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2023年6月 2日 (金)

にっちもさっちも

ウクライナ戦争でザポリージャ原発が盾に使われるのではないかと危惧する声がある。
といっても、ロシアとウクライナのどっちが盾にするのか、まだ結論は出ていない。
ロシアが原発を占拠しているおかげで、安全が保たれているのだと、これはわたしの意見。
ウクライナが占拠していれば、いよいよにっちもさっちも行かなくなったとき、彼らは原発を盾として使うだろう。
というと、それはロシアも同じことだ。
ロシアだってにっちもさっちも行かなくなれば同じことをするだろうといわれてしまいそう。

つまり問題は、どっちがにっちもさっちも行かなくなる可能性が高いかということになる。
優勢なほうが盾にする必要はないわけだから、これはどっちが優勢かという問題なのだ。
さて、冷静に考えてみよう。

日本にいたのでは、圧倒的にウクライナのほうが優勢で、ロシアは追いつめられているという報道が多いけど、その大部分はデタラメなプロパガンダだ。
と、わたしがいっても信用しない人が多いだろう。
それでは質問するけど、ウクライナが優勢という戦場がどこかにあるかね。

戦争が開始した直後は、確かにロシアも油断してイタイ目に遭っている。
しかしじわじわと挽回をして、マリウポリの製鉄所の攻防戦あたりから現在まで、ロシアが優勢で、ウクライナは押されっぱなしではないか。
SNSには破壊されたロシア軍の戦車や、塹壕にいるロシア兵がドローンで攻撃される映像があふれているけど、そういう映像を公開するのは大半がウクライナ側で、ロシアはほとんどそんなものを公開しない。
兵力では圧倒しているばずのロシア側の損害だけって、そもそもおかしいと思わないか。
大部分はウクライナ軍が捏造した、あるいは戦争初期の古い映像だろうとは思わないのか。

ロシア軍は敗北しているわけではなく、現実にクリミア半島やザポリージャ原発は占領したままだし、マリウポリやバフムトなど、すべての激戦地で勝利している。
戦線は膠着しているように見えるけど、ロシアの目的はクリミア半島とそこに至る回廊だと思えば、それもがっちり確保していることになる。
そして枯渇する、枯渇するといわれていたミサイルで猛攻撃だ。
いまウクライナが優勢だという戦場があったら教えてほしい。

いや、まだまだウクライナ軍が反転大攻勢をかけて、ロシアがにっちもさっちも行かなくなる可能性だってあるんじゃないか。
撤退するロシア軍が原発を盾にすることもないわけじゃないだろう。
なるほど。
その反転攻勢はどうなったのか。
攻勢、攻勢というまえに、それが可能なのか、どうやって鉄壁の防御壁を越えるのかということを考えてみないかね。
NHKはNarrative(空想的な持論)やde-risking(中国への経済的依存度を減らす)に続いて、Shaping Operations(形成作戦)という言葉を使ってウクライナを擁護し始めたけど、これは反転攻勢を形成するための下準備だそうだ。
ようするにまともに戦っては勝てないから、これからはゲリラ攻撃に徹しますと、みずから宣言したようなものだ。

英語圏の人間なら英語が使われるSNSの情報などを、じかに視聴することも可能だから、世界中でウクライナが優勢だと信じているのは日本人だけかも知れない。
こうやって冷静にどちらが優勢かと考えてみると、ザポリージャ原発をロシアが占領しているのは、世界にとって幸運なことだったとしか思えない。
にっちもさっちも行かなくなったウクライナが、これを盾にする可能性は十分あったのだ。
もうあきらめたらどうなのか。
いや、ウクライナに対していってるわけじゃない。
NHKに対して、ずるずる戦争を引き延ばすのをあきらめたらどうだということだ。
西側の支援がなければあっという間に戦争は終わるのだ。

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