« 旅先より振り出しへ | トップページ | 台風 »

2022年9月17日 (土)

帰京後のやれやれ

やれやれ。
旅行から帰ってきたらウクライナの大勝利じゃないか(ただしプロパガンダ部門で)。
ロシアのほうは宣伝工作をあきらめてしまったように見える。
馬鹿馬鹿しい広大宣伝で大衆をあざむいても仕方がない、結果を見ればわかることだと、プーチンはプロパガンダのやる気をなくしたんじゃないか。
とにかく日本にいるかぎり、圧倒的なウクライナ(米国)の有利を伝える報道ばかりで、これに反論するのはむずかしい状態だ。
現時点では、まだ戦争の帰趨はわからんと思うけどね。
ウクライナ戦争以外にも書きたいことがあるのに、やってられんよ。

これは旅行に行くまえに目についたネット記事だけど、ヤフーニュースにちと気になる報道があった。
そのページにリンクを張っておくけど、ソースがナショナル・ジオグラフィック(NG誌)で、廣瀬陽子さんというロシア研究者の意見を参照するかたちで、ウクライナ戦争について書いてある。
NG誌といえば、国際紛争で一方に加担することのない公平な雑誌だと思っていたから、ちょっと意外だった。

じつは以前にもNG誌がウクライナ戦争について書いたものを読んだことがある。
しかしそれは本家に関係なく、日本でのNG誌の翻訳もとである日本経済新聞社の独自記事のようだった。
今回も廣瀬陽子さんの記事を引用しているようで、じつは記事を書いたのは川端という別の記者である。
こんなものにまでいちゃもんをつけなくちゃいけないのかと、ロシア擁護派のわたしとしては情けなくなるけど、NG誌の名誉のためにも書いておく。

たとえ廣瀬さんが当たり障りのないことをいったとしても、まとめる人のおもわく次第で、いくらでも内容は偏向させられるのだ。
例を挙げよう。

《日本にいると「ペレストロイカを推し進めた功績はあるものの、結果的に国家運営に失敗しソ連の崩壊を招いた」という相反する評価が耳に入ってくると思うのだが、旧ソ連で聞くゴルバチョフ評は、最悪と言ってよいほどに悪いという》
悪いという評判は知っているけど、それでも彼の葬儀には大勢のロシア人が参列した。
教養があって冷静なロシア人なら、ソ連が崩壊したのはゴルビーのせいばかりではないことを理解していただろうし、とにもかくにもソ連時代の抑圧的政治から解放してくれた彼のことを、忘れないロシア人もいたのである。
自分の主張ばかり並べ立て、どこまでも満足しない人間は日本にもいるのだから、部外者のわたしたちは、自由になれてもまだ満足しないロシア人気質というものを、もう少し理解してみたらどうだろう。

《ゴルバチョフ時代にソ連の各地で、反ロシア的な行動が起きたとき、彼は激しい弾圧をしていたんですよね》
こちら側から見れば弾圧でも、向こう側にすれば国家のためにしたことだ。
そういう点ではプーチンはゴルバチョフの正統な後継者だった。
彼は自国の富強と地位の向上を目指し、そのために強引とも思える手法で、国民を食いものにしようとするオリガルヒと闘ってきた。
理想の民主主義を標榜するアメリカが百家奏鳴の大混乱になっているのに、どうしてロシアがそれを見習わなければいけないのか。
圧倒的火器でネイティブ・アメリカンを弾圧し、絶滅同然に追いやったアメリカに比べ、さまざまな民族が覇権と融和を繰り返してきたロシアや中国にだけは、なんで弾圧のまったくない公平な社会を望むのか。
多民族をかかえた大国には、民主化にしてもそれぞれの方法があるはずだ(と本家のNG誌なら書くだろう)。
よけいなことだけど、NG誌のために弁護しておく。

| |

« 旅先より振り出しへ | トップページ | 台風 »

ぼやきのてんこもり」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 旅先より振り出しへ | トップページ | 台風 »