは北朝鮮の現状にも関心があって、北をとらえた写真や映像があると見逃さないようにしている。
こうやって普通ではなかなか見ることのできない国を知っておくことは、現実の世界をながめるのにも必要なことなのである。
ではベラルーシの映像はどんなものだっただろう。

最初に軍事訓練をするベラルーシ軍が出てきたけど、使われている火器はロシア製のDP28という、大戦中に使われた古い機関銃だったからおどろいた。
じつはこれは観光客のための戦争体験ショーなんだそうで、欧米の観光客が観光目的でどうどうとベラルーシ国内に入れることがわかり、またおどろいた。
それでは人々はどうなのか。
走っている車はキューバのように骨董品ばかりで、飢え死にしそうな浮浪者がそのへんをうろうろしてないか。
取材者もそのへんは心得ていて、ガイドをやとって街の人混みやデパートのなかなど、お仕着せでないところばかりを見てまわる。
その結果、少なくとも北朝鮮ほどひどい独裁国家ではなさそうだった。

プロパガンダというのはあからさまに本音がバレては失格だ。
以前観た「戦場の大統領ゼレンスキー」というドキュメントは、プロパガンダだとしてもよくできた作品だったけど、今回の「潜入」はダメだな。
あまりにも白黒がはっきりしすぎて、なんだか無理やりルカシェンコとベラルーシの欠点をあげつらっているように見える。
市民たちは不満をかかえてはいるものの、世界にはそういう国はたくさんあると公平な見方をすれば、スターリン時代のロシアなんかに比べても、よほどマシな国に見えた。
インターネットも使えるし、女性たちはいまふうのおしゃれをしているし、北朝鮮のように選ばれたエリートたちをエキストラに使って、外国人にはいいところばかりを見せるような小細工はしてないようである。

ひとつ感心したのは、番組のなかに登場したフランスのもと外交官という人の発言で、プーチンとルカシェンコは愛憎が入り混じっているというもの。
わたし個人の考えでも、プーチンの性格は日本の武道家のいさぎよさに惚れているようなところがあり、ルカシェンコのようなタイプは好きではないように思える。
どんなに苦境にあっても、ぜったいにベラルーシから兵士や火器の支援は受けないというのが、その証拠に見えないか。
しかし現在のようにロシアが世界中から集中いびりをされている状態では、気に入らない相手でも大事にしなければならない。
愛憎が入り混じっているというのはこういうことをいっているのだろう。
なかなか炯眼というべきだ。

取材していたフランス人ジャーナリストは、最後はバスに乗ってベラルーシを脱出するんだけど、外国までの路線バスが普通に走っていることに驚いた。
国境で取り調べに手間がかかったというものの、彼は無事に解放されてリトアニアにたどり着いている。
これではわたしが想像する北朝鮮のような、国民の勝手な移動を禁止し、にらんだ獲物はぜったい逃さない恐怖の警察国家という感じがしない。
ひょっとすると独裁は独裁でも、どうせ誰がやっても同じだと、国民の多くはルカシェンコの政治に満足しているのではないかと思ってしまうではないか。
これではプロパガンダとしては失敗作なのだ。

番組のなかに、ベラルーシの大統領選挙でルカシェンコの対抗馬に立ち、その後迫害されて隣国のリトアニアに亡命しているスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤという女性政治家が出てきた。
彼女はベラルーシを徹底的にこきおろし、ワタシが大統領ならロシアとはすぐに手を切るわと公言する。
これを観て思ったのは、たとえば中国のウイグル問題を西側のジャーナリストが取材する場合も、同じようなものになっただろうということ。
ウイグル人のなかにも、亡命して世界を行脚しながら、中国の非道を発信し続けている有名な女性活動家がいるから、とうぜん彼女へのインタビューも入ることになるだろう。
するととうぜん彼女は中国をボロクソにいうだろう。
現実の新疆ウイグル自治区を知らない者が観たら、これはすべて真実だと思ってしまうのではないか。

わたしはベラルーシのことは知らなかったけど、ウイグル族のことは、じっさいに新疆ウイグル自治区まで行ったこともあるし、日ごろから中国に関心があって、いろんな情報に接しているせいもあって、西側から非難されるほどひどくはないということを知っているのである。
どんなに公平を装っても、取材する側に最初から偏見があれば、結果的にはプロパガンダになることが多いから、これはそういう番組を観るほうの責任でもある。

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2022年7月24日 (日)

国葬の予想

ある人のブログを読んでいたら、この人は世間によくいる反共主義者で、ロシアや中国をいまだに悪の枢軸扱いしている人だけど、安倍クンの国葬にはもろ手を上げて賛成の立場だった。
個人的に賛成しようが反対しようがかまわないけど、書いた文章のなかにこんな一節があった。

今回、国葬にした現実的理由は、多くの元首首脳が弔問を希望しており、これに個々の対応することは外務省や警察の能力を超えたからです。
さらに国際常識として、首脳弔問を受けた場合、弔問外交の場を提供するのが、接受国の義務です。
今回ならば、おそらく百カ国を超える国が参加する、G7やG20を軽く凌ぐ空前の規模の国際ステージになるはずです。

そんなにうまく行くかな。
彼は昭和天皇の大喪を夢見ているらしいけど、安倍クンの国葬に多くの元首首脳が弔問を希望しているというのは初耳だ。
まして100カ国が参加するとは、なにを根拠に言っているのだろう。
昭和天皇の場合は、政治的に左右のどちらの肩も持たず、中立をたてまえにしていた人だから、世界のどの国も参加しやすかった。
安倍クンも西側とあちら側、あるいは米国とヨーロッパの仲をとりまとめようと努力した人だから、中道といっていいかも知れない。
しかし安倍クンのあとを継いだ岸田クンは、アメリカ寄りの姿勢を鮮明にした。
しかもプーチンは弔問に来させない、入国禁止だなどとほざいている。
これでは中国もヘソを曲げて、ロシアが来ないならウチも行かないなどと言い出すかも知れない(中国は礼節を知る国だから、駐日大使ぐらいは顔を出すだろうけど)。

とにかく岸田クンが旗幟を鮮明にしたおかげで、ロシアに味方する途上国なんか軒並み参加が不透明だ。
確実に参加するのはG7とほんのわずかな国ということになり、そのうちでもドイツやフランスは、腹の腹の中ではロシアに盾つきたくない、早くウクライナ戦争が終わってほしいという立場だ(義理で参加はするだろうけど)。
いくら日本国内では功績のあった人でも、平和な時代に平和な日本の舵取りをしただけではないか。
うちのド・ゴールやチャーチルといっしょにしないでくれると、フランスや英国はいいそうだ。

岸田クンの舌禍はますます明らかなってきた。
その失敗から国民の目をそらそうという国葬に、なんでわしらが参加しなくちゃいけないのと、大多数の国が考えてもおかしくない。
わたしの考えが正しいかどうかは、9月27日の国葬のときにわかるはずだから、はたして何カ国の参加があるか、楽しみに待とうじゃないか。

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2022年7月23日 (土)

暑くない

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歳をとると体温調節機能がにぶくなるのかしら。
今年は猛暑ということだけど、エアコンなしで部屋にひっくり返っていて、ぜんぜん暑くないねえ。
おかしいと思ってベランダの外をながめると、陽はかんかん照って、反射がまぶしいくらいで、とっても暑そう。
にもかかわらず部屋のなかでは汗ひとつかかない。
湿度が少ないってことかしら。
アフリカの砂漠なんか太陽は強烈だけど、空気が乾燥しているから、日陰にいればけっこうしのぎやすいと聞いたことがある。

知り合いにいわせるとコンクリートの建物だからでしょとのこと。
熱中症に気をつけたほうがいいよとも。
しかし熱中症というのはそうなるまえに、汗をかくとか、暑い暑いと悲鳴を上げるとか、いろいろ前兆があるんと違うのと聞くと、そんなことはない、本人も気がつかないうちにぼうっとなって、気を失う場合もあるなんていう。
ホントかよ。
やばいね。
花壇の草むしりなんてとてもやる気が起きないね。

ところでうちの花壇、黄色いコスモスが雑草なみにはびこって、これではいかんと白やピンクのコスモスの種を撒いたら、無事に芽を出した。
しかし成長の早いのは圧倒的に黄色で、白ピンクはじれったいくらい大きくならない。
花が咲かないことには、本当はまだ何色のコスモスなのかわからんだけど、いちおう写真を添えてみた。

悩みは尽きないけど、今日は夕方から3回目のコロナ接種だ。
コロナ、コロナって、とっくに感染してるんじゃないかって思うこともあるけど、死亡者は少ないみたいだし、わざわざ検査に行く気にもなれないし、ふだんからあまり出歩かないわたしみたいなのはどうすればいいのさ。

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国葬

まだ来るともいってないのに、国葬にプーチンの出席を断る、実質的に入国禁止だそうだ。
自分たちで派手に国葬をぶち上げておきながら、弔問をなんと心得るのかねえ。
セコイ。
まえにもどこかで書いたけど、日本はどんどんセコイ国になる。
葬式まで政治の道具に使ってほしくないと、故人もあの世で嘆いているんじゃないか。

だいたい日本人の半数ちかくが国葬に反対だそうだ。
わたしは右翼左翼の論争に加わるつもりもないし、それをだらだらぐずぐずした国会で論議しろともいわないけど、個人的にみても岸田クンの一声であっという間に決まっちゃったなという感じ。
その段階でおかしいという声が与党内からひとつも聞こえないのは、ウクライナ戦争の初期の状態といっしょ。
日本もいよいよ北朝鮮のような独裁国家になったかと愕然としてしまう。

メンツがからんでいまさらやめられないというなら、わたしが代わって言い訳を考えてやろうじゃないの。
今年の冬は燃料や食費、生活必需品等の高騰が懸念され、また貧乏人支援金の大盤振る舞いが予想されることを鑑み、この時期の税金ムダ使いは控えるべきだとの結論に達しましたので、遺憾ながら国葬は中止させていただくことになりました。

こうやって、あくまで貧乏人(わたしみたいな)を前面に押し出せば、右翼も文句はつけられないし、自民党葬までするなといってるわけじゃないんだから、てめえたちの金でやるなら、打ち上げ花火を上げようが、花電車に芸者衆を繰り出そうが、どんな派手な葬式をしてもらってもかまわない。
コロナのころからやけに国の大盤振る舞いが目立つので、わたしも生きているうちに、あと一度くらいは貧乏人支援金というやつをもらってみたいと思っとるんよ。

