昨夜のニュース9
昨夜(11日)のニュース9に、2019年〜今年9月まで、ロシアとの交渉の矢面に立っていた、アメリカのもと駐ロシア大使ジョン・サリバンという人が出てきた。
いまの時期にアメリカ大使の発言といったら、聞かなくてもおおよその察しがつくけど、彼がロシアをおとしめるつもりで発言したことが、そのままアメリカの対ロシア外交の内幕を語るものになっていたのがおもしろかった。
ウクライナ戦争の開始4カ月ほどまえには、米国はロシアがウクライナに軍事侵攻することを把握していたそうである。
アメリカ大使のサリバンさんとしては、もしも侵攻すれば、米国は他の国とともに対抗措置をとることになり、ロシアは壊滅的被害をこうむるだろうと警告したという。
このときロシアは侵攻を否定したそうだ。
つまりウソをついたということになる。
しかしプーチンがずっとむかしからウクライナに野望を持っていたことは、彼の15年まえの演説を聞けばわかるとサリバンさんはいう。
その演説というのは、2007年に国際会議の席でなされたもので、米国はNATOを拡大してロシアを包囲しようとしているというものだった。
その後の経過を見れば、これは事実のようだけど、サリバンさんにいわせると、このころからプーチンはウクライナを支配する構想を練っていたのだということになる。
そしてことあるごとに、米国がじゃまをすれば核戦争につながるかもしれないと脅迫するような発言をしていたともいう。
プーチンはウクライナ支配に執着しており、ロシア帝国の復活をめざしていたのだそうだ。
さて、お立ち会い。
サリバンさんの発言はこちら側のもので、ロシア側の事情を正確に話しているとはいえないし、むしろあまりに一方的なので信用できない。
ひとつ確実なのは、アメリカが関与したかどうかは別にして、ウクライナがNATOに加盟しようとしていたことだ。
もしもNATOの兵器がウクライナに配備されることになったら、ロシアにとっては、むかしキューバにロシアのミサイルが配備されようとしたときのアメリカと同じ状況になる。
アメリカが第三次世界大戦も辞さない勢いでこれを阻止しようとしたのも当然だし、ロシアがウクライナの加盟を阻止しようとしたのも同じことだろう。
4カ月まえに侵攻を把握していたのなら、アメリカはなぜウクライナのNATO加盟を押しとどめ、ロシアを説得して戦争を防ごうとしなかったのか。
アメリカは戦争を止めようと思えば、その時間は十分あったのである。
それなのにアメリカがやったことは、侵攻なんかしたら承知しねえからな、みんなわかってんだぞと、ロシアを恫喝することだった。
これではロシアの、とくに軍部の反発を引き出すだけではないか。
自分で相手をそうするしかない状況に追い込んでおいて、相手がそうすると、今度はそれを口実にして相手を責める。
ウクライナ戦争でアメリカの常套手段である。
ロシアは侵攻をしないとウソをいったというけど、侵攻する気があるなら、それをアメリカにべらべら喋るはずがない。
ウクライナを西側に引き込もうというのがアメリカの謀略なら、ロシアはそれに謀略で応じたということだ。
だいたいアメリカは、そんなロシアのウソを本気で信じていたのだろうか。
核兵器の使用だって、ロシアがそういいたくなる状況に追い込んでおいて、一度でもロシアがそれを口にすると、いつまでもそのことばかり強調する。
もうそういうことは、じっさいに使われてからいうんだね。
NHKもNHKだよな。
ウクライナ以外にひとつの国にも侵攻しておらず、スウェーデンやフィンランドを国家として承認していたロシアに、帝国の復活なんてあり得ないということがわからんのだろうか。
ロシアが核兵器を使うといったことは信じるくせに、ウクライナが“汚い兵器”を使うことは、ゼッタイに信じないのだそうだ。
ジョン・サリバンさんのインタビューをどうやって切り取ったのか知らないけど、それを編集して、番組のなかで使用したのはNHKである。
まったくしようのない放送局だよ。
まあ、がんばって、これからもブログ・ネタをじゃんじゃん提供してくんなさい。
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