時論公論
昨夜のNHK「時論公論」を観たら、ロシア専門の解説委員の石川一洋さんが、プリゴジンさんの死についてあれやこれやといっていた。
暗殺だろうというのは、わたしもそう思っているから異論はないけど、プーチン主犯説には納得しかねる。
石川さんの説では、プーチンが「裏切り者に死を」といっていたことを根拠にしていたけど、プリゴジンさんがプーチンを裏切ったことがあっただろうか。
彼はプーチンに直訴しようとして、それが入れられないことがわかると、すみやかにワグネルを撤退させた。
これがプーチンに恨まれるような理由になるだろうか。
かりにいちどはロシア国内の結束を乱したからだとしても、(これはわたしの主観になるけど)わたしにはプーチンが恨みを引きずるような人間には思えないのである。
主観を抜きに具体的にいっても、プリゴジンさんを殺してプーチンの得になることがなにかあっただろうか。
血を見ることなく撤退したおかげで、プリゴジンさんの周囲にむらがり、サインやツーショットを求める市民がいたくらいだし、ロシア国内にもプリゴジンさんを支持する人間が一定数はいた。
それを裏切り者は許さないなどと、まるでギャングの親玉がいうようなセリフで抹殺すれば、つぎの大統領選挙にも影響が出るかも知れない。
ロシアはプーチンのおかげで、ようやくそんなギャングまがいの指導者から解放され、世界に通用するグローバル国家になれたのだ。
もういちど粛清や暗殺の横行する時代にもどりたいと考えるロシア人などいるはずがないし、しかもワグネルはそっくりベラルーシに移動した。
内乱になることもなしにことを収めたプーチンの手腕に、感心する国民はいても、勇気がないと非難する国民がいるだろうか。
ロシア国民が望むのは、執拗に報復を考える男らしい大統領ではなく、敗者にもやさしい温情あふるる大統領ではないか。
それでもプリゴジンさんは殺された。
プーチンがあとになって気がついたとしても、いまはウクライナ戦争のまっ最中だから、内部分裂はまずいというので、彼は怒りを噛み殺して、プリゴジンさんを哀悼する。
プーチンが悲痛な顔をしていたのももっともだ。
というのがわたしの意見だけど、石川さんのいうとおり、真実は戦争が終わって、ずっと先まで公けにならないかも知れない。
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