G7をふり返る
G7でゼレンスキーさんは、対面して話せばグローバルサウスを取り込めると、本気で考えていたわけじゃあるまい。
ブラジル大統領に会うこともなしにさっさと帰国したということは、会っても自分の主張がとうてい受け入れられないと悟っていたのだろう。
ロシアはクリミア半島とそこへ通じる回廊の確保に戦力を集中しており、ウクライナ全土を占領しようとは思ってないはずだ。
その代わりこの部分だけはがっちりガードを固めているから、戦車や劣化ウラン弾、F16があったとしても、まず攻略は不可能だ(この1年間、ロシアだって遊んでいたわけじゃないのだよ)。
F16の供与を認めさせたゼレンスキーさんも、戦闘機があれば勝てるわけではないことは理解しているだろう。
戦争は条件闘争の段階に入っており、ようするに勝ち負けよりも、いかに相手を困らせて、和平交渉の席で自分たちに有利な条件を呑ませるかという段階になっているのだ。
米国だってウクライナが勝てるとは思ってない。
とにかく徹底的に支援を続けて、ロシアをいつまでも困らせ、どうやって自分たちのメンツが立つ状態で和平に持ち込むかと考えているのだ。
ヘタをすると核戦争になりかねないけど、ヒロシマでしゃあしゃあとして、核兵器のない世界を目指しますなんていっていた日本の首相は、台湾有事を控えているし、アメリカを怒らせたくないから、仲介役なんかするつもりはもちろんない。
NHKもそんな危険性にはぜんぜん触れずに、昨日も英国やフランスがソースの、偏向したニュースばかり流していた。
岸田クンを見ていると、よく田舎の代議士に、冠婚葬祭があると張り切って世話役をやりたがるおじさんがいるけど、あんなタイプに思えて仕方がない。
米国に追従してさえいれば間違いがないという、困った迷信にとらわれた首相なのだ。
アメリカにもいい顔をし、ロシアの顔も立てる、インドのモディさんのしたたかなこと、政治家はこうでなけりゃあね。
爪のアカでも煎じてもらったらどうか。
日本の首相は、ゼレンスキーさんが参加して顔見せさえすれば、途上国を味方にできると思っていたらしいけど、どうしてG7とグローバルサウスは対立するのか、それを考えた人がいるだろうか。
G7のメンバーはよく「力による現状変更は許さない」という。
これはそのまま現在の国際秩序を維持するということで、金持ち国はそのまま、貧乏国もそのままでいろってことだから、途上国が納得するわけがない。
まじめに努力すればどこの国でも大国になれるというなら話もわかるけど、アメリカは自分が永遠にトップであり続けたいから、どんな卑劣な手段を使っても他国の台頭を阻止しようとする。
いま中国と揉めているのはそういうことだ。
岸田クンもそのへんをよく考えないと、いつになってもグローバルサウスの理解は得られまい。
昨夜録画した「映像の世紀」は、第二次世界大戦での独ソ戦をふり返るものだったけど、どうせドイツとロシアの戦争だと、他人ごとに徹するNHKの姿勢に怒りをおぼえる。
台湾有事になれば、この映像に捉えられた残虐なシーンは、そっくり日本の若者にふりかかってくる可能性があるんだよ。
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