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2023年8月

2023年8月31日 (木)

間合いを測る

ロシアとウクライナではドローン攻撃の応酬が激しくなっているそうだ。
ここにはレトリックがあるからご注意。
ウクライナにいわせると、ロシアのドローンの大半を撃墜したといってるけど、ウクライナにできるなら、ウクライナ側のドローンはほぼ100パーセントが撃墜されているだろう。
電子戦ではロシアのほうがずっと優勢なのだから。

ニュースを観たけど、ウクライナのドローンはほとんどメクラ撃ち、できるだけ相手が油断していそうなところを狙い、どこでもいいから当たればいいやというヤケッパチ方式。
ロシアのミサイルはショッピングセンターに大穴をあけていた。
それで死者がガードマン2人だというんだけど、ショッピングセンターでそれだけの死者というのは少なすぎる。
おそらく被害が出ないように閉店後の人がいない時間帯を狙ったのだろう。
プーチンは慎重に間合いを測っていることがわからんかね。

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ロシア人に聞く

「ロシア人にインタビューしてみた」というYouTubeチャンネルがある。
ロシア人と思える金髪の若者が、現地で複数のロシア人にぶっつけインタビューするもので、ロシア人の本音が聞けておもしろい。
とはいうものの、こういうチャンネルを観る場合、注意をしなければならないことがある。
インタビューする側がどんな思想を持っているかで、いくらでも内容を偏向させることが可能だからだ。
早いハナシが、100人にインタビューして、その中から自分の主張に近いものを重点的に選んで、映像を完成させればよい(NHKがいつもやっている)。

しかし「ロシア人に」では、回答がさまざまで、反露的答えもあれば、プーチンを絶対に支持するという回答もあるから、まあ、公平といっていいかも知れない。
ただわたしみたいなロシア擁護派が観ると、金髪の若者の質問に、ロシアが嫌いだという回答を引き出そうという意思のようなものが感じられるから、ゼッタイに公平ともいえない。

世間は広いもので、わたしとは正反対の立場から、このチャンネルは偏っているというイチャモンをつける人がいるのだそうだ。
YouTubeには金髪の若者側からの弁明の投稿まで上がっていたけど、世間には圧倒的にアンチ・ロシアが多いから、文句をいうのはそういう手合いだろう。
つまりなにがなんでも自分の主張にそった内容でないと満足せず、そんなはずはない、ロシアにももっとプーチン嫌いがいるはずだというのである。
だけどフツーに考えれば、ロシアでプーチンの支持率は70〜80パーセントもあるらしいから、インタビューの結果もそれに準じなければおかしいし、ロシアでインタビューしてみれば、プーチンが好きだという人が多いのが当然なのだ。

「ロシア人に」チャンネルを観ていると、ロシアの人々もウクライナ戦争についてよく知っていることに感心する。
だからこそプリゴジンさんが反乱を起こしたとき、国がふたつに分裂するのではないかと心配して、彼が無血撤退をすると知ったとき、感動のあまりワグネルの戦車に群がったのだろう。
わたしの想像では、おそらくウクライナの国民のほうが、これほどの戦況を知らされてないはずだ。

昨日のNHKの国際報道では、戦争中だというのでゼレンスキーさんが大統領選挙を行わないのではないかと報じていた。
戦争中で戒厳令下では仕方がないということもあるけど、これでは民主主義を守るための戦争とはいえないとNHKも困惑ぎみだ。
ウクライナでは戦死者の数も国家機密だとして公開してないという。
きちんとした報道がされているなら、ウクライナの若者たちのだれが好んで屠殺場に行くだろう。

日本の政治家はなにを仕事にしているのかね。
制裁だとしてロシアからは日本企業を撤退させるし、中国がいやがらせをするなら海産物の輸出を全面禁止してしまえだと。
いすれも損をするのは日本の企業や、一般の漁業従事者だ。
政治家には盾つけないけど、ユニクロだって本心でははらわたが煮えくりかえっているにちがいない。
決して民主国家とはいえないウクライナを擁護するために、そこまてしてやる必要があるのかい。

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2023年8月30日 (水)

時論公論

昨夜のNHK「時論公論」を観たら、ロシア専門の解説委員の石川一洋さんが、プリゴジンさんの死についてあれやこれやといっていた。
暗殺だろうというのは、わたしもそう思っているから異論はないけど、プーチン主犯説には納得しかねる。
石川さんの説では、プーチンが「裏切り者に死を」といっていたことを根拠にしていたけど、プリゴジンさんがプーチンを裏切ったことがあっただろうか。
彼はプーチンに直訴しようとして、それが入れられないことがわかると、すみやかにワグネルを撤退させた。
これがプーチンに恨まれるような理由になるだろうか。

かりにいちどはロシア国内の結束を乱したからだとしても、(これはわたしの主観になるけど)わたしにはプーチンが恨みを引きずるような人間には思えないのである。
主観を抜きに具体的にいっても、プリゴジンさんを殺してプーチンの得になることがなにかあっただろうか。
血を見ることなく撤退したおかげで、プリゴジンさんの周囲にむらがり、サインやツーショットを求める市民がいたくらいだし、ロシア国内にもプリゴジンさんを支持する人間が一定数はいた。
それを裏切り者は許さないなどと、まるでギャングの親玉がいうようなセリフで抹殺すれば、つぎの大統領選挙にも影響が出るかも知れない。

ロシアはプーチンのおかげで、ようやくそんなギャングまがいの指導者から解放され、世界に通用するグローバル国家になれたのだ。
もういちど粛清や暗殺の横行する時代にもどりたいと考えるロシア人などいるはずがないし、しかもワグネルはそっくりベラルーシに移動した。
内乱になることもなしにことを収めたプーチンの手腕に、感心する国民はいても、勇気がないと非難する国民がいるだろうか。
ロシア国民が望むのは、執拗に報復を考える男らしい大統領ではなく、敗者にもやさしい温情あふるる大統領ではないか。

それでもプリゴジンさんは殺された。
プーチンがあとになって気がついたとしても、いまはウクライナ戦争のまっ最中だから、内部分裂はまずいというので、彼は怒りを噛み殺して、プリゴジンさんを哀悼する。
プーチンが悲痛な顔をしていたのももっともだ。
というのがわたしの意見だけど、石川さんのいうとおり、真実は戦争が終わって、ずっと先まで公けにならないかも知れない。

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2023年8月29日 (火)

悪いことはいわん

原発の汚染水(処理水?)で中国からいやがらせメールが殺到しているって。
そういう馬鹿はどこにでもいる、日本にもいる。
若いタレントさんを寄ってたかって自殺に追い込むような連中だ。
そんなものをいちいち気にするほうがアホやねん。

だいたい騒いでいるのは中国の民衆の一部で、中国政府はなにもしてないじゃないか。
いや、共産党の独裁政権では、上がああしろ、こうしろというと国民はみんなそれに従うのだから、政府が関与してないはずはない。
知らないおまえもそうとう迂闊なやつだなという声が聞こえそう。

んなことをいえば、日本だってNHKがああだ、こうだというと、みんなそれを信じる国じゃないか。
日本の共産党がちっと中国の肩をもつような言い方をしたら、たちまち非難が殺到する国じゃないか。
そのくらいは知ってまさあ。

それじゃなにかい。
中国が強権を発揮して、日本がああいってるんだから、もういやがらせはヤメロといえば満足なのか。
それでいやがらせがピタリとやめば、それこそ独裁政治の見本みたいなものじゃないか。
中国政府は日本大使館や日本食レストランに、いやがらせの実力行使をする中国人をちゃんと取り締まっている。
逆の場合も、日本政府にできるのはそのくらいだ。
悪いことはいわん、ガタガタ騒がず、冷静でいるのがいちばんエエ。

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だれかいってやって

「ウクライナ軍、南部のザポリージャの集落を奪還」というニュースが目についたけど、都市や町ではなく、また集落かい。
以前の反転攻勢開始のときもそんな報道があったよな。
人の住まなくなった部落の集落を占領して、勝った奪ったと大喜び。
もっと以前には、小型ボートで数人がドニプロ川の対岸に渡って、クレーンの先にウクライナ国旗をつけただけで反攻に成功したとか、先日はNHKの御用解説者の小泉悠サンが、特殊部隊がクリミア半島にちょこっと上陸しただけでしょうと解説する事件もあった。

ぜんぶウクライナの話題をつなぎとめておくためのデタラメに違いない。
え、最近のバイテンさんはなにをしてるの。
ドイツやフランスはどうしたのさ。
プーチンがなかなか反転攻勢に出ないのは、彼の最終目標はクリミア半島と、そこへ陸上でつながる回廊、ようするにいまの占領地さえ確保すればいいと思っているからだ。
だれかゼレンスキーさんにいってやっとくれ。
もともとロシアの領土だった土地に執着して、ウクライナの若者をもっと消耗させたいのかって。

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中国の旅/中山陵

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ホテル金陵飯店の“金陵”というのは南京市の古い雅称だそうである。
こういう例はほかにもあって、紙価を高めることで有名な洛陽は“牡丹城”、このあと行くことになる蘇州は“姑蘇”、なんていう。
わたしはあまり雅な人間ではないから、そんなことはどうでもいいけど、朝おきて窓から市内を眺めてみると、すぐ目の前に大きな空き地があって、そこにもそのうちに高層ビルが建つようだった。
空き地には鉄筋が積まれ、ユンボが一台停まり、労務者が何人か、気のないそぶりで働いていた。
だいたい中国人の朝は早いようで、わたしたちはつねに朝の7時には起こされてしまう(文句をいうわたしがグータラすぎるのか)。

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食堂へ朝食をとりにいってみると、入口に背の高い中国美人が立ってわたしたちを迎えた。
裾の割れたチャイナドレスを着ている。
チャイナドレスは本来はチーパオといって、これまでもホテルやレストランで何度も見かけたけど、その気になればミニスカートなんかよりずっと奥まで足がのぞけてしまう。
だれがこんな微妙な衣服を考えついたのか、ミニほどつつましさを失わず、ミニにも決して負けない色っぽさを発揮できる服を。
チーパオは中国の伝統衣装ではなく、起源については諸説があるようだけど、米映画でもW・ホールデンの「慕情」で、米国人のジェニファー・ジョーンズが着ていたくらいだから、あるていど固定観念が出来上がっていて、そういうものについては屁理屈をいわないのがわたしのブログだ。
ただ日本のコスプレの影響もあるのか、この衣装もどんどん過激になって、つつましさや奥ゆかしさが失われるのは困ったモン。

チャイナドレスを着ている女性は、ほかの従業員に比べても格が上である場合が多いようで、食堂の入口に立っていた女性も態度がどうどうとしていた。
これに比べると男はみじめである。
朝食をすませたあとわたしがトイレにいってみると、入口に陰気な顔をした、若い男性従業員が立っていた。
用を足して出てくるとさっとタオルを渡してくれる。
わたしはちょうど1角(1元の10分の1)の持ち合わせがあったので、さりげなくそれを洗面台の上に置いてきた。

中国では本来チップは不要で、ガイドブックにもそう書いてある。
相手に対して失礼にあたるという人もいる。
だがしかし、そうだろうかと、なにかにつけ疑問をもつのがわたしの性格である。
わたしは本音とたてまえの違いを知っているので、わたしだってチップをもらえないよりはもらえたほうが嬉しいに決まっている。
わたしは中国の若者を見下すつもりで、彼にチップを渡したわけではない。
この就職難の国で、ようやくありついた職業が、まる1日トイレの前に立ち、尊大な客にサービスするだけという若者の境遇にふかく同情したのである。
チップというものは本来、そうした相手に対する思いやりから生じたものではないだろうか。

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わたしたちはエアコンの効いたバスに乗って、この日はまず「中山陵」を見学に行くことになった。
なったなんていうと気楽に聞こえるかも知れないけど、じつは大変だったのである。
ガイドは女性の朱さんで、前日と同じ青い服を着ていた。
暑いですねえというと彼女は、ええ、南京と重慶、武漢をあわせて中国の三大ボイラーといいますからという。
わたしたちは鉄板であぶられながら、他人のお墓参りに行こうとしていたのだ。

バスが中山陵へ向かう途中、わたしは街のなかで、レンガで築かれた3階建てのビルくらいある古い城壁を見た。
城壁といえば西安(かっての長安)の城壁が有名だけど、ここにあったものも高さではひけをとらなかった。
ただし現在では、その大部分が無用の長物ということで破壊されてしまったようで、わたしは南京で城壁を見たのはこのときだけだった。
古いむかしから、中国の街というのは城壁で囲まれているのが普通だったけど、航空機やミサイルの時代になると、レンガの塀などなんの役にも立たないから、交通の邪魔ということになる。
いま城壁とその内部構造がほぼ完全なかたちで残っているのは西安と、山西省にある平遥ぐらいしかない。

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日中戦争の南京攻防戦の写真をみると、街が城壁で囲まれていることがわかるから、機会があるならわたしは城壁を見たかった。
しかし中国人にとってはいまわしい記憶のもとでもある。
犠牲者の数はともかくとして、南京の城壁は南京市民を守るためではなく、かえって逃亡を困難にさせることになった。
だいたい中国の軍隊というのは、むかしから給料が安いかわりに、戦争に勝てば掠奪、強姦お構いなしというものが多かった。
兵士のなかにはそれが楽しみで兵隊になった者もいたくらいだ。
城壁というのは籠城戦でこそ有益なものだけど、いったん穴があくと、かえって籠城した側の逃走を困難にするから、南京でも市民の虐殺は過去に何度かあった。
南京を舞台にした有名な虐殺事件としては、たとえば日本軍以前に太平天国の乱がある。
この乱についてはまたリンクを張っておいたから、各自で勉強するヨロシ。
つぎの3枚の城壁写真は、西安だけがわたしの撮ったもの。

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バスはアーチ型に開かれた城壁の門をくぐって外へ出た。
バスが市中をうろうろするあいだに、女同士ということもあってか、いちばん前でガイドのすぐわきに座った愛ちゃんが、朱さんにいろいろと不躾けな質問をする。
給料はいいんですか。
ふつうの中国人よりはいいそうである。
タクシーの料金はいくらぐらいですかと、これは愛ちゃんのとなりに座ったわたしの質問。
初乗りが15元=400円ぐらいだということだった。
同行のだれかの話では、外国人はすべて予約制になっていて、街で勝手に手をあげても乗せてくれないという。
ホントかどうか試してみたいものだ。

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街にタクシーの数は多く、よく見ると運転手をしている女性もひじょうに多い。
サンタナやシャレードのまともなタクシーだけではなく、街にはオートバイを改造した三輪車や、足こぎ式の人力車も多い。
ああいうのはもっと安いです、ただしボラれる場合もありますと朱さんはいう。
それでもそういう乗りものもすべて認可制になっているそうだ。

南京にも信号機がある。
数は多くないものの、あちこちで見かけた信号機には、そのかたわらに数字が点滅する音量測定器のようなものがついていた。
アレなんですかと訊いてみたら、あと何秒で信号が変わるかを数字で示しているのだった。

