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2023年5月13日 (土)

ヨタカの星

1100099

岸田クンがタイムの表紙になって、日本の軍事大国化を推し進める首相と、誉められたのかけなされたのかわからないことを書かれていた。
本人が抗議したといってるし、あちらの雑誌は辛辣だから、これはけなされたんだろうね。
そうかといって、岸田クンひとりをけなすのは気のドクかも知れない。
日本のかっての栄光をとりもどそうというのは、安倍クンもそうだったし、自民党政権の長年の悲願だったのだから。
でも安倍クンは相手(プーチン)の立場も考えただろうし、けっして強引に押し進めることはなかっただろう。
岸田クンは、たまたまウクライナ戦争があって、これは千載一遇のチャンス。
いまなら憲法9条にしがみつく平和ボケした国民も反対しにくいと、自分が先頭になって大国化を仕切ろうという魂胆だ。

岸田クンは広島のG7で、ロシアによる危機を声高に訴えようとしてる。
ところが肝心のバイデンさんが参加に煮え切らない。
アメリカ大統領にすれば、そもそも自分があおって始めた戦争だし、自分が行かなけりゃ西側の結束をみずから乱すようなものだ。
だから直前になって、やっぱり行くワとなるかも知れないけど、そんなことはわたしにもわからない。
わかるのは岸田クンが、バイデン来なけりゃオレがと、張り切っていることぐらい。

いずれにしても全員一致の仲良しグループの集まりに、メンバーが欠けるのどうのといっても仕方がない。
ここでは日本の軍事大国化について考えてみよう。
いったいどうして日本は軍事大国になりたいのだろう。
じつはわたしも右がかった中道派だから、防衛のための軍隊も必要だと思っているけど、見栄を張りたい、世間に大国であることを認めさせたいという一部の国民の考えには賛成できない。
見栄っ張りや意気地のない人間にかぎって、そう、ちょうど北朝鮮のぼんほんのように、強がってみせるものだ。

ここで唐突に宮沢賢治の「よたかの星」という童話を持ち出す。
ヨタカはみっともない姿をしているというので、まわり中からいじめられる(わたしは可愛いと思うんだけどね)。
進退きわまった彼はとうとう死んで星になろうと決心した。
ところが先達にその方法を尋ねると、『話にも何にもならん。星になるには、それ相応の身分でなくちゃいかん。又よほど金もいるのだ』といわれてしまう。
わたしは童話らしからぬこのくだりを読むと、おかしくていつも笑っちゃうんだけど、身分はともかくとして、軍事大国になるにはそうとうにお金が要るのである。

お金がだぶついているときならまだしも、いつコロナのような疫病が蔓延して、また大盤振る舞いなんてことがあるかもしれない。
ほかにもお金の必要な問題、縮小しなければいけない財政赤字は累積しているのに、どうして防衛費に金を使いたがるのか。
今度は唐突にドイツという国を引き合いに出そう。

ドイツの戦後の歩みは日本とよく似ていて、どちらも勤勉な国民と、すぐれた技術力を足場に、経済大国として発展してきた。
EUの代表格でありながら、国連の常任理事国になれないところまで日本に似ている。
ウクライナに供与したレオパルド2戦車でもわかるように、現在のドイツはおもてには出さないけど域内の軍事大国で、たとえばヨーロッパに、この国を相手にケンカを吹っかけようという国があるだろうか。
いまドイツが核兵器なんぞを持てば、周辺国によけいな警戒心をもたらし、それが摩擦となって、かえって戦争を引き起こすことになりかねない。
ドイツ人が現状に満足しているかどうかは知らないけど、まえの大戦の反省から、軍事大国化への欲望は抑制しているようだ。

日本も無理に軍事大国になる必要はないと思う。
少なくともいたずらに敵を作って、軍拡競争に陥るようなことはやめるべきだ。
いまでも日本は、遠い小惑星に探査船をとばして、その先端をゆく技術力で周辺国を震撼とさせており、自衛隊が使っている兵器もその優秀性で、大東亜共栄圏の復活かとアジア諸国をビビらせているのだ。
ヨタカという鳥は飛びながら小さな虫を捉えて食べている平和主義者なので、能ある鷹は爪を隠すというたとえに該当しないけど、あからさまに誇示しなくても実力を示す方法はいくらでもある。
現在の日本はまぎれもなく世界有数の軍事大国だし、いったん軍拡競争になると、それは際限なく上昇し、歯止めの効かないものだということを知っておこう。

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