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2022年7月22日 (金)

岩田明子さん

わたしの予想通り、ロシアはガスパイプの栓を、閉鎖まえの状態までもどしたようだ。
でもこんなことは国際情勢をしっかり把握し、プーチンという人の性格を理解しておればだれにでも予想できたことで、べつに威張るようなことじゃない。

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NHKのニュース9を観ていると、いつもロシア非難の報道ばかりで腹が立つけど、これは出演しているアナウンサーの責任じゃないだろうと思い立った。
NHKというところは民間企業というよりお役所というべきところなので、社員はみんな役人体質を持っている。
つまり上からの命令には逆らえないということだ。
そして上というのが問題で、わたしが2014年1月26日のこのブログに書いたように、歴代会長は政府のおぼえめでたい人間でないとその地位にはつけないのである。

現在の会長さんの経歴をながめると、経済畑を渡り歩いて仕事はばりばりの切れ者らしいけど、おそらく政治信念や、他人を思いやる人間らしさが皆無の人なのだろう。
だから岸田クンがロシア制裁に与すれば、NHKを挙げてそれに忖度しようと考える。
なんでもいいからロシアをけなせ、それが日本を軍事大国化する最善の方法だと職員を叱咤する。
じつはニュース9の田中正良サンも山内泉さんも青井実クンも、本心では納得のいかない原稿を読まされる気のドクな被害者なのだ。

会長がろくなものでない証拠をもうひとつ挙げよう。
NHKの番組にはいまでも「空撮中国」シリーズや、中国の奥地に取材した番組など、中国の協力がなければとても作れないものがある。
これだけ見ればNHKは中国と融和的だなと思ってしまう。
ところがニュースになると、一転して中国の脅威をあおり、ロシアが片付いたらつぎは中国だと、ケンカをふっかけているんじゃないかと思える姿勢になる。
局の方針がちぐはぐなのだ。
これは上層部の意見と制作部の意見が一致してないことだろうけど、まずいじゃないですかと、上申できないのもお役人体質というものだ。
現場の声を聞いてみたいね。

わたしがなんでこんなことを書いたかというと、少しまえにNHK解説委員の岩田明子さんが、安倍もと首相が狙撃されたとき、どうしてテレビに出てこなかったのかとかんぐっているネットニュースを観たからだ。
岩田明子さんといえば、NHKしか観ないわたしにはお馴染みの人で、NHKでは安倍番記者というくらい、安倍もと首相にべったりだった人である。
そんな人が安倍首相の狙撃事件の報道にほとんど出てこない。
なにかあるんじゃないかということで、週刊誌がいろいろ憶測をしてるんだけど、おかげでどろどろしたNHKの裏の部分が透けて見えてしまった。

NHK内部に新しい首相の岸田クンにおもねる勢力があって、そこでは上部の命令にしたがわない職員に対して、差別や疎外が横行しているのだろう。
過去に松平定知や有働由美子のような人気アナが退職してしまったのは、お金の問題もあっただろうけど、そんなお役所体質にイヤ気がさした者も少なくなかったのではないか。
ニュース9の青井実クンあたりもそのうち民放に移籍するかも知れない。

ここまで書けばおわかりだろう。
NHKがロシア制裁を支持し、このあいだまで持ち上げていたプーチンを、手のひらを返すようにけなし始めたのは、たぶん会長か副会長が、役人根性を発揮して政府に忖度したからにちがいない。
トップが忖度すれば、下もそんな空気を読む。
それもお役所体質というものだ。
モリカケやサクラではあれほど執拗に安倍クンを攻撃していた反日新聞は、NHKにはなにもいわんのか。

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2022年7月21日 (木)

期待と予想

ドイツ国民がうろたえている。
ロシアが天然ガスのパイプラインを点検目的で閉めてしまって、いちおう今日(21日)が点検期間の終了日なんだけど、このまま閉めっぱなしにするんじゃないかって。
閉めっぱなしにされると今年の冬は大変だ。
それ、節ガスだ、薪だ煉炭だと、日本よりひと足早くドイツは、戦後の焼け跡経済にもどっちゃっているらしい。

イランを訪問中のプーチンは、ヒトのわるい笑みを浮かべて、みんなNATOが悪い、安易に制裁なんか始めるほうが悪いといいたい放題。
どうもこのヒトのわるい笑みというのはプーチンの癖で、ロシア嫌いが見たらさぞかし腹が立つことだろう。
しかし、わたしがプーチンだとしたら、やっぱりニヤニヤしちゃうよな。
反共イデオロギーに染まったバイデンさんに、一も二もなく飛びついたドイツや日本は、ぜんぜん先のことを考えずに制裁に加担したのだろうか。
世の中が平和ならパイプラインは問題にもなっていなかったはずなのに、アメリカが戦争に介入を始めたとたん、ロシアにとって強力な戦略兵器となった。
ドイツの政治家にはわかっていたはずだ。
できれば制裁なんかに加担したくない。
しかし民主主義国では、国民の意思は神さまの意志なのだ。
そして神さまはいつも漫画のヒーローみたいな正義感を持っているものなのだ。

日本の場合はあきらかに政治家(とNHK)に責任がある。
サハリン2を取り上げるなんて、まさかそこまでしないだろうと、自分のことは棚に上げてムシのいい期待。
え、国葬なんかしている場合じゃないでしょ。
今年の冬は暖房費が高騰して、また貧乏人(わたしがその代表だ)に思いきり支援金が必要になるど。
いったいウクライナ戦争が始まって、米国の軍事産業以外、世界が得をしたことがなにかあるんかい?

ぐちゃぐちゃいってきたけど、ドイツについては心配いらない。
プーチンがパイプの栓を閉めたのは、ロシアに楯突くとコワイぞということをドイツ国民に知らしめただけで、閉めっぱなしにしたら逆効果だ。
ドイツは日本といっしょで、侵略はするほうがわるいという国民が大勢だけど、国民の生活を守らなければならないドイツ政府は、さっさと戦争が終わってほしいという立場。
いってみればドイツ政府はアメリカに対して(内心では)反感をもつ立場だ。
ガスのパイプを閉めっぱなしにしたら、そんなドイツ政府を困らせることになる。
これはけっして賢い方法ではない。
ドイツがさらに制裁に前のめりになるとか、NATOが軍隊を派遣するようなことでもあれば別だけど、100パーセントもとの量にもどさないまでも、点検まえのレベルまでもどすことは確実。

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2022年7月20日 (水)

忠告

ロシア人ユーチューバーのアリョーナ(日本名は安涼奈)さん、彼女は日本の東大出身の才媛だそうだけど、彼女の最新映像に「ロシアがさらに恐ろしくなった」というものがあった。
なんでも彼女の友達がロシアに里帰りしたら、当局から呼び出され、まるでスパイではないかという扱いをされて、そのまま沈黙を守らざるを得なくされたらしい。
アリョーナさんはロシア人である。
ロシア人が自分でいうくらいだから、それは事実だろうと、みなさん、あらためてロシアの恐ろしさを知ることになったのではないか。

どうもアリョーナさんにかぎらず、日本にいるロシア人ユーチューバーたちは、ほとんどがロシアの国家反逆罪に該当しそうなことをいっている。
原因は彼女たちが日本にいて、日本に迎合しなければいけないこと、さらに日本国内の情報ばかり見ているせいだろう。
なにしろ、あのNHKまでが朝から晩までロシアの非道を訴える始末だし、さらにロシア人ということで、彼女たちに会う人会う人、みんなロシアの話題ばかりをする。
日本人の大半は単細胞で、侵略は悪いということを単純に信じる人ばかりだから、ロシアはひどい国だね、プーチンは独裁者だね、鬼だね、悪魔だねという。
アリョーナさんほどの才媛がそんなことを鵜呑みにするとは思わないけど、もうすこし自分の国の大統領を信じてほしかったね。

今度の戦争では先進国の全部がロシアの敵にまわって、プーチンがどんなに弁明しても聞く耳を持たないという状態だ。
わたしみたいな素人が見ても、ロシアを攻撃するプロパガンダは目にあまる状態だったから、これではだれかが世論を操ってロシアを貶めていると、ロシア政府が疑心暗鬼になっても不思議じゃない。
日本から帰国したロシア人が当局からしつこく訊かれたのも、そういう点ではないか。
ごうごうたる非難中傷を乗り越えて、ようやくロシア軍はウクライナを屈服させる段階まで持ってきたのに、日本にいるロシア人はそんな苦労も知らず、いいたいことをいう。
これ以上よけいなことをいうなと、当局から釘をさされることはおおいにあり得るだろう。
これではロシアではだれも自由にものをいえないと、アリョーナさんがおびえるのはもっともだけど、日本だって、ロシアを擁護する発言をした著名人が、世間のボンクラから寄ってたかって口を封じられているくらいだから、けっして自由な発言ができるわけではない。

アリョーナさんの家族はまだロシアにいるし、彼女は家族までYouTubeでおおっぴらにさらしている。
スターリン時代のロシアなら家族もただではすまないところだ。
ただではすまないというのは、家族全員が連帯責任で、銃殺かシベリア送りということだ。
しかしスパイ扱いされた彼女の友達も、べつにシベリア送りになったわけではないようだし、アリョーナさん本人に強制的な帰国命令が出たわけでもない。
彼女のかわいい妹も、いまのところ無事でいるようである。

だいたい彼女が日本にやってきて、自由を満喫できたのはだれのおかげだろう。
ゴルバチョフ時代から始まり、プーチンが引き継いだ開放政策のおかげではないのか。
ウクライナ戦争が始まるまえまでは、みんながプーチンは進歩的な大統領であると思っていた。
そういう大統領が、つねに西欧側につくか、ロシアにつくかと揺れ動いているとなりのだらしない国を、自国側にひきつけておこうとしただけなのに、アメリカの介入で泥沼化した戦争だ。
アリョーナさんももうすこし慎重な言い方をしないと、二度とロシアに足を踏み入れられなくなってしまうぞ。
ロシアにしてもウクライナにしても、日本とはちがった歴史や文化を持つ美しい国だから、彼女がいつまでもあの国を故郷にしていられるよう、わたしは祈っているんだ。

