ハコベのおしたし
春遠し花に無慈悲な氷雨かな
また冷たい雨に逆戻りだけど、部屋に降りこめられて、もうヤケで昼風呂に入ることにする。
うだつの上がりそうもない生活パターンだけど、そんなもんとっくに放棄してるわサ。
わたしの部屋のまえの花壇は、わたしが草むしりに熱心だからわりかし雑草は少ないけど、団地のとなりの棟ではだれも草むしりをしないから、いまの季節になると雑草がのび放題。
その中でひときわ目立つのがハコベだ。
調べてみたら春の七草のひとつで、食用になるらしい。
ためしにひと茎を摘んでみると、そのまま食べられそうなくらいみずみずしい。
これはいいと、ほうれん草のおしたしに目のないわたしだから、今日はひとつハコベのおしたしを作ってみた。
材料は昨日のうちにたっぷりと、20分ほどで3食分になるほど集めてあった。
ちなみにこの名前は、「おしたし」なのか「おひたし」なのかという論争があるらしい。
わたしの郷里では“おひたし”が正道だと思ったけど、中原中也の詩には“おしたし”で出てくる。
詩人に敬意をあらわして、わざと“おしたし”を使うことにした。
ああ、またわたしの役に立たない知識を披露してしまって。
出来上がったおしたしを食べてみた感想は、以前河原に生えている菜の花でおしたしを作ったことがあり、それはほろ苦くて春の香りがしたものだけど、ハコベのほうはほうれん草のようにクセのない味で、わるくない。
無料だと思うとよけいわるくない。
いや、けっして金がないわけじゃないんだけどね。
まだ生活保護はもらってないぞ。
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