中国にも交通違反の取締りはありますかと訊いてみた。
あります、ただはっきりしたルールがないので、罰金まで、みんなお巡りさんが自分の判断で決めますという。
警察官の判断はゼッタイで、うっかりそれにさからうと、ますます罰金が上がるだけだそうだ。
お巡りさんは儲かりますねというと、朱さんは、ええと答えた。
上のほうの人はもっと儲けているんじゃありませんかというと、儲けているかもしれませんね、でも上の人が何をしているか、そんなことワタシたちにはわかりませんね。
開放政策のおかげか、彼女は時おり体制を揶揄するようなことを平気でいう。
ひょっとするともう1人のガイドの王さんは、公安関係の人間ではないかとわたしは疑っているんだけど、朱さんにはそんなもん、屁でもないわというような勢いがある。
王さんがどんな顔をしているか、見ておけばよかった。

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「中山陵」に着いた。
ここは新中国の父と呼ばれる孫文をまつった陵である。
孫文の辛亥革命こそが現代の共産党中国の始まりでしたと、そんな説明が朱さんからある。
孫文を知らない人はいないだろうけど、これもいちおうウィキペディアにリンクを張っておく。
司馬遼太郎にいわせると、百戦して百敗した人だそうだ。
ガイドの朱さんも、こころから孫文や共産党を尊敬しているわけではなさそうだった。
共産主義の国でもたいていの場合、国民はお上を信頼していないことが多いのは、ソ連東欧の混乱の時に証明済みである。
中山という呼称は道路の名前などでよく使われていて、なにか意味はあるのだろうかと調べてみたら、競馬場という答えがヒットした。
これは大陸中国では孫文を意味し、台湾では蒋介石の呼称である中正が使われる。
“中”という字は中華の中だから、なにかエラい意味があるのだろう。

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孫文は始皇帝や楊貴妃より新しい歴史上の人物であるから、中山陵も日本の新興宗教の総本山のように新しい。
ま新しい壮大な石門をくぐると、392段の石段がある。
登るだけでそうとうにくたびれるので、途中にいくつかの踊り場があり、そこに土産もの屋などが出ていた。

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最上段の霊堂に孫文の石像と遺体が安置されているという。
ここは土足で上がってはいけないというので、靴をつつむビニール袋がくばられた。
死者は土に還るべきなのに、レーニンの遺体といい、スターリンといい、共産主義国家は無慈悲なことをする。
エジプト王朝と違って、こちらでは政策上の都合で死者をいつまでも飾っておくのである。
ま、観光資源として、死後も国家に奉仕していると思えばいいか。

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ヘソ曲がりのわたしは死体を見ても仕方がないというので、さっさと霊堂を素通りして、石段の途中の踊り場で屋台の土産もの屋をのぞいてみた。
あまりおもしろいものはなかったけど、ある店では紙につつまれたお菓子のようなものが売られていた。
食べるものならなんでも関心のある愛ちゃんがこれを買ってみた。
包装からするとビスケットか薄い粉菓子のように思えたのに、これはお菓子ではなかった。
こげ茶色をしていて、どっちかというとぱさぱさしたチーズか、サラミソーセージのようなものに近い。
そしておそろしく不味かった。
もてあました愛ちゃんは、これを同行の人々に配ってしまった。
みんなさぞかし迷惑しただろう。

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2023年8月28日 (月)

悪いのは

ここと思えばまたあちら。
ロシア叩きでデタラメが氾濫していると思ったら、今度は中国かい。
どうして仲良くすることより、みなさん、ケンカを売るほうに熱心なんだろうねえ。
原発の処理水の件だって日本は粛々と実行すればいいだけで、中国がデマを捏造している、日本の海産物を買ってくれないなんて騒ぐ必要がどこにあるんだ。
漁師さんたちが困る?
日本じゃ漁師さんたちも騒いでいるじゃん。

だいたいタイミングが悪いよな。
ウクライナ戦争が始まるまえに放流をしていれば、中国だってコロナで世界に迷惑をかけたあとだから、まあ、こういうときはお互い様ってことで、騒ぐこともなかったんじゃないか。
ウクライナ戦争でアメリカに追従して、ロシア叩き、中国叩きに精を出しているときじゃ、向こうも黙っているわけにいかんでしょう。
やっぱし世界をふたつに分断させることに熱心な日本政府(とNHK)がみんな悪いのだ。

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2023年8月27日 (日)

中国の旅/南京の屋台

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南京への列車は、オレンジ色の、まだ中国ではめずらしい2階立て列車だった(残念ながらわたしたちの座席は階下だったけど)。
今度はちゃんとエアコンの効いた軟座車(1等車)に案内された。
またお茶が出る、また商品の販売がある。
せっかくだけど、わたしは旅先で土産なんて買わない主義である。

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今度は明るいうちの列車だったので、わたしはじゅうぶんに車窓の景色を堪能することができた。
上海から蘇州、無錫を経て南京までのこのあたりは江南地方と呼ばれ、古来より物なりのよい穀倉地帯として知られ、英雄豪傑が覇を競ったところである。
発達した運河のおかげで水郷のようなおもむきもある美しい土地だ。

無錫から南京までの2時間ちかく、行けども行けども平たんな農地ばかりである。
神社や仏閣らしい建物が見あたらないこと、山がないということ、それと建物の様式さえ無視すれば、日本の田舎とたいして変わらない景色だ。

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列車の窓からすぐ線路ぎわに農家の庭が見えることがある。
庭には堆肥が積まれ、赤いニワトリやガチョウ、アヒルなどが飼われている。
なつかしい郷愁をさそわれる光景である。
白い漆喰で塗られた四角い箱のような農家は、遠目になかなか美しい。
わたしは日本の古い農家をとてもいいものだと思っているけど、中国の農家もけっして悪いとは思わない。
ようするに自然のなかで、自然と一体になって生きるような生活は、人のこころに訴えるなにかを、必ず生み出すのだろうと思う。

運河の流れに出くわせば、運貨船が往来し、裸の労務者たちが働いていたり、タイヤの浮き輪につかまって、子供たちが水浴びしたりしている。
タイムマシンに乗って、わたしの子供のころにもどったような気がした。
ぼんやりと見とれていたわたしは、いつのまにか自分が、関東平野のどこかの農村を走っているような錯覚にとらわれてしまった。

午後5時ごろ南京に到着した。
南京の手前で窓の外に山が見え始めた。
山といっても丘に毛の生えたていどの山だけど、まだまだずっと広大な平野が続くものと思っていたわたしにはちょっと意外な気がした。
山はひとつではなく、いくつも重なっていた。
1937年にここまで進軍してきた日本の将兵も、きっとあの山を見ただろうなあと思う。

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南京というと日本でもいろいろ物議をかもした都市である。
中国にいわせると、日中戦争のおりに30万人が日本軍によって虐殺されたところだそうである。
戦争を始めたという後ろめたさのある日本がだまっているうち、これは世界の常識になってしまった。
わたしはこのときとは別の中国訪問のさいに、上海でむかし南京に住んでいたという日本人のおばあさんに出会ったことがあるけど、彼女は、わたしの知ってる南京はそんな人口をかかえるほど大きな街じゃなかったけどねえと話していた。
ここではもうこれ以上語りつくされた問題には触れない。
わたしが旅したころ、日本人だからといって街でぶん殴られることはなくなっていた。

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駅には青いワンピースで、短髪にメガネをかけ、ちょっとそっ歯でよくしゃべる朱さんという女性ガイドが迎えにきていた。
彼女にくっついてバスまで向かうわたしの腰に、かぼそい声をあげて小さな子供たちがまとわりついてきた。
南京にはまだ「乞食」という職業が現存していたのである。
わたしはたまらない気持ちで無視したけど、パンチマーマのKさんがいくらか銭をやったところ、たちまちもっと大勢の子供たちにまとわりつかれたという。
南京の駅前にもあいかわらず大勢の人々がたむろしていた。

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この日の夕食は「丁山賓館」というところで、中国旅行社の要人による歓迎晩餐会が予定されていた。
中国の団体旅行では、必ずこうした歓迎会がセットされているらしい。
しかし愛ちゃんがいうような、ドレスアップを必要とするパーティではなかったけどね。
丁山賓館は小高い山の中腹にあり、その庭からは市街地が一望で、建設中の巨大なテレビ塔も見えた。
パリのエッフェル塔や東京タワーのように、鉄骨をむき出しにしたものではなく、コンクリートを多用しているようだった。

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歓迎晩餐会は夜の9時ごろまでかかった。
日本語堪能のエラい人が出てきて挨拶をする。
日本にいたこともあるという人で、地区の世話やきおじさんといった親しみやすい風貌の人だった。
乾杯(カンペー)といって、みないっせいに杯を干し、それを何度もくりかえすのが中国式と聞いていたけど、乾杯は1回しかなかった。

晩餐会を終えてわたしたちはホテルへ向かった。
南京市内もこれまで見てきた街におとらず、ものすごい人の波である。
わたしたちのバスはホーンを鳴らしっぱなしで、自転車や人間をかきわけて進む。
この混雑のなかをニワトリやアヒルが右往左往することもある。

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おどろきあきれるわたしたちは、それでも無事にこの夜の宿舎「金陵飯店」に到着した。
このホテルは当時はよく目立つ高層ビルで、調べてみると、いまでも当時と同じ場所にあって、やはりとなりに旧館の倍くらいあるでっかい新館ができていた。
それはともかく、このホテルは市内のにぎやかなところにあったので、荷物をおく間も惜しんで、わたしたちは街へ見物に出ることにした。

同じ団体のなかから、男性が3人、女子大生の2人組、それにわたしと愛ちゃんの7人である。
見物はいいけど、愛ちやんと女子大生は土産物店や服飾店に目がないから、そういう店を見つけるとすぐに引っかかってしまう。
わたしは土産にも服にも興味がないから、ひとりで通りをぶらぶらして、そのうち歩道橋を渡った道路の反対側に、たくさんの屋台が出ている路地があるのに気がついた。
これ、これとわたしは叫ぶ。
こういう場所で現地の人たちとじかに接するのが、わたしの夢だったのである。

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屋台の食べもの屋では、コンロにかんかんと火がおこっていて、うず高くつまれた材料のなかから好みの品を注文すると、目の前で調理してくれるシステムだった。
材料の中には、鯉のような魚、20センチもあるような巨大なドジョウ、ザリガニ、カエル、なにかの貝、いく種類かの野菜などがあった。
悲しいことにわたしは健啖家ではなく、どっちかというとその反対である。
それでもなんとかこういう場所で、こういう国際親善を深めてみたいと思ったから、ある店でカエルを食べてみることにした。

わたしがカエルを指さすと、店の調理人はよろこんで中国語でなんとかと名前を教えてくれた。
わたしが首をかしげると、彼がぴょんぴょんと跳ねてカエルを説明しようとしたのには恐縮した。
カエルは頭と腹わたをのぞいてあり、皮もはいであるから種類はわからない。
大きさはそのへんでよく見かけるトノサマガエルのサイズ(せいぜい10センチちょっと)で、食用蛙というには小さい。
たぶんカラアゲかなにかにしてくれるのだろうと考え、わたしが1匹のつもりで指を1本示したら、ここでカエルを1匹だけ注文する客なんていないらしく、彼はひと皿のつもりでOKした。

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わたしはとりあえずお粗末なテーブルに腰をかけた。
調理人が調味料の入った小さな皿をふたつ持ってきて、どっちにするかと訊く。
赤いトウガラシの入ったほうはトテモ辛イヨというそぶりなので、わたしは味噌仕立てにしてもらうことにした。
料理ができるまでビールを頼んだ。
出てきたビールはまったく冷えていなかった。
なまぬるいビールを中国の人たちはあたりまえとして飲んでいるようだから、郷に入ったら郷にしたがえというわけで、わたしもおとなしく出されたビールを飲んだ。
わたしのグラスは丸々としたブランデー・グラスだった。

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店には調理人以外にも、手伝いらしい若者や娘がいる。
小さな子供たちもいて、家族総出で商売をしている感じである。
オレンジのTシャツを着た若者は、興味深々といった顔で、しきりにわたしのカメラ(ニコンF3)を見つめていた。

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そのうちカエル料理が出来上がった。
ほかの具といっしょに油で炒めたもので、あまり食欲をもよおすものではない。
正直いってこの料理は、夕食をすませてきたわたしにはちょっと荷が重かった。
そこへ女子大生2人がやってきて、愛ちゃんたちが見つからないからホテルへ帰りますという。
まあ、いいじゃないですか、ちょっと寄ってカエルでも食べていきなさいよと、わたしはこれ幸いと彼女らを引き止める。
このときのわたしは赤いポロシャツで、遠くからも簡単に発見できたから、まもなく愛ちゃんたちもやってきた。

こういう席ならわたしより愛ちゃんのほうが、国際親善はずっと得意である。
テーブルには先客の中国人が3人ほどいたけど、すぐに愛ちゃんは彼らとビールをさしつ差されつの仲になってしまった。
屋台の店主もたいへんに喜んで、頼みもしないビーフンの小皿までサービスしてくれた。

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先客の中国人の1人が愛ちゃんに、そばの電信柱を指してなにか自己紹介をした。
愛ちゃんはわたしに、このヒトは電信会社に勤めている人だってと通訳する(彼女に中国語がわかるはずはないんだけど)。
わたしたちが彼にビールを勧めると、彼はわたしたちにタバコを1本づつくれた。

屋台で気がついたんだけど、屋外であるにもかかわらず、店の灯りにも街灯にもまったく虫が集まってこない。
街はずれに農地は多く、衛生状態もけっしてよいとはいえないのに、いったいどうしてなのか。
ひょっとすると、背筋が寒くなるくらい農薬が使われているのかも知れないと、いささか戦慄した。

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冷静に

冷静になってほしいね。
今朝のNHKニュースでは、中国で処理水をめぐって、日本への抗議電話が殺到しているとか、メールで日本に抗議するよう呼びかけがあったとか、古い反日デモの映像まで持ち出して反日運動が活発化していると、誇張としか思えない報道だ。
いい機会だから徹底的に反中を煽ってしまえというところだろう。
青島の日本人学校に石を投げた中国人もいるそうだけど、これは中国の公安に拘束されたというから、公共放送が先頭に立って騒いでいるのは日本だけで、中国のおとなの対応が目立ってしまう。

いまこの瞬間にも日本に旅行に出かけるのを楽しみにしている中国人もいるんだぜ。
こういうときこそ、NHKはお得意の捏造報道で、日中の和解に努めなくちゃいけないでしょ。
もともと中国は、自分のところも叩けばホコリが出る可能性があるし、コロナのようにいつどんな突発事件で、自分が加害者になるかわからない時代だということもあって、韓国に比べれば日本の原発事故についてもずっと自制心を保っていたと思う。
それなのに、なにがなんでも台湾有事にかこつけたい日本が、一方的にケンカを吹っかけた結果と違うかね。

冷静になろうね、冷静に。お願いだから。

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兵頭サン

昨夜のニュース9に、またNHKの御用解説者の兵頭慎二サンが出てきた。
あの人って(オンナがらみで)もうテレビに出ないなんていってなかったっけか。
やっぱりNHKに都合のいい発言をして、番組をぴたりと時間内に終わらせてくれる重宝な解説者は、おいそれと切れないんだろうねえ。

プリゴジンさんの死について解説していたけど、的はずれもはなはだしい。
プリゴジンさんが反乱をおこしたと強調していたけど、彼がプーチンを裏切ったことはいちどもない。
彼は最後まで大統領にだけは忠実で、その支持が得られないとわかると、すみやかにモスクワからワグネルを撤退させた。
不安げに見守っていたロシア国民に歓迎されたのももっともだ。
その後もプーチンとプリゴジンさんには、一種の信頼関係のようなものがあった。