アリョーナさんの友人で、やはりユーチューバーをしているロシア人のあしや嬢は、日本に帰化申請をしたそうだ。
日本を持ち上げてくれるのはうれしいけど、正直にいうと、日本が特別な国でありすぎるので、日本のように政治が理想的に運営されている国はめったにない。
純粋の愛国心というのは、敵味方に関係なく称賛されるべきものだから、日本と比較して自分の国の欠点をあげつらっても、サムライ精神を愛する日本人は、決してよろこばないことを知るべきだ。
アリョーナさんが日本のボンクラどもに迎合する必要はまったくなかったのだ。

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2022年7月19日 (火)

沖縄/自然とともに

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ゴーギャンという画家がいる。
いるなんて絶滅危惧種みたいな言いかたをしなくても、だれでも知っている有名な印象派の画家だ。
彼もそうとうの変人で、それなり平穏にすごしていたフランスでの生活をおっぽり出して、南海の楽園(とそのころは思われていた)タヒチに永住してしまった。
いったいどうしてそんなということは、女性には永遠の謎だろう。
しかしわたしのような厭世家にはわかるような気がする。
わたしももうたっぷり世間の荒波に揉まれて、いいかげん世間にうんざりして、自然がいっぱいの西表島に移住を夢見るじいさんなのだ。
実行しないのは、ただ勇気がないのと、先立つものがないせいである。
無人島だってタダでは住めないのだ。

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船浮の民宿のおやじさんに聞いた話では、近くの無人島にひとりで住みついて、田畑を作り、自給自足の生活をしている日本版ロビンソン・クルーソーみたいな男性がいるという。
不法滞在ですかと訊いてみたら、ちゃんと地主さんの許可をとっているよという。
無人島にも地主さんがいるのかとがっくりしたことはさておいて、うらやましい話であるけど、電気が引いてなければ、パソコンも使えないだろうから、それがないと生きていけないわたしには真似できない。
いまでもひとりで暮らしているのだろうか。
ちゃんと老齢年金なんかもらってんのかしら。
現在ならユーチューバーになって、無人島の生活を発信し続ければ金持ちになれていたかもしれない。

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さて、御座岳を越えた笹森儀助のその後だけど、いったん祖納(そない)村にもどって、内離島の炭鉱を視察したことはすでに書いた。
祖納村では彼は役場の建物を宿にしていた。
この建物はこのあたりでは立派なものだったけど、部屋のなかにトカゲやヤモリやクモ、ダニ、シラミが徘徊していて、儀助も2カ所ばかり食われてカユかったそうだ。
ここでは方言で「ヤネマブリ」というトカゲの名前が出てきた。
明治の日本人はトカゲやヤモリぐらいでは驚かないだろうから、これはキシノウエトカゲだったかもしれない。
これはトカゲにしては大きいもので、写真を撮ったことのあるわたしもヘビかと思ったくらいだ。

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西表島はユネスコの自然遺産にも選ばれたくらい自然の豊富なところである。
最近観光客が増えてそうした自然をおびやかしているけど、この島では本土ではなかなか見られないめずらしい動物が、手の届くような近距離に見られる。
民宿に泊まれば壁にヤモリが張りついているし、海辺に出れば、いたるところにヤドカリやシオマネキがうごめいてる。
食堂でカレーを食べていると、庭の樹木に赤い鳥が舞い降りる。
あれはナンダということで、とりあえずビデオに収めておいて、あとで確認したらアカショウビンだったということを、わたしはじっさいに経験した。
哺乳類(イリオモテヤマネコ)、野鳥、爬虫類から両生類、魚類、昆虫など、自称ナチュラリストにインスピレーションを与える動物はひじょうに多いのだ。
これなら自然が豊富だということで、ナショナル・ジオグラフィックが取材に来てもおかしくない。
そんなことをいわれたって、明治時代にNG誌はまだなかっただろうという人がいるかもしれないけど、この本は1888年の創刊だから儀助の旅より5年も古いのである。

今回は西表島の自然についての画像をどさどさ載せておこう。
遅ればせながら、わたしは西表に行くたびダーウインになった気分だ。

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内離島の炭鉱を視察したあと、儀助はサバニに乗り、崎山村の網取(あんとぅり)という場所に上陸した。
場所はこの地図のとおりで、写真は現在の網取だ。

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わたしがダイビング目的で西表島に行ったのは44年まえの1978年、ということはもはや半世紀ちかくまえのことである。
沖縄に行ったのはこのときが最初で、サンゴ礁の海を見たのも初めてだったけど、網取の浜に上陸したときのことを忘れはしない。
昼メシを食べたあと、砂浜で素潜りをして吃驚した。
腰までぐらいしかない深さの海底に、盆栽のようなサンゴや、触手をゆらせたイソギンチャクが点々としていて、そのひとつひとつに小さな熱帯魚が群れていた。
イソギンチャクと共生するという不思議な生態のクマノミもいた(実物をはじめて見た)。
すこし深みには丸太ん棒のようなコブシメ(イカの仲間)が、水中をただよいながらじっとこちらを見つめていた。
そこはまさに天然の水族館だったのだ。

この海に魅せられて、わたしはその後3回も同じ海岸に上陸している。
陸から行く道はないので、ダイビングやシュノーケリング船に便乗して行ったのだ。
40数年まえには戦争中の遺物のような、崩れかかった桟橋しかなかったけど、現在の網取には東海大学の海洋研究所があって、桟橋も立派なものがある。
それでも研究所はふだん無人だし、見渡すかぎりの周囲には、わたしが初めて見たときと同じように、ヒカゲヘゴやアダン、巨大シダの茂る原始のままの密林が静まりかえっている。
自然に抱かれる幸せはゴーギャンでなくともわかるだろう。

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西表島でシュノーケリング・ツアーに参加すると、網取湾のあたりに行くことが多い。
このあたりは貴重なサンゴ礁の宝庫で、潮が引くと腹をこするんじゃないかと思えるほどの浅瀬に、エダサンゴ、ウチワサンゴ、テーブルサンゴなど、種類の異なるサンゴ礁のみごとな群落が見られる。
タンクを背負って本格的なダイビングをすれば、イボヤギなどのソフトコーラルと、そのまわりに色とりどりの小魚が群れる幻想的なお花畑を見ることも可能だ。
ただ、ちと心配だ。
こんなことを書くと観光客が押し寄せて、ただでさえ荒廃のすすむ沖縄のサンゴ礁の破壊につながらないだろうか。
しかし自分はもう十分楽しんでしまったから、ほかの人は来るなというのでは、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」になってしまう。
観光地と自然保護を両立するのはむずかしい。
まったく立ち入り禁止にするのもナンだから、屋久島のように上陸制限でもするか、富士山のように入山料を請求するか。

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網取には古い集落の廃墟が残っている。
これは昭和46年まで存在した“あんとぅり”という村の跡だ。
西表島ではマラリアで全滅する村も多かったのに、儀助が尋ねた当時、この村は戸数11で、人口は68人ほどいて、いくらか増える傾向があったという。
増えた原因はわからないけど、村人が村を棄てたのは沖縄が本土に復帰したあとだから、風土病に追い立てられたわけではなく、過疎と交通の不便というべつの要因だったようである。
いまここに村民たちが残した石碑が建っていて、廃村に至った理由が刻まれている。

網取村は西表島の最南端に300有余年の歩みを残した。
耕地や交通の不便と人頭税の重圧に耐えて村人は父祖の築いた繁栄を守ってきた。
しかし、政治の貧困による経済の行きづまりと医療、教育の不備を始めとする孤島苦がつのり、ついに昭和46年7月14日に全員離村を余儀なくされた。
ここに私たちは全体の祖先の霊を祀り、四散した村人のよりどころとするためこの碑を建てる。
            平成8年9月  うるち会建立

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網取村のとなりにあるのが崎山村で、ここでも儀助は役場の建物に泊まった。
役場があったということは、崎山村のほうがこのあたりの村の中心だったらしく、儀助が尋ねたころは戸数が15、人口は73人だったという。
村としての機能はまあまあ備えていたようで、多いときには160人にも住人がいたそうである。
この村も昭和20年(1945)に廃村になり、ためしに現在の衛星写真をにらんでみたけど、上空からでは村の痕跡すら発見できなかった。
儀助の文章では、“港は北に向かって開き、東・南・西に山がそびえていた”、あるいは“港から数キロ行くと、左右に大きな岩が屹立していた”、また“村は崎山湾の西岸に接し、山の中腹にある”などとあるけど、衛星写真では土地の高低まではわからないので、探しようがない。
村のはずれに泉があって、オタマジャクシやガマが棲んでいたそうだけど、いくら高精度の衛星写真でもそりゃ写らんだろう。

崎山村が廃村になったのは網取に先立つこと26年だから、現地に行ってみれば石垣くらい見つけるのはむずかしくないと思われる。
しかし、おそらく成長の早い熱帯の植物に埋もれてしまっているだろう。
YouTubeには廃墟を探訪するというチャンネルもよくあるけど、だれか西表島の廃村を訪ねるチャンネルを制作してくれないか。
これまで書いてきたように西表島には、風土病で全滅した村、かってそこに人間の営みがあったことの痕跡がたくさん残っているはずなのだ。
さいわい最近では登山や探検のための用具も儀助の時代とは比較にならないし、個人で海を渡れるカヌーやカヤックもあり、薬品も発達しているからヤマビルやマラリアの恐れもない。
うん、わたしがもっと若けりゃ自分でやっていたんだけどね。

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でも人々が死に絶え、なにもかもが大自然のなかに還ったというのは、西表島にとって幸せだったかもしれない。
かってNHKKの「ワイルドライフ」という番組が、「奇跡の島々」というタイトルで南西諸島を特集したことがある。
日本人ならゴーギャンのようにタヒチまで行く必要はない。
世間の波にもまれ、人間関係にイヤ気がさし、絶海の孤島にでも出奔したくなったら、この南北に細長い列島で、わたしたちはいつでもパスポートなしに奇跡の島々に行くことができるのである。

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2022年7月18日 (月)

おもわく違い

ウクライナのゼレンスキーさんが、検事総長と保安局のトップをクビにしたそうだ。
事情は部下の職員がロシアに内通していたからだとか。
これが逆にプーチンがやったのなら、いまごろはロシアの悪あがきという報道が世界中を飛び交っていたことだろう。
やっていることはどっちもいっしょじゃん。
ゼレンスキーさんももっと早く、国内のオルガリヒに対して、あるいは国内の不正に対して、このくらいの剛腕をふるえばよかったのに。

