一帯一路へ
日本もBRICSに参加して、中国の一帯一路政策に協力するべきだ。
というと、ふざけるな、中国なんぞの風下に立てるかという人たちが、きっといる。
いったいいつまで日本が世界の大国であると信じてるのか知らないけど、ここではとりあえず日本と中国を棚に上げて、未来の地球について考えてみよう。
宇宙から見た夜の地球の写真を見たことのある人もいるだろう。
日本やアメリカ、ヨーロッパの大都市は光があふれてまばゆいくらい輝いているのに対し、北朝鮮のようにまだまだまっ暗なところもたくさんある。
光の分布がそのまま地上の発展の度合いを物語っているのだ。
しかし光があればいいってもんでもなし、わたしには地球のエネルギーを無限に使いまくっているんじゃないかとゾッとする部分もあるんだけど、わたしの部屋もその光のひとつなんだと思えば文句もいえない。
日本、ヨーロッパでは物流や通信のインフラがほぼ完成していて、ネットワークが網の目のように発達している。
残念ながらユーラシアやアフリカ大陸にはまだそうなってない場所がたくさんある。
しかしユーラシアとアフリカは地続きなのだ(ヨーロッパもそうだけど)。
以前作家のポール・セローとアフリカをバーチャル旅行してわかったことは、近年ではアフリカでも大学を出て、教育熱心な政治家がどんどん増えているということだ。
日本にやってきたチャドやナイジェリアの政治家は、彼らをグローバルサウスからひっぱがそうとするNHKのアナウンサーを、歯牙にもかけないくらい堂々と受け応えをしていた。
おそらく未来の地球では、ヨーロッパ、ユーラシア、アフリカを結ぶ壮大なネットワークが完成して、対馬トンネルが開通していれば、東京からアフリカ南端のケープタウンまで、列車で行くことも可能になっているに違いない。
ここで中国の“一帯一路”が出てくるけど、いまはまだ遅れている地域にもネットワークをつなげようと、いま中国がやっているのはそういうことではないか。
アフリカを縦につらぬく鉄道を完成させようとしたセシル・ローズの夢にも、けっしておとらない壮大な計画だ。
それなのに、日本がかたくなに中国なんぞにと言っていていいものだろうか。
物流ひとつをとっても、ネットワークの一部になったほうが得策なのはいうまでもない。
さいわいいまの日本は、中国、ロシアを含めて、世界のなかでももっとも敵のいない国だ。
つまり中国人もロシア人も、一般国民はみんな日本が好きなんだよ。
この機会をとらえて、最近せせこましい考えにとりつかれている日本人も、思いきり壮大な夢の実現に参加したらどうなのだ。
そんなことをすれば得をするのは中国だけだという人は、胸に手を当てて、そのこと自体がせせこましい考えということを考えてみればよい。
まごまごしていたら日本はアジアの、いや世界の孤児になってしまうだけだ。
いまはインターネットで、通信の分野が世界をつなげている。
これを運輸や人の往来の分野までつなげてこそ、世界のすみずみまでも結ぶ完璧なネット社会が完成するんだ。
地球そのものが生物だと考えれば、ようやく血管が肉体のすべてに通った生きものの完成ということになるだろう。
これはわたしのとっぴょうしもない個人的願望かも知れない、と考えたところで、もうひとつのビジョンが開けてきたけど、それは次回にしよう。
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