水かけ論
恥知らずの極地というか、アメリカが知らないはずはないのに、ダム爆破の犯人はロシアではないかなどととぼけたことをいう。
大勢の死者が出たはずだから、これは人道危機だともいう。
NHKももちろん、最初からその線での報道に終始していて、昨日の国際報道にはキエフ滞在の取材班という女の子の報告があったけど、現地ではだれが犯人だと思われてますかではなく、最初からロシアが犯人だという前提で日本とやりとりしていた。
ダムの破壊については、またロシアがやった、ウクライナがやったの水掛け論だ。
この戦争でこんなことはほかにもあったので、ひとつ論理的に考えてみようじゃないか。
フツーに考えれば、クリミア半島や原発を実効支配しているロシアが、わざわざそこへ水を供給しているダムを壊すはずがないというのが妥当なところ。
しかしこれでは世間の大半をしめるロシア嫌いを納得させられまい。
謎解きミステリーにたとえてみよう。
ウクライナが優勢で、反転攻勢の準備をしているところなら、ダムを破壊したのはそれを阻止しようというロシアだし、逆にロシアが優勢なら、クリミア半島も原発も実効支配しているロシアに、水の供給元であるダムを破壊する理由はひとつもない。
つまりここでも、露ウどっちが優勢なのかということが、爆破した犯人の決め手になるわけだ。
ここまでのわたしの思考に疑問点はあるかな。
反転大攻勢をひかえたウクライナ軍に、ロシア軍がおそれをなしたということは考えられるだろうか。
世間にはそう考える人が多いかも知れないけど、わたしはほんとに反攻できるのかどうか、興味を持って見守っているところなんだけどね。
以前観たNHKの報道では、御用解説者の兵頭サンさえ、攻める側は守る側の3倍の兵力が必要だといっていた。
しかも塹壕、地雷原、竜の歯と呼ばれる3重の障壁を破らなければならない。
ノルマンディや硫黄島の上陸作戦みたいだけど、そちらでは攻めるほうは制空権を完全に確保していて、空からの攻撃や自軍の援護をすることができた。
今回の場合は、いかなる名将といえども、この防壁ラインを突破するのは不可能だというのが、精神異常者でない人ならとうぜん考えるところ。
ここまでのわたしの思考に疑問点はあるかな。
それでもべつの場所、たとえばベルドゴロ州にロシア軍の目をひきつけておいて、手薄になった本丸を急襲すれば、ということは人工衛星の時代に不可能だとわたしは何度も書いた。
つまり破滅的敗北を覚悟しないかぎり、反転大攻勢などやりようがないということだ。
にもかかわらず世界がウクライナの大反攻を、いまかいまかと胸をときめかせて待っている。
こういうときあなたならどうする。
そこまでやるかと思うけど、ゼレンスキーさん(とアメリカ)がやったのが、ダムを爆破して戦場を水びたしにすること。
これなら大反攻をしたいんだけど、できませんと言い訳ができるわけだ。
ダム破壊の真相はこんなものだと思うけど、わたしの結論に疑問点はあるかな。
とにかくNHKの中露攻撃は度をこしている。
とくに国際報道がひどく、たぶんこんな硬い番組を観るやつはおらんよと、ヤケッパチになっているのだろう。
昨日は香港やモンゴルの出版人を登場させて、ゴチャゴチャ不平をいわせていたけど、いまは毛沢東の時代じゃないんだぞ。
相手を攻撃するためなら、時系列なんか無視してもいいのがNHKなのだ。
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