ところが収まらないのが、プリゴジンさんにいいように馬鹿にされたショイグ国防大臣やゲラシモフ参謀総長だ。
大統領の許可を得ないまま、彼らはプリゴジンさんの抹殺を図る。
たまたまロシア内部にも内通者がいて、ワグネルの幹部がそろって飛行機で移動することがわかった。
いい機会だ、まとめて処分と。
あとでわかったとしても、ウクライナ戦争の最中にプーチンは国軍に文句をいえやしないさ。

こんなことは素人にも想像できることだ。
プリゴジンさんを追悼するプーチンが悲痛な顔をしていたのももっともじゃないか。
わたしの考えがゼッタイに正しいとはいわない。
しかし兵頭サンがこういうことをひとつも考えないとしたら、彼は解説者として失格だ。
もともと適格な解説者とは思ってませんけどね、こちとら。

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2023年8月26日 (土)

及ばずながら

ないねえ、ないねえ。
BRICS首脳会議の結果報道。
うまい具合というか、プリゴジンサン死亡のニュースが飛び込んできて、戦争の推移には影響がなくても、こっちは野次馬SNSの報道がてんこ盛り。
もちろん知ろうと思えば知る方法はいくらでもあるけど、これでは知ろうとしない日本人は知る権利も失われてしまう。
そこでよけいなお節介ではありますが、先日のBRICS会議の結果をこのブログに書いておいて、永久保存できるよう取り計らいましょう。
ええ、よけいなお節介ということは重々理解しておりますんですが。

今回新しくBRICSに加盟したのは以下の国々。
エジプト、アルゼンチン、エチオピア、アラブ首長国連邦、そしてイランにサウジアラビアの6カ国。
いっぺんに増やすのも具合がわるいというので、今回はこれだけにしたそうだけど、とくにうしろの2カ国が加わったのは、西側先進国にとって嬉しくない結果だ。
嬉しくない結果は教えないのが日本のマスコミだから、日本の偏向ぶりがよくわかる。
マスコミが報じないニュースを知りたければ、たまにはわたしのブログが載っているココログを見るようにと、いつもお世話になってるココログの宣伝までしちゃって。

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2023年8月25日 (金)

プリゴジンの死

プリゴジンさんの死について、プーチンの追悼演説を聞いたけど、なんとなくプーチンも1枚噛んでいた可能性が高いねえ。
ロシア国民のなかにも、わたしみたいなプリゴジンさんのファンが一定数はいたんだから、かりに暗殺の犯人がプーチンとしたら、国内では逆に大統領の人気下落要因になりかねない。
わたしはプーチンが私怨でもって相手に報復するような人間ではないと信じるけど、まわりがすべてそういう人間とはかぎらない。
ショイグ国防大臣やゲラシモフ参謀総長に押し切られたとしたら、長期的にみて、ロシア国内でもミャンマーのように軍部の力が増していくだろう。
軍と経済界の両方をたくみにコントロールしてきた、これまでのプーチンの努力が水の泡だ。
世の中には自国を繁栄させて、国民を豊かにしようという大統領より、自分もオリガルヒのように贅沢をしたいという軍人のほうがずっと多いだろうから。

これで戦況が変わるわけでもないから、いまのところ不安要素はそのくらい。
プリゴジンさんの死は、NHKにとってはBRICSの拡大という、西側にとって嬉しくないニュースをぼかすに絶好の事件になった。

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中国の旅/無錫の街

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猿島から船で出発地点の湖畔にもどり、ふたたびバスに乗って、わたしたちはつぎに絹の博物館みたいなところへ立ち寄った。
博物館は田舎の街道に面しており、絹なんかに興味のないわたしが、なにかおもしろいものはないかと近所を見まわすと、100メートルほど先の街道ぞいにたくさんの露店が出ているではないか。
あっちのほうがおもしろそうですよといって、愛ちゃんとわたしは2人だけで露店を見学することにしてしまった。

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露店ではスイカやモモ、ブドウ、ほかに焼きものの急須などを売っていた。
また豆腐を目の前で調理してくれる店もあった。
けっして観光客ばかりが目当ての店ではなく、中国の一般の人たちも相手にしている店らしいのが嬉しかった。

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わたしはここで豆腐を食べてみることにした。
豆腐というのは日本が起源の食べものと思っていたけど、じつは中国が元祖で、その歴史は紀元前にさかのぼるくらい古い。
漢の時代、つまり秦の始皇帝よりあと、項羽と劉邦より少しあとに、淮南王という地方の王様がいて、やたらに反乱を起こして最後は自刃して果てたという。
彼が豆腐の発案者だということがものの本に書いてあるそうだけど、ま、古い話だからあまり信用しないほうがいいかもしれない。

豆腐といっても、中国では生で食べるのは果物ぐらいのものだから、日本のようにそのまま食べるわけではない。
この豆腐も火を通して、形がぐずぐずになっていた。
食べた感じは絹ごしのようで、味が薄かったから、わたしはそこにあった醤油のようなものをがばがばとかけて食べた。
あとで同行の人々に聞いたところでは、中国の醤油はキッコーマンやヤマサではなく、くさやの干物をつけこむ魚醤のようなものだという。
べつに美味しいものではなかったけど、言語を異にする人々とじかに接する喜びは、それこそわたしが中国の旅で夢みていたことであった。

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そのうちにわたしたちの一行からもうひとり、長髪にジーンズの男性が露店を見学にやってきた。
この人もわたしと同じ、おしきせの団体旅行にあきたらない旅人らしい。
あとで聞いたところでは、小川荒野という名前の絵描きさんであった。

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このあと無錫の市内にもどり、絹の紡績工場を見学した。
紡績工場はごみごみした街なかにあった。
バスは狭い門をくぐって工場のなかまで入っていき、下車すると目の前が紡績機のある建物である。
あまりあちこちうろうろさせないというのが、中国側の方針らしい。
わたしは絹にも紡績にもぜんぜん興味がないんだけど、いちおう工場を覗いてみた。
女工さんたち20数人ほどが、紡績機のまえにずらりと並んで、立ったまま野麦峠の女工哀史に出てくるような原始的な作業を行っていた。
おなじ屋内にカイコの繭から糸をとっている人もいたから、この部屋だけで一貫作業ということらしい。
あるいは製品が間違いなく本物の絹であることを見せつけて、外国からの観光客からむしり取ろうというでっかいセットかも知れない。
窓は大きく開かれていて、もちろん工場にエアコンなどなかった。

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工場内を一べつしただけで、わたしは志を同じくする小川荒野さんとともに、門の外へ飛び出してしまった。
町は整然としているわけではなく、けっして清潔ともいえないけど、日本の村や街しか知らないわたしは、不思議の国にまよいこんだような気がした。
プラタナスの並木の両側に白壁の民家がたち並んでいる。
白壁は赤いレンガの上に防水用に塗られた漆喰で、どの家の壁も人々の汗と脂がしみこんでいるように、まっ黒になっていた。
新建材やアルミサッシなどどこにも見つけられない。
町全体がそっくり数百年前のままなのである。
わたしと小川さんは住人に遠慮しつつ、いそがしくあちこちを見て歩いた。

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民家の内部は昼間からうす暗く、ひじょうに狭いようである。
さすがにじろじろと家のなかまで覗くわけにはいかなかったけど、その生活様式、家具などもわたしには興味深々というところだ。
ある家の前にはまっ黒にすすけた、銅のコンロやヤカンが無造作に置かれていて、練炭もそえられていた。
めずらしく1軒の家のまえにくしゃくしゃの子ネコがいたけど、ネコでさえすすけていた。
小川さんは、スペインみたいな景色だなという。
この人は絵を描くために、これまで世界各地を放浪したことのある人で、映画でしかスペインを見たことのないわたしもそう思う。

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ある路地では屋外に椅子を出して、まん丸なメガネをかけた散髪屋さんが仕事のまっ最中であった。
わたしが写真を撮って会釈すると、向こうもにっこりした。
女性男性のいずれにかぎったわけではないが、写真を撮られるのをいやがる人もいるし、またなんとも思わない人もたくさんいる。
このへんは万国共通の反応である。
子供たちが写真を恥ずかしがるのはちょっと意外だったけど。

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紡績工場のあと、街なかにある「江南餐館」というレストランで昼食にした。
15畳くらいの細長い部屋で、中国式の食事をとる。
あれが美味いのこれが不味いのという騒ぎにはわたしはあんまり関係がない。
なんでも食べられるということではなくて、わたしは偏食なので、なんでも食べられないのである。
食事の最中、小川さんが自分の画集を広げたので、わたしも拝見してみた。
金子みすずの詩に添えたくなるようなメルヘンチックな絵なので、どんな筆を使っているのですかと尋ねると、割り箸をけずって、その先に絵の具をつけて描くという返事だった。
画壇ではけっこう有名な人らしく、愛ちゃんは日本で近々開催される、この人の個展のパンフレットをもらっていた。

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食事のあと、どこかでアイスクリームを売ってないかと、愛ちゃんちゃんと2人で街を探してみた。
太湖のほとりでは歩きながら食べている人をよく見かけたのに、ここではどうしても見つからなかった。
アイスキャンデーならいくらでも売っていたから、これは製造方法が簡単か複雑かの違いらしい。

このあと無錫市内の有名観光地である錫恵公園の、「恵山寺」という名刹を見学することになった。
わたしは無神論者で、もともと宗教関連の建物にあまり興味がないし、ワビサビとは無縁の中国の寺にへきえきしていたところだから、門のまえにごたごたした土産物屋が並んでいるのを発見して、また小川さんとそっちへ行きかけたけど、監視役の王さんにダメですと呼びもどされてしまった。

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恵山寺は想像どおりぜんぜんおもしろくなかった。
およそ日本人の感覚では理解できない、奇妙な屋根をもった建物がいくつもある。
なんでもこの寺の塀は竜をかたどっているそうで、そのためか塀の屋根はくねくねと波うっていて、それをどこまでもたどっていくと、どこかで竜の頭に出くわすのだそうだ。
塀の瓦などはなかなかユニークなのに、よくこんなつまらないことを考えたものだと思う。
古いイチョウの木もあったけど、それより古い木をわたしは日本でいくつも知っている。
池には黄色いスイレンの花が咲いていた。

この寺を見学している最中、小川さんは呼び出されて、ひと足先に上海へ帰ることになった。
彼は最初から上海のフリー行動を予定していたのだそうだ。
うらやましいことである。

寺見学の最後は土産物店だった。
団体の海外旅行をした人は知っているだろうけど、観光客は行く先々でむしられるのである。
わたしは観光地の土産にもほとんど興味はないので、エアコンの効いた店内をてきとうにうろついていたら、ここにはえらく美人の売り子がいた。
いったい中国の路上で美人を見かけることはめったにないんだけど、こうした外国人もやってくるきちんとした土産物店や、ホテル、レストランにはけっこう美人がいるものだ。
彼女にはいくらか日本語も通じた。

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わたしはこの日に持ち歩いていたフィルムが心細くなったので、寺のまえの土産物店で2本ばかり購入していくことにした。
寺から1歩出ると、もう一般大衆の店だから、こちらには汚いおじさんやおばさんばかりで、寺よりもそっちを見て歩くほうがよっぽどおもしろい。
フィルムは保証期間が4年も前に切れたコダックで、日本の富士フィルムも売っていたけど、パッケージを見るといずれも中国で製造されたものだった。
フィルムを売っている店には毛の長いネコが飼われていた。
幸せそうなネコを見たのは後にも先にもここだけである。

午後4時、わたしたちはつぎの目的地の南京に向かうために無錫の駅にもどった。
まゆ毛のこい若い男性ガイドとはここでお別れで、童顔の王さんだけがどこまでもわたしたちについてまわる。

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2023年8月24日 (木)

プリゴジン2

うーん、わからないねえ。
プリゴジンさんは本当に死んだらしいけど、暗殺だとしたら犯人はだれだ。
ミステリーのつもりで考えてみよう。

これがアフリカを移動中に殺されたのなら、犯人はウクライナかアメリカもあり得るけど、ロシア国内となると、まさかドローンを国外から飛ばしてジェット機は落とせないだろうし、ミサイルをロシア国外から飛ばせばレーダーに把握されるだろう。
そのまえにプリゴジンさんの予定も把握しなければならないから、犯人はロシア内部にいた可能性が高い。
それじゃプーチンか。
しかしプーチンがやって得になることがあるだろうか。
軽薄なメディアにいちばん先に疑われるのは彼自身だ。
もうすでに、それみろ、プーチンは極悪非道で、残忍な独裁者だと騒ぐSNSもあるくらいだし、ロシア国内で力を失っているプリゴジンさんを暗殺しても、プロパガンダに利用されるだけでなんのメリットもない。
あと先考えないプーチンの個人的恨みなのか。
しかしプーチンとプリゴジンさんは武装反乱のあとも会っているのである。
今回の撃墜だって、プーチンと和解していたからこそ、プリゴジンさんは安心してロシア国内を飛行機で移動していたんじゃないか。

どうもプーチンの線は薄いな。
ワグネルと対立していた正規軍の仕業ということは考えられる。
恨み骨髄に達していたプリゴジンさんを、大統領に無断で殺っちまえと。
しかしこれも、もはやロシア国内で影響力を持たないプリゴジンさんを暗殺する理由にはなりにくい。
彼の死で戦況が大きく動くわけもないし、アノNHKも煮え切らず、原因の究明に苦心しているようだ。

ここまで考えると、ほかにも暗殺したい人間や組織はいくらでも考えられるので、うーん、やっぱりわからんというのが正直なところ。
それよりBRICSはどうなった。
新しい加盟国が判明したようだけど、お金持ちの国や、人口の多い国、アメリカに抵抗する国などで、とりあえず今回は順当なところらしい。
とくにサウジアラビアが加わったのはアメリカに対する強力な当テツケ。

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プリゴジンさん

朝おきてニュースを観たら、ワグネルのプリゴジンさんが飛行機もろとも撃墜されたというニュースが飛び込んできた。
まだ本人が乗っていたかどうか確認中らしいけど、乗ってない飛行機がこの時期に墜落したって無意味である。
本人が死んだとしたら暗殺の可能性が高い。
また陰謀説が飛び交うだろうけど、ロシア国内で撃墜されたとしたら、犯人はウクライナやアメリカではないだろう。
つまりずる賢いウサギが死んで、すばしこい猟犬が食べられたということか。

わたしはモスクワ蜂起のときのプリゴジンさんを見て、彼は最後までプーチンだけは裏切らなかったと、彼に親近感さえ感じていた。
プーチンが命令を下したのか、プリゴジンさんに敵対視されていた軍部がやったのか、現時点ではわからないけど、ワグネルにはまだ使い道はあっただろうに、あっさり抹殺とは信じられない気持ちである。
どっちにしても彼がロシア国内を飛行機で移動するのは危険すぎた。
わたしの考えはべつに特別ではなく、世界中の識者が同じ考えで、必死で情報収集と分析をしているところだろう。

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BRICS首脳会議

往生ぎわのわるいやつだ。
いや、ウクライナではなく、NHKと日本のマスコミのこと。
いま南アフリカでBRICSの首脳会議が開かれている。
朝日新聞系のSNSも、プーチンが参加しないことを揶揄するつもりらしいけど、わたしのブログを読みやがれ。
南アフリカは遠いのだ。
飛行機を使えば、どんな卑劣な手段を使ってもプーチンを亡き者にしたいウクライナ(じつは米国)に撃墜されかねない。
南アフリカの国内事情もあるし、無理に本人が参加する必要はなかった。
だいたいいまだにICCの逮捕状なんか持ち出して。
戦場は危険だから一時的にロシア国内に避難させ、親が文句をいったらすぐに返す。
これのどこが誘拐なんだよ。

