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2024年12月10日 (火)

昨日のシリア

『各国、シリア政権崩壊を歓迎』
昨日のネットニュースの見出し。
この各国というのがEUや英国、フランスなど、アメリカの肩を持つ西側先進国ばかりという点に着目。
再建支援の用意を表明したそうだけど、金はあんのか、金は。
ウクライナに支援したおかげで、アップアップしてないか。
そんなだから、これ以上外国に支援したくないという極右が台頭しちゃうんだよ。

他人が喜ぶと水をぶっかけたくなるイケナイ性格のわたし。
シリアの民衆はアサド政権崩壊を大歓迎しているそうだ。
しかし同じ光景は過去にあちこちで見たことがある。
ルーマニアのチャウシェスクや、イラクのフセインや、リビアのカダフィが倒れたときも、民衆は広場に出て支配者の偶像を倒し、通りに出てカラシニコフをぶっ放した。
で、あとがすんなり民主主義国になれたかというと、イラクみたいにさらにゴタゴタした国もある。
そもそも複雑な部族社会でなかなか国がまとまらないから、独裁者が力で押さえつけていたんだろ。
そんな国からいきなり重しがはずれたら、喜ぶのはテロリストやギャングだけ。
国民はかえって生活が不安定になるのと違うか。

プーチンはかってのアフガニスタンの再来を狙ってんのかも知れない。
アフガンでも最初はロシアがここを制圧しようとした。
11年も戦ってどうにもならず、アメリカにあとをまかせて撤退した。
アメリカもけっきょく20年戦ってどうにもならず、不名誉な撤退をすることになった。
砂漠という過酷な環境で育った部族社会は、文明社会で甘ったれて育った先進国の墓場なのだ。

SNSやマスコミ報道を見ても、アサド政権の崩壊は、ロシアの中東での足場を失わせたとか、ウクライナ戦争にかまけてロシアの弱点が露呈したなどと大喜び。
ここでもロシアをあげつらうばかりで、アメリカや西側の事情をいう報道はほとんどないね。
アメリカだって以前のアメリカじゃない。
トランプさんはよその国には干渉しない主義だ。
シリアもいちおうアンチ・アメリカのイスラム教の国だし、はたしてロシアがいなくなったあと、すんなりそこをアメリカが引き継げるかどうか不透明。
ま、当分は勝者たちによる分け前の争奪戦になることが必至。
いまはお祭り騒ぎのシリア国民は、アサド時代よりさらに抑圧的な政権に悩まされるのではないか。
と、これが常識的な見方で、NHKも同じようなことを言ってるけど、ただしつねにロシアより後まわし。

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