アイディア
昨夜は深夜の徘徊に出ようとしたら、雨がしとしと。
出鼻をくじかれて、いつも通り部屋でひきこもることにした。
部屋でなにをするか。
ヒマなので映画のストーリーなんぞを考えてみる。
最近のSF映画はわたしには荒唐無稽すぎて、はじめから観ようという気になれないものばかりだ。
せっかくCGが発達して、どんな映像でも作れるんだから、「2001年」に匹敵するような高尚なテーマのものは作れないだろうか。
「スターウォーズ」や「ターミネーター」のように、やたらにドンパチさえあればいいってもんではない。
観ながら深遠な思索にふけられるようなものがグッド。
ということで、わたしが考えたアイディアが、再生可能なエネルギー・システムが完成した近未来の物語。
日本近海の南の島に巨大な海中の水力発電所が完成している。
潮汐の関係で定期的に潮の急流が起きるところならどこでも、たとえば鳴門海峡あたりを舞台にしてもいいんだけど、なんで南の島なのか。
南の島ならヒロインはみんなビキニで、観客が喜ぶというビジュアルの都合だ。
西表島のヨナラ水道あたりを舞台にすれば、ジンベエザメやマンタも主要キャストに動員できるぞ。
観客を動員するにはミステリーの要素も必要だ。
ある日、日本電力総会社の上役から、ヒラ社員の主人公に、発電所に不具合が生じているので、ちょっと点検に行ってくれと指令がくる。
そこで主人公は同僚の数人とともに、南の島にある発電所に点検に行くんだけど、同僚のなかにものすごい美女も混じっているというのはお約束ごとだ。
わたしの希望としては深田恭子みたいな、いくらかコロコロタイプの肉体派がいいけど、ダメかしら。
主人公たちはドローンでもいいし、未来型の航空機でもいいし、あるいは超高速ホーバークラフトでもいいし、それに乗って発電所まで行くのだ。
映画はあくまでそのころの未来を描くものなので、このへんで大道具小道具におもいきり想像の羽を広げることにする。
しかしミステリーやビキニの美女は添え物にすぎない。
女の子がいまより乱脈で、フリーセックス当然なんてことにすると、安っぽいアメリカ映画かポルノになってしまうから、このへんはあくまでさりげなくビキニを見せるだけにしよう。
映画の主要テーマは、再生可能なエネルギー・システムが完成した未来社会を描くことなのだよ。
さて海中発電所だ。
ここはCGを思いきり駆使して、海の中に全長が数百メートルにもおよぶ巨大なタービンが設置されてなければいけない。
これだけではまじめすぎる科学映画になってしまうから、一連の点検作業を追いながら、同時に人間社会の暗部も描いて、すこしはドラマの要素も取り入れることにする。
大地震があって津波が来たり、電気料金の値下げデモがあったり、電力総会社の幹部に腹黒いのがいて、政治家の忖度ばかりするとか、気に入らない部下を南アフリカに飛ばすとか、あ、これは現実のどこかの公共放送局に近すぎるな。
このあと潜水艇やダイバーによる点検のようすが描かれるんだけど、どうしても不具合の原因がわからない。
このへんがミステリーの真髄で、これでこそ2001年に匹敵するスリリングなドラマになるのだ。
ヘタな映画会社ならすぐに某国のスパイが暗躍したとか、未来からやってきたテロリストの破壊工作ということになるけど、これはスピルバーグやジェームズ・キャメロンの映画になってしまうからボツ。
最後にようやく発電システム不調の原因がわかる。
人間には理解されてなかったけど、動物のなかでは高度な知性を持つとされるタコ、あの軟体動物のタコが複雑な暗号キーを解読して、コンピュータ室の扉を開放してしまったのだ。
これなら一見すると科学的のようで、なおかつ意表をつく結末だから、ウェルズの「宇宙戦争」に匹敵するような傑作になること請け合いだ。
ラスト・クレジットに「地球は人間だけのものではない」というセリフをつけ加えれば、ますますテーマは崇高なものになるだろう。
こんな空想にひたっていると、ほんとうに楽しいし、退屈しないねえ。
アイディアの著作権は申請しないから、どっかの映画会社が作ってくれないかしら。
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