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2024年8月17日 (土)

グランパより

咲夜は録画した「グランパの戦争/従軍写真家が残した1千枚」というNHKのドキュメンタリー番組を観ていた。
太平洋戦争に従軍した米国のカメラマンが残した悲惨な戦争写真を、カメラマンの孫娘が日本を訪ねて、写真に撮られた日本のその後のありさまを見てまわるというものなんだけど、なんといったらいいのかねえ。
バカバカしいといったら怒られるか。
似たような内容の映画に「永遠のゼロ」というのがあったね、あまり感心しない映画だったけど。

わたしは団塊の世代なので、戦争こそ知らないものの、若いモンより見たり読んだり体験してきたことは多く、ほかに取り柄のないわたしにとって、それだけが若いモンに自慢できることなんだよ。
この番組の中に出てきたような悲惨な光景はまだまだ生ぬるいのだ。
わたしがじっさいにリアルタイムで見聞きしたベトナム戦争、ボスニア紛争、イラク戦争などをとっても、この番組よりはるかに悲惨な写真や映像がたくさんある(カラーフィルムの時代だから当然だ)。
それだけではなく、戦争の影の部分、戦後に身寄りもないまま放り出された女性や子供たちが、生きるためにどれだけ苦労したかなんてことも知っている。
知らなければ本を読め。
野坂昭如さんの本でも読め。

この番組で描かれていたことなど、いつの時代にもどこの国にでもあった。
女性がレイプされる、戦後は売春婦に身を落として、かっての敵、自分の父や兄を殺した相手に身をささぐなんてこともいくらでもあった。
だからこの番組を観ても感心はしなかった。
バカバカしいと思った最大の理由は、ほかならぬNHKが、言ってることと正反対のことをしているからだ。
もっともらしいことを言いながらNHKは、ウクライナ戦争では戦争を長引かせてスラブ人同士の殺し合いを煽るだけ、イスラエルでもパレスチナに同情するような顔をして、本気でイスラエルに抗議するようなことはいっさいしていない。
とくにパレスチナの虐殺なんか、これほど白黒のはっきりした戦争はないんだから、もっと死にもの狂いで制止したらどうなんだ。

わたしの発言など台風のまえのローソクの火のようなものだろうけど、それでも精いっぱい戦争が繰り返されないよう、ブログで声を張り上げてきた。
さいわいわたしはつぎの戦争を知らずに死ぬだろう。
本来ならこれはキミたちが叫ぶことなんだよ。

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