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2023年1月16日 (月)

本日のプロパガンダ

昨夜の「混迷の世紀・情報戦」という番組、ロシアとウクライナの宣伝工作について注意しましょうという番組だったけど、これもひねくれた番組だったねえ。
最初に断っておくけど、ウクライナだけでそんなにややこしいことをやれるとは思えないから、これはロシアと、米国あるいは英国のプロパガンダ合戦というべきだ。

番組ではロシアのほうはプロパガンダ、ウクライナのほうはこれに対抗するPR運動なんていっていたけど、プロパガンダがもっとも得意なのは、コンピューターやインターネット先進国のアメリカに決まっているでしょ。
フツーに考えてもこの戦争では、ウクライナ側の発信したプロパガンダのほうが圧倒的に多いはずだけど、そうじゃないという人がいるかな。
プーチンはロシア国内でもプロパガンダを乱発しているというんだけど、わたしが見たところ、まえに戦死した兵士の母親につめよられたとき、彼はむしろ誠実に対応していたはずだ。
何をいっても世界から相手にされないのだから、宣伝工作より戦いの結果にものをいわせようと、プーチンはあまりプロパガンダに熱心でないように見えるんだけどね。

しゃしゃり出てきてもっともらしい解説するのは、英国の、いまウクライナ側のプロパガンダにひと役買っているとわたしがいったばかりの英国の、「ドシエセンター」というシンクタンクの人間だ。
目つきのするどいこのおっさんは、007の伝統をひく英国諜報員のひとりではないかという疑いが晴れない。
さらに英国の、ああ、また英国の、NGO「アイズ・オン・ロシアプロジェクト」という、始めっからロシアを標的にしたようなプロパガンダ調査団体が出てきて、ロシアのプロパガンダをあばいてみせるという。

この番組では、ロシアがITに作らせたゼレンスキーさんの捏造映像が紹介されていたけど、そんなものをわたしは初めて観た。
ということは、あまり広範囲にバラまかれた映像ではないようで、プロパガンダとしてどのくらいの効果があったのかわからないし、ヘタすると “この番組”のためにウクライナ側がわざわざ作ったものかも知れない。
さらに太平洋戦争のさいの日本のアニメまで引っ張り出して、プロパガンダというものはこういうものですと注意を喚起していた。

まるでキツネとタヌキの化かし合いだけど、一方が発信したプロパガンダが、その国を貶めようというもう一方のプロパガンダであることもあるのだ。
これではよっぽど裏の裏の裏まで読まないとだまされてしまうし、ほとんどの場合わたしたち一般人には、それが事実かどうかを確かめるすべはないのである。
そういうことを承知で観るなら、「混迷の世紀」というのは、見逃すことのできないタノシイ番組であることも事実なんだけどね。

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