以前ロシアのテレビ局で反戦プラカードをかかげた女性はまた拘束されたそうだ。
なんだ、いまごろになって逮捕・極刑かと思ったら、そうではなく、彼女はロシア国内でふたたび反戦行為をしたらしい。
それじゃ拘束されますワ。
それよりまだ彼女が無事でいて、また反戦行為をできたほうがわたしにゃ不思議。
香港で周庭ちゃんというオンナの子が逮捕されたときも、中国政府は残酷だといううわさが飛び交ったけど、彼女は警察でお小言をくらっただけで、すぐに釈放されたことがあった。

どうもマスコミのおもわくとはべつに、ロシア(や中国)がいわれているほどひどい国ではないことが、どんどん明らかになってしまうな。

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2022年7月17日 (日)

やめられない戦争

テレビしか観ない年寄りならいざ知らず、ネットで情報を得ようというほどの人なら、ウクライナ戦争の勝敗はもうついたと思うほうが当然だろう。
しかし戦争というのは、勝ち目がないからといって急停車できないものだ。
太平洋戦争の沖縄戦のころは、もう日本軍に勝ち目はなかったにもかかわらず、だれも戦争をやめようとしなかった。
おかげでやめていれば失われるはずがなかった膨大な数の命が失われた。
戦争が終わったのは、やめたわけではなく、死守だの徹底抗戦だのと叫んでいた日本軍の指揮官が、将棋の盤のすみっこに追いつめられ、それ以上戦争を続けられなくなったからというのが正しい。
沖縄戦は牛島満司令官と長勇参謀長が自決してはじめて終了したのである。

まことにバカげた戦争だった。
牛島司令官と長参謀長は軍人だったから、彼らが死ぬまで闘いたいというのは勝手だけど、まきぞえにされた沖縄の民間人が彼らにつきあう必要はなかった。
なぜもっと早く、犠牲者を出すまえに、民間人だけでも降伏しなかったのだろう。
と同じことがいままさにウクライナで起こっている。
ずるずる戦争を長引かせるだけで、ウクライナ挽回の目はあり得ないのに、だれも戦争をやめようとはいわない。

こんなことをいうと、試合は最後までやってみなけりゃわからんという人がいるかも知れない。
しかしバイデンさんはサウジアラビア詣でだ。
ロシアに制裁を課すという自分がまいた種が、ブーメランとなってもどってきて、制裁に加担した国が苦しんでいる。
ロシア産石油やガスが輸入禁止になり、今年の冬はエネルギーが高騰しそうなので、欧州にイヤ気が蔓延しては困る。
それでロシア分を増産してくれないかと頼みに行ったのだ。
しかしそんなに簡単に増産できるものではないし、増産したとたんに戦争が終わって、また減産してくれと言われてはたまらないから、サウジはいい顔をしない。
これでも戦争はまだウクライナに有利だという人がいたら、そりゃ無知か、底抜けの楽天家だな。

日本の無策ぶりにもあきれる。
岸田クンのエネルギー危機への対応が、今年の冬は節電、節ガスだそうだ。
制裁参加国に名を連ねておきながら、ロシアがエネルギーだけはこれまで通り面倒をみてくれると思っていたのだろうか。
こんなところにもアメリカ追従に飛びついた岸田クンのそそっかしさが見てとれる。
ま、日本は戦後の焼け跡時代にも耐え抜いたのだから、これしきのことではネを上げないと、わたしは信じておりますが。

ところでサウジアラビアというと、ムハンマド王子がトルコにいた反体制ジャーナリストを締め殺し、バラバラにして捨てるという、あのロシアにも劣らない極悪非道な国だけど、いいのか、こういう国に頭を下げてお願いに行って。
だからダブルスタンダードといわれ、これまた米国の首を絞める一因になってるんだよ。
ロシアじゃプーチンが、国内の反体制派を締め付ける法律にサインをしたといって、ユーチューバーのあしやさんに文句をいわれているけど、やっていることはみんな身勝手なことばかりだ。
少なくてもプーチンのほうがダブスタを使わないだけマシ。

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2022年7月16日 (土)

警備のやり方

昨夜のニュース9を観た。
そう、あの突っ込みどころが多くて、ブログネタの宝庫ってやつ。
安倍もと首相の銃撃事件について、まだ識者や警護の専門家たち、そしてSNSのにわか評論家まで、ああするべきだった、こうあるべきだったとぶつくさ。
いまごろいったって間に合わないんだと、わたしはバッサリ切り捨てるぞ、バッサリ。

日本ではそもそも銃による犯罪、そのなかでも国会議員を撃つなんて犯罪はきわめてめずらしい。
アメリカなんか大統領はつねに狙われているという臨戦体制なのに比べて、日本では今回の事件は想定外といっていいものだった。
現職ならともかく、まえのまえの総理が狙われる、それも古いむかしの個人的恨みで、しかもこの平和な日本でと、だれがそこまで考えただろう。
皇室の佳子さまが、列車が駅で停車中、国民が笑わそうとふざけて手を振るのをじっとこらえている映像を見たことがあるけど、あれだって皇室列車が防弾ガラスでなければ、1発や2発はぶちこまれていても不思議じゃない。
日本では皇室や国会議員と、国民とのあいだに厳格な仕切りを作らないというのが暗黙の了解事項になっていたのだ。
一種の信頼関係だね。

総理時代の安倍クンは選挙や災害地の慰問などで、民衆のあいだにわって入ることも多かった。
握手やサインを求めるも人たちもたくさんいた(さすがにサインはいないか)。
そこへ持ってきて、そもそも個人が銃を所持していると考えないお国柄だから、民衆のボディチェックもなおざりだ。
たとえば安倍クンが、動員された左翼シンパと言い争った秋葉原の件にしても、民衆のなかに拳銃を所持している者がいないかどうか、事前にチェックしてなかったに違いない。
わたしが拳銃を持っていれば、当たるかどうかは別にして、至近距離から総理めがけて発砲することはむずかしくなかったと思う。
それがいけなかったと、後になってからいっても仕方がない。
政治家と国民のあいだの信頼関係は悪いものではないからだ。

悲しいことに今回はその信頼関係が裏目に出た。
だからといってどうすればいいのさ。
警備をもっと厳重にする?
戒厳令なみに警備を増やし、警官を動員して人間の人垣を作るか。
この線よりまえに出るなといって、短機関銃を持ったSPでも配置するか。
完璧な護衛体制をしくだけなら簡単だ。
問題は護衛される要人と、国民の信頼関係を維持したままやらなくちゃいけないことだ。
そこまで考えたぶつくさでないかぎり、わたしは意味がないと思う。

でも本当はこういうことを言っちゃいけないんだよね。
世間がぶつくさいってるときは、こちらもいっしょに騒ぐのが、日本という村社会で生きるためのルールだ。
へそ曲がりのわたしはますます生き辛さを感じてしまう。

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2022年7月15日 (金)

どうしてくれんのさ

Don't Run Joe
NHKのニュース解説に出てきた英語の言いまわし。
意味は「バイデン、立候補するな」だって。
うん、NHKはなかなか勉強になるな。

米国では与党の民主党のなかでさえ、もうバイデン降ろしが始まっているそうだ。
原因はウクライナばかりではなく、銃規制や堕胎問題や、地球温暖化の矛盾などいろんなものが重なっているようだけど、たとえば温暖化問題にしたって、ウクライナを支援することが、温暖化阻止を公約したバイデンさんに、ことごとくブーメランとなって戻ってきた。
ロシアを制裁するという名目は、ロシア産エネルギーに頼っていたヨーロッパにその使用を禁止し、天然ガス以上に二酸化炭素の排出が多い石炭や石油に頼らざるを得なくした。
これでは温暖化阻止にまったく逆行することになるので、公約を信じてバイデンさんに投票したリベラル派の米国民が怒るのももっともだ。
世間にはドイツのまえの首相メルケルさんのことを、ロシアの戦略にはまったとののしる手合いもいるけど、人類の未来をずっと先まで見据えた政策と考えれば、彼女の考えはまちがっていなかったのだ。

温暖化問題をわきに置いても、あっちを立てればこっちが倒れると右往左往のバイデンさんは、地球のリーダーとしてふさわしくない。
そんなバイデンさんにしがみついていれば間違いないという岸田クンも、日本の首相としてふさわしくない。
そんな岸田クンと共謀しようというNHKも、公共放送にふさわしくない。
ふさわしくないものばかりが大きな顔をする世の中、いやになっちまうな。

もはやロシアの負けはなくなった。
世界を冷静に俯瞰すれば、孤立しているのはG7のほうだ。
こうなると、あとはだれが猫の首に鈴をつけるか。
つまり、もう戦争はやめようとだれが最初に言い出すかだけど、岸田クンにはそんな勇気はないだろうなあ。
わたしは日本が逃げおくれて、けっきょく2度ともどらないロシアとの友好関係や、おもわく通りに行かなかった東アジアの安全保障、中国、インド、途上国の造反で失われた国際的リーダーシップ、国民に飽きられた軍事大国化などの、負債ばかりを背負い込むことになるような気がする。
それもこれもアメリカに追従してさえいればマチガイないという、岸田クンの舵取り失敗だ。

それをごまかすために岸田クンは、安倍もと首相の国葬を持ち出した。
わたしだって故人が国葬に遇されるのを反対するわけじゃないけど、過去の事例を調べると、国葬は戦後の混乱期を乗り切った吉田茂ひとりしかいない。
安倍クンの場合は無理に国葬にしなくても、佐藤栄作や中曽根康弘さんらに準じる合同葬で十分じゃないか。
だいたいこういう派手な催しというのは、施政者が自分の失敗から国民の目をそらすためにすることが多いんだよ。
岸田クンも安易にウクライナ制裁に加わったことが失敗だったことに、ようやく気がついたようだ。
最良の首相がいなくなったとき、残っていたのは最悪の首相だったというわけか。
電気ガス高騰の見通しから、わたしはまだエアコンと風呂炊きを抑えているんだ、え、どうしてくれんのさ。

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2022年7月14日 (木)

武器の拡散

録画しておいたニュースのなかにあったので、昨日だったか、おとといだったかよくわからないけど、ウクライナ戦争についての解説。
アメリカが何億ドルもの援助、これってもちろん武器の現物供与、ということは米国の軍事産業から買い上げたものだけど、をすることになった。
アメリカがしたいといい、G7がそんなカラクリを知っていながら協調するというなら、これもよし。
しかしいまのNHKにしてはしごくまっとうながら、これは武器の拡散につながらないかとの指摘があった。
最近の兵器のなかには人間ひとりで持ち運べるミサイルもあって、そのくせそれで民間の旅客機でさえ撃ち落とせるそうだ。
こんなものがテロリストの手に渡ったらどうなるのか。