昨日の国際報道では、ウクライナの徴兵逃れが取り上げられていた。
なんと徴兵係がワイロをもらって、徴兵を逃れる人間に手を貸していたのだそうだ。
いわんこっちゃない。
ウクライナはワイロ漬け国家であると、何度いったらわかるのだ。
いやいや、そんな目に見える事件はどうでもいい。
問題はNHKが、そういうウクライナに不利なことを報道し始めたということなんだよ。

ところでBRICS会議はいつまでやるんだ。
加盟国がどれだけ増えるか、ドルに変わる基軸通貨の話がどこまで進むか、そして中東でゆいいつといっていい米国寄りのサウジアラビアの加盟が認められるか、わたしも大きな関心を持っているんだよ。
なにがなんでもサウジの加盟を阻止したいアメリカは、いろいろ工作しているようだけど、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)を使ってニジェールの革命軍を押さえ込もうという企ても失敗した。
会議の結果はすぐにわかるのだ、あー、タノシミ。

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2023年8月23日 (水)

中国の旅/太湖遊覧

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朝目覚めるといい天気になっていて、ホテルの窓から大きな湖が望まれた。
これは太湖の一部である「蠡(れい)湖」という湖だそうだ。
“蠡”というのは画数の多いむずかしい字で、読める人は少なそうだけど、中国や日本の古典に詳しい人ならわかるはず。
中国の故事、それを引用した日本の故事にいう「ときに范蠡なきにしもあらず」の蠡で、「雨に西施がねぶのはな」の西施にもちなむ湖だそうである。
湖の右側に低い山が連なっているのが見えるのみで、対岸にも背中をまるめたような民家がびっしり並んでいる。
雨の日に見たら、こりゃ安藤広重の世界だなと思う。

愛ちゃんはこの日はパーティがあるというので、持参したガラスの刺繍入りの派手なシャツを着こんだ。
ハデすぎるんじゃありませんかと、わたしが苦言を呈すると、本人も内心そんな気がしていたのか、ほかの女性たちのいでたちを観察にゆき、帰ってきて、ほかの人だって派手だわよという。
パンチマーマのKさんのグループにきれいな女性が2人混じっていて、たしかに彼女たちも前日とは異なる服装をしていたけど、わたしにはべつにそれが夜会服ほど派手には見えなかった。
愛ちゃんもふんぎりがつかなかったのか、下は前日のままの白いジーンズという中途半端な恰好になってしまった。
あなたがイケナイのよと、何がいけないのかわからないけど、愛ちゃんはこの件で終日ぷりぷりしていた。

ホテルの前で早朝に大極拳の講習があるというので、話のタネに本場のそれを見ておこうかと思ったけれど、中国の人たちはえらく朝が早い。
7時にモーニング・コールが鳴り、おもむろに目覚めたわたしが顔を洗って身支度をととのえるころには、もう講習は終わっていた。

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例のとおりの中国式スタイルで朝食をすませたあと、わたしたちはまず太湖遊覧に出た。
太湖までバスは農村地帯や、湖のほとりの堰堤の上を走る。
あたりの風景は、畑に野菜が植えられていて、日本の北関東あたりでよく見られる農村と変わらない。
道路の両側には並木が植えられていて、いい風物詩になっていた。
洗練されているとはいえなくても、心のなごむ田舎景色で、わたしはバスから飛び降りてそのへんを歩いてみたいとつくづく思ってしまった。

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道路ぞいにモモやスイカを売る露店がじつに多い。
人々は地面にぺったりと腰をおろして店番をしている。
その前を自転車が行き来する。
したがって自転車の修理屋さんも多い。
修理はてきとうな道ばたでやってしまうので、あっちこっちで路上に道具をひろげて、修理屋さんがパンク修理をしているのを見かけた。

車に興味のある人なら、古いオートバイやサイドカーや、でこぼこのトラックがひっきりなしにやってくるのも、見あきない光景だろう。
信号もなければルールもないところで、よく交通事故がおきないものだと感心していたら、追突事故に出くわした。
互いの運転手が畑のまん中で激しく口論していた。
そんなところでもたちまち人だかりが出来てしまう。

わたしは中国の動植物にも興味があった。
ところが豊かな田園風景がありながら、小鳥というものをほとんど見ない。
スズメはいる。オナガも見かけた。
わたしが見た野鳥はそのくらいで、カラスもいなかった。
イヌ、ネコも少ない。
みんな食べてしまうんではないですかという人がいた。
貧しいからペットどころじゃないんでしょうという人もいた。
しかし愛玩動物というものは、貧富に関係なしに、どんな社会でも必要なものだと思うんだけどね。

太湖については、なんでも日本の琵琶湖の3倍半ちかくもある湖で、史跡や景勝に富んだところらしいけど、詳しいことはリンクを張っておくからウィキペディアを読め。
調べればわかることは自分で調べろというのがわたしのブログの一貫した方針である。

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当時は地名も知らなかったので、たぶん「黿頭渚(ゲントウショ)公園」だと思われる、やけに人々でごったがえした場所に着いた。
“黿頭”もむずかしい漢字だけど、意味は亀の頭らしいから、変なものを連想してしまうことさえ無視すれば、まあまあ覚えやすい。
太湖遊覧といっても、船に乗っていた時間からして、じつは蠡湖の一部を周遊するだけらしかった。

日本人だけではなく、ほかの国や、中国国内からも大勢の観光客がやってきていた。
そうかといって別におもしろいものがあるわけでもなかった。
湖畔にいくつかの寺のような建物があって、大きな竜や動物のはりぼてが置いてあったけど、日本のひと昔まえの遊園地みたいでさっぱりおもしろくない。
それでも中国の人たちは、老若男女みんな喜んでいるようだった。

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わたしたちは船で「猴島」へ渡ることになった。
“猴”というのはサルのことだから、すなわち猿島で、こういう名前の島は日本の横須賀にもある。
同じ遊覧船に欧米人のグループが乗り合わせていて、そのなかにブルック・シールズみたいな美少女がいた。
美少女の好きなわたしは彼女のシャッターチャンスを待ったけど、このときはまだデジタルカメラのない時代だから、フィルムを無駄にはできない。
ここに載せたのは首尾よく撮れた1枚。
彼女らは中国のあと、日本へまわるそうである。

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近くで見ると太湖の水は茶色ににごっていた。
それでも遠くに目をやると、空の色を反射してとてもきれいである。
湖の上には漁船や運貨船も浮いていて、李白や杜甫のような古来の吟遊詩人がうたうにふさわしい牧歌的な景色だ。

太湖は想像していたほど大きくはなかった。
琵琶湖の3倍半もあるというから、向こう岸がまったく見えないかと思っていたのに、ぼんやりかすんでいたものの、ちゃんと対岸は見える。
もっとも海なし県の群馬で育ったわたしは、幼少のみぎりには東京湾も久里浜から房総半島が見えないくらい広いと思っていたから、やっぱり認識を改めるためには論より証拠が必要だ。

船上から湖畔の山の上になにか塔が見える。
演歌にうといわたしは知らなかったけど、その塔は「無錫旅情」という歌のなかでうたわれている六鳥山という名所だそうだ。
観光船ではカモメに手でちょくせつ餌を与えるのが名物だというけど、わたしが旅をしたとき、そんなものがいたかどうか定かじゃない。
野生動物に関心の高いわたしがおぼえてないのだから、たぶん、まだカモメもそんな習性を身につけてなかったのだろう。

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湖を渡り、猿島(猴島)に着いた。
有名な観光地だから、現在の猿島はどうなっているのかと調べてみた。
ところが旅行会社の無錫案内を探しても、猿島について書かれたものはひとつも見つからなかった。
検索すると日本の横須賀の猿島や、同じ中国でも武漢の猿島がヒットしてしまう。
なんらかの理由で現在は猿島観光は禁止になっているのかも知れず、そういうわけで、ここで「猴島」の地図を紹介できない。
30年まえの話だから、わたしの記憶もいいかげんで、おぼえているのは、なんでも樹木の多い小さな島だったことぐらいだ。

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外国人グループも含めて、ぞろぞろ島に上陸すると、そこかしこに露店で飲物を売っている地元の中国人がいた。
店番をしているのは、たぶん家族なのだろう、老人や母親や子供たちが多かった。
テーブルの下によく吠える茶色のイヌもいた。
湖から魚を捕まえてきた男性もいた。
なにげないものばかりだけど、興味は尽きない。
ただしフィルム代がもったいなくて、かたっぱしから撮るわけにいかない。
まだ旅はあと3日もあるのだ。

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途中でサルに出会った。
この島にだけ棲む中国の野性ザルらしいけど、大きさはニホンザルより少し小さく、顔の表情が千差万別である。
いかにもサルらしい愛嬌のある顔もあれば、ぞっとするような不気味な顔もある。
小さな島にむかしから閉じ込められて生活しているので、近親相関が激しく、サルたちの遺伝子はそうとうに乱れているのではないか。

観光客はみんなぞろぞろと連なって歩くから、先になにかあるのかと思っていると、じつは何もないのであった。
同行の女子大生がもどってきたから、あれっ、もう先まで行ってきたのと訊くと、いえ、反対まわりで一周してきたところですという。
桟橋からどんどん歩いていくと、いつのまにかひとまわりしてまた桟橋にもどってしまうのである。
猿島というのはそういう島だった。

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これがわたしの太湖遊覧の結論だけど、その後のようすを調べると、いちばん感心したのどかな田園風景が、過剰ともいえる観光開発に蝕まれてその良さをだいぶ失ってしまったようだ。
ここに載せた白いふちどりのある写真は、すべて最近の無錫と太湖のあたり。
開発はいずこも同じだとしても、中国人はこういうことに積極的すぎるのである。

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2023年8月22日 (火)

復活

いよ、待ってました!
と、いうのはNHKの国際報道。
ロシアをおとしめるための期間限定番組かと思ったけど、たんなるお盆休みだったようで、昨夜はまた酒井美帆ちゃんと由井秀樹サンが復活した。
なにしろ偏向の極致をいく番組なので、これがないとわたしの精神は活性化しないのよね(民放はもっとひどいと思うけど、わたしはNHKしか観ないから)。
この番組を観て怒りにふるえ、それがどれだけわたしの認知症予防に役立っていることか。

ひさしぶりだけど、その本意を深読みすると、いくらか風向きがかわってきたような気もする。
オランダとデンマークがF16をウクライナに供与することにしたそうだけど、これってどこかで聞いたことがない?
これまでレオパルト2からクラスター爆弾まで、新しい兵器が次々に供与されてきて、ひとつでも戦況に影響を与えたことがあったかしら。
ヘタするとオランダ、デンマーク両国とも、西側兵器の弱点をロシアに内通しようってんじゃないかとさえ思ってしまうワ。
ウクライナ空軍の報道官のほうが冷静で、ロシアの空軍は強力だし、F16もすぐに使えないと発言する始末。

続いてロシア国内の目標を、ウクライナのドローンが空襲しているという報道もあったけど、ウクライナ側のそれは妨害電波に阻止され、何かに当たればいいやというほとんどメクラ撃ちの状態。
それに比べればロシアのミサイルは正確で、供与されたF16も上手に隠さないと、地上で破壊されてしまうだろう。
現在は人工衛星による監視の時代ということを忘れちゃいかんよ。
国際報道は、米国でもウクライナの苦境が報じられ始めたということで終わっていた。

問題はこんなウクライナ不利という状況を、NHKが正直に報道しているということだ(正直じゃないかも知れないけど、観る人が観ればわかるのである)。
最近バイデンさんも自分のことで手いっぱいだし、ドイツもフランスもその後の兵器の供与には口を閉ざしちゃって、西側に無条件追従の日本(とNHK)はスタンスを決めかねているのかも知れない。

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2023年8月21日 (月)

眠い

暑いねえ。
暑いとエアコンの効いた部屋で、ベッドでごろごろしているだけでも疲れるんだろうか。
眠くてしょうがないや。

ああっと気がついたら、今日のブログ更新のネタがないぞ。
ないわけじゃない。
SNSにはいちゃもんをつけたいデタラメがあふれているんだから、ネタ切れということはあり得ないんだけど、もうありすぎて、どこから手をつけていいかワカラン。
頭がぼんやりしているときだから、今日はもうこれだけで更新終わりだ。

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2023年8月20日 (日)

中国の旅/無錫へ

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この日のわたしたちは夕食後、ただちに列車で無錫へ向かうことになっていたので、食事を終えたあと、ぞろぞろとすぐとなりの上海駅に向かった。
わたしたちが案内されたのは軟臥(1等車)専用の待合室で、ありがたいことに、ここにはエアコンが効いていた。
中国の一般大衆用の待合室は大混雑をするところで、言葉の不慣れな外人にはとても切符を買うことなどできないところだという。
むろんそっちにエアコンなどあるはずがない。

列車に3時間も乗れるというのはわたしの楽しみのひとつだったけど・・・・それはひどいものだった。

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時間がきて、わたしたちはかざりっ気のないがらんとしたコンクリートのホームに上がった。
じろじろと観察してみたところでは、線路は広軌で、まくら木はコンクリート製である。
ホームの長さはかなり長く、待っていた列車もおどろくほど長かった。
くすんだ緑に黄色のストライプの、鉄のかたまりのような無骨な列車で、窓が全開である。
ということはエアコンはついてないようだった。

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この晩わたしたちが乗ったのは、一般大衆の乗る硬座車(2等車)というものだった。
わたしたち一行は〇番から〇〇番までと指定された席に座った。
そこには中国人が座っていたけど、彼らはしぶしぶと別の車両に移っていった。
敏捷な愛ちゃんはたちまち窓ぎわの席を確保した。
こういうときいくつになっても子供みたいな彼女を便利である。
ところがそこはあいにく指定された席ではなかったので、出遅れたわたしと彼女は、仕方なしに通路側で、同じツアーの男性2人の横に座るはめになってしまった。

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座席は向かい合わせでゆったりしており、窓の桟は木製で、厚くニスが塗られ、古びてテカテカと光っている。
窓のすぐ下に小さなテーブルがついていて(写真参照)、その上にお茶の入ったガラス瓶が置いてあった。
備えつけのものかと思ったら、すぐ別車両に移った中国人が取りにきた。
彼らにとって旅の途中でもお茶は離せないらしく、つねにその容器を持ち運んでいるらしい。

座席のシートには白い布製のカバーがかかっていたものの、走り出してまもなく、背中を動かすうちにはずれてしまった。
カバー自体もけっしてきれいではないのに、その下から汗と脂で黒光りした、おそらく製造されて以来、いちども洗浄されてないと思えるシートがあらわれた。
あわててカバーをもとにもどそうとすると、それはホックやボタンでとめてあるのではなく、たんに小さな釘にひっかけてあるだけだった。
ひっかけるにしても工夫も細工もなく、カバーの上から直接釘を打ちこんだだけらしい。
わたしも決してマメな人間ではないけど、横着というか、乱暴というか、驚きをとおりこしてじつに感動的である。

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わたしたちの席は車両のいちばん後ろに近く、便所と隣りあわせだった。
ときどき前のほうから中国人がやってきて、わたしのわきをすり抜けて便所に入っていく。
わたしの周辺にはつねに異臭がただよっていた。
後学のためにと、無錫へ着くまでにわたしも便所へ行ってみたけど、狭くて、ペダルを踏むとパタンと便器の底に小さな穴があき、穴から線路が見える・・・そういう便所だった。
わたしが幼かったころ、日本でもこういう列車に乗った記憶がある。

