食い違い
わたしがロシアの肩ばかり持つのは、わたしがプーチンのファンであるからで、ほかのニュースにはあまり関心がないせいだ。
たとえばいま騒いでいるスーダンの内戦にしたって、関心がないわけじゃないけど、あ、また始まったかって具合で、政府軍にも反政府軍にも肩入れする理由がない。
ほかにも国政選挙の結果や、ミャンマーの軍政や、MLBの大谷翔平がどうしたこうしたなんてことは、わたしも世間と似たような考えなので、騒いでも仕方がない。
ウクライナ戦争については、愛国者であるプーチンが世界中のメディアから袋叩きにされているのが見過ごせないし、しかも袋叩きにしている人たちのほとんどが、ウクライナがどんな国かということも知らないのだ。
それはおまえが無知なせいだ、プーチンはならず者で、ロシア軍は残忍な極悪軍隊だという人がいるかな。
いたらコメント欄に書いてくれ。
わたしもそういう人の意見を聞きたい。
昨日のNHK国際ニュースは、あいかわらず「ロシア軍は支配地域の防衛体制を整えられずにいる可能性が高い」とか「ウクライナ軍がドニプロ川東岸に陣地を築いた可能性がある」などと希望的観測ばかりだ。
明日になると正反対の結果になっていなければいいが。
これまでそういうことが多すぎたのだ。
中国の駐仏大使の発言に、バルト三国が怒っているという報道があった。
バルト三国がロシアから正式に独立したけど事実はないといったらしいけど、これについて香港TVGの報道が引用されていた。
香港というのはいまでは中国の一部だから、ここのテレビ局の報道というのは、ひょっとするとNHKとはべつの視点、つまり中国の肩を持つ内容になっているかもしれない。
そこでじっと報道に注目し、考えてみた。
この発言のそもそもは、クリミア半島はロシアのものなのかという、記者の質問に対する返事だったようだ。
駐仏大使は、クリミア半島はソ連時代にウクライナに贈られたものだと発言し、その文脈のなかにバルト三国うんぬんも出てきたらしい。
どうやら中国本土の了解を得ないまま、いまならマクロンさんも中国寄りに傾いているからかまわんだろうという理由で、大使が自分の一存でした発言のようである。
意外に思うんだけど、中国の報道官や大使には、本国に伺いをたてずに、自分の裁量で発言をすることが許されているフシがある。
もちろん本国の立場と大幅にくいちがう発言は許されないけど、以前報道官の華春瑩さんがパンダのシャンシャンと日本人の名前を勘違いし、中国の立場をとうとうと述べたあとで、パンダのこととわかって照れ笑いをしていたことがあった。
今回も香港TVによると、大使の発言は、本国政府がとっている立ち場と異なっていたようだ。
クリミア半島の帰属については、基本的に一致しているとしても、いまこの時期に中国が公けの場でそんなことをいうだろうか。
この問題があとをひくようなら、あれは駐仏大使の個人的発言だといって幕引きをして、大使は粛清か、遠流間違いなしということで、あとが楽しみ・・・・ってことはないだろうけど。
クリミア半島はウクライナがロシアとかたい絆で結ばれていたころに、ロシアが贈ったというか、信頼して預けた土地であることは事実である。
ここは当時もいまも黒海をにらむ軍事上の要衝だ。
要衝というからにはロシアにとっても重要な土地であって、そんなところをタダでポイとプレゼントする国はない。
ウクライナがNATOに加盟すると言い出せば、ロシアとしては当然それを返せということになる。
いちど上げたものを返せというのは卑怯だというなかれ、それなら同盟を裏切るほうがさらに悪い。
ウクライナを手なづけて、クリミア半島ごと西側のものにし、ロシアを包囲孤立させようというアメリカは、さらにさらにたちが悪い。
だからウクライナはクリミア半島と、そこへつながる陸上の回廊を、どうもお世話になりましたといってロシアに返還すれば、それならとロシアも侵攻を思い止まって、両国の若者がいたずらに死ぬこともなかったんじゃないか。
プーチンのしたことに、わたしが理解を示す根拠はかくのごとしだよ。
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