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2024年12月 9日 (月)

事実は

あっけにとられるアサド大統領の逃亡。
それ見たことか、ロシアはウクライナで手いっぱいで、とてもシリアの支援までやっちゃいられないのだと、得意になって吹聴する人がいそうだけど(トランプさんもそうらしい)、しかしわたしはここでもプーチンの冷徹な計算があると思う。
たとえば、こんな考えはできないだろうか。

もしもロシアが徹底的にアサド大統領の支援をすると約束したらどうなる?
ふたたびシリア内戦の勃発だ。
ロシアとアメリカが双方の勢力を支援したために、長い内戦が続いていたシリアで、また何年にもわたって、シリアの兵士の死体が積み重なることになるのだ。

どこかで見たような景色だと思わないかい。
そう、立場が変わっただけで、ウクライナの場合とまったく同じだ。
ウクライナ戦争を正当化したいプーチンにとって、自分がバイデンさんになるのだけは避けたい。
そこでロシアはシリアを支援しないとアサド大統領にいい含める。
ロシアの支援がなければ勝てそうもないから、アサド大統領はさっさとあきらめて亡命を決意する。
あきれるほど簡単にシリア政府軍が崩壊したのは、これが原因だ・・・・とは思えないか。

話にはまだ続きがある。
簡単にシリアを掌握した反政府勢力のことだけど、いったい反攻の主体はどこのグループだったのだろう。
反政府勢力といっても実体は、イスラム武装勢力のHTSや、シリア自由軍(SFA)、アルカイダ、クルド人勢力、ISなどさまざまなグループの寄せ集めで、主役が誰なのかもよくわからない。
あまりに勝利が早すぎて、とくに戦果を上げたとか犠牲が多かったグループもおらず、これでは自分たちの戦果を誇ることもできない。
挙げ句の果てに取り分をめぐってたちまち内部分裂だ。
国民もすぐにアサド時代のほうがマシだったと思うようになる。
アサド政権は独裁だったというけど、少なくとも国民にヒジャブの強制や、女子の就学禁止、インターネットの利用制限などはしてなかった。
そのころになってウクライナ戦争が終わっていれば、アサド大統領は大手をふって凱旋してくることも可能だ。
最後のほうはいささかSF的かも知れないけど、どう、こんなところでちゃんと辻褄が合わないかい。

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