戦場より
ワグネルの創始者プリゴジンさんのことだけど、最初はひとつの軍隊を率いるくらいだから、それなりの人物だろうと思っていた。
ところが今回、顔をゆがめて、口汚くロシア国防省をののしる映像を見て、ああ、やっぱり彼も“恐ロシア”と称される、無鉄砲で乱暴者のロシア人のひとりかと思ってしまった。
わたしがプーチンだったとしても、こういう男にあまり権力を与えすぎるのはよくないと考えるだろう。
ちょっと気になるのは、プリゴジンはロシアの正規軍の将官をののしるくせに、プーチンに対してはあまり過激なことをいってないこと。
そしてバフムートのあと始末はチェチェンの軍人にまかせるという。
これは口ではものすごいことをいうけど、大統領のプーチンには心服しているということじゃないか。
あとを引く継ぐチェチェンの司令官も、長いあごヒゲの戦争大好き人間というイメージだけど、チェチェンといえば以前にイスラム教徒たちが内乱を起こして、ロシアと大いに揉めたところだ。
プーチンはそれを抑え込むと同時に、丸め込んでしまったようにみえる。
じつはいま読んでいる「史記」にも、そんなふうに兵隊やならず者などに、なぜか人気のある武将が登場する。
項羽という武将はケンカに強くて、当たるところ敵なしだった。
彼に対抗する劉邦のほうは、ケンカが強いわけじゃないけど、人心を捉えるのがうまかった。
この両者の覇権争いは、けっきょく垓下の要塞に追いつめられた項羽の死で終わるのである。
わたしにはプーチンが劉邦と重なって仕方がない。
最新の報道によると、バフムートの戦闘はワグネルに替わって、チェチェンのカデイロフという指揮官が引き継ぐことになったという。
ココログでわたしと同じような偏屈の代表である大地舜さんのブログでは、7日の記事でこれに触れていたから、わたしはそのことをメディアが報ずるまえから知っていた。
大地さんは「ミリタリーサマリー(Military Sammary)」というサイトを参照することが多い。
これはパソコンさえあればだれでも観られるサイトだから、わたしも、英語の苦手なわたしも、ネット翻訳の力をかりて内容のいくつかを訳してみた。
それによると、ウクライナにとってあまり芳しいものはないね。
たとえば、以下はネット翻訳によるもので、ちとわかりにくい点もあるけど
Ahkmat(新しくバフムートにつぎこまれるチェチェン軍のことらしい)特別部隊はチェチェンのイスラム教徒です。母なるロシアのキリスト教正教会であるワグネルと協力することは、多宗教グループが共通の利益と目標のためにどのように協力できるかについての世界への良い例です. これはキエフ政権とウクライナ正教会が東方正教会を迫害しているのとは正反対です。
民間軍事会社ワグネルがバフムートで何ヶ月も戦っていた場合、休息と再編成のために部隊の一部を撤退させる必要があるだけかもしれません。Akhmatをバフムートに参戦させることで、プリゴジンは数週間休息するために部隊を後方に移動させることができ、そのあいだ民間軍事会社の他の部分はウクライナ軍との対立を維持しています。プリゴジンが別の部隊に、都市の最後の 10% を占領するという栄光を与えることを許可したとは思えません。
あいかわらずYouTubeなどにはウクライナが優勢だ、ロシアはそのうち負けるという報道が多いけど、こういうのは商売でやってるチャンネルだろう。
商売となると視聴者におもねるのは当然のことで、客観的な立場より、どうしても世間に迎合するようになる。
問題は、「ミリタリーサマリー」はだれでも観られるのに、いまウクライナが優勢というチャンネルの運営者たちは、それをまったく参照してないということ。
金さえ儲かれば事実の確認なんかどうだっていいというのかも知れない。
そんな無責任なサイトの信用を失墜させるのに、わたしのブログがささやかに貢献できればいいなと、よく考える。
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