迎合する
SNSやネットニュースをのぞいてみると、上から下まですべてロシアが悪い、ロシアはケシカランの大合唱だ。
これだけでもロシアが発信しているプロパガンダの少なさがわかる。
わたしが見たところ、ロシアを中傷しているSNSのほとんどは金儲けが目的だ。
たとえばと、わたしがいちばんよく視聴するYouTubeを例にとって考えてみよう。
YouTubeは個人で始めるテレビ局のようなもので、アップされた映像がおもしろければ、チャンネルの登録者が増えて、スポンサー収入が増える仕組みになっている。
将来はユーチューバーになりたいという子供が多いように、人気のあるチャンネルだとこれだけで食っていけるどころか、スタッフをかかえたYouTube専門の会社を立ち上げることさえできるようである。
つまり、それだけ儲かるということで、では儲けるためにはどんな映像を作ればいいか。
もうわかってきただろうけど、ようするに国民に迎合すればいいのである。
国民の大多数がNHKなんかに毒されて、ウクライナが可哀想、ロシアはケシカランと思っているなら、ロシアをおとしめる映像を作ればいいわけだ。
逆にロシアを擁護するような映像を作っても、わたしのブログのように、だれも観てくれないということになる(ホントに観てくれないのか疑問はあるけど)。
そういうわけでYouTubeにはロシアを中傷する映像があふれることになるのだ。
最近、あるYouTubeチャンネルをのぞいてみた。
このユーチューバー氏は初老の、もとジャーナリストという人で、写真で見ると学校教師か定年した市役所の課長みたいで、教養と誠実さを感じさせる人だった。
金儲けなんぞに興味はなさそうに見える。
英語に堪能らしく、あちらの文献やSNSをひきあいに出して、自説をとうとうと述べられると、英語の苦手なわたしには内容の是非を判断できない。
しかしべつの方面からこの人の情報の是非を判断する方法はあるのだ。
この人はたくさんの映像をYouTubeにアップしているから、ほかの映像をいくつか見てみれば、彼の立場や、左翼か右翼か、世論に対してどんな意見を持っている人なのか、みんなわかってしまうのだ。
それによるとNHKとたいして変わらないデタラメとしか思えない映像もあり、やはりこの人も金儲けのためにやっているのかと思わざるを得ない。
そりゃ当然だ、手間ひまかけて金にもならない映像を作るバカはいないといわれてしまいそう。
だから問題は、こういう映像を観てよろこんでいる単細胞の視聴者のほうにある。
こんなものに飛びついて、みすみす制作者を儲けさせるひともひとだよ。
あなたが「いいね!」を押し、登録者に名を連ねるたびに、そういう偏向した人にお金がどさどさ振り込まれるわけだ。
わたしだったらくやしくて眠れないわさ。
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