問題の中国
1989年に起こった天安門事件を、日本のメディアはまた中国叩きに使い始めた。
当時は新思考を持った(じいさんだけど)鄧小平が改革開放政策に乗り出したころで、いくらか共産党のたがもゆるんでいたから、こんな暴動も起こり得たのである。
しかし中国では小さな暴動が拡大して、国を転覆させたという事例が数え切れないほどあるから、これを放置しておいたら、せっかくの開放政策が挫折しかねない。
ちょっと矛盾しているけど、ルールに乗った民主化を成功させるために、鄧小平には行きすぎた民主化運動を押さえつける必要があったのだ。
だいたい民主化というと、すべて自由放任主義のアメリカがお手本というのはなんなのだ。
民主主義にも国によって異なる手法があっていいとはなぜ思わない。
当時の学生たちには、民主化を要求するだけで、その後の明確な指針なんてないに等しかった。
これでは単なる暴動と変わりがない。
暴動を扇動した学生リーダーの大半が米国などに脱出し、その後中国が順調に発展すると、国にもどりたいなどと言い出して、門前払いをくらっている者もいる。
わたしが初めて中国に行ったのが1992年のことで、そのころはまだ兌換券というものがあったくらいだから、わたしは共産党中国の残滓をかろうじて眺めることができた。
わたしが初めて見たころの中国はとにかく貧しかった(写真は当時の上海)。
だからこそわたしは、初めて中国に乗り込んで、ここは中世の国かと驚いたアグネス・スメドレー(日中戦争のころの米国のジャーナリスト)と同じ体験をすることができたのである。
ところがその後の中国の発展ぶりは怒涛のごとくで、つい最近はとうとうアメリカさえおびえさせる位置にまで来た。
そんなことはない?
それじゃアメリカが必死になって中国を叩こうというのはなぜなのだ。
日本がアメリカに追従して、先端半導体を隠そうとするのはなぜなのだ。
いまの中国では、庶民でも車を買えるし、日本に買い物に押し寄せるくらい海外旅行すら楽しめるのである。
どんな国でも自国民を苦しめたり、他国民を苦しめて繁栄しているなら、そんな政治を認めることはできない。
中国はアメリカのように、他国が発展するのをジャマしたり、うらで戦争をあおって兵器を売りつけたり、自分ところだけがよければいいなどというような政策をとってない。
中国の一帯一路政策を責める人もいるけど、儲けすぎを途上国にむしられているのだと思えば、文句をいうほどのことはないではないか。
もちろんどんな国にも不満分子はいる。
しかしむかしを知らない若造ならいざ知らず、天安門事件のころでも知っていれば、政府の方針が間違っていたという中国人はほとんどいまい。
日本やアメリカだけが、それもいちじは騒ぎも収まっていたのに、いまごろになって問題視し始めたのだ。
これは韓国人が戦後だいぶ経ってから、とつぜん旭日旗で騒ぎ出したようなものだから、日本と韓国のルーツは同じだと思われても文句はいえない。
中国というとなにがなんでもキライという人種ヘイトの諸君、あるいはNHKの報道はちっとおかしいと思う人がいたら、わたしのブログにじゃんじゃんコメントしてくれたまえ。
ホント、NHKがむきになればなるほど、わたしのブログも充実してしまうよ。
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