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2024年12月 3日 (火)

我田引水

ココログのありんくりんサンが、「石川雅一のシュタインバッハ大学」というSNSを参照して、なにか書いていた。
この石川雅一サンという人の発言は、いつもNHKがやっているような単純なデタラメばかりなので、気になって調べてみたことがある。
いったいシュタインバッハ大学というのは実在するのだろうか、そしてこの人との関係はどういうことなのだろう。

この地名はドイツに本当にあるらしいから、大学があっても不思議じゃない。
しかしわたしがざっと調べたかぎりでは、石川サンとこの大学を結びつけるものがひとつも見つからなかった。
もし勝手に大学の名前を使っているなら、大学から告訴されてもおかしくないくらい、インチキもスケールが大きい。
大学が存在しなければ、そもそも告訴もヘチマもないわけだけど、詐欺はでっかくやるほどカモが引っかかりやすいという格言もある。
だれかそのへんの事情を知っている人がいたら教えてほしい。

本人については、ちょっと古い写真が見つかったけど、NHKにも勤務したことのあるジャーナリストで、日本国内ではきもの史研究家なんていう異色の経歴も持つ人らしい。
このもとNHK記者という肩書きがすでに胡散くさいね。

彼のいうことがデタラメというのは、ほとんど1日おきぐらいに映像を発信していて、それがNHKが報じているデタラメと似たようなものだからだ。
たとえば最近では、シリアで反政府クーデターが起きたことを取り上げているんだけど、アサド大統領の宮殿を反政府軍が占拠したといって、その映像を上げていた。
しかしアサド大統領の宮殿があるのは首都のダマスカスである。
アレッポに別荘ぐらいはあるかも知れないけど、ここはシリア内戦でもっとも激しい戦闘が行われたところだ。
2016年にロシアの支援で内戦はいちおう終結したものの、いまでも反政府勢力の残党がうろうろしていておかしくないから、第3者がそれをそそのかすことも容易だと思われる。
おそらくクルスクに侵入したウクライナ軍のように、ここが手薄だ、ここなら占拠しやすいなどと手引きした者がいるのだろう。

アサド大統領は就任以来、さまざまな反政府勢力と闘ってきて、いちじは国内の半分以上を敵に奪われたこともある。
それでも反政府側にISのような残虐な勢力が加わったため、アメリカが手を引かざるを得ず、ようやく劣勢を挽回したところだった。
アレッポのような地方都市が占領されても、ダマスカスに危険が迫らないかぎり、アサド大統領が逃げ出すわけがないのである。

「石川雅一のシュタインバッハ大学」が、眉にツバをつけてみなければいけないことは確かのように思える。
こんなSNSを、自分の主張に都合がいいからと、参照するほうもどうかしている。
わたしは特定の相手にいちゃもんをつけているのではなく、こんなデタラメの通用する世間に対して苦情をいっているんだよ。
あー、疲れる。

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