いわんこっちゃない。
ゼレンスキーさんも最初のうちは目録を作って、供与された武器はきちんと管理していたそうだけど、戦争が激しくなるととてもそんなことをやっちゃいられない。
いまではミサイルがどこに行ったか把握もできないそうだ。
わたしが何度か書いてきたように、ウクライナは東南アジアのどこかの国みたいに腐敗した国である。
そんな国にアメリカ製の高性能の武器がやってきたら、米国製というのはとにかく高く売れるらしいから、待ってましたとばかり、これを横流しする不法者があらわれるのはまちがいがない。

アメリカというのはいつもこんな過ちを繰り返しているのだ。
かってイラクがアメリカ寄りだったころ、石油の利権に目のないアメリカはサダム・フセインに大量の兵器を供与した。
強国になったフセインが横暴を極めると、多国籍軍を組織して彼を処分した。
つまり自分たちがさんざん支援してきた相手を、状況次第でいとも簡単に切り捨てるという、アメリカの常套手段を実行したわけである。
こうやって古い武器を一掃し、新しい武器に変えていれば、アメリカの武器産業は永遠に儲かるわけだから、ときどきはこういう戦争があってくれたほうが、アメリカにとっては都合がいいのだ。

ロシアだって似たようなことをしてるだろうという人がいるかも知れない。
はてね。
そういわれればカラシニコフのAK-47ってロシア製の自動小銃があったな。
とにかくがさつに作られた銃で、薬室がスカスカだから、ぶつけてゆがんだ弾丸でも発射できちゃう。
構造ががさつなかわり、熱帯ジャングルの沼地だとか、砂塵のまう砂漠、雪と氷の極地などで使ってもめったに壊れない。
おかげでいまや世界中のテロリスト御愛用の名銃・・・・というか鈍銃だ。
しかしこの銃のおかげでロシアの武器産業が儲かったってハナシはあまり聞かないねえ。
ミサイルとちがって、銃くらいどこの国でも模造品を作れてしまうからな、安倍クンを撃った犯人みたいに。

やっぱりウクライナ戦争はするべきではなかったんだよ。
お互い相手が気に入らないなら、プーチンとゼレンスキーさんだけで、1対1の格闘でもしたらよかったんじゃないか。
ゼレンスキーさんはプーチンより26歳も若いけど、年はとってもプーチンは黒帯だ。
ハンデなしの好勝負になったかも知れない。

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2022年7月13日 (水)

でっち上げ

安倍もと首相の死について、各方面からいろんな人がいろんなことをいっている。
しかし日本は銃規制のきびしい国で、まさか銃による襲撃が起こるとは、日本人だけじゃなく、世界中の人が考えていなかった。
日本がアメリカのような銃社会なら、警戒ももっと厳重で、みすみすもと首相を死なせることはなかっただろう。
暗殺の瞬間の新しい映像を見たけど、いろいろいわれているSPも、1発目と2発目のあいだに、バッグをかざして首相を守ろうとしている者もいた。
しかし予期してなかったことでもあり、射撃の間隔がほんの23秒というのでは、よほど運動神経の発達した人間でも、もと首相を守れたかどうかわからない。

そんな状態だから警察を責めても仕方がないというのは、おそらく無言でいるほとんどの国民の意見だと思う。
テレビ(NHK)やSNSで発言する人にかぎって、べらべら余計なことをいうけど、すべて後出しの意見だから、いまごろいわれたって間に合わない。
おそらくこれからは要人の警護はもっと厳しくなるだろうし、現時点ではそれが精一杯ではないか。
しかし警察は言い訳が許されないところである。
現実に事件が起こってしまったのだから、責任者は確実に処分されることになるはず。

さて、ここから先は天の邪鬼おじさんのわたしのでっち上げだ。
わたしはミステリーファンであり、SFファンでもあり、かつ往年のマンガ青年でもあるから、空想や捏造は得意なのだ。

犯人は某宗教団体のために家庭を破壊されうんぬんという報道がひとり歩きをしているけど、これって警察の謀略かも。
犯人の言い分がころころ変わっていたし、宗教団体が◯◯教会というのも出来すぎのような気がする。
捕まえて尋問してみたら、殺す相手はだれでもよかったと答えられて、これではたんなる精神異常者ということになり、罪に問えない。
しかし世界的にも知られた日本のもと首相が亡くなっているし、県警のトップのクビまで飛ぶことが確実では、なにがなんでも正常な犯罪者ということにして、重罪に持っていきたい。
そこで誘導尋問をして、どこかの団体に責任を押しつけ、そのさい叩けばいちばんホコリの出る団体というんで、創価学会や立正佼成会は避ける。
幸福の科学も、あいにく自民党とコネがないからダメ。

この点、◯◯教会というのは具合がいい。
自民党の政治家のなかにはこの教会と懇意の者もいるだろうし、おい、これこれしかじかだから協力してくんないか、なに、言い逃れはできるようにしてあるからと持ちかける。
◯◯教会のほうも政府に貸しを作っておくと、あとあとなにかと面倒を見てもらえるから、んじゃまあ、その線でと納得する。
これで狙撃犯は家庭を破壊されて恨みをいだいた正常な人間ということになり、もうあとは晒し首にしようが凌遅刑にしようが、裁く側の勝手だ。
どうせ最近のマスコミは警察の発表を鵜呑みにするだけで、詳しく調べようなんてところはないもんね。

ということだと断言はしないけど、このくらい疑いの目で見るのがプロパガンダに引っかからないコツだ。
もちろんこれはわたしのでっち上げでありますので、本気にしないよう。

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2022年7月12日 (火)

新時代

録画してあった「仁義なき価格競争の果てに」という番組を観た。
わたしの団地の近くにイオンという大きなスーパーがあるけど、これは欧州が発祥の、ひとつの店で食料から衣類、家庭用品、食事までまかなえる大型スーパー(ハイパーマーケットというらしい)である。
ハイパーマーケットは、いちじ世界中で乱立した。
そして資本主義の原理が正しく作用している証拠に、いまこういう店が曲がり角に来ているという。
アマゾンや楽天に象徴される、“ネット通販”という新しい形態の店が登場してきたからである。

番組の前半はフランスのカルフールというハイパーマーケットと、そこへ品物を収める業者側との、ちょうちょうはっしの攻防が描かれていた。
なかなかおもしろい番組だったけど、わたしは経世済民にあまり関心がないので、後半になってべつのことを考えた。

いまでは中国にもアリババだとか、この番組で取り上げられていた京東商城のような、ネットを駆使した通販会社(Eコマースというらしい)がある。
京東商城では、信頼できる商品を安定して供給するため、郊外に人工灯と液体肥料で野菜を育てる、コンピューター管理の近代的な野菜工場まで建設していた。
あまり商品に信頼のおけない中国では、客は買い物をするとき、オーガニック食品であるかどうかなど、スマホで商品の情報を知ることもできるのだ。
そんなことはどこの国でもやっているという人がいるかもしれない。
そう、いまでは中国でもやっているのだ。
京東商城では客に商品を届けるのに、無人の宅配車を使っていた。
あまり合理化を徹底するので、将来は運転手という職業がなくなってしまうという心配もあるらしい。
こんなふうに買い物がすべてITで管理される時代になると、わたしみたいな年寄りにはますますしきいが高くなってしまう。

そこまでして合理化に努めなければ勝ち残れない世界なのだ。
そのかわり問題をクリアすれば、アマゾンのように、世界をマーケットにすることも可能だ。
アリババ・グループは中国で、養豚にコンピューター管理を取り入れる実験中だという。
これでも中国が、なにごとも国家が管理する共産主義国だという人がいたら、その人こそ煮ても焼いても食えない、カビの生えたアナクロ人間ではないか。

豊かになるというのはこういうことである。
中国は台湾に武力で侵攻する必要はないのだ。
アメリカのように自由主義を放任し、野放図に国が分裂するより、よく統制された近代国家になるほうがマシだというわけで、そのうち台湾の国民がみずから進んで、大陸中国とひとつになろうと決心する時代がきっと来る。
それを止める権利はどこの国にもない。

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2022年7月11日 (月)

某団体

Cool Japanという番組(ああ、NHKだよ)が好きでよく観ているけど、先日のそれに日本人の本音とたてまえという議論があった。
日本では本音でものをいうのはあまり感心されないと、率直な外国人たちには不思議に思うらしい。
わたしはもう他人に遠慮のいらない年寄りだし、ヤケッパチで生きているから、たてまえなんてものをほとんど使わない。

わたしの部屋に某宗教団体のおじさんがよく呑みに来る。
ただで缶ビールを持ってくるわけがなく、彼のねらいは新聞の勧誘、その先に待っているのは折伏だ。
そんなことはわかっているから、こっちも本音で対応する。

新聞を1カ月でいいからとってくれませんかという。
金は払いませんよと答える。
それでもいいですというから、じゃとりましょうと口約束をして、きっちり1カ月経つと、郵便受けに聖教新聞要りませんと張り紙をする。
この手順で1カ月だけというのを過去に3回ぐらい試した。
相手はわたしがフツーの人情の通じる相手だと思って、無料サービスをすれば、いつかそのうち正規の契約をしてくれると思っているらしいけど、わたしは筋金入りの宗教ギライだ。
金を払って宗教団体の新聞をとることは、未来永劫にゼッタイあり得ない。
でもまあ、いつも缶ビールを持ってきてもらうのだから、ただでいいなら無碍にはしないのだ。

今度いっしょに呑みに行きませんか、いい店を知ってますよという。
外で呑んでおもしろいですかと訊く。
呑むというのは気の合う仲間と呑んでこそおもしろいので、カラオケぐらいしか興味がなく、パソコンにさわったこともない相手と呑んでなにがおもしろいのか。
そういうことは腹にしまっておけばいいのに、わたしはずけずけという。
それで彼と外に呑みに行ったことはいちどもない。
わたしは団地内でも有名なひきこもり人間なのだ。
それだけでは変態だの異常者だのといううわさが立ってしまうから、彼が来るたびに歓迎して、部屋のなかをどうどうと公開している。