窓を思いきり開け放って(便所のことを考えると、あまり賢明なやり方ではないけど)、列車は20時56分に、夜の闇のなかを走り出した。
街を1歩出ると、極端に灯りが少なくなる。
線路のすぐわきに、あまり背の高くない針葉樹の並木が黒々と続いていて、周囲はいちめんの水田らしい。

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走り出してまもなく服務員(車掌)がお茶を運んできた。
外国人にはどんな列車でも必ずお茶のサービスがあるらしいけど、暑いときに熱いお茶もけっこういいものである。
ここで供されたお茶は、わたしにとって初めて体験するものだった。
急須を使わず、お茶の葉は蓋つきのお茶碗のなかでじかにお湯をそそがれる。
これをしばらくおき、お茶の葉が下のほうに沈澱したころをみはからって、おもむろに上澄みを一服するのである。
飲み終わったころに服務員がお湯をつぎ足しにやってきた。

服務員のサービスはお茶だけではなく、彼らはつぎに絹製品や掛け軸の販売にやってきた。
販売のしつこいところをみると、売り上げは彼らの臨時収入になるらしい。
外人専用の列車で、国の恥になるようなインチキ商売を、国家公務員である服務員がやるとは思えないから、品物に間違いはないのかも知れない。
だからといって旅の始めに、畳2枚分もあるような絹のテーブルカバーを買う人間がどこにいるか。

彼らが持ってきた水墨画の掛軸について、パンチパーマのKさんがどうせ安物だろうというと、服務員は血相をかえて箱の底の落款を示していた。
しかしとわたしはいうけど、落款なんぞいくらでも模造できるし、そもそも落款でわかるような有名作家の作品を、列車のなかで売るのかどうか。
売り込みは激しく、ときには喧嘩ごしにもなるようで、この勢いにおされてとうとう掛軸を買わされた人もいたようだ。

どういうわけか、わたしたちの席に2人だけ、中国人の夫婦がまぎれこんでいた。
中年の細君がわたしのすぐ斜めまえで居眠りをしていたから、彼女をじっくり観察してみた。
けっして魅力的だったからではなく、彼女は鳥のガラみたいに痩せていて、電線したストッキングをはいていた。
中国ではまだストッキングは貴重品なのだろうか。
そういえば共産圏では日本のストッキングを餌にすると、女がくどき放題なんて噂も当時はあったっけ。

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列車は闇のなかを疾走する。
遠くにぽつんぽつんと灯りが見え、時おり駅舎に裸電球のともった、がらんとした駅を通りすぎる。
交差する街道を、暗いライトをつけた車がよたよたと走っている。
立体交差が多く、たいていは道路のほうが線路の下をくぐっている。
これがひとり旅だったらそのノスタルジーはすてきに詩的なものになっただろう。

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無錫には23時20分に着いた。
駅には無錫が担当の、若い男性ガイドが迎えにきていた。
まゆ毛の濃い、闊達な若者で、名前は、諸葛孔明の名前のひと文字をどうのこうのといっていたようだけど、すぐに忘れた。
わたしたちはエアコンの効いたバスで、「湖濱飯店」というこの夜の宿に向かうことになった。

だいたいわたしはそれまで、「無錫」という地名を知らなかったので、なんでこの街がツアーに含まれているのか不思議だった。
あとで聞いたら、なんとかいう日本の歌手が歌った演歌に「無錫旅情」というものがあり、それで日本でも有名になったのだそうである。
歌のほうはいま聴いてもべつにいいとは思わないけれど、翌日にじっくり見てまわって、あたりの農村風景はおおいに気に入った。

宿までの道すがら、バスは暗い夜道を走る。
こんな時間でもまだ路傍にスイカ屋が店を出しており、まだまだたくさんの自転車が往来して、若い娘さんも平気で走っていた。
治安がいい証拠ですとわたしはいう。
困ったことに彼ら彼女らは、自動車なんか眼中にないといったようすで、おかまいなしに道路のまん中を横切ったりする。
バスはやたらにホーンを鳴らして彼らを威嚇する。
しかし人々はまるでなにかバスに恨みでもあるのではないかと思えるほど、車の直前をいつまでも避けようとしないので、見ていてひやひやすることが何度もあった。

ひとりの人間を轢き殺すこともなしにたどりついた「湖濱飯店」は、どうも郊外の湖のほとりにあるらしかった。
じつはこの湖というのが有名な太湖で、夜なのでまわりの景色はよく見えないものの、ホテルも文句のつけようのない立派な高層ビルだった。

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調べてみたら、このホテルはいまでもあるらしい。
ただし、その後変なかたちの新館が増築されて、蠡湖(れいこ)風景区や、メリーゴーランドまである蠡湖公園に隣接したモダーンなホテルになっていた。
それよりもおどろいたのは、ホテルの背後に高層ビルが乱立していたことで、この30年のあいだに無錫も繁栄のおすそわけに預かったことがわかる。
ホテルのまえで湖に張り出していた赤い茶亭だけはそのままだった。

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わたしの部屋は725号室、ということは7階ということで、エレベーターでそこまで上がった(この2枚の写真は当時のものではありません)。
部屋をチェックしてみると、冷蔵庫がないけど、テレビはあった。
ためしにスイッチを入れてみたら、画面にいきなり、うすものをまとって水浴している女性たちが現れた。
おっ、中国でもアダルトをやってますよと叫んでしまったけど、その女たちを悪人らしい男たちがのぞき見をし、そこへ正義の味方らしい男が登場してやっつけるという、日本でもむかしよくあった安っぽい時代劇だった。

窓から外を眺めると、湖の上にぼんやりと月が出ている。
はるけくも遠くに来たものかなと、海外旅行初心者のわたしはしみじみ思う。

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そんな場合か

G20デジタル会議が、けっきょく共同声明をまとめられかったそうだ。
今回だけじゃない。
G7のときは和気あいあいでまとまったものが、首脳会議でも外相会議でも、G20になってメンバーが増えると、とたんになにもまとまらなくなる。
なんとかウクライナ問題を話題にあげて、ロシア非難に持っていこうとするからこうなるのである。
先進国とグローバルサウス、BRICS、途上国との溝はいよいよ深い。
河野太郎クンもデジタル会議なんかしてないで、早く総理になって、ウクライナ戦争の和平に乗り出せば、彼も歴史に残る日本の総理になれるのに惜しいことだ。

ところで戦争なんかしている場合か。
今年の異常気象をながめると、地球温暖化はもう始まっているのかも知れない。
暑い気候が続くと、地球の内部に閉じ込められていた二酸化炭素が、大気中に放出される。
放出されたCO2は温室効果でますます地球を温める。
するてえと大気中に放出されるCO2もますます増えるというのが、恐怖の温室連鎖だ。

ハワイのマウイ島で山火事災害がおこった。
津波ならわかるけど、まさか山火事とはと油断もあっただろう。
今朝のニュースじゃカナリア諸島でも山火事だそうだ。
異常気象は過去にもあったと、デタラメ情報に精を出しているアンタ。
お父さんもお母さんも、じいちゃんばあちゃんも、子供も孫も、金持ちも貧乏人も、人類ぜんぶが揃ってフライになる日は近いぞ。

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2023年8月19日 (土)

ECOWAS

ニジェールの政権転覆でECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)が介入するとかしないとか。
するといってるのは読売新聞系か産経新聞系のSNSで、これはアメリカ寄りのメディアだから信用できない。
冷静に考えてみよう。

アフリカではしょっちゅう内乱や革命が起きて、政権が転覆したりする。
それが地域の安定を乱すようでは困るので、アフリカ版NATOを作ってみんなで介入しようというのが、ECOWAS設立の目的だったのに、今回のようにニジェールの国民までがフランス大使館に石を投げるような状況では、他国が干渉できるような理由があるとも思えない。
アメリカのビクトリア・ヌーランドおばさんが乗り込んでいろいろ工作したようだけど、ウクライナ戦争のまっただ中で、アフリカも米国の偽善に気がついている。
案の定、ECOWAS内部で意見が割れて、意思の統一ができてないようだ。
アメリカにそそのかされて、アフリカ人同士が殺し合うことに賛成するアフリカ人がいるだろうか。
ということぐらい気がつくマスコミがありそうなものだけど、日本の国民は異端の意見を目にすることのない気のドクな境遇に置かれてんだよね。

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恒大集団の破綻

経済の浮き沈みはどこの国にもある。
アメリカではリーマンショックがあったし、日本でもバブルがはじけて散々な目にあったことがある。

中国ではいま恒大集団が破産だと大騒ぎになっているけど、あの国ではまだ資本主義のなんたるかも知らないまま、全財産を投機につぎこむ人が多いのだから、ショックもかなりのものだろう。
好景気、不景気というものは、とにかく儲かるとなれば、前後の見境もなく手を出す人たちが原因じゃないか。

しかし本当に注目しなければならないのは、中国政府が破産の事実を隠そうともせず、資本主義の論理に基づいて破産申告をし、救済の手をさしのべることもせず、企業に責任をとらせていることだ。
わたしはむしろ中国の自信のあらわれのように思うんだけど。

中国をけなすことならなんにでも飛びつく人がおりますが、他人の欠点をあげつらって喜んでいるなんて、あまりいい品性を感じさせないねえ。
せいぜいブーメランに注意をしなせえ。
専門家のなかには、中国の景気の落ち込みは日本にも影響を与えるかもしれないなんていっている人もいる。
米国のリーマンとそっくり同じじゃないか。

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2023年8月18日 (金)

本日は

今日は知り合いに頼まれて買い物のお付き合い。
ついでに食事も奢られて、ふつうなら昼間はぼうっとしているはずのわたしが、昼間せっせと動きまわった。
帰宅して、ひと眠りして、いま目をさましたところ。
一杯飲んだので頭が弛緩状態、メンドくさいから、本日の更新はこれまで。

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2023年8月17日 (木)

YouTubeのナウ

ロシア人ユーチューバーのあしやさんがぼやいていた。
なんでもYouTubeの広告収入が、視聴者が減ったわけでもないのに、がくんと下がったそうだ。
彼女には申し訳ないけど、YouTube側の審査が厳しくなったのならいい傾向だ。
世間にはデタラメを振りまいて、チャンネル登録を増やし、それで金儲けをしようというガリガリ亡者が多すぎるよ。
わたしなんか「チャンネル登録をお願いします」という言葉に拒否感があって、お願いされてもぜったいに応じないことにしとるのだ。

それじゃ健全なチャンネルも被害を受けるという人がいるかも知れないけど、本来自分が作った映像を他人に観てもらいたいなら、タダでやれ。
報酬が雀の涙でも文句をいうな。
そのくらいの気構えのある人しか参加できなければ、ほんとうに何かを世間に訴えたいチャンネルだけが残って、デタラメなものは一掃されるだろう。

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ないぞ!

ああああ、ないねえ、ない!
かってはニュースのトップの常連だったウクライナ戦争、それもウクライナが優勢でロシア兵の死者が◯万人だ、ロシアのミサイルはそのうち枯渇する、西側の結束は硬いなんてニュースばかりだったのが、なんじゃ、昨日はウクライナ兵の行方不明が◯万人で、死者の身元を確認するためにウクライナから警察の鑑識チームが研修に来たとか、ゼレンスキーさんが前線を視察した、これは反転攻勢の流れを作るためではないかなどと、どこかズレた報道がほんの少しで、ウクライナにとって景気のいいニュースはぜんぜん出てこなくなったよ。
おまけにブログのネタ満載だった国際報道もないし、あれってロシアを非難するための期間限定番組だったのか。
もう台風も行っちゃったし、終戦記念日も終わったし、あとは高校野球ぐらいしかないぞ、言い訳の理由は。
ああ、酒井美帆ちゃんや高橋彩ちゃんが恋しいワ。

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2023年8月16日 (水)

中国の旅/1992年

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上海の虹橋国際空港に着陸したのは17時ちょうどごろだった。
着陸寸前に、遠方に上海の街の高層ビルがたくさん見えて、予想通りであるものの、上海はかなり大きな街のようだった。                                 

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このとき利用した虹橋空港は、わたしの記憶ではローカル空港の雰囲気が濃厚だったような気がするけど、その後改装されて、新しいターミナルや、隣接して高速線や地下鉄も入っている虹橋鉄道駅が出来て、上海でもとくに巨大な交通の要衝になった(らしい)。
らしいというのは、わたしは1999年を最後に、この空港をいちども利用したことがないから、現在のようすはわからないのである。
国際線としての役割は2000年ごろに開港した浦東国際空港に譲ったものの、いろんないきさつがあって、日本の羽田からも連絡便があり、2023年のいまでも活発に使われているという。

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新しく出来た浦東国際空港のほうには、リニアモーターカーが通じていて、それが世界最速という触れ込みなので、わたしもいちどだけ乗ってみたことがある。
しかし市内に行くまえの、変に中途半端なところで降ろされてしまった。
調べてみたら2023年の現在でもまだ市の中心部までは通じてないようだから、この点は市内から近い虹橋空港のほうが利便性は高い。

空港のロビーでツアー客全員が揃った。
わたしたちのツアーは京王観光、近畿日本ツーリスト、近鉄観光などから送りこまれた30名ほどの団体だった。
空港の出口にはこれらの人々を先導する、馬訳進さんと、王さんという2人のガイドが迎えに来ていた。
馬さんは上海だけが担当のガイドであり、王さんはツアーのすべてについてまわる世話役である。

馬さんはいかにもガイドらしく、よく喋る若者で、髪もふつうの若者のようにのばし、服装も今ふうで、メガネをかけたなかなかの好青年だ。
名刺を見ると「東方国際旅遊運輸有限公司」という、長ったらしい旅行会社の社員ということになっていた。

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その反面、もう1人のガイドの王さんは、髪を短く切った童顔の男性で、背はあまり高くないが、がっちりした体格の人である。
服装はナウいとはいえず、ガイドのくせに必要なこと以外はあまり喋らない。
その態度や、一見そうとは思わせないものごしからして、わたしはこの人が日本からの観光客を監視するために送りこまれてきた、公安関係の職員ではないかと思った。
しかしその役割についてあとでじっくり考えてみると、どうやら彼は外国人のふらちな行為を監視しているわけではなく、外国からの旅行者が国内でなにか災難にあわないよう、つまりわたしたち一行を護衛することが本来の任務らしい。
ノーテンキな観光団の人々がスパイ行為をするわけもないから、彼が見張り、取り締まるのは、金持ちの日本人をねらうスリやひったくり、日本円が欲しいと我々にしつこくつきまとってくる中国人のほうなのだろう。

同行の人々の顔ぶれを見ると(おいおい知ることになるのだけど)、わたしと愛ちゃん以外に、パンチパーマで恰幅のよいKさんが率いる、女性2人を含む雑多な8人組、絵描きだという老人とその娘に、これも絵描きだという長髪の男性、旅のあいだもしょっちゅう酒びたりのEさん、夫婦そろって薬剤師だという老夫婦ひと組、もう1人の薬剤師で熟年男性のMさん、まだ大学生の若い娘のふたり連れなど。
この中に薬剤師がふた組いるのは、有名な中国の漢方薬を仕入れに来たのだそうだ。

