ワルシャワの蜂起
イスラエル戦争ではパレスチナに同情する意見が多いから、わたしも口出しを控えているんだけど、アメリカに追従する日本政府(とNHK)は痛し痒しというところ。
いちおう公平な報道機関であるNHKは、かならずニュースのあとにハマスのテロをくっつけて、イスラエルにも擁護する点はあると強調する。
しかしもっと戦争の根本原因を深掘りすれば、圧倒的な軍事力を備えたイスラエルに、弱小国家(国家ともいえない)パレスチナが、自分たちの立場を世界に訴えるのに、ほかにどんな方法があったかというところまで考えなけりゃ片手落ちだ。
テロが悪いというなら、第二次世界大戦でドイツに抵抗したフランスのパルチザンも悪いということになる。
いいや、ユダヤ人自身が似たようなことをしてなかっただろうか。
ここまでいえば、ちょっと詳しい人なら、ワルシャワのゲットーに押し込められたユダヤ人の蜂起を思い出すだろう。
あのときの状況は現在のパレスチナ・ガザ地区によく似ている。
ユダヤ人絶滅をねらうナチスドイツは、ユダヤ人を集めて、ワルシャワにあった狭いゲットーに押し込めておいた。
苦しさに耐えかねたユダヤ人たちは、ついに決起して、ドイツ軍に抵抗を挑んだ(そして全滅させられた)。
ポーランドの映画監督アンジェイ・ワイダの「地下水道」の冒頭に、“悲劇の主人公がそろった、彼らの最後をお目にかけよう”という非情なナレーションが流れる。
おそらくハマスの戦闘員たちも、ゲリラに対して容赦のないイスラエルを相手にしたら、同じ運命だと覚悟していただろう。
病院をかくれ蓑にしたとか、一般市民を盾にした、地下室があったなかったとかは問題じゃない。
そうする以外にどんな方法があったかということをつねに考えてほしい。
ネタニヤフさんは、多少の犠牲は戦争につきものだと堂々といってるではないか。
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