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2024年10月 4日 (金)

曼珠沙華

雨模様なので深夜の徘徊は休み。
SNSにはあいかわらずどれが真実かわからない情報が氾濫しているので、いいかげん頭を休ませたい。
そういうときはなにをするか。

ひとつ死んだ知り合いのことを考えてみることにした。
政治家や映画スターなどのような、世間に知られた有名人ではなく、ほんとうにわたしの周囲にいた知り合いのことである。
こうやって対象を絞っても、なつかしい顔に不自由はしない。
若いころはまわりも若い知り合いが多いから、死んだ知り合いも多くはなかったけど、このトシになると、とくに男では生きている人間のほうが貴重ということになる。
あいつも、あいつもと、指をおって数えてみると、音信不通になっているあいだに、とっくに死んでいた者もいて、ひとりひとりの顔を思い出すたび、死に遅れた特攻隊兵士のような気分になる。

わたしはどうも他人に嫌われる性格らしく、生前にこころを許した知り合いは多くない。
中にはわたしを徹底的に軽蔑したまま、先に行った者もいるだろう。
許しを請いたくてももう連中はみんな墓石の下なのだ。
おりしも今年は花壇におそい彼岸花が満開だ。
  もの思う夜にそぼぬる曼珠沙華
ヘタな俳句をひねっていると、いくらかはこころが紛れる。

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