ゴミ集積場
ゴミの集積場にヒモで縛った古本が出してあった。
最近のわたしは読みたい本があれば図書館に行き、めったに新刊は買わないんだけど、この集積場にはときどきむずかしそうな本が出してあるので、同じ団地にけっこうな知識人が住んでいるらしい。
わたし同様、かっては本の虫だった人が、歳をとって、手持ちの本を泣く泣く処分しているのであろう。
いちおうなんか読みたい本がないかと調べてみた。
枕にでもなりそうな大型の英語辞典があったけど、あまりに古風で大きすぎるので、それは無視して、拾い出したのが新人物文庫(こんな文庫があるんだね)の「信長公記」。
司馬遼太郎の「街道をゆく」にしばしば引用されている本だから、名前は知っていた。
安い文庫本だから読もうと思えばいつでも読めたのに、とうとういちども読まないまま、わたしも爺さんになってしまった。
いま部屋でぼちぼち拾い読みしてるけど、これはおもしろい。
生きているうちに読めてよかったと感動するほどじゃないけど、タダかと思うとこれはありがたいと感動してます。
あとで大判の英語辞典も欲しくなり、あわててゴミ集積場に行ってみたら、もう1冊も残ってなかった。
この間せいぜい2時間、業者が回収したのか、残念しごく。
英語の字引として使うのではなく、中の記述を読んでいると、いろいろ時代の変化を感じとれたかも知れないのに。
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