中国語会話
わたしが本気で中国語の勉強をしようと思い立ったのは、2度目の上海からもどったころだった。
アナタを愛シテイマスは余計でも、たとえばコレ何デスカぐらいはいえないと、向こうでわけわからないものを見たときに困るのである。
そういうわけで、当時放送されていたNHKの「中国語会話」に目をつけた。
好奇心というのはおそろしいもので、普段はあまり語学の勉強に熱心になれないわたしが、めずらしくテキストまで買ってきて、熱心に打ち込んだものだ。
勉強を始めたばかりのころ、「中国語会話」には、なかに寸劇のようなものがはさまれており、これに親しみやすい顔をしたおじいさんが出演していた。
あとでこの人が中国では国宝とされる名優の朱旭さんであることがわかった。
のちにNHKの大河ドラマ「大地の子」で主人公の育ての親を演じたり、映画「變臉(へんめん)」で不遇な少女を育てて、わたしを感涙にむせばせた人である。
残念ながらわたしが中国語会話を見始めてすぐにシリーズが切り替わってしまったので、朱旭さんを観たのは1、2回だけだった。
その後にアシスタントを勤めたのは上海生まれの才媛である王京蒂さん。
女優でも勤まりそうな知的な美人なので、彼女のアシスタントぶりを観るのは楽しかった。
彼女についての思い出がひとつ。
中国語にはイントネーションの違いで文字を判断する、四声というむずかしい規則がある。
音痴のわたしはこれがニガ手で、中国を旅するときはほとんど無視していたけど、それでもなんとか通じたから不思議。
ある日、この四声をわかりやすく解説するために、王さんの口もとのアップが出てきた。
これがなんともイヤらし・・・・いや、官能的で、毎週の視聴にも熱が入ったものだ。
しかし官能的と思ったのはわたしだけではなかったようで、これはマズイと考えたのか、NHKは口もとのアップを3回か4回で廃止してしまった。
おかげでわたしの中国語もカタコトで終わった。
というのは、これはまあ、NHKのせいじゃないけど。
王京蒂さんの写真を載せようと思ったけど、中国の著名人サイトまで探してもどうしても見つけることができなかった(ここに載せたのは「中国語会話」を録画して1枚に焼いたわたし専用のディスク)。
中国語会話のアシスタントは2年か3年で変わるし、もう20年以上まえの話だものね。
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