対抗軸
フツーに考えればいいものを、なにがなんでもロシア不利に解釈しようとする。
日本の視聴者はよっぽどオメデタイと思われているらしい。
これは西側への対抗軸とされるもうひとつのサミット、上海協力機構についてのハナシ。
なんとかこの集まりにケチをつけたいNHKにいわせると、参加国の足並みは揃ってないとのこと。
そりゃ西側以上にさまざまなおもわくを抱えた国ばかりで、たとえば今回の議長国を務めるインドと、上海機構の重要加盟国である中国は、国境紛争をかかえた国同士であるし、正式加盟をしているイランと、目下加盟を手続き中のサウジアラビアも仲が悪かった。
いま話題のベラルーシみたいに、そのうち革命が起こって、いつ体制がひっくり返ってもおかしくない国もある。
問題はそういう不協和音をかかえた国々が、西側に対抗するという一点では協力しあっていることだ。
今回の上海協力機構会議は対面形式ではなく、オンライン開催だったそうで、NHKはさっそく御用解説者を引っ張り出してケチをつける。
今夜の御用解説者は、はじめて見る防衛大学校教授の伊藤融サンで、もちろん防大教授が日本政府の意に反することをいうわけがない。
彼は失敗に終わったG7ヒロシマ・サミットを成功だったと持ち上げる。
招待されていたインドのモディ首相とゼレンスキーさんの直接対話で、インドはウクライナの立場に理解を示したといってたけど、じっさいは和平に応じようとしないゼレンスキーさんに苦言をいったのだという説がある。
証拠?
ゼレンスキーさんがそのあと、ブラジル大統領との会見をボイコットしたのはなぜだろう。
モディさんからかなりきついことをいわれ、さらにグローバルサウスのメンバーであるブラジルから、同じことをいわれるのがイヤだったのだそうだよ。
こういう感じで伊藤融サンは、現在のインドの立場を強引に解釈するのだ。
インドが米国のまえではっきりした意思表示をしないのは、両陣営から得られるものは得ようという実利政策で、バイデンさんに嫌われたくないのだろうという。
インドが反米であることはとっくにあきらかで、それでもなんとかしてグローバルサウスを分裂させたいアメリカは、先日の首脳会談でも精一杯の歓迎をした。
嫌われたくないのはアメリカのほうではないか。
そんな米国の弱みにはまったく触れず、なぜここまでグローバルサウスに嫌われるのかということも考えようとしない。
NHKはいったいどこまでウソを重ねるのだろう。
そのウソにだまされる人たちはどこまでだまされるのだろう。
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