ものの見方
あいかわらずNHKの報道は異常に偏っているな。
フィリピンと中国の対立問題について考えてみよう。
中国はスカボロー礁を強引に自国領に編入しようとしている、それに弁解の余地があるのか、というのがおおかたの見方だろうけど、さてどうだろう。
つい先日まではフィリピンは、重要な貿易相手国の中国とコトを荒立てるより、実利をとったほうが得だということで、ゴタゴタいうのを控えていた。
それではおもしろくないのがアメリカ(と日本)だ。
なんとかしてBRICSやグローバルサウスから引っ剥がせそうな国はないかとつねに注目していて、先日のインドの選挙ではモディさんの人気にかげりが出たから、ここならどうかと思ったけど、モディさんがトップにあるかぎり難しい。
ほかにないかと探してみたら、フィリピンがなんとかなりそうだ。
ここはいま現在、スカボロー礁をめぐって中国と係争中だし、むかしアメリカの植民地だったこともあって、いまだにアメリカを盲信している国民も多い。
ドゥテルテ大統領のときだいぶ一掃されたけど、いまでも国をひっかきまわすのに便利なギャングも多い(中南米に危険な国が多いのはアメリカが近いせいだというわたしのブログ記事を参照)。
フィリピンなら引っ剥がせそうだというので、さあ、西側の猛烈な働きかけが始まった。
このままではスカボロー礁は中国のものになってしまうぞ。
そうされないように環礁の上に、フィリピンのものだということを確定させる建造物を作ってしまえ。
なに、問題はない、日本だって沖ノ鳥島でやっているさ。
相手がグラついたのを見て、働きかけはさらに激しくなる。
フィリピンは言われたとおりに、環礁の上に建造物を作るための資材を運び込もうとした。
中国もおどろいた。
このあいだまで特に文句も言ってなかったフィリピンが、いきなり強引な姿勢を見せ始めた。
これは西側が背後でなにかいってるなと警戒を強める。
つまりフィリピンの沿岸警備隊と中国の海警局の船の衝突も、昨今の対立思考が生んだ結果じゃないのか。
この事件の続報を見ると、フィリピンは水や食料を持ち込む場合も、あらかじめ中国に通報すると言い出した。
ということは、これまでは無断でなにやら持ち込もうとしていたことになる。
そのため中国側の警戒を呼び起こしたんじゃないか。
なんかの会議で、参加していた日本の海上保安庁が、危険だから中国は放水銃の使用をヤメロといったら、放水銃をいちばん最初に使ったのは日本じゃないかと切り返されていて、これはおもしろかったな。
問題は中国の言い分がまったく報道されず、西側のマスコミはフィリピン側の取材だけを根拠に、一方的に中国を責め立てていることだ。
わたしが異常に偏っているというのはこういうことなんだけど、これからはあらかじめ通報するというんだから、フィリピンもゴタゴタを拡大させるつもりはないようだ。
小さな環礁にこだわらなくても、日本がロシアに向かって、北方四島はウチのもんだと訴え続けているように、フィリピンは文句をいいつつ、中国とうまく共存していけるはずなんだよ。
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