プーチン
土曜日深夜のNHKニュースにまた聞き捨てならない報道があった。
いちいち文句をいうのも疲れるけど、あのNHKがいうことだ。
NHKを信用しなければなにを信用すればいのかと、これはとなりに住んでいた創価学会のおじさんも言っていたくらいだから、その影響力の強さを思うと、やっぱりひとこといっておかないわけにはいかない。
ニュースは「プーチン大統領の原点」ということで、プーチンの足取りをたどる内容になっていた。
彼がもとKGBの工作員で、まだ冷戦さなかのころ、東ドイツのドレスデンに派遣されていた・・・・ということは事実だろう。
しかし事実はそこまで、あとはまた徹底的にプーチンをおとしめる内容になってしまう。
あまりにアホらしくて、怒りがたぎって脳天に達してるから、そこにヤカンを乗せればお湯ぐらい沸くんじゃないか。
ドレスデンで勤務しているとき、プーチンはたまたまソ連の崩壊と、東ドイツの体制の終焉を目の当たりにした。
東西をへだてる壁を破壊したドイツ国民はKGBの本部にも押し寄せた。
プーチンは、一歩でも建物に入ってみろ、ただちに撃ち殺すぞと一喝して群衆を追い払った。
これほど肝っ玉のすわった彼が民衆を恐れるか定かじゃないけど、NHKにいわせると、これ以降彼は民衆に恐怖を抱いて、そのパワーを押さえつけることに専念するようになったのだそうだ。
それが事実かどうかは別にして、彼が冷戦の終わりと、新時代の到来を敏感に感じ取ったことは間違いない。
このときのニュースはYouTubeに上がっているので、リンクを張っておこう。
https://www.youtube.com/watch?v=B3zH5YJLePU
ロシアにもどったプーチンは、ゴルバチョフのあとを継いだエリツィンに取り入って、政治家としての頭角をあらわしてゆく。
当時のロシアは市中をギャングが大手をふって、まじめな市民を食い物にする無法社会だった。
アル中大統領のエリツィンには打つ手がなかったけど、愛国者のプーチンがこうした状況をだまって見ていたとは思えない。
やがて大統領の地位を引き継いだ彼は、いよいよ本格的にロシアの改革に着手する。
動かないので有名だった役人・官僚を叱責し、企業経営者を怒鳴りつけ、一般国民の側に立って強引に経済をまわした。
わたしはむかしからロシアに旅したいと熱望していたから、ソ連崩壊のころからこの国の動きをリアルタイムで注視していて、こうした改革をおどろきの目で見守っていたのだ。
つぎに彼がやったことが、エリツィン時代に国をむしばんでいたオリガルヒ(新興成金)に真っ向から闘いを挑んで、その利権を取り上げ、彼らが政治に口を出すことを禁じたことだった。
このときオリガルヒの中には、プーチンに逆らって刑務所にぶちこまれた者もいる。
こういうプーチンの手法を独裁だ、専制政治だ、自分の利益のためだと批判する人間もいるけど、彼がそれをしなかったら、原油や天然ガスの利益はみんなマフィアのようなオリガルヒに吸い取られていただろう。
ロシアはギャングに食い物にされる現在のウクライナと同じような国になっていたに違いない。
日本人はどこの国も日本と同じ従順な国民性の国だと思いたがるけど、ロシアや中国のような多民族の大国をまとめるためには、べつの方法があるのだ。
指導者の採点をするなら、その政治の結果を見ればよい。
プーチンのおかげで法治の精神も行き渡り、安全で豊かな生活を送れるようになり、歴史的にもめずらしいくらいロシア国民は自由を謳歌したのである。
他国がなんといおうと、ロシア国民からみればプーチンは信念をもった愛国者であり、だからこそウクライナ戦争で西側が誹謗中傷を重ねても、国内支持は依然として高水準を維持し続けているのだ。
わたしがロシアに行ったのは2013年から2015年にかけてで、すでにプーチンの政治は安定したものになっていた。
わたしはソ連時代のわるい噂をたくさん聞いていたから、いくらかビビっていたけど、じっさいに行ってみると、写真も自由に撮れたし、つねに監視されているようすもなく、街で警官にワイロを要求されることもなかった。
赤の広場のまえにあるグム百貨店には、外国のブランド商品の店がずらりと並んで、原宿の表参道ヒルズにそっくりだった。
きびしい言論統制もなく、車は日本車がイチバン、ロシア製はダメなんてことをロシア人からいやというほど聞かされた。
そのころから美しいロシア娘たちが続々と来日して、自由と、寿司やラーメンなどを満喫しており、海外旅行も満足にできない抑圧されたロシアはもはや片鱗もなかった。
これがプーチンの功績だけど、わたしはつくづく彼が気のドクだと思う。
ウクライナの頼りない大統領に比べれば、彼はロシアをグローバルな大国にするために闘った愛国者の大統領であるのに、世界中から鬼だ悪魔だといわれなき中傷を浴びているのである。
クリスマスのとき教会で祈る彼の映像を観たけど、この戦争で敵味方の多くの若者を死に追いやったことへの悔恨のようなものが感じられた。
それはまあ、わたしの思い過ごしかもしれないけど、一方のバイデンさんがどうせ他国のことだと、うへらうへらしているのとは大違いだ。
NHKの報道は事実を無視し、ねじまげて、プーチンを無理やりスターリンと同一視しようとしている。
そんなNHKを信用して、プーチンを一方的にならず者呼ばわりするとしたら、その人は自分の無知をさらけ出すだけだ。
だれがウクライナの応援をしようと勝手だけど、実績のある一国の大統領を、根も葉もないうわさで評価するのはやめてもらいたいね。
今回はぎくしゃくした文章になってしまったかもしれないけど、NHKがぜんぜん公平でないということで、わたしは怒り狂っておるのだよ。
添付した写真は団地の庭に顔を出した小さなクロッカス。
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