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わたしたちは空港に近い近代的ビルの新虹橋大廈で、日本円を兌換券に換えていくことになった。
このあたりまではまだなかなか環境はよく、まわりにはガラス張りの、新しい近代的な高層ビルが建ちならんでいた。
上海はおそろしく暑かったけど、乗り込んだバスにはエアコンがついていて、ガイドの馬さんの説明によると、この日の温度は35度くらいだそうである。
わたしたちはぐずぐずと梅雨の明けきらない日本から、いっぺんに盛夏の中国にやってきてしまったのだ。
そしてこれがこのあと5日間続く猛暑の行軍の始まりであった。

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バスのなかで馬さんからいろいろと説明がある。
まず貨幣価値のこと、中国の貨幣単位は元で、この日のレートでは1元が日本の約25円に相当した。
ただし外国人は本国の紙幣をちょくせつ元と交換するわけにはいかず、まず外貨兌換券(だかんけん)という代用紙幣と交換し、兌換券でいろいろ買物をすることになる。
この兌換券は中国の人たちにとっても、現地の金より価値があるらしく、彼らはいちど握った兌換券はけっして手放さず、おつりは必ず現地の金で返してくる。
それも前世紀から使われているのではないかと思うような、しわくちゃで、ボロボロにすり切れたおそろしく汚い紙幣が多い。
バイキンがうつらないかしらと愛ちゃんはいう。
紙幣がま新しくてピンとしているかどうかは、その国の文明度を計る尺度になることをはじめて知った。

交換所で両替をしてみると、日本円1万円で兌換券が400元ぐらいもらえた。
よくわからないけど、まあ損したわけではないだろうと思う。
兌換券のおもてに、古い表記だけど、“拾圓”とか“壱圓”などと、日本でも通じそうな金額が書いてあって、中国の貨幣単位である“元”が使われてないのが気になった。
中国映画を観ていると、会話などでは1元を1坱(イークァイ)ということもある。
ややこしいけど、ここでは深く立ち入らない。

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両替のあとで近所をぶらぶらと歩いてみた。
目の前にも近代的な高層ビルが建っていて、付近を歩いている市民はみな日本人とそれほど変わらない服装の人が多く、女性の服装もけっして流行遅れということはない。
このあとわたしは中国の洗濯事情を、あちこちでかいま見ることになるけど、道ばたで洗濯ダライを使う人がいるこの国で、女性たちがいずれも清潔でこざっぱりした服装をしているのが不思議だった。
理由はこのあたりが外資系を含む、高級オフィス街だったせいのようだ。

わたしはここで数枚の写真を撮った。
自転車に乗ったお父さんと子供がいたから、撮っていいですかと訊くと、妙な顔をしたものの、べつにいやがりもしなかった。
小さな子供たちを連れたおばあさんに訊いてみると、こちらは子供たちが先に逃げてしまった。
こうした反応は日本人とあまり変わらない。
共産主義の中国では、外国人とむやみな接触は禁じられているという説も聞いていたけれど、そんなことはないようだった。
観光地などに興味はなく、わたしが撮りたいのは中国の一般市民とその生活だったので、これは重要な問題なのである。

このあとわたしたちは夕食をとるために、上海駅のすぐわきにある「龍門賓館」に向かった。
駅まで行くあいだに、バスはいよいよ嘘いつわりのない、本物の中国のまっただ中を走る。
見るもの聞くもの、すべて奇観であり、壮観である。

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道路はそうとう広く、たいてい両側に並木が植えられていて、なかでいちばん目についたのはスズカケ=プラタナスだった。
このスズカケは日本の街路樹のように均整のとれた樹態をしておらず、交通のじゃまじゃないかと思えるくらいヘンテコな形に枝をのばした木が多くて、じっさいにトラックにぶつけられて枝が折れたものがあった。
ほかにタイザンボクのような花をつけた木があり、これはハクギョクランというのだそうだ。

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市内にはやたら車の数が多いけど、よく目立つのはタクシーに使われているフォルクスワーゲンのサンタナで、これはドイツとの合弁会社があるからだという。
日本のダイハツ・シャレードも数が多かったから、これも合弁会社があるらしい。
中国の路線バスには、ふたつのボディを蛇腹でつないだ連結バスが多く、それもひじょうに混んでいる場合が多い。
バスに女性運転手も珍しくないのはロシアといっしょ。

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もちろんほかにも車の種類は多い。
それもものすごいポンコツがほとんどで、日本ではひと昔、いや、そうとうに昔のオート三輪などもまだとことこと走っていた。
そのあいだを鼻の出た旧式のトラックが、ホーンを鳴らしっぱなしでわがもの顔で走る。
オートバイ、サイドカーも多く、動力つきや人力の三輪車までいる。
そして自転車がガシャガシャと群れをなして走っている。
この骨董品的交通事情のなかを、人間が遠慮会釈もなく右往左往する。
信号機もあるんだけど、数が少ないこともあって、歩行者はそれを守らず、警察官もなにもせずに立っているだけだった。
これらがみんな交通ルールもなしにてんでに好きな方向へ動きまわるから、その混沌ぶりは日本からきたわたしたちから見ると、衝突する分子や原子の動きを見ているようである(見たことないけど)。

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上海駅に着くころには暗くなっていた。
電力節約だとかで、繁華街以外は街全体が暗いところへ持ってきて、車のライトも便所の裸電球のように暗い。
そんななかを駅に到着しておどろいた。
暗くなった駅前広場にものすごい数の人々が群れているのである。
そのほとんどはなにをするでもなく、ただぼんやりと路上にたたずみ、あるいは座りこんでいる。
列車を待つ人や、暑くて家にいられないという人々らしいけど、なんだか地獄の亡者たちが、上海の駅前に集結したような不気味さがあった。

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夕食をとる「龍門賓館」は上海駅のすぐとなりにある新築の高層ビルで、食事は中国式というか、回転テーブルに料理がのっかっていて、食べたいものをみなてんでに突っつくというものだった(このやり方はこの旅の始めから終わりまですべて同じ)。
このツアーは毎日3食つきだったから、食費はほとんどかからなかった。
コイに似た魚のあんかけ料理が出たから、なんという魚ですかと訊くと「白魚=バイユ」とかいう返事である。
このころの中国人はまだサンマやマグロの味を知らなかったから、これはどこかの川か池で養殖されている淡水魚のようで、四方八方から突っつかれてすぐにきれいな骨になった。

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2023年8月15日 (火)

中国の旅/東方航空

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わたしはむかしから中国という国(台湾ではなく大陸のほう)に行ってみたくてたまらなかった。
ロシアもそうだったから、おまえは共産党が好きなのかといわれてしまいそう。
そうではない。
わたしは日本とは異なる異質の文明というものに関心があったのだ。
アメリカ人ジャーナリストのアグネス・スメドレーは、1930年にはじめて中国に渡ったときのことを、中世の国へと書いている。
それだけ遅れた国であったということだけど、べつの視点で眺めれば、これほど日本や欧米先進国と異なる国もないので、人一倍好奇心が強いわたしには、アメリカや欧州よりずっと見たい国だったのだ。

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30代なかばでようやく定職についたものの、無能であることを自覚して結婚する気にもなれないでいたわたしは、どうせなら他人と違った生き方をしようと決心した。
しかし、もともと引っ込み思案のわたしにできることはかぎられており、いきなり口先八丁の政治家や、ヤクザになって殴り込みをかけられるわけもない。
具体的には家や家族にかけるはずの金で、海外を見てまわろうということである。
定職といってもそれほど個人に責任を感じさせる職業でなかったから、時間はかなり自由にとれたのだ。
反社会的人生を宣言をしたわけで、いまならユーチューバーでも目指したかも知れないけど、当時にそんなものはなかった。
わたしが一念発起し、なんとなくだらだらと貯めておいた金で、はじめての海外旅行をしたのが1992年のことだったのである。

ところで人間には二種類の好みがあって、ハワイや香港に行って、海外旅行をしてきましたと自慢するタイプ。
そしてわたしのように、どっちかというと人々がまだ普遍的な文化にドクされず、その国特有の生活風習を温存していて、レンガや材木やヤシの葉っぱの家に住み、天然気象に左右されるような生活をしている国へ行きたいと願うタイプがある。

わたしが行ってみたかった外国は、中国、ソ連(まだ崩壊した直後だった)、南欧、南米、アフリカ、あるいは南洋にちらばる無数の島嶼国家などで、どちらかといえば(いわなくても)非先進国だ。
わたしの友人のネコ大好きおばさんはこれとはまったく逆で、ハワイだ、香港だ、パリだ、ローマだと、これはもう俗物の見本みたいなところばっかりである。
どっちがいいとはいわないけど、後者を好むのは農協の団体や不動産屋さん、大企業の役員などで、芸術家や作家、冒険家を魅了するのはたいてい非先進国である。

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中国といっても広い。
わたしが最初の目的地に選んだのは上海だった。
いまでは高層ビルの建ち並ぶ超近代都市になったけど、上海というと、かっては中国人の立ち入ることのできない治外法権の租界があって、戦前からニューヨークのような高層ビルが建ち並び、阿片の煙がただよう売春窟、金髪の娼婦やグロテスクな見世物、ギャングや間諜などが横行し、“魔都”と呼ばれて、映画や文学などにも取り上げられた奇っ怪な都市だったのである。
ロマンチストな文学青年だったわたしが、どうしても最初に行ってみたい街だったのだ。

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とはいうものの、たとえばツアーには監視がついていて、反中国の言動があれば即逮捕、そのまま強制収容所、とはいわなくても国外退去処分だなどと、まだ共産党中国のコワイうわさもたくさん聞いていたから、最初は偵察をかねて、おとなしく上海、蘇州、無錫、南京をめぐる、よくあるパックツアーに参加することにした。
ネコ大好きおばさんがいっしょに行くことになった。
わたしの海外旅行はこれが初めてだったので、もう何度も海外の経験のあるおばさんがいてくれたほうが頼もしいということもあったのだ。
“ネコ大好きおばさん”では長すぎるので、このブログでは彼女のことを“愛ちゃん”と呼ぶことにする。
便宜上つけた名前ではなく、彼女の本名が愛子というのだ。

問題がひとつあって、わたしは上記のように好奇心に突き動かされての旅だけど、愛ちゃんはわたしと正反対の俗物で、本人にいわせるとフランス料理やワインに詳しいんだそうだ。
そのくせゴダールの映画やモーパッサンはさっぱりという人である。
こういう2人だからあっちこっちで衝突せざるを得なかった。

出発当日に最初の待ち合わせ場所に行ってみたら、愛ちゃんは世界一周でも間に合いそうな、でっかいスーツケースをごろごろと引っ張ってきた。
わたしは旅に出るときできるだけ荷物は軽くしたいタチだから、苦い顔をして、イヴニングドレスの一式まで持ってきたんじゃないでしょうねというと、彼女は、こういう旅行では旅の途中でかならず旅行会社主催のパーティがあります、だから正装も必要なんですという。
中国みたいなチンケな国でそんなものがあるわけないと力説して、もう出発まえからわたしはぐったり疲れた。

ツアーの内容は、上海・無錫・南京・蘇州を見て歩きの4泊5日で、ひとり148.000円というものだった(出発は7月の半ばという暑いころで、おかげであとでひどい目に遭うことになる)。
団体旅行だから、よそからも人間が集まって、総勢は30人ぐらいになった。
このメンバーが成田空港に集結し、迷子にならないように胸に共通のワッペンをつけさせられる。

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成田空港の乗客待合室から目のまえに、わたしたちが乗るはずの中国東方航空の飛行機が停まっていた。
民営化されていくつかに分割した中国の航空会社のうち、東方航空というのは上海を根城にした会社で、わたしはその後も何度か利用した。
見ると鼻のあたりの塗装が色あせていて、垂直尾翼のあたりに引っ掻き傷のような跡がついている。
ダイジョウブかねえといったのは、同じツアーに参加するどこかの知らない人。

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飛行機はほぼ定刻の14時20分に離陸した。
わたしたちは禁煙席をとったつもりだったけど、喫煙席と禁煙席はたてに仕切られており、窓ぎわが禁煙席、中心の席が喫煙席になっていた。
これでは禁煙席でも、場所によってはタバコを吸う人と隣り合わせになってしまい、ひじょうにケムかった。
スチュワーデスの顔は日本人によく似ているものの、やはりどことなく中国人である。
服装は黒の制服に赤いスカーフで、人民服を着ているわけではなかった。
写真は現在の東方航空のスッチーたちと、当時の機内食。
海外旅行がはじめてのわたしに、他社との比較は無理である。

ところでこのブログに載せた写真には、白いふちどりのあるものと、ないものが混在している。
どこかで書いたけど、白いふちどりがあるものはネットで見つけた写真で、そうでないものはわたしが撮ったもの。
いちいち断るのはわずらわしいので、そういう手を使ったんだけど、昨今は著作権のことなど問題にしてはいられないほど、情報があちこちで利用される時代だ。
ネットの写真では、わたしもできるだけ差し障りのないものを使うようにしてるんだけどね。

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2時間半ほどの飛行で上海の上空に到着した。
わたしは大陸中国を生まれてはじめて見た感動を忘れることができない。
眼下に山や森はまったく見えず、運河が四通八達しただだっ広い農地が広がっていて、そのなかに白い壁の民家が散在し、あるいは集落をなしていた。

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2023年8月14日 (月)

まだ擁護する

みっともないなあ。
ワグネルがまた勢力を取り戻して、ロシアをひっかきまわそうとしているって、見たらソースは右翼の夕刊フジだよ。
プリゴジンさんが反乱を起こしたとか、力をそがれたとか、アフリカにもどったとか、さんざんデタラメを並べていたくせに、そんなことより自分たちの見識の甘さを謝罪するべきだろ。
負け惜しみをいうのはヤメロ。
ロシアの優位はピクリともゆるがない。

ところでNHK(と民放)の御用解説者の高橋杉雄サンが、重大発表だってことで、以後テレビやSNSには出演しないと発言していた。
いや、左遷されたわけじゃありませんというんだけど、わたしは彼の言い分を素直には受け取らない。
これまでの彼の発言には、ロシアを擁護する少なからずの人が、おかしいじゃないかといちゃもんをつけたことだろう。
現在のようにウクライナの敗北が決定的になると、もはや彼もそうした声に反論できない。
それでSNSから身をひくというのが本当のところだろうと、わたしは考えているんだけどね。

ネットニュースにはこんな報道もあった。
「8月13日、『新婚さんいらっしゃい︕』が放送され、中国の山奥出身の妻と結婚した夫が文化の違いに驚くシーンがあった」
なんでも奥さんは中国の“陳峭村(ちんしょうむら)”という、秘境とも⾔える村の出身なんだそうだ。
そんな村から留学⽣として⽇本にやってきた娘と結婚した旦那の話である。
わたしはこれも中国が、だれでも努力をすれば外国にも留学が出来るし、偏見なしに日本人と結婚さえ出来る国なのだと思うから、わざわざ記憶にとどめておいた。
すぐに忘れられるような小さな話題だけど、わたしのブログにはあちこちにこういう話題が載っている。
偏狭なのは日本人の一部だ。

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中国の旅/まえおき

ウクライナ戦争の終わりは見えてきた。
もはやウクライナの勝利はゼッタイにないだろう。
NHKの欺瞞もたっぷり追求したし、わたしがぶちぶちいわなくても、世間にはロシアを擁護する人たちも一定数はいるようだ。
ただし西側の出方次第では、まだまだ戦争終了まで時間がかかりそうである。
わたしはいま、生きているうちにしておきたい新しいアイディアに取り憑かれてしまった。
もうデタラメばかりのSNSにいちゃもんをつけるのも疲れたのだ。

