中国の旅/市場のA
「十六舗市場」は上海最大の食料品市場だと聞いていたから、ここだけは絶対に見に行くつもりでいた。
ところが到着した翌日はその場所が見つからず、さらに翌日、2人のポン引き氏の案内で、ようやく見学することができた。
というわけで、ここではごちゃごちゃいわずに、2回にわけて市場の写真をずらっと並べることにする。
アーケードの下で売っている店もあれば、路上に品物をひろげている店もあって、いささか東南アジア的風景だった。
これが30年まえの中国では普通だったのである。
ひとつことわっておくと、ここに載せた写真は、なんせ30年もまえのものなので、当時はまだパソコンも普及しておらず、わたしは撮り溜めた写真をコダックに頼んでディスクに焼いてもらったり、スキャナーが出てくると自分でスキャンしたりした。
そうした写真をハードディスクに保存したものの、それが手狭になるとさらに容量の大きなディスクに移動したりした。
おかげでファイルはあっちからこっち、こっちからあっちへ、何回移動したかわからない。
そういうわけで、いちおう「十六舗市場」の写真ということになってるけど、同じとき撮影した虹口地区(日本租界)の写真とごちゃまぜになっている可能性もある。
背景の建物などから、あれ、これはべつの場所じゃないかと指摘する人がいるかも知れないけど、理由はそういうことである。
どこであっても様子は似たような、30年まえのものであることは間違いがない。
中国では買い物をする場合、重さをごまかされないように、自分の専用の秤を持っていく主婦が多いという。
日本人には想像もできない、中国の市場というのは丁々発止の闘いの場なのだ。
もっとも最近のようにバーコードやQRコードのついた商品ばかりでは、このよき伝統?もだいぶ廃れただろうけど。
ある場所で奇妙なものを見た。
大きさは3センチくらい、ウシの角のようなかたちをしていて、表皮は栗の実のような質感である。
こっちが質問するまえに売り子が“ヒシ”と教えてくれた。
つまり菱の実なんだけど、日本語で教えてくれたということは、過去にも日本人から、コレなんですかと訊かれたことがあるらしい。
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