われ思う、ゆえに
年齢的にわたしは団塊の世代ということになるらしい(いまでも若い娘を見ると目ん玉ギラギラなんだけどね)。
わたしは頭がよくないし、学歴もない。
そんなわたしがいまの若者に誇れるものがあるとしたら、経験とそこから導き出した知識ぐらいしかない。
わたしひとりの人生のうちにもいろんな事件が起こった。
敗戦直後の貧しい国から、じょじょに発展し、欧米を追い越し、世界の奇跡といわれ、さらにそれがまたじょじょに衰退していくさまを、リアルタイムで眺めてきたのだ。
さらにベトナム戦争、フォークランド紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナのジェノサイド、湾岸戦争など、みんなわたしの時代に起こったことだ。
こういう経験の多さでは若い人たちよりマシだと思う。
だからいまの日本を見ると、黙ってはいられない。
太平洋戦争はわたしが生まれるすこし前まで続いていた。
子供のころ郷里の有名な寺院に行くと、門前で白い浴衣を着た傷痍軍人たちが、アコーディオンを弾きながら物乞いをしていたものだ。
野坂昭如さんの「火垂るの墓」は、まだ現実にわたしの周囲にあったのである。
いまの世間はなにも考えずに、わたしが生まれるまえに来た道をたどっているように見える。
戦争になればわたしが見てきた美しい日本、美しいこの地球を見ないまま、大勢の若者たちがあの世行きになってしまうだろう。
それはあまりにモッタイナイ。
わたしには家族がいないから放っておいてもいいんだけど、たとえ他人の子供や孫たちであっても、わたしが感動した美しい景色とやらを見せてあげたい。
余計なことは承知のうえで、わたしに残された(少しでも)意義あることといったら、経験から学んだことをつぎの世代に伝えるしかないのだよ。
あろうことか、運営者はわたしと同じ世代と思えるにもかかわらず、戦争を煽り、他人に対して憎しみを植えつけるようなブログもある。
わたしも古い常識をそなえた世代だから、忸怩たる気持ちもあるけど、残り少ない時間を考えると、そういうブログを名指しで非難するしかないのだ。
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