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2024年5月22日 (水)

未来の政治

昨夜のNHK国際の報道では、アメリカではバイデンさんとトランプさんの勢いが拮抗しているらしい。
いくらかトランプさんのほうが優勢らしいけど、NHKの報道ぶりをみると、どうもNHKがいう以上にトランプさんのほうが優勢なんじゃないかね。
どうしてもバイデンさんに勝ってもらいたいNHKの欺瞞体質は、この2人の報道に如実にあらわれているみたい。

NHKの高木優ワシントン支局長がトランプさんのもと閣僚にインタビューしていたけど、バイデンさんは気候変動対策に熱心で、トランプさんはそうではないそうだ。
これはまあ、間違っているわけではない。
トランプさんは科学の知識が皆無の大統領で、バイデンさんは、たしかに気候変動対策に重きをいって若者の支持を集め、かろうじて大統領選挙に勝った。
ところが勝ったとたんに豹変して、ウクライナ支援にのめりこんだ。

それはたまたまタイミングが悪かったのだ。
ロシアがウクライナに侵攻したから、米国の大統領としては、ウクライナを優先しないわけにはいけなかったのだという人がいるかな。
アホいってんじゃない。
ウクライナがヨーロッパでも特に有名な汚職国家で、オリガルヒに食い物にされる破綻国家だったということは、いくらでも証拠がある。
逆にロシアは、いろいろいう人がいるけど、マクドナルドもケンタッキーも、ユニクロやトヨタの販売店さえあって、ふつうに働けば誰でも安心して暮らせる法治国家だったという証拠もある。
アメリカが無用の煽りをしなければ、ウクライナの若者の多くが、いまも(日本のように)政治にブウたれることはあっても、何事もなく平穏に暮らしていたはずだ。
ウクライナの優先順位を先にまわすような価値があっただろうか、しかも遠くはなれたアメリカが。

NHKの拠り所になっている民主主義は、いったいどうなってるんだろう。
どうやらソ連が崩壊して冷戦が終わり、アメリカがゆいいつの軍事大国になったときが、同時に民主主義の終焉の始まりでもあったようだ。
冷戦の最中はアメリカも相手よりいいトコを見せなければならないから、まじめで公平なことばかりを見せつけていた。
ヘンリー・フォンダやグレゴリー・ペックの活躍する映画が華やかなりしころで、わたしもそのころのアメリカをいい国だと信じていたもんだ。

しかし独裁政権はかならず堕落するという格言がどこかにあったように思うけど、それは米国も例外ではなかったのだ。
途上国というのはたいてい人件費が安く、同じ製品でもそのぶん安く作れる。
その利点を利用してみずからも豊かになろうというのを、先進国がジャマするのはフェアじゃない。
一強におぼれたアメリカは、今度は他国の繁栄にいちゃもんをつけ始めた。
途上国が保護貿易に走るのは、先進国になるためにどうしても通らなければならない関門で、日本だって過去に西欧といくつもトラブルを抱えている。
たとえば車、日本車が売れるようになると、アメリカは手を変え品を変えして難癖をつけた。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」という作品には、先に行った人間があとから来る者を叩き落とそうとして、天罰を受けるシーンがある。

中国が近い将来一強になるのは確実と思えるけど、そうなると心配なのは、今度は中国が堕落しないかということだ。
いまはまだ相手よりいいところを見せなければいけないから真面目だけど、セオリーに従えば中国も確実に腐敗する。
人間が政治をするかぎり、これは絶対に起こる問題、と書こうとして、ふと思い当たった。
人間が政治をやるからいけないのだ。
昨今取り沙汰されているAIの発達は、未来の地球政治はコンピューターにおまかせという時代の先駆けじゃないのか。
人間がやるから堕落するのであって、機械がやればすべての人類に平等で、どこの誰も文句をつけることができない。
これではSFだけど、このくらいのことを言っておかないと、死んでも死にきれんよ。

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