いいかげんにしろ
ウクライナ戦争について、こまかいことにいちいち文句をいってるヒマがないので、大局からながめた戦況をもういちど振り返ってみよう。
プーチンはウクライナ戦争を見誤ったということがよくいわれる。
戦争の開始まえには、この戦争は3日で終わるといっていたのに、なんだがんだで1年かかってまだ終わらない。
正直にいわせてもらえば、これはプーチンの誤算だったと思う。
彼はヨーロッパとガスパイプで、日本とはサハリン1、2で、エネルギー供給のつながりを作っておくことで、あらかじめ西側の介入を防ぐための工作をしてあった。
戦争になればこういうつながりがパアになる、だからドイツ、フランス、日本はことを荒立てようとは思うまい。
彼らがその気にならなければ、アメリカだっておいそれと介入はできないだろう。
こうした工作をNHKはずる賢いというけど、ロシア大統領がロシアの安全保障のためにすることだから、未来をにらんだ正当な戦略というべきである。
だからとプーチンは楽観視していたはずだ。
しかし彼はアメリカがこれほど執拗に、強力にウクライナの支援をするとは思っていなかった。
米国は自分が世界でゆいいつの超大国であるために、それ以前から謀略をねっており、NATOを利用してロシア包囲網をじわじわと締めつけていた。
しかもトランプさん以降、二つに分裂した国内をまとめるために、国民を結束させる共通の敵の存在が必要だったというグッドタイミング。
バイデンさんが、もっとやれ、大丈夫、オレたちが応援するからとゼレンスキーさんをそそのかしたのは間違いがない。
アメリカが西側の結束を持ち出して、有無をいわせない徹底抗戦を指示すれば、ドイツなんか大いに困ったはずだけど、G7メンバーとしては同調しないわけにはいかない。
アメリカは黒子に徹しているものの、これはロシアとアメリカの総力戦のようなものだから、ロシアだって簡単には勝てない。
こうして短期間で終了するだろうというプーチンのおもわくとは裏腹に、ウクライナ戦争は泥沼にはまりこんでゆく。
それなら軍事侵攻なんぞしなければよかったという人がいるかも知れないけど、だまって見ていればウクライナはほんとうにNATOに加盟していたかもしれない。
アメリカの戦略を見抜いていたプーチンに、傍観や静観という選択肢はなかった。
最初のうちロシア軍がゼレンスキーさんの本気度を見抜けず、本格的な戦争をするかどうか迷っていたことも事実だろう。
おかげで侵攻した戦車群も大量に破壊され、まごまごしているうちに黒海艦隊の旗艦まで沈められてしまった。
これが戦争前半の出来事である。
しかるに昨日のNHKニュースでは、この前半の戦争をひきあいに出して、いかにもウクライナ軍が優勢である、まだまだ戦えるということを強調していた。
しかしロシア軍は体勢を整えたのだ。
いまや戦況は完全に攻守ところを変え、ウクライナ軍が戦争前半のロシア軍と同じ運命にさらされることになった。
いかげんにしろ、NHK。
日本の公共放送がでっち上げをして戦争を引き延ばすおかげで、今日も、この瞬間にも、双方の若者たちが死んでいるかも知れないのだ。
罪は軽くないぞ。
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