復讐の荒野
録画しておいた「復讐の荒野」という西部劇を観た。
モノクロの古い映画だけど、むしろこういう映画のほうが、まだアメリカの良心が残っていたころに作られたということで、安心して観られる(ことがある)。
これもちょっとひねるのが得意のアンソニー・マン監督の作品で、善悪のはっきりした単純な西部劇ではなく、想像していたよりおもしろかった。
主演は、わたしの歳ではあまり縁のなかった、バーバラ・スタンウィックという女優さんで、彼女が西部劇版のモンテ・クリスト伯爵を演じるという、意表をついたウエスタン。
ドンパチもあることはあるけど、映画の後半は恋人を無理解な父親に殺されたヒロインが、その復讐をしようと決心し、それも武器を使うわけではなく、父親が発行した牧場の債権を失墜させて大損をさせるというトレーダー的やり方。
マン監督はここでも敵対する人間同士の一方だけをワルとは描かず、いずれの側も血の通った人間として描いている。
少々荒っぽい筋書きも目立つけど、最近のウクライナ戦争のように、単細胞的な世界観のアメリカよりよほどマシだ。
人々を納得させるには公平で客観的な姿勢というものがなにより必要なんだよと、あ、これは日本の公共放送へ。
ところでBSのプレミアムがどっかに行っちゃったね。
4Kというところに移動したらしいけど、うちのテレビじゃ映らないらしい。
いまさらわたしみたいなじいさんが、家電メーカーとNHKの謀略にのせられて新しいテレビを買っても仕方がないし、精緻な画面で偏向報道を見せられるのもイヤだから、たぶん死ぬまでこのまま。
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