有名人Hさん
土曜日(25日)はいつものニュース9ではなく、サタデーウォッチ9というニュース番組を観た。
番組にはきれいなモデルさんと、またNHKの御用解説者である防衛研究所のHさんが出てきた。
ここでは悪口をいうつもりなので名前をイニシャルにしておくけど、Hさんというのは、顔を見ればいろんな放送局に出演してロシアをけなしている、だれでも知っている有名人だ。
彼のいうことは決まっているので、いやしくも報道番組なら、たまにはほかの人間を出して、もっと多様な意見に耳を傾けるべきだと思うんだけどね。
NHKの影響力を思うと、つくづくうんざりするよ。
今回はこのHさんの意見を吟味してみよう。
出てくるたびに、弁舌さわやかにまくしたてるところは、吃音ぎみのわたしにはうらやましいけど、徹底的にNHKに都合のいいことしかいわないので、わたしはこの人の意見に反感を持っているのだ。
でも感情でものをいってはいけない。
例を挙げよう、具体的な例を。
最新の戦況によると、バフムートでロシア軍の進撃がにぶった、ということはロシア軍も勢いを失っている可能性があるとHさんはいう。
こんなことは過去に何度も聞いた。
ロシアはミサイルが枯渇している、兵士が不足している。
といわれた翌日には、キエフがミサイルの集中攻撃を受けて、市民に多くの被害が出たとか、あちこちの戦線でロシア軍の攻勢が始まったと報じられる。
進撃がにぶった理由は、ほかにいくらでも考えられるのに、つねにウクライナが優勢だからとしかいわない。
ロシアが孤立しているというのもHさんの常套句だけど、ふつうに考えれば中国、インド、ブラジルなどの人口大国に離反されている西側のほうが、孤立という言葉にふさわしいんじゃないかね。
中国は欧米とも取引があるので中立を保ちたいはずだというけど、それはHさんの願望で、いよいよとなればグローバルサウスの大国同士でものを融通しあってちっとも困らないのだ。
むしろ巨大な販売先を失う先進国のほうが困るはず。
そしてあのバカバカしいプーチンへの逮捕状を持ち出す。
アメリカではみけんにしわのブリンケン長官でさえ、プーチンが訪米しても逮捕はしないといってるのに、なんでそんなことで騒ぐのか。
解説者であるなら、NHKの凡庸な視聴者にそのへんの事情を説明してやったらどうなのだ。
仕方がないさ、戦略研究所は防衛庁に属する組織だろう、そういうところがロシアの味方なんかできるはずはないと、わたしまで同情してしまう。
たまたま時期が重なったばかりだから、Hさんは日本の首相のウクライナ訪問と、中国の主席のロシア訪問を比較していた。
岸田クンの訪ウは成功で、習近平さんの訪ロはろくな成果をもたらさなかったと、Hさんもそういう意見だ。
しかし習近平さんのほうは、アメリカの挑発に乗らず、そのくせロシア支持を明確にするというむずかしい立場だ。
もしも中国が兵器の支援にまで踏み込めば、待ってましたというアメリカとの戦争になりかねない。
そうさせず、しかも経済的にはこれからもロシアを支え続ける、プーチンの再任も支持するということを明言して、アメリカにつけ入るスキを与えなかったのだから、中国にとってはみごとな成果といっていい。
必勝祈願のおしゃもじを土産に持参して、立憲民主からも戦争をあおるのかと皮肉られていた岸田クンとは大違いじゃないか。
“殺傷能力のない支援”という名目でお金をばらまいたことは、劣化ウラン弾の購入費に充てられるから、岸田クンからすれば成功だったかも知れない。
たとえそうだとしても、これは戦争をますますエスカレートさせるだけだ。
名古屋市では幼児がふたり、マンションの7階から転落して亡くなったけど、HさんとNHKのやっていることは、世界を二極化させ、全世界の何億という子供たちを破滅に導く危険な行為ではないのか。
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