わたしだって
バイデンさんの言い分を聞いていると、ときどき、いや、まるっきりわからなくなることがある。
これは昨夜のニュースだけど、バイデンさんがプーチンについて語っていた。
プーチンをどう思うかという質問に、世界最大の核保有国のリーダーが核兵器使用を示唆するのは無責任だという。
さあ、ここで考えてもらおう。
だれかがあなたにケンカをふっかけてきたとする。
あなたは当然ながら、こちらも負けないように、空手を習うとか、ボディガードを雇うとか、いろいろ対応を練るだろう。
すると相手は、空手を習うというのは暴力を肯定しているわけだ。
ボディガードを雇うのは、こちらを警戒しているわけで、ということはとりもなおさずこちらを敵視していることになるといいだした。
これではケンカはエスカレートするばかりだ。
肝心なのは、そもそもの原因をつくったのはどちらかということである。
そりゃウクライナに侵攻したロシアが悪いというのが、ステレオタイプの考え方だ。
しかしさらにそれ以前について、侵攻の原因をつくったのはだれかということを考えてみよう。
ウクライナにNATOの兵器を配備して、ロシアの脅威になるよう仕向けたのは誰なのか。
もともとはウクライナ国内の左右の対立に過ぎなかったことなのに、ロシアの敵対勢力に肩入れして戦場を拡大し、相手をとことん追いつめて、核兵器の使用も辞さないという言葉を引き出したのは誰なのか。
ものごとはいろいろな見方があるのだ。
ネットにはステレオタイプが氾濫しているけど、どんな話でも別の方向から見ることは可能なのにというわけで、ここでひとつ実例をお目にかけよう。
これは内容の是非ではなく、ものごとはいろんな見方ができるという見本なので、あなたがロシアが悪いという信念を持っているならそのままでかまわない。
ちょっとまえにトルコ外務省が、強制的な多国の併合は認められないと、ウクライナの東部4州を併合したばかりのロシアをとがめるような発言をした。
西側のニュースは、盟友だと思っていたトルコでさえ反旗をひるがえしたと、鬼の首でも取ったみたいに大喜びで報道する。
これがこちら側からの見方だけど、それだけだろうか。
親露派のトルコが、特別な事情もないのに、とつぜんロシアに背を向けるだろうか。
それはこういうことではないか。
現在の国連というのは完全に形骸化しており、全員一致でなにか決めても、そんなものが守られたためしがないし、どこかの国がなにか発言しても、たいていは会議が終わるとそのまま忘れられてしまう。
トルコはそのことをよく知っており、うっかりプーチンを支持する発言なんかして、これ以上制裁を厳しくしようなんてことになると、かげながらロシアの支援をしている自分とこにも支障がでる。
ここはまあ、アメリカやG7が喜びそうな、当たり障りのない発言をしておきなされ・・・・
という可能性は無理な見方だろうか。
北朝鮮がミサイルをぶっ放す。
そのたびに日本は国連安全保障理事会の決議に違反しており、近隣諸国に脅威だと繰り返しているけど、しかしそんなもので相手が遠慮したことはいちどもない。
こういうことはもう馴れ合い行事だということで、トルコも安心してロシアを非難するようなことをいったのだろう。
ネットにはあいかわらずいいかげんなプロパガンダがあふれている。
日本のような平穏な民主主義国にも右翼と左翼がいるように、どんな国にも自国の政策に反対する人間はいるものだ。
そういう人間の意見だけを拾い出し、都合よく並べれば、もっともらしいニュースを仕立てられるわけだ。
もしもわたしに、全く加工していない世界中のニュース映像と、無作為に選んだ両国の国民のインタビュー映像をくれれば、こちら側でもあちら側でも、注文に応じてどんなプロパガンダ映像でも作ってみせよう。
わたしだって若いころは映像に凝った映画青年だったから、編集なんてお手のものなのだ。
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