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2025年1月23日 (木)

聖職者

トランプさんが聖職者に、移民に哀れみをと説教されて仏頂面。
もちろん移民のすべてがケシカランということはないし、ほとんどはまじめな労働者だろう。
しかしトランプさんの仏頂面に共感できる部分もあるんだよね。

アメリカには「出生地主義」というものがある。
生まれた場所がアメリカなら、誰でも自動的にアメリカ国籍をもらえるというものだけど、これは憲法に明記されている、トランプさんの一存で変更はできないと、トランプ嫌いの議員たちが騒いでいるそうだ。
うーんと、これは西部開拓時代の遺物じゃないのかね。
広大なアメリカ大陸に白人がほんのわずかしかいないころ、アメリカにはできるだけ多くの移民を受け入れたいという事情があった。
主人だけでは国の運営はうまくいかないので、まっさらの土地を拓くには、できるだけたくさんの奴隷が必要だったというわけだ。

そこでアメリカは移民によって成り立つ自由の国であることを憲法にも明記した。
やって来たい人間はだれでも来い。
移民の地位は憲法で保障してやるからと。
この憲法はたしかに出来た当時は問題がなかった。
しかし現在のアメリカはそれほど多くの移民を必要としていないし、かえって移民の弊害も目立ってきた。
無制限に移民を受け入れられる時代は終わったのだ。
いつかは誰かが憲法を修正しなければならない時期が来る。

いまはあらゆるものが急激に変化しているときだ。
トランプさんがいったからケシカランではなく、憲法違反というのが正しいかどうか考えてみる時期じゃないかね。
わたしはやみくもにいちゃもんをつけているのではなく、物事にはいろんな見方があるという見本のために言っているのだ。

移民が増えたおかげで、もともとそこに住んでいたマイノリティは、ほとんど絶滅寸前になった。
どれだけ多くのアメリカ・インディアンが、神の加護もなしに西部の土に消えただろう。
  ここに来て荒野のクルス見るよかし
        草に埋もれた名もなき墓を

宗教ギライのわたしは、トランプさんと必ずしも同じ意味じゃないけど、哀れみをなんていう聖職者に偽善を感じてしまうのだ。

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