選挙のまえは彼も本性をあらわして、いっしょに投票に行きましょうといいだした。
いっしょに行ってどうするんですか、わたしがだれの名前を書くか、となりでのぞきこもうというんですか。
だいたいあなたたちが応援しているのはなんという候補ですかと訊いてみた。
え、◯◯というオンナの人?
どれ、ほう、いいオンナですねえ。
パソコンがあれば目の前で候補者の顔ぐらいわかるのだ。
でも人妻なんでしょ、そんなもんに入れませんよといってやる。

あまりずけずけいうので、そのうち包丁で刺されるかも知れない。
本音だけで生きてきたおかげで、出世なんてものにまるで縁のない人生だったけど、これは世間一般の人にはなかなかできないことである。
このあいだの犯人のように、入れ込んで家庭が崩壊したってことはないから、まあいいか。

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2022年7月10日 (日)

安倍もと首相

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安倍もと首相の死がきっかけになって、少しはこの世界がいい方向に向かってくれないだろうか。

ロシアのプーチン大統領は安倍クンの家族に弔意を示し、「わたしと晋三は定期的な連絡を取り続けましたが、その中で彼の素晴らしい個人としての・・・・・」といっていた。
わたしはこれが、政治家につきものの、儀礼的な言葉だったとは思わない。
プーチンと安倍クンを見ていると、試合が終わったあとは正々堂々と互いの健闘をたたえあう、黒帯の好敵手同士のように見えた。
やむを得ず儀礼的なお見舞いをいってきたのは、韓国の文在寅前大統領ぐらいのものだ。
文サンには失敬な言い方だけど、任期中の彼は、どうしてここまでというくらい反日主義の権化だったので。

安倍クンはアメリカのトランプさんやオバマさんとも親しかった。
ヨーロッパの首脳たちからアジアの首脳たちまで、みんな彼の功績を認めていた。
バイデンさんは米国の日本大使館に弔問に訪れ、習近平主席は弔電を送り、インドは国をあげて喪に服し、英国のエリザベス女王もじきじきに弔意をあらわし、国連安保理では安倍クンのために黙祷がされ、あの米タイム紙は次号の表紙に安倍クンをあしらうという。
SNSにはまだモリカケやサクラを持ち出して、留保的な意見をはく人がいるけど、これほど世界中から信頼された日本の首相がいただろうか。
しかも現職ではなく、まえのまえの首相だぞ。

ヨーロッパ中から嫌われて、ひとり孤立するトランプさんが、ゆいいつ頼りにしたのが安倍クンだった。
ヨーロッパの首脳たちに直談判されて、それでもつっぱるトランプさんと、あいだに立って困惑する安倍クンの有名な写真をおぼえているか。
ここに載せた写真がそうだけど、そうやってどこの国ともケンカせず、仲をとりもつことに専念したからこそ、米国大統領だけではなく、ロシアの大統領、中国の主席からも信頼されたのだ。

わたしはこれこそ日本の宰相のあるべき姿だと思う。
現在の首相の岸田クンが早々とアメリカに追従して、やらんでもいい忠義を示したのと大違いだ。
おそらく岸田クンの頭のなかには偉大な安倍クンのかげがちらつき、オレもなんとかそれ以上の実績をあげたいというあせりがあったのではないか。
それが憲法を改正して、日本を動かしようのない軍事大国にすることで、たまたまロシアのウクライナ侵攻は渡りに船だったわけだ。
しかし戦争はドロ沼に入り、ヘタすると日本もにっちもさっちもいかなくなる可能性が出てきた。
岸田クンが安倍クンに対抗できるほど有能な宰相かどうかはもうすぐわかるはず。

わたしは海外旅行に行くたびに日本人であることが誇らしかった。
世界中の多くの国が、日本人だとわかると尊敬のまなざしで見る。
そんなことはないという人がいるかもしれないから、こちらから聞くけど、いったいいまの世界のなかに、日本を嫌っている国がいくつある?
欧米ではアジア人が侮蔑の対象にならないだけでもすごいことだし、中国でさえこちらが独身の日本人とわかると、若い娘たちが動揺したものだ(30年ちかくまえの話だけど)。

もちろんそれは安倍クンひとりの功績ではなく、これまで日本が積み上げてきた長年の努力のたまものでもある。
残念なことにウクライナ問題では、功をあせった岸田クンのひと声で、はっきり一方に加担してしまった。
これから先は日本も、一方からは信頼されても、もう一方から嫌われる。
いったいどうして岸田クンは、積み上げてきたものを、いっしゅんでチャラにしようと考えたのか。
彼が銃弾に倒れても、ロシア、中国、インドからお義理以上の哀悼の念を示されることはないだろうし、わたしが外国に行っても、尊敬を勝ち得ることはむずかしくなる・・・・あ、そうか、わたしのパスポートはとっくに切れていたんだっけ。

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2022年7月 9日 (土)

喪に服します。

真実はあとであきらかになる。

じつは夕方、安倍もと首相の死について書いていたんだけど、まとめられないうちに眠くなってしまった。
トッテモ本日の更新には間に合わないというんで、喪に服すことにしてしまったわけ。
これが真実だ。

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2022年7月 8日 (金)

世紀末

やれやれ、世紀末感がまたひとつ。
バカが増えているなあ。
ちょっとまえに落としたサイフを拾うために山手線を止めたバカがいて、今度は安倍もと首相を狙撃したバカ出現。
しかも政治信条や組織の裏があったわけでもなく、ただ個人的に気にくわないというだけの理由だそうだ。
自分のやったことの重大さをぜんぜん理解できない人間が増えているんだね。

聞いた話によるともと海上自衛官だそうだ。
おいおい、後輩じゃないか。
まあ、数が多いとなかにはおかしいのが、わたしが自衛隊に所属していた半世紀まえにもいたよ。
遠洋航海に出るまえに支給された給料を、出航まえに飲み屋でぜんぶ使い果たして、それをカバーするために通りで強盗を働いた先輩士長がいた。
すぐに捕まって遠洋航海もフイになったけど、大きな組織に1人や2人はおかしいのがいても不思議じゃない。

それにしてもこの犯人、銃を作るという手間のかかる仕事をしたくせに、もと首相はこの日の朝に奈良へ行くことを決めたそうだから、ずっと以前から念入りに準備した計画的犯行ではない。
ようするにジョン・レノンを撃った犯人のように、有名人ならだれでもいいという狂人らしく、いまごろ取調室で、どうしてみんなそんなに大騒ぎしてんのと目をパチクリさせてんじゃないかな。
各政党が選挙期間中の蛮行は許せないとか、民主主義への挑戦だとか、いろいろいっているけど、常識が通用する相手じゃないんだから、ただむなしいだけだ。

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米国の奢り

英国のジョンソン首相が辞めてやるとわめいている。
前任のメイ首相が弾劾に等しいあつかいで詰め腹を切らされたのとあまり変わらないじゃん。
つねに国会内がごたごたして、足を引っ張りあっているのが英国病なのか。
いわんこっちゃない。
バイデンさんも盤石とはいえないし、英国と米国は母親と息子みたいなものだから、英国がいきなり路線変更をするとは思えないけど、ウクライナ戦争でもかげりが出ているところだ。
あとを継ぐ首相がこれまで通り米国と歩調を合わせるかどうかわからない。
やっぱりG7てのは落ち目のグループというのが本当のところらしい。
ドイツとフランスは腹にイチモツありで、本心では早く戦争が終わってくれないかなと考えているんだから、こうなると安定してウクライナの支援を続けられるのは日本だけってことになる。
わたしらの責任は重大だよーん。

20外相会議が始まった。
戦争開始当時は親に死なれたような顔をしていたラブロフさんも、最近は元気で、ウクライナ代表および西側先進国とじっくり話すつもりだと余裕のかまえ。
バイデンさんはここでもロシアを締め出したいらしいけど、プーチンのほうはやる気まんまん。
この両者の姿勢を見ても、もはや勝負はあったとしかいいようがない。 
米国代表のブリンケン長官は、手を出すんじゃねえぞと中国を牽制してるけど、そろそろ先が見えてきて、王毅さんだって軽く受け流すつもりがありあり。
時間がたてばたつほど、米国(支持する欧米先進国も)の厭戦気分は高まる一方だろうし、国をひとつにまとめようとしたバイデンさんのおもわくとは裏腹に、大統領の人気もガタ落ちだ。
聞くところによると日本やG7のメンバーは、ラブロフさんと同席できないといって夕食会を欠席したそうだ。
セコイ。
ほかにいいようがあるか、セコイ以外に。

11月のG20本番には米国がきらっている中国も参加してくるし、インド、インドネシアという、アメリカをのぞけば世界の3大人口大国も雁首そろえる。
今回の主催国インドネシアのジョコ大統領は、すでにプーチンに招待状を手渡したそうだ。
さらにBRICSのメンバーであるブラジルと南アフリカまで参加してきて、そのどれもがウクライナ戦争で、公然とではなくても、みんなロシアびいきである。
いったいどうしてアメリカはこんなに人気がないのか。
その点をアメリカ(ついでに岸田クンと日本国民とNHK)はもっと真剣に考えるべきじゃないか。
経済制裁をするのは日本や英国のような人口小国ばかりで、圧倒的に多い途上国は米国の奢りに飽いているのだ。
調子いいこといっていたけど、いつのまにか包囲され、孤立していたのは、アメリカと日本とG7のほうじゃないんかね。

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2022年7月 7日 (木)

沖縄/御座岳を越えて

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西表島に着いた翌日、祖納村のコーヒー試植地を視察したおりに、儀助は船浮湾を遠望した。
この湾内は軍艦でも停泊できる好錨地であるし、近くには優良な炭坑もあるので船の燃料にも不自由はしない。
惜しむらくはまわりが山ばかりで、集落がないことだ。
まごまごしていて外国にでも目をつけられたら、国防上も問題アリだから、ここはひとつ自分が島内をこまかく探検し、地理を把握して日本政府に報告しておこう。
ということで儀助が考えたのが、仲間川をさかのぼり、御座岳山頂を経由して、島の西側にある船浮湾へ抜けるコース。
舟を使って行けるところまで行けば、徒歩の区間はおそらく10キロぐらいだろう。

