他国の文化
NHK-BSの「世界ふれあい街歩き」に中国のシルクロードが出てきた。
わたしはちょうどブログでシルクロードの連載をしているときだから、最近の敦煌の映像を観られるのではないかと、期待して観た。
ちょっと雰囲気が違ったねえ。
敦煌の町はわたしが行ったとき(1997年)よりは変わっていたけど、走っている車なんか見ると、現在の最新のものとは思えない。
ひょっとするとと思って、録画してあった敦煌の出てくる古い「ふれあい街歩き」を観てみたら、案の定この映像を編集しなおして、新しいシリーズに見せかけたものだった。
いまのように目の色を変えて中国にケンカをふっかけている状態では、中国は日本(NHK)の番組取材を許してくれないのではないか。
うーんと考えてしまうけど、もしかするとわたしたちは、中国の文化や歴史に触れる機会を自らの手で封印してしまったのかも知れない。
中国はなにもしてないのに、ただ一方的に日本はアメリカの肩を持ち、あらゆるでっち上げで中国を敵対視する。
台湾をおびやかしているって?
ただ台湾はウチの領土だといってるだけで、口でいうだけなら、日本だって70年も北方四島はウチのもんだといってるよ。
他国の文化に触れる機会をみずから失わせる。
これの損失はどのくらいのものだろう。
先日のNHKはチャイコフスキー・コンクールに入賞したピアニストまで動員して、ロシアの悪口をいわせていた。
彼女はロシア人の教師に教えを乞うたことがある人だから、ロシアに恩義を感じていていいはずで、本来ならこういう立場でNHKに出てくるべきではなかった。
利用できるものはすべてプロパガンダに使うというなら、これだけ見ても汚職大国ウクライナの勝ちはないことがわかる。
スラブ人の文化のなかには、クラシック音楽やバレエのように、他国を寄せつけない素晴らしいものがある。
肩をいからせて戦争に突き進むほうが、若者たちからそういうものを観る機会を失わせるよりもマシだというんだろうか。
相手が憎らしいからといって、その文化まで否定するような欺瞞はいいかげんにやめてほしいね。
他国の文化を享受することのできたわたしの世代は、そのうち死に絶えるだろうけど、コロナ騒ぎのとき、「山川異域 風月同天」という漢詩をそえて、中国と日本が医療品やマスクを互いに融通しあったという、あまり知られてない美談をなつかしく思い出すよ。
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