またありんくりんサン
オリンピックでNHKがそっちに熱中してネタ不足のとき、その代わりとなるのが「ありんくりん」サン。
あまり聞きなれない“エネルギー・ドミナンス”なんて言葉を持ち出して、読者を煙にまこうとしているけど、またしてもカルト宗教の本領発揮だ。
今回の記事では、いったいトランプさんの味方なのか、バイデン=ハリス陣営に勝ってもらいたいのか、結論がさっぱりわからない。
わたしが見たところ、トランプさんもバイデンさんも、エネルギーや環境問題について無知なことはいっしょだ。
バイデンさんの後釜のハリスさんはまだわからないけど、こちらもあまり期待はできない。
もと大統領候補だったゴアさんを除けば、いったいアメリカに本気で環境問題を勉強した政治家がいるんだろうか。
トランプさんは単純無知だけど、バイデンさんは選挙に勝つまで温暖化阻止をうたっていて、勝ったとたんに兆がつく金額、温暖化対策につかえばもっと使い道のあったはずの金を、汚職大国ウクライナに注ぎ込んだ(注ぎ込んだ金の一部は献金という名目でバイデンさんにもどってくる)。
アメリカのリベラルな学生たちが失望したのは、まだつい最近のことじゃないか。
ありんくりんサンは中国が世界最大のCO2排出国だといっている。
同様のことを以前にも書いていたけど、これはおかしい。
中国とアメリカでは人口が違うので、人口比で考えれば、世界一はアメリカである。
つまり中国の人口の1/3しかないアメリカが、中国の半分のCO2を排出しているということだ。
こういう言葉のごまかしはカルト宗教の常套手段だから注意をしたほうがいい。
ちなみに日本は中国の1/10の人口で、CO2の排出もほぼ1/10だから、同レベルにある。
まだある。
アメリカが映画「ジャイアンツ」で描かれたように、テキサスの油田ブームに沸いたのは1900年代の初頭だ。
それから100年ほどで、アメリカは通常の石油を採算がとれないくらい掘り尽くして、石油輸入国に転落した。
いまシュールガスという新しい石油(天然ガス)掘削技術が開発されて、アメリカはまた石油大国に返り咲いたけど、しかし考えてほしい。
シュールガスはないものを無理やり絞るようなもので、これを掘り尽くしたら、もうあとはないのだ。
米国が掘り尽くすまで、また100年も余裕があるだろうか。
さらにシュールガス掘削は、環境や水質、地球温暖化などにひどい悪影響をもたらすといわれ、けっして自慢できるものではない。
中国はシュールガスの埋蔵量でも世界一だけど、まだそのほとんどに手をつけておらず、CO2削減のためにEV(電気自動車)に力をそそいでいる。
現時点では電気は石油に変わるエネルギーにはなり得ないけど、たとえば将来、核融合発電や太陽光から直接エネルギーを取り出すような技術が発明されても、EVの技術は役に立つ。
少しでもCO2を減らそうという中国の努力を、無知な右翼サイトが馬鹿にするもんじゃない。
わたしだっていちいちありんくりんサンに難癖をつけたいわけじゃないけど、彼のブログは、データやグラフを多用し、聞きなれない言葉を駆使して、一読すると事実ではないかと思えてしまう。
これがカルトというものなんだけど、若者たちに与える影響も大きいだろうから、わたしとしてはいちゃもんをつけないわけにはいかないのだよ。
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