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そう考えて、視察のあい間にだれか探検に協力してくれる者はいないか、金はいくらでも出すぞと尋ねてまわったけど、だれもかれもマラリアに罹りに行くようなものだといって尻込みした。
県庁職員の後藤氏も、あなたはここ数日もうだいぶ疲労していますよ、そんな体で島の横断なんて無理ですという。
こういわれると儀助の浪花節精神がうずく。
キミのいうことはもっともだ。
しかしいかなる危険があろうとも、世のため人のため、日本帝国のために、たとえひとりであってもオレは行く。
あきらめたのか、あきれたのか、ついに後藤職員も、あなたがそれほどまでの覚悟ならわたしも命は惜しみますまい、あなたとともにどこまでもと、ここは浪花節兄弟ということになった。

まだパソコンもネットもない時代だから、儀助は出発のまえに地元の古老や猟師を集めていろいろ情報を収集した。
ベテラン猟師がいうには、いまだかってこの山脈を無事に越えた者はいない。
猟師は獲物を追って山に入るけど、せいぜい1キロか2キロ入るていどである。
まえに植物学者の田代安定、あとに県庁の役人だった田村熊治が挑戦したことがあるけど、とにかく道なき道で、田代さんは山を横断するのに3泊を要したばかりか、このときマラリアに感染して村に5、60日も滞在するはめになった。
そんなところだから、金をいくら積まれてもとても島の横断なんてする気にはなれない。
そこをなんとかと口説き落とし、儀助はようやく2人の案内人を確保した。

西表島の最高峰は古見岳で、これは標高が470メートル。
たいしたことがないと思う人がいるかもしれないけど、海からすぐに計った高さだし、まわりは亜熱帯のジャングルだから甘くはない。
御座岳はこれにつぐ高さで421メートル。
現代ではヒマラヤや、南米のギアナ高地でさえトレッキングツアーがあるくらいだから、西表島のこのふたつの山も征服してみたいという人は多いらしく、ガイドつきで比較的かんたんに登るツアーもあるようだ。

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儀助の旅は、奇しくも日本登山史に名をとどめる英国人ウエストンが、日本アルプスを探検しまくっていたころと重なるけど、そういうことはべつにして、まだ日本人が探検目的で山に登るのはめずらしい時代だった。
そこに山があるからなどと、道楽みたいな登山もあるはずがない。
現在のようにゴアテクスの合羽や、わたしの持っているL・L・Beanの登山靴のようなグッズのない時代である。
儀助のスタイルは合羽の代わりに油紙、足もとはワラ草履だったそうだ。
雨にそなえて西洋式のコウモリ傘を持っていったとあるけど、ナニ考えてんだろうね。
山中での食事に備えて、人数分の糧食と煮炊きするための用具、例によってコンデンスミルクなどを携えていた。

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儀助が島を横断するための探検に出発したのは、明治26年7月23日のことで、夏の暑さのまっ最中だった。
仲間村役場で一泊したあと、朝の7時に、彼は県庁の後藤職員と、ほか2名の案内人とともにサバニ(沖縄独特の丸木舟)を使って仲間川をさかのぼった。
川の両側には髭木という木が繁茂していたというけど、これはマングローブのことで、儀助にしてはめずらしく、ヒルギの実というのは中指ぐらいの大きさで、上下がとがり、落ちたあと流れに乗って適当な場所で繁殖すると、その生態についての講釈がある。
こういう記述がたくさんあると、ダーウィンみたいでおもしろいんだけど、儀助は博物学者ではなく、あくまで政府の視察官であるから、彼の関心事はべつのところにあった。
彼は周囲の観察に余念がなく、もしも有為な人物が相応の資本を投じ、マングローブを切り拓いてこのあたりに田畑を開発すれば、気候温暖なところだから二毛作もできるだろうし、そうやって住人が増えれば外敵に対する関門にもなるだろうと、経世済民について考えてしまう。
やっぱり彼は明治のひと。

サバニで2里ほど川をさかのぼったところで、浅瀬に舟をすて、歩くことにした。
舟の出発点が不明のため歩き始めた場所がわからないけど、2里という距離から考えて、おそらくいま仲間川展望台のあるあたりと思われる。
このあたりミヤケという地名になっていて、木材を切り出すための作業小屋がいくつかあった。
強欲を絵に描いたような琉球王朝時代の村長は、自宅を新築するときとうぜんのように村人を夫役にかり出していて、この小屋はそういうときに作業員が寝泊まりするためのものだったけど、このときはだれもいなかった。
ここまで仲間村から1里半で、御座岳の山頂までさらに1里半の行程である。

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藪をかきわけ、昼なお暗い樹木の下をゆく。
上からぼたぼたとヤマビルが落ちてくる。
立ち止まってこれを叩き落せば、今度は新手がむずむずと足もとからよじのぼってくる。
こいつの対策としてはタバコがいいそうだ。
ケチケチ旅行で有名な下川裕治サンは、朝日新聞の仕事でネパールに行って、盛大にヤマビルに襲われたけど、タバコの火を押しつけるとポロリと落ちたという。
儀助がタバコを吸ったかどうかはわからない。

ヒルというのは医学のほうで使い道があるので、気色わるいことばかりではない。
うっ血した部位の血を吸い出したり、天然の抗凝血物質を分泌して損傷した組織への血行を改善するというので、北米では医療用ヒルが1匹10ドルくらいで売れるという。
で、こいつを大量に密輸しようとして、空港で見つかった男がいるということが、まだそれほどむかしではないナショナルジオグラフィックに書いてあった。
空港職員も荷物を開封してさぞかし驚いたことだろう。

儀助たちは竹藪に飛び込んでようやくヤマビルの襲撃をのがれた。
この竹藪は赤茶色の光沢のあるめずらしい美竹で、それが御座岳の山頂ふきんに繁茂していたというから、つねにそういう竹を探している熊本の篠笛作家のKさんに教えてやらなくちゃ。

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昼の12時、御座岳の山頂に着いた。
ここからの展望では、東に仲間湾、西に船浮湾、北には西表島の最高峰、古見岳が見え、消えかかっていたものの、ここまでかろうじて人の歩いた跡がついていたという。
御座岳は現代ではそれほど困難ではないトレッキングコースになっているから、とちゅうの山道や山頂からの写真もかんたんに見つかるだろうと思ったら、意外とそうではない。
九州の最高峰がある屋久島なんかに比べると、いまいち魅力がないのかもしれない。

山頂で昼飯を食ってただちに下山を開始。
ながめた景色からおおよその見当をつけて歩き出したものの、また森林に入り込み、なにがなんだかわからなくなって絶壁の上に出てしまった。
崖のへりを行ったり来たりしたものの、これを乗り越える道が見つからず、やむを得ずして別の方向から谷底に下りた。
山で道に迷った場合は尾根を歩くのが鉄則だけど、その禁を破ったわけで、西表というそれほど大きくない山塊だからよかったものの、北アルプスだったら彼ら全員が遭難していたかもしれない。
谷川にそって進むとまたヤマビルに襲われるし、杖代わりにしていたコウモリ傘は、とっくに骨だけのホウキのようになっていた。

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のどの渇きに迫られたけど、谷川の水はどこまで行っても赤茶色に濁っていて、とても飲みそうになかった。
ヤケになった儀助は、オレは毒の有無を調べるための実験台になる、もしも飲んで死んだら献体をして、日本の医学のために役立ててほしいと宣言して、あとはもうヤケッパチ、手ですくって牛飲したそうだ。
牛飲というのは牛のようにガブガブ飲むということで、このくらいの根性がないと秘境で行きづまったとき生き延びることはできないのだ。

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べつに腹下しにもならず、ときどき木に登って方向を確認しながら、前進を続けた。
この辺には陸棲のカメが多かったという。
20センチぐらいの大きさというから、現在では天然記念物のセマルハコガメだろう、
去年の暮れに西表島に行ったときは、その数が減っているのが気になった。
以前西表の船浮に行ったときは、民家の庭で朝早くイヌの餌を横取りしていたのをよく見かけたのに、去年の暮れに行ったときは1匹も見なかった。
11月のある日を見ただけだから、激減したとはいいきれないけど、最近はYouTubeでカメやヘビを飼って、その映像で稼ごうという人が多いからちと心配だ。
カメくらい密猟が楽な動物はいないのである。
毒や牙をもつタイプはめったにいないし、捉まえるのも簡単だし、濡れたタオルか何かでくるんでおけば、バッグの底でおいそれと死ぬ心配もないし、鳴くわけでもないし、暴れるわけでもない。
ひょっとすると本土から、プロ、アマを問わず、密猟業者が乗り込んでいる可能性がある。

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午後4時になった。
このころには全員がなんどか転倒して、手足にスリ傷をつくったり、足の爪を失ったりしていて、もう歩けねえと悲鳴を上げるのを、儀助は冗談をいって励ます。
またかすかな人の歩行跡を発見していくらか安堵したころ、ようやく中良川(現在の仲良川)の水源に到達した。
もう日が暮れていたからこのあたりで夕食にすることにして、荷物をといてみたら、陶器製の釜が粉々になっていて、これではご飯を炊くこともできない。
ここでも儀助は強引というか、ヤケッパチというか、なんの、米を水にひたして生で食べ、あとで焚火にあたれば腹のなかでご飯になるさ、イノシシ肉もあるし醤油もある、飢え死にするほうがむずかしいと全員を叱咤する。
もっとも彼はこのとき虫歯が痛んで、コンデンスミルクひと缶だけで食事をすませたそうだ。
そしてやっぱりヤマビルに盛大に襲われて、安眠するどころじゃなかったそうだ。

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朝の5時、夜営地を出発。
中良川にそって下ると、川岸に水田が見えてきた。
このあたりに住んでいる農民がいるわけではなく、やはりべつの島からの通い農民の田んぼだった。
わらじもどこかに飛んで、泥だらけの裸足になりながら歩き続けると、ようやくたまたま舟で川を上ってきた農民に出会った。
儀助はタフだけど、スーパーマンではない。
ああ、殺す神あれば助くる神もある、天はわれを見捨てずと、あいかわらず歌舞伎役者か浪花節である。
内務大臣の秘書待遇をふりまわして、この舟を強引に借り上げ、儀助はようやく祖納の役場にもどった。

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2022年7月 6日 (水)

本日のもうろう

毎日新聞がソースのニュース記事に、ウクライナ難民とアフガニスタン難民の待遇の違いを告発するものがあった。
佐賀県では県が生活保護や生活準備金、飛行機代まで負担するほどウクライナ難民への手当が厚いのに、アフガニスタンやミャンマー難民へはそうではないという。
わたしはウクライナ難民に対してとやかくいうつもりはないけど、日本政府に忖度する佐賀県に対していう。
どうせやるならすべての国の難民を公平に扱ってくれないか。
これが民主主義の先進国日本の現実か、と書いているところけど・・・・いま食事とイッパイを同時にしているところだ。
もう頭がもうろうとして、本日の更新はこれだけにしておく。

