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2024年7月 3日 (水)

昨日のNHK

マッチポンプという言葉がある。
文字通り自分で火をつけて自分で消すことだ。
ウクライナ戦争が始まって、日本でもマスコミ(NHKが筆頭だ)やSNSを観ると、やたらに現れる。

昨夜のNHKニュースウォッチ9には、ついに新疆ウイグル自治区が出てきた。
ついにというのは、世間に多い中国ギライ、もう理屈もクソもない、とにかく中国がキライという人たちのことだけど、彼らが中国をけなすのにゼッタイに持ち出すのが少数民族問題だからだ。
この日に備えてわたしはネットで反論できる材料を見つけるたびに、収集しておいた。
ひとつ例を挙げておくと、ほかならぬNHKが放映した番組についての、わたしのブログ記事がある。
過去ならいざ知らず、現在の中国が少数民族を迫害しているということは、ないばかりか、むしろ少数民族の扱いに非常に苦労しているといったほうがいいだろう。

昨夜のニュース9は、もう始めっから中国を貶めようという魂胆ありありの報道。
それが度を越して、いささか混乱しているように思えた。
NHKは記者を新疆に派遣して現地の状況を取材させる。
現地では、あ、尾行がついてます、あ、あそこにも、あ、こちらにもというんだけど、最初から相手の欠点だけを探そうという放送局が行くのだから、相手が警戒するのは当然だろう。
マッチポンプというのはこういうことをいうのだよ。
むしろちゃんと取材させてくれたことに感謝すべきじゃないかい。

ウイグル自治区では女性たちがスカーフを巻いてない、これは中国政府がイスラムの伝統を消し去ろうとしている証拠だという。
バカいってんじゃない。
ウイグル女性にしてみれば、これは窮屈な伝統からの解放で、中国政府に感謝したいくらいじゃないか。
わたしのブログを読めばわかるけど、どこの世界の女の子も、頭に巻くスカーフなんか強制されたくないんだよ。
髪を風になびかせたウイグル女性の美しいこと。
おとといの国際報道では、国連の会議に出てきたタリバンに対して、あいかわらず女性にヒジャブを強制するのはケシカランと正反対のことをいっていた。
もう支離滅裂だな。

もうひとつかならず持ち出すのが、漢族が政府の要所をみな占めて、ウイグルはそのほかの些細な仕事しかまかせられないというものがある。
これはある程度はやむを得ない部分もあるのだ。
かりに公平で民主的な選挙をしたとしても、いちばん数が多いのは漢族なんだから似たような結果にるだろう。
どこかの大学教授が出てきて、習近平がいるかぎりウイグルの境遇は変わらないという。
大学教授にも利口でない人がいるらしい。
キンペーさんはウイグル暴動のとき、まだ最高実力者ではなかったし、彼がトップの地位についてから、すべての少数民族を豊かにすると宣言し、ウイグル族もじっさいに豊かになったようである。
ニュース9の中でも、最近のウイグル族はGDPが10年まえに比べると4倍に増え、ウイグル個人にインタビューしてみても商売繁盛はいいことだと嬉しそう。

これではいかんと、ケチをつけるのに事欠いて、2009年のウイグル暴動の映像まで引っ張り出した。
砂漠の中に鉄条網で仕切られた無数の建物が作られている、これは反中ウイグル人の収容所だという。
オーストラリアの戦略政策研究所がそういってると無条件で信じてるんだけど、◯◯研究所と名のつくものは、どこの国でも政府の一部門で、その国の政策を後押しするためのものだ。
ちなみにわたしがNHKの御用解説者と揶揄する兵頭慎治サンは、日本の防衛研究所の所属である。
だいたい鉄条網までわかるなら、収容者の出入りや日常、グアンタナモみたいにリンチが常態化されてないかなど、もっと具体的なことまでわかりそうなものだ。
そういうことはみんな無視して、仲良しクラブの西側の意見だけは尊重するんだね。

わたしは1997年、2000年、2002年と3回新疆ウイグル自治区に旅をしてきて、2009年のウイグル暴動の原因のようなものを感じとってきた。
そのうちわたしのブログの中国紀行に書くつもりだから、興味のある人は読んでみるといい。

いったいどうしてNHKはこんな放送局になってしまったのだろう。
最近の世相を眺めると、西側の国のすべてで極右が台頭とか、日本では都知事選挙を見ても、まるっきりカオスでコメディを見てるよう。
プーチンのロシアや、習近平さんの中国のほうがよっぽどまともな国に見えるのはわたしだけか。
わたしたちは視聴料を払って、戦争への道にひきずられているわけだ。
台湾有事までこんな調子が続くかと思ったら、若い人たちはウクライナの2の舞であることを覚悟をしておくんだね。

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