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わたしは過去に米国の紀行作家ポール・セローの足取りをたどって、地中海やアフリカをバーチャル旅行したことがある。
グーグルのストリートビューを使って、セローの本では文章でしか表現されてない土地を、現地の写真を眺めながら旅しようというもので、想像力の欠如した人たちにはきわめて有意義なものだった(と、わたしは勝手に思っているのだ)。
ただし画像の収集・加工まで、ぜんぶ自分ひとりでやらなければならないから、足腰が弱って旅に出られなくなった旅好きの年寄りでもなければ、とてもやっていられない手間のかかる仕事である。
わたしはいまちょうど足腰が弱るという状態で、しかも死ぬまで旅をしたいと考えている松尾芭蕉のようなじいさんなのだ。

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というわけで、またバーチャル旅行の元ネタになる文章だけの紀行記がないかと探してみたけど、なかなかいいのがないね。
極地探検やエベレスト登頂なんてのは、どっちかというと体育会にふさわしく、軟弱な思索家の出番じゃない。

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そんなことを考えているうち、ふとバーチャル中国旅行はどうかと思いついた。
わたしが初めて大陸中国へ旅したのは1992年で、これは鄧小平の改革解放政策がようやく軌道に乗ったころ、まだ兌換券や人民服など、毛沢東時代の不自由な生活もあちこちに残っていたころである。
この30年ほどのあいだにも、中国の景色は劇的といっていいくらい変わっているのだから、当時の写真と、ストリートビューで現代の同じ場所を比べながら旅をしたら、これはおもしろそう。

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じつはわたしは以前ヤフーのブログで、わたしの中国紀行記を連載していたことがある。
おもちろいわーとコメントをくれるファンもいたんだけど、あいにく、その後ヤフーがブログ事業から撤退して、この紀行記は読めなくなってしまった。
かえすもがえすもモッタイナイ。
当時はまだストリートビューもなかったころだから、ポール・セローで味をしめたバーチャル旅行というのはおもしろい試みじゃないか。

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中国なんかに興味はないという人もいるだろうけど、わたしにとってはなにより、自分のいちばん輝いていたころの過去への旅ということで、ノスタルジーもハンパじゃない。
また台湾有事だって頭に血の上っている人の多い昨今では、彼らに冷静になるよううながすこともできるかも知れない。
決めた、つぎの企画は大陸中国でのわたしの足跡をたどるものにしよう。

と思って、調べてみて、あきらめた。
中国ではグーグルが使えないのね。
もちろんストリートビューもない。
つまりいまの中国の各地を、ポール・セローの地中海やアフリカでやったように、全方位カメラの画像で観るのは不可能だということだ。
なんてことだ。
衛星写真だけは使えるから、不十分ではあるけど、これでなんとかゴマかせないだろうか。
先の短いわたしは、むむむと悩んでしまった。

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わたしが大陸中国に行ったのは、なんだかんだで20回近くになるから、もとネタになる旅日記もそうとうの分量になる。
こんなものをバーチャルで追おうとしても、たぶん最終回まで生きてはいられないと思うんだけど、始めなければ終わりもないわけなので、ついに決心した。
これからブログで不定期に、わたしの中国紀行を連載しようと思う。
ダーウィンがはじめて新大陸を見て、生命の多様性に感動したように、わたしは30年まえの中国で日本とあまりに異なる光景に感動したのだ。
この30年間の中国の大変化を、わたしのブログで、そのビフォアからアフターまでを、みなさんにも俯瞰してほしいのである。

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2023年8月13日 (日)

木星

昨日は夕方になってから草むしりを始め、おかげでそのあとのスケジュール、一杯呑んで、メシ食って、ひと眠りするという仕事が順番にうしろへ繰り下がった。
そのため散歩に出かけるのがま夜中の零時ごろになってしまった。
それでも1日でも休むと、てきめんに足が減退するような気がして、出かけないわけにはいかないのだ。

歩いていると前方に、つまり東方の、仰角30度ぐらいのところに木星がきらきらと輝いている。
わたしも死んだらあの星のようになるのかと、ガラにもなく乙女チックなことを考える。
そしてその考えをすぐ払拭する。
わたしは木星までのじっさいの距離を知ってる現代人なのだ。
上田秋成の「雨月物語」には、人は死ねば1日に千里(4,000キロ)を行けるとあるけど、木星までは9億キロ近くあるのである。
もうケタ違いで、たかが4キロ程度の散歩で息切れしているわたしが、死んで魂になったって、とてもそんな距離は移動できそうにない。
やはり人間は死んでも地球から離れられない生きもののようだ。

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2023年8月12日 (土)

TBSチャンネル

世間はお盆休みでも、こちとら無限休暇のヒマなじいさんだから、またブログの更新に励んでしまうのだ。
NHKにウクライナの報道が入ってこないから、今日はYouTubeのTBSチャンネルにいちゃもんをつけてみよう。
このチャンネルは放送局系であり、国際情報にも通じているはずなのに、NHKにも負けず劣らずのアンチ・ロシアだ。

最近の映像では、ロシアの新しい教科書に「侵攻がなければ人類の文明の終わり」という、ウクライナ侵攻を正当化する文章が採用されたことに噛みついていたけど、べつに文句をいわれるようなことじゃないね。
この教科書の本意は、ロシアのウクライナ侵攻がなければ、アメリカ一極主義が勝利を収め、世界はたったひとつの価値観に支配されることになる。
これはそもそも民主主義に反することではないのか。
さまざまな人々のさまざまな主張があってこそ、世界は健全に発展する。
一極主義に支配される世界は、オーウェルの「動物農場」や「1984年」と同じことではないか。
ということで、けっしてロシアの軍事侵攻を正当化するだけの文章ではなかったはずだ。

どうせと考えて、わたしはこのチャンネルを最後まで観てないけど、いやいやTBSの本意はべつのところにあるという人がいたら、コメント欄に一報してくれる?

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ロシアの現状

ロシア人ユーチューバーのひとりであるマリアランドのマリアちゃんは、東京にいたり沖縄に出没したり、じつに忙しい人だけど、いまはロシアに里帰りをしているらしい。
どうもよくわからん、日本とロシアはケンカ状態じゃなかったのかね。
中国も日本への団体旅行が解禁だというし、渡航中止勧告だとか、退避勧告たとか、つまらないことでゴタゴタいってるのは日本だけじゃないか。

ま、仲が悪いよりはいいほうがエエ。
そんなマリアちゃんが、経済制裁下のロシアのスーパーはどうなっているのかという探訪映像をアップしていた。
見るとあいかわらず品揃えは豊富で、値段もとくに上がっているわけではない。
日本国内でぶつぶついってる人やサイトは多いけど、現地からの生の報告だから信頼度は高い。
いったい制裁はどこに行ったのだ。

ないねえ、ないねえ。
こちらはNHKのこと。
世間はお盆休みということらしいけど、NHKにウクライナの報道がさっぱり入ってこないよ。
これはまあ、いいことでもある。
世の中にはNHKのニュースしか信じないという人も多いのだから、これではウクライナは忘れられる一方だ。

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2023年8月11日 (金)

中国の自信

中国が日本への団体旅行を解禁だそうだ。
太っ腹なところが見えるな。
もう日本なんかに負けやしないという自信のようなものがうかがえる。
日本人も台湾有事なんて騒いでいないで、もっと新しい日中関係を模索するべきじゃないかね。

わたしは中国の台湾軍事侵攻などあり得ないという立場だ。
経済が発展し、国が豊かになれば、台湾人だってそれを無視しちゃいられない。
ましていまのアメリカのていたらく。
やることなすこと、ムチャクチャなことばかりで、もはやアメリカは立ち直れないところまで来てるよ、みんな知らないだけで。

中国だってわざわざ台湾人の憎しみを買うより、平和的にひとつになったほうがいいに決まっている。
ゆいいつ軍事侵攻があるとすれば、アメリカが国内問題だけで手いっぱいになり、なんとか中国を叩きたいその他の西側が、台湾に独立をそそのかしたときぐらいだろう。
しかし損得勘定をしてみた場合、ドイツやフランスはなかなかその気になれない。
アジアの盟主の地位を守りたい日本だけが、損を覚悟で立ち向かうかも知れない。
チャイナの風下には立てないと、やたらに張り切る人間が、いまならまだ多いから、戦争も辞さずということになるかもね。
つぎの首相の責任は大だぞ。

ところでわたしの中国の知り合い、今年の3月にメールを寄こしたきり、連絡がないや。
成人病を患っていたというから、せっかく日本旅行が解禁になったのに、わたしより先にあの世に行ってしまったのかしら。

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2023年8月10日 (木)

音楽プレーヤー

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新しい電子機器を買った。
というほどオーバーなものじゃないし、値段もたかが知れているけど、そのくせわたしにはなくてはならないものなのだ。

この年金老人は夜な夜なおもてを徘徊する。
認知症になったわけではなく、健康維持のために2時間ほど川のほとりを散歩をしてくるのだ。
ただ歩くだけでは、2時間は退屈だ。
そこでこれまではアップルのiPodを持参して、音楽を聴きながら歩くことにしていた。
しかしよる年波というのか、最近ではiPodでさえ、その重さとサイズが負担になってきた。
だいたい音楽を聴くだけなのに、iPodには余分な機能がつきすぎているのだ。

で、意を決して新しい音楽プレーヤーを買うことにしたんだけど、それが写真いちばん左の製品で、サイズはiPodの半分以下で、値段は1/10くらい。
これだけ小さいと落としてなくす可能性があるから、ぎりぎり許容範囲というか。
iPodのときも思ったけど、むかしカセットテープで音楽を聴いていた世代には、隔世の感があるな。

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2023年8月 9日 (水)

中国の洪水

NHKが夏休みなのか、昨日8日は海外報道がなかったね。
しかし前項で書いたように、SNSには無限のいちゃもんネタがあるわけだから、その中からひとつ、最近の中国の洪水騒ぎについて書いてみよう。

ご存知の通り、中国には長江と黄河というふたつの大河が流れている。
このふたつの河はしょっちゅう氾濫を起こしたから、堯・舜のむかしから中国の古代の皇帝は治水に苦労した。
言い換えれば、河を治めることができてはじめて、中国皇帝はその地位をまっとうできたといえる。

この傾向はいまでも変わっていない。
習近平さんも共産党の治水業績を自慢した。
皮肉なことにそのすぐあとで今回の洪水だ。
ざまあみろと、世間に多い中国ギライたちは喝采だけど、これは近平さんの罪じゃない。
災害は忘れたころにやってくるもので、地球温暖化で世界中の気候がおかしくなっている昨今だ。
カナダやオーストラリアでは大規模な山火事が起き、ギリシャでは熱波のせいでパルテノン観光にも影響が出るという、かってない異常気象のときである。
災害が起きたからといって、その国の政府を批判していたら、災害列島の日本なんか、いくら批判されてもおっつかない。

そんなことより、わたしは洪水の被害映像が、あっという間に世界中に拡散したことのほうに関心を持つ。
インターネットの時代ということもあるけど、中国政府が自国の汚点を隠さずに、国民を救済するためにどこの国でもやるような対策を立てていることのほうに感心した。
毛沢東の時代の中国や、完璧な独裁国家の北朝鮮なら、こういう恥ズカシイことは隠匿して、おもてには出さないようにしただろう。
これも中国が鬼でも悪魔でもない、日本と同じグローバル国家の証明ではないか。

ロシアでもそうだけど、「メドゥーザ」のような反体制メディアがちょっとアンチ・ロシアの記事を書くと、それ、プーチンは造反されていると喜ぶ人たちがいる。
日本で「赤旗」や「朝日新聞」が日本政府の悪口をいってるようなもので、めずらしくはないし、そういうメディアの存在こそ、その国がグローバル大国の証しじゃないかい。
ロシア国内でそんな記事を書けたというほうが、本当は注目すべきことなんだけどねえ。
ほんの少しだけでも相手の立場を考え、ものごとをあちら側から見られる人なら、このていどのことはわかるはずだ。

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2023年8月 8日 (火)

ネタ切れなし

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昨日もほぼ1日を通してウクライナ関連の報道がなし。
あ、NHKのことね。
ここがウクライナの報道をしないと、ブログのネタがなくて困るなんて書いたことがあるけど、本当はわたしのブログがネタ不足に悩むことはゼッタイにないんだよね。
世間にはアンチ・ロシアのSNSが溢れていて、たいていは中味のない風評ていどのものだから、そういうものに反論していれば、ほぼ無限といっていいネタがあるわけだ。
ただ無限となると、反論もきりがない。
しかも相手は反論しても意味のない、子供でもだませるような他愛無いものばかりだ。

ネットを閲覧していたら、ウクライナのドローンがモスクワの高層ビルに命中したという報道があった。
それも同じビルに2機続けて命中しているから、これは狙ったものだろうという。
アホいってんじゃない。
モスクワはロシア軍ががっちり守備を固めているんだから、妨害電波で盲目になったドローンが、たまたまよく目立つ高層ビルに、2機続けて衝突しただけに決まっとる。
高層ビルにはロシア経済開発省なる役所が入っていたというけど、写真を見ただけじゃ窓と外壁の一部が損傷しただけで、人的被害はなかったというし、だいたいそんなわけのわからない役所に、攻撃する価値があるのか。
ホントに狙って当てられるなら、モスクワにはもっと有益な目標がたくさんありそうなものだ。

添付した写真は、わたしが2014年にモスクワへ行ったとき、雀ガ丘というところから撮った、高層ビルの立ち並ぶモスクワ・シティーの眺め。
クレムリンから西方に4~5キロほどはなれた場所にあって、的にするにはでっかいから、メクラ撃ちでもなにかに当たりそう。

SNSでウクライナ戦争をゴタゴタいってるチャンネルは、取った、取られたと戦況の話しかしないものが多い。
そのあいだに米国、欧州も、経済が大混乱していることなど触れようともしないのである。
ここんところバイデンさんがおとなしいと思ったら、彼とその息子は汚職で訴えられて、ウクライナどころじゃないらしいっすよ。

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2023年8月 7日 (月)

神輿

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海外からのニュースが少ない土日であるばかりか、昨日は広島で「原爆の日」の式典が開かれていて、ウクライナの報道なんかひとつもなし。
この時期になるとNHKは終戦の特番が多くなるので、昨日は「いのち眠る海」という番組を観た。
これは太平洋戦争で海に沈んだ船舶や航空機の残骸から、CGを駆使して、兵士たちの最後のもようを再現・検証しようという番組だ。
想像力の旺盛なわたしは、こういうものを観るたびに、当事者がどんな気持ちでいたのかと感情移入してしまうタチ。
毎年8月になると新しいネタを見つけてくるNHKには感心するけど、いくら戦争の悲惨さを訴えたって、自らがウクライナでは戦争を引き延ばすことに加担しているんだから、説得力はないね。
海の藻屑になった英霊たちだって、自分たちを教訓にして、戦争を止めてほしいと叫んでるのじゃないか。

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それはともかく、ニュースがないんじゃNHKの悪口も書けない。
ネタ不足で困っていたら、近所で団地の夏祭りをしていることを思い出した。
いまひきこもり中で、にぎやかなものは苦手なんだけど、とりあえず本日の更新はあれで間に合わせておけと、サンダルをつっかけて出かけてみたら、神輿と出くわした。
年寄りばかりの団地かと思っていたけど、けっこう若い人もいるんだね。