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2022年7月 5日 (火)

ブログ

そろそろ炎上するんじゃないかとドキドキしていたのに、ぜんぜんそんなことがなくてガックリ。
あ、わたしのブログのこと。
世界でゆいいつロシアに理解をしめすという反社会的なブログなのに、このていたらく、ということはココログの影響力がいかに小さなものであるかの証明なのだろう。
もっと盛大に広告しなければダメだなというわけで、あまり積極的ではないけど、たまに写真を載せているフェイスブックのほうに、ブログのうたい文句とともにhttpアドレスを載せておいた。
今度こそ世界中から怒りの鉄槌が降りそそぐかと思ったら、てんでその気配なし。
ま、外国人にはわたしのブログ読めないからしょうがないけど、日本人だけだって1億人以上いるんだから、充分炎上してもおかしくないはずなのにね。

これ以上待ってもムダだということで、1カ月以上載せておいたアドレス入りのトップ写真を、また無難な環境写真に差し替えることにした。
ブログで世界を動かせると信じているみなさん、けっしてそんなことはないみたいですよ。

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2022年7月 4日 (月)

死人

昼間、ベランダから見下ろしたら庭を消防士や警察官がうろうろ。
なにごとかと思ったら、隣接するとなりの棟で死人が出たとか。
まあ、うちの団地は年寄りが多いから、そういうことがあっても不思議じゃない。
孤独死らしいけど、連絡がつかないという親族の連絡があって、早めに発見されたらしい。
幸運なひと。

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2022年7月 3日 (日)

ボルシチ

ユネスコがボルシチをウクライナ料理に認定だって。
どうでもいいことまで持ち出して、おまえは韓国かといいたくなってしまうわ。
ボルシチといったら、べつに特許をとるまでもなく、これはむかしからロシア料理に決まってんだろ。
あ、そうか。
ボルシチを使って、ロシアとウクライナは切っても切れない血縁で結ばれた国だってことを、遠まわしというか、ひねくれて解釈したというか、そういうつもりなのね。

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ここに載せたのはわたしがモスクワのウクライナ・レストランで食べたウクライナ料理の数々。
右下はウサギ肉の料理だそうだけど、西洋料理のキライなわたしには感銘するようなものではなかった。

NHK-BSに「ストリートシェフ」という番組がある。
世界の街角の屋台料理を紹介するもので、わたしの好きな番組である。
民放にもこのような番組があるのかどうか、ぜんぜん観ないからわからないけど、「入りにくい居酒屋」とか、「二度目の◯◯」など、NHKはこういうユニークな旅番組を発案するのがうまい。
最近録画したこのシリーズはチェコのプラハ編。
どんなものかと思ったら、チェコに逃れてきたウクライナ難民のストリート料理だそうだ・・・・

あんねえ。
もういいかげんウクライナから離れたらどうなの。
といいたくなるくらい、これもやはりロシアを貶めようというプロパガンダ番組だった。
番組のなかにはチェコだけではなく、ハンガリー、ジョージア(グルジア)のストリート料理も登場するけど、いずれもかってロシアの同盟国で、ロシアに侵略された過去を持ち、ロシアを嫌っている国ばかりだ。
料理に罪はないはずだけど、NHKのこの執拗さにがっかり。
とにかくこじつけられるものはすべてこじつけて、日本国民がウクライナのことを忘れてしまわないようにするつもりらしい(アメリカは国民がそろそろ興味を失ってきたもので)。

どうしてみなさん、ロシアというとスターリンやソ連時代しか思い浮かばないのだろう。
中国にしてもそうだけど、アメリカが見習うべき対象ではないから、それぞれの国流の方法で、グローバル国家を目指しているだけじゃないか。
多民族の大国には、単一民族の日本人が想像もできない苦労があるのだ。
ウクライナ侵攻以前まで、どっちかというと話の通じる相手とされていたプーチンが、自国の安全保障のためにとった行動で、一転して鬼だ悪魔だといわれるのは納得できない。
日本は北朝鮮じゃないのだ。
NHKが右向け、右!といったら、全員が右向く国にいつからなったのかね。

ところで番組を観ていたら、南オセチア紛争という言葉が出てきた。
わたしはちょっとまえのこのブログで、最近ロシアがかかわった紛争を挙げてみたけど、そのときジョージアとのトラブルがあったことを忘れていた。
プーチンがウクライナ以外に、他国を侵略した前例があったかも知れない。

というわけで南オセチア紛争について調べてみたんだけど、これは2008年、ちょうどプーチンが大統領職をいちじメドベージェフに譲っていたときの紛争で、わたしのロシアびいきという点を差し引いても、どっちが悪いとはっきり断定しにくい戦争だった。
双方の緩衝地帯をめぐって、その他の民族まで巻き込んだトラブルで、けっして相手の国を自国領にするために仕組んだ戦争ではなかったようだ。
ようだというのは、わたしはロシアの味方を公言してるから、どうせロシアに都合のいい解釈をしているんだろうと思われかねないから。
是非をつけたい人は自分で判断してもらいたい。
わたしとしては南オセチア紛争を、ロシアの侵略戦争にカウントしたくないということである。

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戦争を長引かせるだけのNHKには、これからも文句をいい続けたい。
どっちかというと欧米人のなかでは、日本びいきなのがロシア人だ。
わたしはロシアの特急列車の車内テレビで、日本の茶の湯が紹介されているのを見たことがある。
日本はすてきな国だ、うらやましい国だと思っているロシア人を、わざわざ反日主義者にする必要があるのかい。

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2022年7月 2日 (土)

また2回目

ああ、また今日2回目の更新だよ。
わたしも忙しいんだけど。
原因はアメリカがウクライナに8億2千万ドルの追加支援をすることにしたから。
わかっているだろうけど、これは現金をぽいっと与えることじゃないからね。
それ相当のミサイルを与えるということだ。
となると、わかると思うけど、儲かるのは米国の軍事産業だ。
ウクライナの兵器をこうやって米国のものに変え、ヤクザが女をシャブ漬けにするように、ウクライナを米国産兵器のお得意さんにしようということだ。
バイデンさんがウクライナ戦争を長引かせようとする魂胆もわかるだろうね、いくらボンクラでも。

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昨夜のニュース9

かっては朝日新聞が絶好のブログネタの供給元だったけど、いまやそれがNHKにとって変わった。
といいたくなるくらい、最近のNHKは突っ込みどころが多すぎる。
いや、朝ドラや大河ドラマをいってるわけではなく(そんなものはむかしから観たことがない)、わたしがいうのは硬派のニュース番組だ。
とくに夜の9時からの「ニュース9」が、時間的にも観やすいので、ブログネタの宝庫だ。

昨夜のニュース9ではまたロシアとウクライナの言い分がガチンコ勝負。
黒海にあるズミイヌイ島をめぐって、ロシアは軍を撤退させたといい、ウクライナは取り戻したという。
ニュース9の見立てはもちろん、優勢なウクライナが果敢な攻撃で取り戻したということだけど、いまのウクライナはゼレンスキーさんが、もっと兵器を、もっと支援をと懇願しているところだから、ふつうに考えても取り返すほど余裕があるとは思えない。
たぶんこれ以上居座ってもウクライナの農産物の輸出を邪魔していると悪評が立つばかりだから、撤退しとけというロシアの言い分のほうが正解のように思えるんだけど。
だいたい農産物の必要性を感じている途上国なんて、ほとんどロシアの味方だもんね。
そういう国々を苦しめるのは本意ではない、というロシアの思いやりのほうが可能性としてはありそうで、ま、どっちを信じるかはあなたまかせヨ。

ロシアがサハリン2から日本企業を締め出すって。
卑劣な手段をとりやがってというのは、NHKと日本の負け惜しみ。
時系列でながめても、先にバイデンさんに追従して、ロシアにケンカをふっかけたのは日本のほうで、ロシアは報復措置をとったにすぎないことはだれにでもわかる。
そもそもケンカを売られた相手が、ずっとこちらの面倒をみてくれると考えるほうがおかしいのだから、サハリン2から締め出されたら電力事情が逼迫するってことを、なんであらかじめ予想してなかったのかねえ。
まさかこんな暑い夏になるとは思わなかったっていうんじゃないよね。
こうなったらエアコンの使用をガマンして、電気を節約するしかない。
わたしの部屋なんかもう1週間近くエアコンを使ってないぞ、いえ、けしてサハリン2を見越していたわけじゃないけど。

ニュース9と岸田クンのいうのには、もうすこし様子をみましょうということでした。
ええ、様子を見ませう、そうしましょう。
世界中から経済制裁をくらっても降参しない北朝鮮を見習えば、暑い夏ぐらいで日本国民がネを上げるはずがない。
戦後のなにもない焼け跡から復興した日本の底力を見せてやりませう。

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2022年7月 1日 (金)

昨夜のニュース9

昨夜のニュース9にほほえましい話題。
G7の会場で英国のジョンソン首相が、オレたちも服を脱ごうかと発言したらしい。
これは裸になって馬に乗ったりするプーチンを意識したものらしいけど、あははと笑ってしまう。
でもG7にはフォン・デア・ライアンさんというオンナの人もいるんだぜ。
肩書きは欧州委員会委員長ってことで、いつもホスト顔でにこにこと会場をうろついているけど、いくらおばさんだといっても女性だからな。
ヘタすりゃ告訴されるぞ。

これを聞いたプーチンは、それは見ものだな、ズボンの上まで脱ぐのか、下までかと皮肉で返していた。
戦争もこんな皮肉の応酬で推移すると平和でいいんだけどね。

ところでロシアとウクライナの捕虜交換が行われたらしい。
製鉄所にたてこもったアゾフ連隊も、捕虜になった者は全員が帰ってくるという。
捕虜は虐殺されるだの、シベリアに送られるだのと、ロシアの残酷さをあおっていた人たちはどうしてる?
みんなでたらめなプロパガンダだったということがひとつ明らかになったぞ。
捕虜交換はいいことだけど、戦争犯罪人だということで、ウクライナで裁判にかけられていた若いロシア兵はどうなっただろう。
もうプロパガンダの役割は終わったということで、忘れられてしまったのでなければいいが。

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