顔がいびつに
顔がいびつになってしまった。
歯茎の炎症は治まらず、ほっぺが左側だけ腫れてしまったせいだ。
痛みはまあまあひいてきたから、あとは栄養と休養をたっぷりとって、静養に励むこと。
そうやって体内の免疫細胞の応援をし、細菌に対する抵抗力をつけるというのが、病院や薬ギライのわたしの対処法。
まあ、歯茎の炎症ぐらいで死ぬ人間はいないようだから、放っておいてもいいんじゃないか。
小市民の嘆きはこのくらいにして、また世の中の欺瞞を追求するぞ。
ロシア軍の攻勢のまえに、ウクライナ軍はついに要衝のバフムートから撤退を開始したそうで、昨夜のニュース9は、さすがにウクライナが優勢だといえなくなったのか、日本人の義足製作技師の話題でお茶をにごしていた。
ニュース9に話題がないときは、わたしは国際ニュースを観る。
昨夜の国際ニュースは、ロシアとウクライナの情報戦にスポットが当てられていた。
情報戦というと、敵味方が丁々発止の情報を発信しているように聞こえるけど、これがまったくのでたらめで、番組のなかでは徹底的にロシア側の情報をけなすだけ、ウクライナ側のそれはほとんど出てこなかった。
ロシアの情報発信は悪質なプロパガンダで、ウクライナ側のそれは広報や正しい発信だそうだ。
やれやれ。
感情的にならないよう、反論のためにちゃんとした例を挙げよう、例を。
ロシアはアフリカでも影響力をのばそうと、いろいろ情報工作をしているというんだけど、アフリカ人をなめてるんじゃないか。
いくら工作を続けても、そんなものにダマされるのは単純な人間だけで、工作が激しければ激しいほど、なかにはわたしのように相手の言うことに疑問を持つ者も出てくるはずだ。
アフリカ人とその他の第三世界がアメリカを嫌うのは、アメリカが西側先進国の利益代表であり、自分たちの利益のためにはダブルスタンダードも辞さないその姿勢にあるからだ。
ロシアの工作に踊らされているわけではないのである。
もっと例を挙げよう。
番組のある箇所ではロシアの工作として、燃料不足のおかげでベルリンの公園では、薪にするために樹木がみんな切り倒されたという情報が広まったという。
しかしそれが事実かどうかは、ベルリンに住んでいるドイツ人ならだれにでもわかることなので、こんなバカバカしい情報は、いったいだれに信じさせるための工作だというのだろう。
番組にはわざわざベルリンの公園まで出かけて、ファクトチェックをするドイツ人が出てきたけど、こじつけならもうすこしマシな方法でやりやがれ。
もっともっと例を挙げよう。
ちょっと驚いたのは、ロシアの国営メディアRTの記者だったという英国人が出てきたことで、彼は戦争が始まる前まではロシアの情報工作に従事しており、ウクライナ侵攻後に、その過ちに気づいて後悔しているという。
英国はロシア批判の急先鋒といっていい国だから、その国の人間がロシアで、しかも情報工作をしていたということがにわかに信じられないけど、多民族国家ではあまり個人の国籍にはこだわらないのかも知れない。
彼が信念を変えた理由が挙げられていて、RTに勤務しているとき、この社のポリシーは“もっと疑え”だったそうである。
「川に水が流れている」という言葉に対して、「なぜ水だとわかるのか」と禅問答のような疑問を発すると、それは真実を無視することになり、疑問に対して疑問で応じていれば、だれも真実に近づけないことになるのだそうだ。
フーン(これはわたしの嘆息)。
そんなわけのわからない理屈をいうより、自分が川のふちまで行って水かどうかを確認すればいいだけの話ではないか。
これでは世間のぼんくらたちが、世論が正しいと信じて、じっさいを確認しないのとどこが違うのか。
この英国人は、そういう問題が重なってロシアの政策に疑問を持つようになったというんだけど、それだけで信念を変更するのは早とちりすぎる。
“もっと疑え”というのはわたしのポリシーでもあるけど、わたしの場合はさらに、その先まで自分で考えて判断をしろというセリフがつく。
戦争まえのモスクワが個人の思考まで阻害していたというんだろうか。
独裁政権だとか専制主義だとかいうまえに、現実問題として、ロシアがそこまで個人の主張を無視する国だったかどうかということを考えてほしい。
おそらくこの英国人が記者をやめた理由は、戦争が本格的になるに従い、敵国の人間に情報工作はまかせられないという別の理由があったんじゃないか。
そういう英国人が本国の姿勢に影響されて、“転向”したということも考えられるし、そのあと無事に英国に帰ってこれたのならなにも問題はない。
帰国すればもちろん、絶好の反ロ宣伝に使える転向者を、西側マスコミもNHKも見逃すことはないのだ。
ここまで深読みすれば丁々発止の情報戦というのも納得できる。
NHKがつねづねいってるように、プロパガンダはますます巧妙になっており、情報戦では西側のほうが圧倒的に有利なのである。
ロシアはなにをいっても信じてもらえないのに比べ、アメリカのほうは始めっからなんでも信じてもらえるという世界的風潮があるからだ。
しかしだれもが信じるほうが正義だとは、わたしはけっして思わない。
世論を決定する人たちの大半が、あまり深くものを考えない人たちばかりになっているようなので。
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