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2023年8月 6日 (日)

夜中の散歩

今夜もやったぜ。
夜中に往復4キロほどをウォーキングしてくるのだ。
もう人並みに歩ける歳じゃないから、杖をついて、尺取り虫みたいにのろのろ歩いて、往復は2時間ちかくかかってしまう。
それでも歩かないよりはマシだ。

じつは3カ月ほどまえに、冷蔵庫のまえで左足の力が抜け、へなへなになって立てなくなったことがある。
わたしはひとり者で、だれかのお世話になれるアテはないから、これで一巻の終わりかなと覚悟したものだ。
悲しいことだけど、動けなくなったら、自分で人生をリセットするしかないのである。

それ以来、一晩も欠かさずウォーキングをすることにした。
わたしの部屋の近所には川が流れており、その河岸に遊歩道が完備している。
そこをてくてくと、最初は片道1キロ程度だったものが、少しづつ距離を伸ばして、いまは2キロほど先にある西武線のガードが目標になった。
往復でたかが4キロといっても、毎晩だからこれはいい運動になる。
散歩を始めて以来、快食快便で、これならまだ高尾山くらい登って来られそう。

なんの因果か、わたしはまた命拾いをしたのだ。
ただの散歩で2時間というと、ふつうの人は退屈してしまうかも知れない。
でもわたしは音楽が好きだから、好みの音楽が詰め込んであるiPodを持参する。
そして今夜はロックだ、いやジャズだ、たまにはクラシックだなんてやっていると、ぜんぜん退屈しない。
家の近くに散歩にふさわしい遊歩道があったこと、わたしが音楽好きだったこと、こういうことは偶然なのだろうか。

わたしの友人知人というのはわたしと同じような歳の人間が多い。
しかし彼らがそんなに音楽好きというのは聞いたことがないし、まじめにジョギングやウォーキングをしている輩がいるだろうか。
目下ひきこもりで連中との音信も不通だけど、おーい、みんな元気でやってるんかね。

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2023年8月 5日 (土)

わたしのおかげだ

YouTubeなんか観ていると、ロシアやその周辺の国の女の子と結婚して、そのままユーチューバーをしている日本人が増えてきた。
東欧には色の白い美人が多いから、うらやましい話である。
むかしなら日本人というと出っ歯でメガネをかけて、カメラを背広のまえにぶら下げているというのが一般的なイメージだったから、外国人の女の子にモテようがなかった。
わたしの時代にはもうすこし恵まれていて、中国や韓国、東南アジアの女の子から結婚してチョーダイと迫られたもので、わたしの知り合いにも中国美人と結婚した者が何人かいる。
でも東欧の女の子というと、まだまだ高嶺の花、言葉もわからない男がモテるわけもなかった。

それがいまではどうだ。
インターネットで情報が広く行き渡るようになると、食事が美味しい、街がきれいだ、女の子でも夜道を安全に歩ける、新旧入り混じった文化がすばらしいなどと、外国人子女からみれば天国のような日本の実情が、母国にいながらにして伝わる時代がやってきた。
むずかしい日本語を独学でマスターしてまで、日本に行きたいと熱望する娘も増えてくる。
日本人と結婚して日本に居座っちまえという娘もいるだろう。

しかし、しかしだよ。
首尾よく色白の美人を嫁にしてウケに入ってる日本人にいうけど、それは君たちが認められたということじゃないからね。
彼女たちを日本に惹きつけたのは、まえの戦争のあと、一貫して平和憲法を遵守して、国の繁栄のためにわき目もふらず働いたわたしらの世代(わたしは除外してもらってもいいけど)の努力があったからだ。
モラルを守り、他人を気遣うという行為が、自然に身についていたわたしたちの世代のおかげなんだよ。

親が苦労するのは子供のためという理屈もあるから、君たちが果実を取るのに文句はいわない。
しかし残念なことに、現在の若者たちは先人の苦労をドブに捨てようとしている。
ロシアのプーチン大統領は、かってはそういう日本に理解を示し、尊敬の念さえ抱いていた大統領だった。
ところがいま日本がやっていることは、彼を裏切ることではないか。
裏切ってどうするかというと、汚職国家のウクライナの味方をすること、米国の汚れたエスタブリッシュメントであるバイデンさんの肩をもつことだ。

このままで行けば、いつか日本の美徳は失われ、日本人はますます卑小な民族になり、外国人から愛想をつかされる国になってしまう。
未来を見届けるほどわたしは生きてられないからどうでもいいけど、色白の東欧美女をもらった日本の若者は、せいぜいいまの日本に生まれたことを感謝しとくんだね。

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2023年8月 4日 (金)

先進国の衰退

ニジェール軍事政権、フランスとの軍事協定を破棄
おお、ニジェールが強気だよ。
これもウクライナ戦争の余波かも知れないね。
フランスもアメリカも自分のところで手一杯だ。
西側先進国は完全に足もとを見られていて、グローバルサウスからまだ宗主国への反乱が続くんじゃないか。
いざとなったらロシアか中国に頼ればいいんだし。
いったいこの戦争で、先進国側になにかいいことかあっただろうか。

プーチン時代の終わり方、英国の諜報機関MI6・ロシア担当官が公式に言及
なお英国では新しいスパイ小説が執筆されているけど、内容が荒唐無稽すぎて相手にされないもよう。

暑くて部屋から出られないから、ブログの更新に熱が入ってしまいます。

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インパール作戦?

今日はあくらつなNHKの国際報道にも、ウクライナがほとんど出てこなかったねえ。
そのかわり太平洋戦争のインパール作戦が出てきた。
こんなものをどうやってロシアの侵攻と結びつけるのかと思ったけど、特にそんなようすもない。
そうか、8月になったから、また今年も終戦記念の特集番組の季節か。
インパール作戦が取り上げられるのは毎年のことだよね。
ウクライナがいちばん恐れるのが、世界から興味を失われることなんだけど、8月はダメですよ、日本の公共放送は終戦特番で忙しいんだから。

太平洋戦争を知らない若いモンに、ウィキペディアの記述を紹介しておこう。
『ウクライナ政府が強制力のある形でウクライナ軍に対してあらゆる資源や人材を集中し、特に圧倒的な国力の差があるロシアに対して精神論で無謀な作戦を繰り返したことで 大勢のウクライナ国民が犠牲となり、世界初の核兵器の実戦投入が行われ・・・・』
記述をちょいといま風に改ざんしてあるけど、おわかりかな。
核兵器の実戦投入までは行ってないけど、デタラメを信じて戦争を煽っていると、ほんとにそこまで行ってしまうぞ。

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2023年8月 3日 (木)

JBpress

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JBpressというメディアがある。
英語名なのと、JBというのはジェームス・ボンド(007)のイニシャルなので、その字づらから、わたしはばくぜんと英国のメディアだと思っていた。
英国といえばウクライナ戦争では、アメリカとともに、ウクライナを支援してロシアを攻撃する急先鋒の国である。
JBpressの最新記事を読んだけど、とうぜんロシア擁護派のわたしとは意見を異にするものだろうと思った。
ところが予想に反して、ウクライナ戦争について、わたしがいつも考えているのと同じようなことを書いていたので、調べてみたら、JBpressは純粋に日本のメディアだった。
しかもときどき右翼界わいから、偏向していると文句をいわれるめずらしいメディアらしい。

肝心なのはウクライナ戦争の、戦況を見る目がわたしと同じだということである。
わたしと同じ考えというと、今度はウクライナ擁護派のほうから、デタラメだろうと非難されるかも知れない。
まあ、リンクを張っておいたから自分で読んでみなされ。
世間には、自分にとっておもしろくないニュースはハナっから関心を持たない人が多いけど、それではひいきの引き倒しになってしまう。

たとえばロシアが占領地に築いた防衛線について、わたしはNHKが模型まで作って説明するのを観たとき、制空権もないウクライナがこれを突破するのは無理、ゼッタイに無理だと思った。
しろうとのわたしでさえそう考えているのに、世間には根拠をいっさい示さず、デタラメなSNS情報を当てにして、反転攻勢はうまくいってるとか、時間がかかるのは仕方がないという人が多すぎる。
JBpressの記事にもゼッタイ無理、突破しようとすれば膨大な犠牲が出ると書いてあった。
他人の発言の引用だとしても、ウクライナの損害を具体的に、英国の情報機関のものまで引用して説明していたのである。
これでもウクライナは優勢だというのは、現実を無視した願望としかいいようがないよな。
いまタキシードを着たジェームス・ボンドが、ウクライナ戦争の勝負に賭けようとしたら、ロシアの勝ちに賭けるに決まっている。

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朝日新聞化

いよいよNHKも“朝日新聞化”が迫ってるな。
記事がデタラメだということは世間の大半に理解されてしまっているのに、素直にそれを認めることができず、しゃにむに突進してしまうことだ。

この情報化の時代、アメリカの混迷ぶりや、バイデン政権のビクトリア・ヌーランドおばさんの欺瞞、大統領の息子の巨額ワイロ事件など、NHKが報じたくない情報がつぎからつぎへと飛び込んでくる。
日本人だって、あるていど知能指数が高い人なら、ウクライナ戦争はウクライナの敗色濃厚ということぐらい気がついているんじゃないかね。
そのうち会長が捏造を認めて謝罪をし、由井秀樹サンや別府正一郎サンは責任をとらされて、南アフリカとアルゼンチンの支局長に飛ばされるのではないか。
アナウンサーに罪はないけど、NHKとしては世間にしめしをつける必要がある。

昨日の国際ニュースにこんなものがあった。
中国が希少金属を輸出規制するそうだ。
どこかで聞いた話だなと思ったら、日本も韓国に似たようなことをしてなかったっけか。
こういうのは反作用である場合が多いので、韓国がレーダー照射などで日本にいちゃもんをつけたから、日本はそれに反応しただけだ(違イマスカ?)。
中国の場合も、日本がアメリカに追従してケンカを売るからイケナイので、なにもしないのに中国のほうから規制をする理由があるんかね。
ほかにもたくさん例があるけど、とにかくこっちからケンカを売って、相手が対応策をとると怒りを表明する。
日本の国格は下がる一方だわさ。

オーストリアで開かれたNPT(核拡散防止条約)の会議、ベラルーシに核を配備するロシアを糾弾する声が大きかったというけど、そのくせ共同声明はまとめられなかった。
なんでもかんでもウクライナ戦争に結びつけようという先進国に、途上国やBRICSが反発したんじゃないか。
ロシアをそうせざるを得ない状況に追い込んでおいて、核拡散はケシカランというのもほどほどにしてくれないとね。

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2023年8月 2日 (水)

元気すぎる

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中国の王毅外相を招待したり、ニジェールの乱にロシアは加担してないと断言したり、さっぱりスタンスのわからないのがアメリカで、これじゃなんでもかんでも追従の日本も困るよね。
昨日は台湾で中国寄りの国民党代表が来日していたけど、NHKのインタビューは当たり障りのない平凡なもの。
NHKもこれから先の方針がつかめず、困ってんだよ、きっと。
台湾有事がなく、中台関係が平和に推移すれば、それがメシの種の日本のメディアも大弱りだ。

ところで今年は暑さのせいか、花壇の植物が砂漠状態。
昨日の雨でひと息ついたけど、せっかく植えたヒマワリなんか葉が虫にくわれてボロボロ。
ここに載せたのは、ゆいいつ元気なホウキグサ。
去年の苗から種を取り、ほかの場所に植え替えたものだけど、大木の風情さえあるな。

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ウクライナと朝鮮

ウクライナもだんだん韓国に似てきたな。
戦争まえまでは自分たちだって納得して飾っていた独立記念日のモニュメントから、ロシアの紋章を撤去するのだそうだ。
あとにウクライナの母という紋章をつけるそうだけど、そんなことをしたって戦況に影響するわけでもなし、たんなる自己満足といやがらせでしかない。
韓国も戦前は日本と一体の国だったのに、戦争が終わるとケシカランと言い出して、日本とはぜんぜん関係ない独立門なんかをデッチ上げた。

モスクワにウクライナのドローンが飛来したというけど、ロシア軍の妨害電波でメクラ撃ちの状態だったようだ。
そんなことより、ドローンが高層ビルに当たって爆発した映像を観ると、ビルの谷間に街頭が煌々と輝き、ネオンまで輝いていて、ロシアは普段どおりの日常をおくっていたようにみえる。
制裁なんかまったく効果がないこと、ウクライナは相手の油断していそうなところにゲリラ攻撃をするしかない、北朝鮮のようなテロ国家に成り下がったこともあきらかではないか。

あいかわらずSNSにはデタラメが、とくにYouTubeなどを観ると、事情に通じているはずの放送局系のものにそれが多い。
日本政府に協力しないと放送免許を取り消すぞと脅かされているのだろうか。
これじゃ大政翼賛会と変わんないや。
報道とはなんなのかと、原点に返って考えてほしいね。

無責任なデマで世間をあおっている連中も、たまには戦争の現場ばかりではなく、背景もながめることが重要だ。
いまアメリカで起こっているゴタゴタは、バイデンさんが決して正義の大統領でないことを証明している。
日本の国民はそういうことをぜんぜん知らされてないのだ。

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2023年8月 1日 (火)

アンタなら?

日本の林クン(外相)がスリランカやモルディブ詣でをしていた。
なんとかしてグローバルサウスをこちら側に取り込もう、でなければ分裂させようと必死らしい。
しかし態度をあいまいにしておいて、両方から利益を得ようという、インド・スタイルが途上国に蔓延している。
それがケシカランといって、以前なら支援を打ち切るぞと脅かすこともできたけど、いまのアメリカや日本にそういうことができるだろうか。
支援を打ち切れば、喜ぶのは中国だし、グローバルサウスはますます乖離していくだけだ。

ISISのような過激なテロ国家があったころまで、まだアメリカに理解を示す国は多かった。
しかしウクライナ戦争を境にして、いまではアメリカの本質を世界が知ってしまったのだ(知らないのはあんたがボンクラだからだ)。
アメリカ大統領こそ汚職の大元締めで、息子まで利権に手を染めており、アメリカがやたらに戦争をしたがるのは、国内のネオコンたちの欲求に応えているだけだってことが。
G7はこういう無法国家の旗の下に集まった連合なのである。

ロシアが孤立化しているという人がいるけど、その実態は上記のようなことで、こんなことが続けば、西側先進国は自分で自分の首を絞めるしかない。
消費者大国のインドや中国に背を向けられたままで、ドイツやフランスがいつまで耐えられるだろうか。
政治と経済はべつにしようなんて調子のいいことをいってるけど、そんなことが通用するほど、途上国があまいだろうか。
おかげで日本の林クンは、小さな島嶼国家にまでお願いに行かなければならないのである。

たしかにいまのプーチンは困っているように見える。
しかし原因は、アメリカが支援をエスカレートさせるおかげで、いつになっても同じスラブ人同士が殺し合わなければならないせいだ。
アメリカは一兵も損なうことなく、他人の土地で兵器を売りまくり、結果的に死者を積み上げているのである。
わたしみたいな傍観者でもイライラがつのるくらいだから、人間として、良心をもった大統領として、こんな状況に耐えるプーチンはそうとうツライに違いない。
台湾有事で同じことが起きたら、アンタはどうする。
アメリカは高みの見物で、日本人、台湾人、中国人が殺し合うことになったら?

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