プロパガンダ合戦?
ちょっと考えてみる。
先日の「混迷の世紀」では、ウクライナ戦争はロシアとウクライナのプロパガンダ合戦だといっていたけど、合戦というほどロシア側のプロパガンダが多いだろうか。
ウクライナに宣伝工作までやっている余裕はないはずだから、ウクライナ側のプロパガンダはすべて米国か英国の作ったものと考え、それとロシアのプロパガンダを比較してみた場合ね。
わたしがこの戦争はプロパガンダ合戦だなと思ったのは、最初からでたらめとしか思えない報道が氾濫していたからだ。
まず戦争の初期には、ロシア軍はウクライナ人の大量虐殺をしているというデマがあふれた。
それもジュノサイドだ、レイプだと、第二次世界大戦のナチスドイツや、ユーゴにおける民族対立、中東のISもかくやといえるぐらい残忍な方法で。
このあいだまで住人同士の交流も多かったウクライナで、ロシア人がそんなに残酷なことをするだろうか。
この話がでたらめだということはすぐにバレて、マリウポリの製鉄所の攻防をロシアが制したあと、虐殺されたかと思ったウクライナのアゾフ連隊の兵士まで、生きて捕虜交換要員として出てきた。
ちなみにアゾフ連隊というのは、いま西側が問題にしているロシアのワグネルと同じ性格の軍隊だ。
ワグネルを非難するくせにアゾフには触れず、それどころかワグネルはならず者軍隊だけど、アゾフは正規の軍隊だという主張もあった。
これもこちら側のわかりやすいプロパガンダのひとつだね。
わたしは虐殺話あたりからちょっと誇張されすぎじゃないかと思い始めたんだけど、その後も西側の情報にはでたらめなものが多すぎた。
ロシアはかってのロシア帝国を復活させようとしている、プーチンは国内で支持を失っている、ロシアの反体制マスコミがこんなことをいってる、あんなことをいってる、ロシアの若者がいっせいに国外脱出を図っている、プーチンは癌だ、パーキンソン氏病だ、ラブロフさんが倒れたなどと、もう言いたい放題。
プーチンがロシア国民の支持を失ってないことは、その後も国民の支持が70パーセント以上あることで明らかだし、ロシア国内に反体制派がいるということは、その国が表現の自由のある国で、スターリン時代のような絶対専制主義の国ではないことの証明じゃないか。
若者が国境に殺到することだって、ウクライナのように成人男子はみな国外移動禁止の国よりよっぽどマシだ。
西側のプロパガンダはまだまだ続く。
ロシアは核を使おうとしている、ロシアは兵器がもうすぐ枯渇する、ノルドストリームの破壊の犯人はロシアだ、ブチャ市で虐殺があった、イジュームの墓地で虐殺された市民の死体を発掘した、ワグネルの脱走兵があれやこれや・・・・・
その中にはじっさいにあったことでも、考え方ひとつでどんな解釈でもできるものとか、しろうとでもおかしいと思えるものがある。
いっておくけど、これは全部ウクライナ側のプロパガンダなんで、このころロシア側のプロパガンダが何かなかったかと考えてみた。
思い当たらないんだけど、だれかこれがロシアのプロパガンダだと心当たりのある人はいるかね。
たしかに最初のうち、ロシアもプロパガンダで対抗しようとした時期があったようだけど、どんな反論をしても無視されるし、とても世界中からあびせかけられるでたらめな報道に対処していられない。
わたしはプーチンという人の性格からして、こんな状況ではさっさとプロパガンダを放棄しても不思議じゃないと思う。
どうしてこちら側はプロパガンダに熱心なのか。
理由はわかるはずだ。
ロシアにとってはウクライナ相手に勝てばいいだけだけど、ウクライナにとっては、西側の支援だけが頼りで、つねにか弱い小国をロシアが蹂躙しているということを印象づけなければならない。
ウクライナが劣勢であるとか、じっさいには汚職まみれの破綻国家だなんてことを知られ、世界がこの戦争に疑問を持つようになっては困るのである。
だから人々が立ち止まって考えないように、矢継ぎ早のプロパガンダを放ち、しゃにむにこちら側の弱点を隠す必要があるわけだ。
ほかの報道より確かだというので、わたしが参考にしている「大地舜のブログ」に、最新のウクライナ情報が出ている。
このサイトはロシアの味方ばかりしているから、ロシアのプロパガンダだろうという人がいるかも知れない。
しかし塩の鉱山で激しい戦闘が行われていることは、すこしまえの西側の戦況情報にも出ていたし、結果がどうなったかもすぐに出るだろうから、大地さんの情報の正しさがわかるはず。
つぎはどうやってウクライナを擁護しようかと、ホント、NHKもプロパガンダに苦労するよな。
| 固定リンク | 0
コメント